2009/12/30(水)22:04
プロの仕事。
沖縄の友人が送ってくれたお菓子をかじりつつ、きょうもコタツでゴロゴロしながらテレビ三昧。
BSでやっている作詞家作曲家の半生と作品を紹介する番組が面白い。
きのうは作曲家の船村徹さん。きょうは作詞家の吉岡治さんだった。
吉岡さんの代表作は「さざんかの宿」や「命くれない」、「天城越え」など。女の情熱を書かせたら当代一と言われているそうな。
サトウハチローさんの元で3年間修業を積み、作詞の世界に入ったとか。
ほ~…と思いつつ見ていたら、美空ひばりさんの「真赤な太陽」も吉岡さんの作だと知ってなおさらホ~。
それ以上にホォ~だったのが「八月の濡れた砂」。学生闘争が学生側の(大まかに言うと)敗北に終わり、行く先を見い出せない若者の気持ちを気だるい歌唱の石川セリさんがしっかり表現していた、あの曲も吉岡さんの作だった。
他にも「真夜中のギター」やアニメ「キャプテン翼」のテーマソング「燃えてヒーロー」、童謡「おもちゃのチャチャチャ」(野坂昭如さんの補作詞)など、その作風の多彩さに驚く。
いや、単に多彩さに驚くと言うよりも職業作詞家の凄味を感じるなぁ。
それはミリオンセラーを記録した「大阪しぐれ」に対する分析にも見られる。
100万枚のヒットにも、吉岡さんは納得がいかなかったそう。自分の詞は観光絵葉書みたいなもんで隙間だらけ。もっときちんと書きたかったと言う。
でも、歌った都はるみさんの言葉が面白い。吉岡さんのこの詞は、少ない言葉に想像力が働くと言う。自分なりに想像力をふくらませ、心を入れていくことが出来る詞なんだとか。
すべて言い切らない。歌い手聴き手にイメージをふくらます余裕を持たせることが大事ということかな。
この曲に隙間の大切さを教えられた吉岡さんは次々とヒット曲を産み出して行く。
プロの仕事ぶりって、面白い。
確かに「間」は大事、それは番組でも同じ。作り手の伝えたい言葉や映像で埋め尽くしてしまうと結局見ている人に思いが伝わらない番組になってしまう。
受け手の想像力を喚起し、受け手の思いもあいまったところに完成があるってことかなぁ。
難しいね。