詩: izchan
ツイッター:しぇりーいすちゃん @izchan1
※転載:詩集『不思議の泉』p.233-235 より
イラスト: トラ太郎さん
ツイッター:トラ太郎 @torataro123
登録スタンプ:トラ太郎のクマさんとうざちゃん
子ぎつね踊る
勹 の夜
ブッ・ポウ・ソウのなぞをかけ
ざざんと
闇に
波うって
月を
、食(は)む
ドンとつまり << ダイナマイト・プランジャー!>>
月を
、開(あ)く
ぶっとび
発破
かけたら
さんざめくホオの葉ぬけて
ほらら、
金いろの丘
○ ○ ○

ああ、赤い
まわたのように始めて、赤い
が)カランカラリと子ぎつねの海から、はてさて
懐中時計のトックントクリに、
莟むばかり
と)モノ申すのです。
それは 勹 の夜のこと。
ブッ・ポウ・ソウの、とおく、ちかく
ひとり何処にもゆきませう。
なんどと
ささやきかかる、月を食(は)む。
擁姿なき音の、今しがた。
くりこしてある、月を開(あ)く。
ああ、赤い
はじけかかった白が、赤い
が)カランカラリと子ぎつねの母さま恋しに
ほらら、
木葉木菟はeye
の振子時計をトックントクリと
ほらら、
アイ、に合わさり
ゆけば、もうろう空気は遠い近い
の森のみち
と)モノ申すのです。
ざざめく、
おっきなホオの手くぐったら
ひしめく、
とがったモミの髭ぬけたなら
――――蒼い海、
――――――碧い海、
――――――――青い海、をかかげて森のそらには
金いろ月。
まる鷹ぼうしの守のように
シテして、
子ぎつねカランカラリと、
子ぎつね跳ねた 勹 の夜のこと。
トックントクリと、
熟れて、
弾けて、
たまごの仕組みは、宇宙(ボオル)の海に昔からあった時計なの
その憧れは始まりの、炎(ポウル)だから
と)モノ申すのです。
ああ、赤い
炎(ポウル)のような白が、赤い
が) 勹 からはじけた夜のこと。
○ ○ ○
扉体(ひたい)のむこうは、料理店『勹(つつむ) radical wrap』の夜の厨房。
子ぎつねシェフは、密かに創作中。
【 勹の夜 ~木の匙より 】