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2005/08/11(木)22:25

七年目の恋(レクイエム)

僕の仕事。 相変らずルートセールスの仕事は楽だった。決まった店を回り決まったルートで一日15軒の店を車で回る。難しい事も無くただ淡々と仕事をこなす毎日だった。ただ、給料は安かったので休みの日は時間を持て余した。休みの日は何をするでもなく、お金も無いし、ただ家に居るだけだった。会社の友達の誘いでカラオケに行ったり友達の女の子を紹介して貰ったりしたが、どの子とも長続きしなかった。毎日が不完全燃焼の様な毎日だった。「何かが違うなぁー?僕が望んだ生活なのに何かが違う」そんな毎日だった。ある晩僕は冴の夢を見た。夢の中の彼女は泣いていた僕はどうする事も出来ずに彼女を抱きしめようとするが彼女は僕の腕からこぼれて行った。何が悲しいと言うのだろう?彼女は何も言わない。僕は夢の中で彼女の涙の訳を考えた。 「どうしたらいいの?君は僕の所から離れて行ったくせに!」君を守りたいと思ったけれど僕はそんなに頼りない男だったのだろうか?男が女を守るってどういう事なんだろう?仕事に自信がある事だろうか、それとも生き方に自信がある事だろうかそしてお金がある事だろうか?全ての事柄を自分の思い通りに変えて引っ張って行く力がある事が男にとって重要なんじゃないだろうか?もっともっと僕には人生において成功させなければいけない事がある。冴を失った時自分の力ではどうにもならない世の中の壁を感じたハズじゃないか?もっと上を見なくちゃ!そう思ったとき僕は目が覚めた。僕はもう一度自分の心の声に耳を傾けるべきではないかと思った。それは一度しかない人生だから僕が何処へ行こうとしているのかは、僕が一番知って居るはずだからだ!きっと、冴と出会ったから今の僕がいるのだから。                          つづく。

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