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2010年10月14日
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テーマ:『BLEACH』(613)
カテゴリ:いじりの話
今日は砕蜂。
スナピさんからのリクエストです。
なんでも、砕蜂が二番隊隊長になったばかりのころをご希望だそうで。
久し振りだなあ、砕蜂。

ではどうぞ。


・・山本総隊長の声が、静かに、だが確実に部屋に響き渡っている。

「それではこれより新任の儀を執り行う。」

一番隊のこの部屋に集められた居並ぶ隊長たち。
皆厳粛な顔で、儀式に臨む。

「以前より空位であった二番隊隊長として、同隊第三席が自ら候補として名乗りをあげ、この山本元柳斎、ならびに隊長3名の立会いの下、隊首試験に手隊長資格を検分。
その能力・人格に申し分無しと結論した。
ここに、元・二番隊第三席、砕蜂を同隊十二番隊新隊長として任命する。
同じく砕蜂は、同じくして隠密機動総司令官及び同第一分隊「刑軍」総括軍団長も兼務する。」

並んでいた京楽が呟いている。
「これまた凄いエリートが現れちゃったなあ。いやあ、凄い凄い。」

私語を聞き咎めるように、総隊長が京楽の方を睨みつけるのが見える。
途端に首をすくめ黙る京楽。

・・下らん。
総隊長が昔の師かどうかは知らんが、何時まで生徒のつもりだ。
こんな奴が隊長でも古参の部類に入るとは・・聞いてあきれる。

エリートだと?
どこがだ。
あの裏切者が務められていたくらいだ。
この私が・・出来ない筈がない。

・・長かった。
ここまで来るのに死に物狂いで鍛錬に鍛錬を重ね、誰よりも努力をしてきたという自負が私にはある。
それでも、ここまで来るのには長かった。

あの裏切り者が行方をくらませて以降、二番隊隊長の候補は迷走を極めていた。
二番隊隊長だけならばまだしも、二番隊が隠密機動をも統括していた為、その両方を統括できる者が居なかったからだ。

候補となりうる者は浮いては消え、消えては浮かび、また消えた。

・・当然だ。
誰があの椅子に座らせるか。
あの場所に座っていいのは私だけだ。
私以上に、あの場所に執着する者など居はしない。

・・誰にも・・誰にも渡さない。

その為に主義に反した卍解を総隊長たちに晒したのだ。
卍解などしなくとも、私の実力は分かっている筈だ。
だが、隊首試験に卍解を披露しなければならないという規定がある。
あの無様な卍解を見せる事が、どれ程屈辱的な事か余人には解らんだろう。

だが、それでも欲しかった。
何としてでも欲しかった。
あの裏切り者が座っていた・・・寸紛違わぬ同じ場所が・・。

就任の儀が終わり、二番隊へ戻る。
私が向かったのは隊首室だ。
今まで何度も入った事はある。
だが、自分のものとして入室するのは今が初めてだ。

広い板敷きの間に置かれた座椅子と脇に置かれた文机。
人払いをし、ゆっくりとその椅子に腰かけた。
あの裏切り者はだらしなく、何時も膝を立てていた。
だが、妙にそれが様になっていた。
そう・・たしかこのようだったか。

・・四楓院夜一・・。
・・生きているのだろう?この世のどこかで。
・・貴様がそう簡単に死ぬはずがない。
・・どこかで息を潜めて生きている筈だ。

隠密機動の度重なる捜索も、夜一の行方の手がかりはつかめなかった。
ただ、現世に渡ったらしいとしか。
私自身も捜索隊の指揮をしたが、やはり手がかりは無かった。
これほど手を尽くして捜して見つからないならば、死んだのでは、という者も居た。

・・・そんな筈があるか。
生きている。
あの裏切り者は必ず生きている。
いや、生きておらねば許さない。

・・貴様が死んでいいのは只一つ。

・・この私の手にかかることだけだ。

・・夜一。
貴様は今身を隠し、鍛錬を忘れ、さぞかし衰えているだろうな。
だが、私は違う。
今の私は貴様が知っていたあの頃の私ではないぞ。夜一。
貴様が座っていた場所は全てこの私が取ってやった。
犬のように貴様の周りをじゃれ回っていた私が今こうなっているのを見れば、貴様は一体どういう顔をするだろうな。

・・貴様の顔が見たいものだ。
<・・・アイタイ・・>

・・そして貴様と戦ってやる。
貴様は私の力に驚くだろう。必ずな。
<・・・ワタシ・・コンナニガンバッタンデスヨ・・?>

そして立場が最早逆転している事に気付くのだ。
<・・ガンバッタワタシヲ・・アナタハ、ホメテクレマスカ・・?>

だが私は許さんぞ。
貴様を地に這いつくばらせ、額を地にすりつけて私に命乞いをさせてやる。
<・・ソシテ、アヤマッテクレマスカ?>

・・・必ず詫びさせてやる。

・・・貴様を崇拝していたこの私を裏切った事を。


<・・コノワタシヲ・・イッショニツレテイッテクレナカッタコトヲ・・・>


今はいい。
そのまま潜んでいろ、四楓院夜一。
誰にも見つかるなよ?
誰かの手にかかるなどもってのほかだ。
貴様は私が見つけ出してやる。
それまでどこぞでそのまま潜んでいるがいい。


・・貴様が死んでいいのは只一つ。

・・この私の手にかかることだけだ。



・・この私が必ず貴様を見つけ出す。

・・それまで・・首を洗って待っていろ。


・・四楓院夜一・・・!!!


<・・アナタヲ・・・シンジテイタノニ・・・>


なんちゃって。


ツンデレパワー全開にしてみました。
こんな感じでいかがでしょう(笑)。
久々の砕蜂。
外してなければいいんですけど。







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最終更新日  2010年10月14日 23時02分26秒
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