電車代に消費税はかかっているのか
先日、小田急線を利用しました。驚いたことに、近距離の切符売り場(自動券売機)でボタン1つ押せば領収書が出てくるしくみになっていました。ちょっと興味があったので領収書をもらってみました。「取引内容:乗車券 金300円」 とだけ書いてある領収書。 笑えるくらいシンプルでしたが、立派な領収書です。 ところで、電車代に消費税がかかっている、ってご存知ですか? 公共交通機関の運賃については、切符売り場などに消費税に対する表示がされていないことも多いため、消費税は非課税、または税外と考えている方、多いようです。 しかし、交通機関の運営会社は消費税法上の事業者にあたりますし、運賃も「人又は物品の運送」という役務の対価ですから、当然、電車やバス等の運賃は消費税の課税取引になります。 たとえば、210円の電車代を支払った場合、税込み210円、もしくは税抜き200円(消費税10円)と処理するのが正しいわけです。 回数券も同様で、20枚綴りで3150円の回数券を購入した場合は、税込み3150円、もしくは税抜き3000円(消費税150円)と処理します。 電車等のプリペイドカード(イオカード、パスネット等)の購入についても、回数券と同様に課税取引として処理することができます。 本来、プリペイドカードは非課税の物品切手等にあたりますので、購入時は非課税取引、利用時に課税取引として処理するのが原則ですが、事業者が購入時の取引を継続して課税取引にしている場合には、課税取引での処理が認められます。 購入時と利用時に別々に処理するのは面倒ですから、初めから課税取引にしておいた方が実務的です。