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雀坊の納戸~文鳥動向の備忘録~

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2013年03月12日
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 先日、以下のメールを頂きました。

≪件名≫「4歳になるメスの桜文鳥の件でご相談させてください」
≪内容≫「今回、桜文鳥が最近少しですが元気がないようで、元気がないのと卵があるかと思っていたのもあり、卵が詰まってしまったのかと思い受診しました。
診断は、卵ができる臓器の中に腫瘍または小さな卵みたいのがたくさんできて詰まっている状態で外科的な処置が必要と言われました。
検査は、レントゲン→エコー→造影をして診断されました。
もともとかかっている鳥を見れる病院であり信頼はしています。
しかし、オペとなるとリスクのほうが大きいような気がして即答はできず、今も受けるべきか迷っています。
元気に長生きしてくれるならと思うのですが、こんな小さな子に手術を受けさせるのかと飼い主のエゴなのか、この子の寿命として受け入れるのかと考えます。また、治療法があるのに受けさせないもの申し訳ない気がします。
獣医さんからは、やはりインコよりもフィンチは症例数も少なく、身体も小さいのでリスクは高いと言われました。
少しわかりづらい面もあると思いますが、どう思われますでしょうか?

 どう思うか、正直に答えました。「繁殖期の鳥の卵巣には「小さな卵みたいのがたくさんできて」いるのが、当たり前」なので、「(そのようなことを説明する獣医さんがいれば)何を言っているのか、不思議な生き物を見るような目になってしまう」し、「レントゲン→エコー→造影」で、小鳥の卵巣の中の腫瘍が判別できたら、世界的なニュースと言うべきで、さらに卵巣を切開して腫瘍部分のみを切除することが出来たら、それは神様もびっくり」です。といった内容・・・。
 実際に、飼い主がそのように理解する説明をしているとすれば、獣医師資格を持っているのを疑わねばならなくなるほど、無茶苦茶なのです。もちろん、獣医さんが本当にそのように言ったのかはわかりません。しかし、飼い主にそのような受け取り方をさせているだけでも、かなり問題があるように思います。

 皆さんは、鶏肉に「キンカン」と呼ばれるものがあって、金柑の実のようなコロコロしたものが大小たくさん存在するのを、ご存知でしょうか?私が幼い頃、調理惣菜となっているそれを買ってくることがあり、苦手としていたのですが、それはともかく、これこそがニワトリの卵巣で、コロコロの金柑は黄身=卵子なのです。つまり、鶏の卵巣内では、卵子が順番に成長して排卵を待っているのですが、それは、繁殖期の文鳥でも同じことと考えられ、少なくとも産卵が始まる状態では、卵巣に複数の卵子が存在しなければなりません。
 また、皆さんは、25グラム程度の極小の生き物の、小指の先ほどの器官に生じる悪性腫瘍を、「レントゲン→エコー→造影」で診断できると思われるでしょうか?臓器の内部を撮影しての診断は、残念ながら現在の科学レベルでは人間の医療であってすら不可能です。それが可能なら胃カメラなど存在しません。そもそも人間の卵巣腫瘍にしても、内部の話ではなく外側の表面に生じて初めて気づくこともあるだけで、その確定診断にはCTもMRIも腫瘍マーカーも必要となり、「レントゲン→エコー→造影」で診断出来るものではありません。

 これは別に医学の専門職でなくても知っている人が多い、ほとんど一般常識レベルのお話です。従って、「卵ができる臓器の中に腫瘍または小さな卵みたいのがたくさんできて詰まっている状態で外科的な処置が必要」は、呆れ返った話になってしまいます。
 そもそも、何をどのように「外科的処置」してくれるのでしょう?本当に。卵巣を切開して中の腫瘍を取り除くつもりでしょうか?それが成功したら、人間の手術としても前例がないと思います。人間ですら、極小の臓器である卵巣の外部から腫瘍部分だけを取り除くのは、おそらく不可能なので、全摘出になってしまいます(だから女性は精神的にも苦しむのです)。より小さい小鳥の臓器を内部切開して病変部分の摘出するのは、夢物語でしかないでしょう。そして、鳥の卵巣は切除してしまうとほとんど予後不良(亡くなってしまう)とされるので、産卵を外科的に止めることが出来ずに困っているのが現実なのです。そういった現実を知っていれば、あまりに無茶苦茶なのです。

 この説明の仕方の特徴から、私は某動物病院を連想し、セカンドオピニオンを薦めました。私の主観からは、デタラメな説明をして不必要な医療行為を行う悪徳獣医のカモになっているようにしか見えず、何より文鳥の身が心配だったのです。何の問題もないのに、少しお腹を切開して縫い合わせ、治療費を請求するなら、もともと大して問題はないので、多くは無事に退院出来るでしょう。問題があったと思い込まされている飼い主なら、おかげに助かったと信じても不思議はありません。治療費が高額なものとなっても、後悔せずに済んだと喜ぶに違いありません。しかし、そのような治療的な意味合いのない手術でも、危険性はあります。入院によるストレスも大きいです。結果、入院中に亡くなってしまう可能性もあります(犬猫では事例がありますが、小鳥については風聞なので断定はできません)。

 溺れる者がワラをつかんでも沈むだけです。残念ながら、信じる者はカモられることも多いのが現実です。
 飼い主は、自分のペットに不調があれば(不調があると獣医に言われれば)、慌てるのは当然ですが、だからといって冷静さを失ってしまえば、悲運の可能性が増大するだけです。獣医さんを信頼しなければ、治療などできませんが、信頼できるか否かをしっかり見定めなければいけません。一度信頼しても、客観的に検証し続けなければいけません。獣医さんを疑うというより、自分の判断力を常に疑うべきでしょう。何となく他人任せにしてきた人には、大変なことのように思えるかもしれませんが、賢い生活者として、飼い主として、自分の身と文鳥の身を守るために、しっかりと自分で知識を集め、自分でそれを身につける努力が必要だと思います。
 私を含め、飼い主のほとんどは、医療の専門家でも、栄養学の専門家でも、そうした関連がありそうな専門分野の研究者ではありません。しかし、生活する上での知識は、素人なりに蓄えなければいけません。文鳥道、精進、精進です。






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Last updated  2013年03月27日 22時00分51秒
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