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2008年01月11日
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テーマ:『BLEACH』(613)
カテゴリ:いじりの話
今日は一護。
かなりシリアスを狙います。
ではどうぞ。



・・・・ずっと昔のガキの頃。
俺はよく泣いていた。
転んだくらいじゃ泣かねえけど、妙に負けず嫌いでよ。

空手でたつきに負けてよく泣いてた覚えがある。
そんなとき、おふくろによく言われてたっけ。

「ほら!男の子が泣かないの!それに一護はお兄ちゃんなんだもの。ね?」
言いつつ、涙やら鼻水やらでぐしゃぐしゃになった俺の顔をハンカチで拭いてくれていた。

優しいおふくろ。
・・・大好きだった。

俺の名前は「一つの事を護り通せるように」と付けられた。
そして、俺はその頃すでにその護り通すべき一つのことは「おふくろ」だと決めていた。
当然妹たちだって護らなきゃならねえ。

だから強くなりたかった。
それで始めた空手だが、同じ年のたつきにいい様にあしらわれて、それが本気で悔しかったんだと思う。
まあ、そんなんじゃ、どう考えてもおふくろや妹たちを護るなんて無理だしな。
けど、少しずつ強くなっていってる実感てのはあって。
これからも一生懸命強くなろうと思っていた。

そんな俺が9歳だった6月17日。

・・・おふくろが死んだ。

・・・俺を庇って死んだんだ。

あの時何が起こったのか、一緒にいたはずの俺は何も覚えていない。
小さい女の子が川に落ちそうになっているのを何とかしようと駆け出した俺をおふくろが、「だめ!一護!!」と叫んだのは覚えている。
だが、次の記憶は既にこと切れているおふくろに、護られるように抱えられていたことだった。
なんとかおふくろの下から這い出ると、ガキだった俺にも「もうかあちゃんは助からない」とわかった。
降り続く雨はおふくろの体温をどんどん奪っていくのが分かった。

それから暫く俺の記憶はあいまいだ。
おふくろの葬式の記憶が無い。
夏梨や遊子が泣いているのは覚えているけど。

その後の記憶と言えば、仏壇に花がいっぱい添えられて、おふくろの写真が飾られている記憶だ。
「なんでこんなところに、おふくろの写真が飾られてるんだろう」と、ぼんやりと不思議に思った事を覚えている。

フラッシュバックと言うらしいが、夢の中であの光景を何度も見て叫び声を上げながら毎日夜中に飛び起きていた。
そんな俺の頭を撫でてくれたのはおふくろの手ではなく、何時もなら何が起ころうとイビキをかいて寝ていた親父の手だった。

初七日が終われば、小学校に通い始める。だが、俺は気がつけば<あの河原>に足が向かっていた。

探してたんだ。あの時、俺が助けようとした小さな女の子を。
あの女の子なら、あの時何が起こったかわかるんじゃねえかと思って。
どうやら、警察も大分その女の子を探したらしいが、近所にもそんな女の子はいないということだった。
けど、どうしても諦められなくてよ。あの女の子をあの河原でずっと探してた。

たぶん、ユーレイなのかも、って思ってたけど、ユーレイだろうが生身の人間だろうがそんなことはどうでもよかった。とにかくあの時、何があったのか聞きたかった。

河原をウロウロしつつ、必死で考えていたのは、どうしたらおふくろを死なせずに済んだのかということだった。
けど、状況も何も分からねえ俺が、考えられる結論は「あの時行かなければよかったのに。」と言うことだけだった。

俺のせいだ。
おふくろが死んだのは。
俺があの時飛び出さなければ、おふくろは死なずに済んだんだ。

悲しくて・・悲しくて・・けど不思議と涙が出なかった。

『ほら!男の子が泣かないの!』

・・男は泣いちゃいけねえんだ。おふくろが言ってたじゃねえか。
それに俺が原因でおふくろは死んだんだ。
俺には泣く資格なんかねえ。

記憶はあやふやだったが、親父の涙を見た覚えがないから、親父だってきっと泣いてねえんだと思う。
けど辛くねえわけがない。
俺は・・親父にもそして、夏梨や遊子にも・・おふくろにも・・家族みんなに最大の迷惑をかけた存在だと思っていた。まァ・・それは今でも変わっちゃいねえけど。

何かをしなきゃ、この罪を少しでも償える何かを。
少なくとも、その時の俺は、あの女の子を見つけて話をすることが、俺のすべきことだと思っていたわけだ。

学校に行っていないのがバレたのか、親父と妹たちが河原へ俺を探しに来た。
心配したんだろう、妹たちは俺を見るなり泣き出した。
大丈夫だと笑ったつもりだったんだけど、何の意味も無かったみてえだ。

流石に俺をしかるかと思った親父だが、何も言わなかった。
目が合うと、驚いたことにその眼には見る見るうちに涙が浮かんできた。

一度として見たことのなかった親父の涙だった。

『ああ・・俺・・・泣いてもいいんだ・・・。俺は・・一人なんかじゃねえんだ・・。』


孤独と絶望で一杯になっていた俺の小さな心に、親父の光る涙が光を差し込んだみたいだった。
堰を切ったように涙が流れ出るのが分かった。
腹の底から声を出して泣いた。

・・家族みんなで泣いて泣いて・・・泣いて・・・。
一晩中泣いて・・みんなで泣き疲れて眠って。

翌日、目がみんなパンパンに腫れてるのを見て。
そのあまりの不細工な顔にみんなで思わず笑いあう。


・・・・家族みんなが同じことで笑った久しぶりの事だった。


多分、親父は俺の為に涙を見せたんだと思う。
泣けない俺の為に、自分が口火を切ったんだ。

「本当に泣きたいときは泣け。
ただし、腹の底から・・魂の底から泣け。

そして、次の日には顔を上げて歩け。」


親父は何も言わない。

けど・・俺が親父から教わったそれが涙の作法だと思う。






なんちゃって。




映画を見に行っていじりたくなったNo.1ネタ。
また近いうちに見に行かねば。





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最終更新日  2008年01月11日 15時39分50秒
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