5219095 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

雀坊の納戸~文鳥動向の備忘録~

PR

全12件 (12件中 1-10件目)

1 2 >

獣医さんの「みかた」

2013年07月31日
XML

▼専門外で評価を下げるなかれ▼

 東京でエキゾチックアニマルの診療やご研究をされている獣医さんのサイトに、「カナリーシード、エンバク、トウモロコシは過剰に脂質が含まれるため、与えすぎには注意が必要です」と書かれているのを見かけました。この獣医さんが、どのような認識を元にして「過剰」とされているのか、残念ながら、うかがい知ることは出来ませんが、これは、はっきりし過ぎた誤りです。
 えん麦とトウモロコシについては、人間の食用にもなるので、その栄養成分は明瞭になっています。例えば、文部科学省の食品データベースで検索すれば、えん麦は5.7%トウモロコシは5%だと、誰にでもすぐにわかってしまうのです。そしてその数値は、人工の小鳥用総合飼料のペレットに含まれる脂質の数値と同等かそれ以下に過ぎません(米国ハリソン社『ADULT LIFETIME SUPER FINE』6%以上、米国ラウディブッシュ社の『メンテナンスダイエット』7%以上)。
 つまり、5%台の脂質を過剰だと主張すれば、ほとんどのペレットは否定されなければならなくなります。何しろ、穀物を主食とする場合なら、副食として青菜など脂肪をほとんど含まないものも与えるので、総摂取量に含まれる脂質の割合はより低下しますが、総合栄養食だけを与えていれば、その表示の割合のままの摂取されることになるのです。また、もし3%なら可で5%なら不可などと、誤差の範囲程度の細かな違いを分けてお考えなら、そのわずか数パーセントによる有為な相違を、科学的に実証していただきたいものです。
 この点については、「ペレットは次善に過ぎず」と題して、数ヶ月前に書き散らかしましたが、脂質が一桁であれば、アワ・ヒエ・キビなどの雑穀もペレットも、当然ながら、カロリーに有為な違いは現れません。そもそも、「カナリーシード、エンバク、トウモロコシは過剰に脂質が含まれるため、与えすぎには注意が必要です」などとする断定は、これらの穀物の脂質含有率を認識した上での主張とは、私には思えません。むしろ、脂肪含有率が数十パーセントに及ぶ種実類と、初歩的な混同をして思い込んでいるだけなのではないでしょうか?つまり、過剰なのは、脂質ではなく、この優秀な獣医さんの思い込みの方だと思うのですが、いかがなものでしょうか?

 獣医学の研究や、臨床技術において評価されるべき優秀な獣医さんでも、己の思い込みが、偏頗で幼稚な非科学的なものである事実を自覚しないままに年月を経過し、ごく初歩的なミスを起こすこともあるでしょう。むしろ、学者というのは、『学者馬鹿』と言われるように、専門外のことには非常識な人も多いとされていますから、穀物の栄養的な問題が、基本的には獣医療の専門外である以上、それについての獣医さんの主張が、中卒でも高卒でも無資格でも何でも構わない小鳥屋のおっちゃんの店先トーク同様に、眉につばして検討しなければならない程度のものであっても、不思議はないのかもしれません。
 小鳥のエサについて、ごく単純な事実誤認に基づく自説を、「飼育指導」などと称して語る獣医さんがいても、それとその人の医療技術はまったく別のはずです。しかし、「上から目線」で指導された内容が、まったくデタラメなことに気づける程度の知識がある飼い主にとって、そういった獣医さんの態度が、どのように映るか、いちおうはサービス業の側面もあるはずですから、少しお考えになって頂きたいものです。すなわち、その獣医さんへの信頼を失墜させることになってしまい、さらに不審感が募れば、獣医さんに診せること自体を避けるようになってしまうかもしれません。
 別の地域の別の獣医さんですが、飼育の専門用語「落鳥」を誤用して語るので、うんざりさせられたとするお話を、最近教えていただきました。落鳥(らくちょう)とは、小鳥が死んでしまうことで、飼い主はあまり耳にしたくない言葉であり、獣医さんが口にするのは憚られる言葉なのです。「生兵法は怪我のもと」で、知ったかぶりは、無知な人には通じても、多少知識を持つ人からは軽蔑されるだけに終わり、本来、専門とする治療技術によって受けるべき尊敬を、台無しにしてしまいかねません。せっかく優秀な治療技術を持ち、多くの小鳥を救うことが出来るにもかかわらず、余計なおしゃべりで信頼を失い、助けられたはずの小鳥を遠ざけることにならないように、気をつけていただきたいものです。

 

 △カナリアシード無罪△

 さて、「カナリーシード、エンバク、トウモロコシ」は、比較的に低脂肪な穀類なので、穀類を主食とし、食の多様性が必要な種類の小鳥なら、その主食の一部に取り入れるのに、何ら支障はありません。少なくとも、「過剰に脂質が含まれるため」などとするのは、主張する者の無知を示しているに過ぎません。
 鳥が好んで食べれば、その食べ物が栄養を多く含んでいるからだ、と決め付けてしまう人は、大昔から多くいます。ごく素朴な思いつきなのです。しかし、それは非科学的な思い込みに過ぎず、実際は、人間の知る限りほとんど同じような栄養組成の食べ物でも、好き嫌いが生じます。まして、脂肪価が高く必然的にカロリーが高いから好むわけではありません。人間がそうであっても、動物が違うと思うのは、人間を勝手に特別な生き物だと思い込みたい19世紀以前の戯言で、嗜好性、好き嫌いは、どのような生き物にも存在し、それぞれの生き物が、それぞれの生き物に適した食性を持ち、その食性に準じた「味覚」を持たねばならない以上、当たり前の話なのです。
 小鳥の飼い主は、それぞれの鳥種の食性を踏まえて、正しい栄養知識をもとに逸脱や冒険にならない程度に試行錯誤しつつ、それぞれの「味覚」を探っていくしかなく、文鳥のような古くから飼鳥化され、飼育下で繁殖し続けている生き物は、その点非常に有利です。すでに、安全性が確かめられた選択肢が多いわけです。
 文鳥の場合、もともとが人間の栽培するお米や、野生の雑多な穀物を主食とする生き物と思われますから(人間の稲作文化に寄生することで繁栄した鳥種)、雑穀に類する「カナリーシード、エンバク、トウモロコシ」を主に与えたところで、不自然にはならないでしょう。そもそも、トウモロコシが不自然なら、アメリカ産のペレットを与えるのは不可能になるはずです。ただ、実際には、カナリアシードを好む者が多いはずですが、えん麦はあまり食べないかもしれず、また、乾燥したトウモロコシは、大きすぎて食べることが出来ないと思われます。飼料として考える場合、それぞれで異なるわけです。
 もし、カナリアシードばかり食べるとしても、その脂肪含有率は10パーセント未満と考えられますから、昔から盲目的に信じられているように、カナリアシードばかり食べても脂肪過多になる理屈は存在しないと思われます(過食で太る可能性はある)。ただ、食の多様性の面で、ヒエやアワやキビなど他の穀物も与えるべきだ、と考えられる程度のことです。
 しかし、案外に思われる人もいるかもしれませんが、カナリアシードばかり与えても喜ばなくなると思います。私は、20数羽の放鳥時間中、カナリアシードを好きなだけ食べられるようにしていますが、カナリアシードだけを食べ続ける文鳥は一羽もいません。ペットショップから連れてきた成鳥は、始め、エサをひっくり返しつつカナリアシードを選んで食べていますが、やがて何でも食べるようになります。これは、文鳥にとってカナリアシードは、「味覚」に合ったわりに好きな食べ物ながら、ペットショップのエサの中では配合割合が少ないので、それにこだわるようになり、やたら好物に見えるだけなのかもしれません。つまり、好きなだけ与えればこだわらなくなるのに、脂肪価が高いというウソを信じて制限するので、かえってそれを血眼に探すような悪循環に陥っているケースが多いように思われます。

 飼い主にとって、愛するペットの食べ物は、とても気になる話題です。それだけに、いろいろと間違った情報も多くなります。思い込みで、自分の文鳥の「味覚」を阻害しないように、気をつけたいものだと思います。







Last updated  2013年07月31日 18時31分30秒
コメント(0) | コメントを書く


2013年03月20日

 日本で小鳥に詳しい獣医さんを探すと言っても、自分なりの尺度を持っていない飼い主が多いのかもしれません。そこで、私の見方を、あえて獣医さんの実名を挙げて、記しておきます。思い込みの部分もあるかもしれないので、参考までにして頂ければと思います。
 結論を先に言えば、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」で、獣医さんは本来、我々飼い主の強い味方なので、見方を間違って敵と認識しないようにも、少し余裕をもって、どういう人(動物病院)なのか、事前に少しだけ認識しておくと良い、です。

 日本における小鳥医療の草分けである高橋達志郎先生は、専門的な先達がいないので、自己流にならざるを得なかったと思います。しかし、先生の場合は、「巣引屋」(プロの繁殖家)として、ご自分で何百羽と飼育しそれを治療するのが、小鳥医療を深化させる動機となっており、10年に及ぶ実践的研究は空前にして、おそらく絶後の存在です。自分の小鳥たちを助けるためにいろいろ工夫し、亡くなってしまえば、はばかりなく剖検(解剖して死因を調べること)しており(「手ぢかな私の飼い鳥」を研究対象にし、「解剖した小鳥はじつに二千羽をこえた」と後掲書にある)、それは現在の臨床獣医さんには不可能な得難い研究環境なのです。そうした個人的、趣味的な長年の研究成果をフィードバックさせて、小鳥の専門医として東京都大田区田園調布に開業されたのは、1962年の昔です。そのお弟子さんとして研鑽を積まれ、技術を継承したのが(高橋先生は1994年にお亡くなりになっています)、さいたま市浦和区『バードクリニック』の石森先生であり、横浜市南区『グローバル動物病院』の広瀬先生になります。この方々は、フィンチ類(ジュウシマツ・ブンチョウなど)や小型インコ(セキセイインコ)といった、日本では圧倒的に飼育数が多かった種類についての膨大な治験を背景にしているので、信頼性は抜群ながら、高橋先生がすでに完成させた手練技術を引き継ぐ側面が強いため、最新技術の導入という側面には欠けてしまう傾向を持つかと思われます。つまり小型の鳥類の診療に無類の強みを持つものの、近年飼育数が増えている大型種の近代的な検査や診療では、飼い主の期待に沿いにくいかも知れません。
 一方、千葉県柏市『小鳥の病院』の真田先生、横浜市神奈川区『横浜小鳥の病院』の海老沢先生、東京都世田谷区『リトルバード』の小嶋先生たちは(真田先生と海老沢先生は確か神奈川県相模原市の『飼鳥野鳥病院』で研鑽された同門、小嶋先生は海老沢先生の元でともに治療に当たられていたので、弟分的な存在かと思われる)、修行段階では、高橋先生的な飼い鳥の小鳥の膨大な治験を持ちえなかったものの、大型インコ類の研究が進んだ欧米の技術を積極的に取り入れ、それを日本では飼育数の多いフィンチ類や小型インコにもフィードバック(「外挿」という表現より、こちらの方がわかりやすいかと思う)しながら、治験を増やされていると考えて良いかと思います。大先生の下で古風に完成された流儀では無いだけに、最新技術の導入に積極的で、互いに切磋琢磨し、より近代的な姿勢が感じられると言えるでしょう。この先生たちの、素晴らしいところは、そうした自己研鑽を自分のことで終わらせず、学会を作り、鳥の医療に関心のある獣医さんを研修医として受け入れ、その技術を他に広める努力をされている点にあります。この方々のご尽力により、我流ではなく、小鳥を正確に扱い診療する技術を持つ獣医さんが、全国的にも増えてきている点を、忘れてはならないでしょう。しかし、欧米、特にアメリカでの飼鳥は文鳥の飼い主にとっては残念なことですが、大型種が主となるため、その技術や飼育思想をそのまま日本の小型種飼育に当てはめてしまうと、飼い主との間で齟齬が生じてしまうことにもなります。つまり、小型と大型で分けるなら、大型の診療に無類の強みを持つものの、小型に関しては実際との矛盾も生じやすい傾向を持つと見なせるかと思います。
 小鳥の専門病院としては、このような2大系統あり、一方が古く零細化、一方がより新しく主流になっているといった感じだと思います。そして、今現在、志のある獣医さんが、犬猫が主で小鳥もみられるようにしたい場合は、後者、海老沢先生たちの学会『鳥類臨床研究会』などに参加しつつ、技術を取り入れていくのが一般的になりつつある状況のようです。

※ 高橋達志郎先生の開業の経緯については、先生の『小鳥のお医者』(1966年徳間書店)など参照。海老沢先生については、月刊『as』(アニマルスペシャリスト)という情報誌の2010年10月号に、大学卒業のわずか2年後の1997年に開業されたことが語られています(一部を立ち読みしただけですけど・・・)。なお、十姉妹好きの広瀬少年が高橋先生に憧れ名古屋から上京した話は、吉田悦子さんのブログにあります。まさに内弟子です。今現在の研修医を受け入れる、といった感覚との違いを感じます。

 今現在は、いずれにも属さず、小鳥を診療する獣医さんも多いようです。その内実は千差万別だと思われますが、これも新旧で分かれると見ています。一方は、昔から特に小型種を診る機会があり、自己流ながら治験を積み上げている老舗タイプの動物病院のケース、もう一方は「エキゾチックアニマル(エキゾチックペット)」(犬猫を除く生き物すべてを指すことが多いが、この用語を用いる獣医さんは爬虫類・両生類の治療を特に得意とされる方が多い印象がある)治療の一環として、鳥類の診療もこなすケースです。その治療技術は、動物病院ごとに大きな差があるはずで、専門性の薄い動物病院においては、小鳥を治療する機会が昔より減っている現状を考慮すれば、上記のような学会への参加や趣味的な自己研鑽がない限り、小鳥の臨床の積み重ねによって医療技術を進歩させることは、難しいかと思われます。ある程度、大きな規模がなければ、小鳥治療をする機会に恵まれないのです。従って、日本では飼育数が多い小型種ならまだしも、飼育数の少ない大型種では、見たことも触ったこともなく、手も足も出なくて不思議はないことになります。従って、大型インコの飼い主は、動物病院の選択幅が狭くなり、苦労されることになりますが、その点、文鳥などの小型種では、専門性が限定的でも十分なことが多いことになります。
 いずれにも属さず、小鳥の専門病院を称する動物病院は、とりあえずは、疑った方が良いと思っています。診療対象が他人の所有物である小鳥の場合、それを実験動物のようには扱えないので、新たな冒険的な試みは難しくなり、同じことを繰り返すだけになってしまい、つまり開業当初からほとんど進歩しないことになりかねないからです。高橋先生の門下のように、達人の師匠から免許皆伝を受けて開業するのなら安心ですが、そうでもなければ、開業時の低レベルが継続するだけになりかねないわけです。例えば、小鳥の臨床数が月に1,000を超えていても、同じことを同じように自己流で繰り返し、その臨床で得られた治療面の問題性を、公開して外部の批判検討を経なければ、その病院内限定のいびつな生態系に閉じこもって、あらぬ方向に進化しないとも限らないわけです。

 小鳥の治療には専門性が必要で、それを得るには、優れた師匠から長い年月をかけて学ぶか、短い期間で基礎的な部分を身に付け、後は学会などでの交流で絶えず研鑽を深めるか、しかないと思います。従って、どこでどれだけ修行したのかどれほどの熱意で鳥の医療に取り組んでいるのか、そしてそれが自分一人の思い込みに終わらないものなのか、といった点に気を付けねばならないでしょう。
 同じ小鳥専門でも、小型に強いか大型に強いか、飼い主である自分が、最新技術を望むか望まないか、1次医療と呼ばれるせいぜい簡単な切開手術レベルを求めるのか、さらに高度な専門性を必要とする2次治療を求めるのか、それぞれで動物病院を探す際の尺度は変わってきます。その獣医さんの修行先はどこか、鳥の専門性の高い病院を含んでいれば期待出来るし、どういった研究をしていたか、小鳥の治療に関する論文を公表されていれば、やはり期待出来ます。総合病院でも大きいところなら、鳥の臨床についての蓄積を期待することも可能ですが、専門を称していても、修行先が不明瞭なら少々疑わしくなってくる、といった感じだと思います。
 実際には、小鳥の扱いがしっかりできる獣医さんを見つけるだけでも大変な地域も多いはずです。しかし、文鳥のような小型鳥類では、それほど高度な医療が必要なケースは少なく、実際問題としては、それほど高度な医療は、技術的な限界により、施せないと考えても不思議はないのが現状です。従って、ホームドクターにあまり高望みする必要はないと、私は思います。首都圏に住む大型インコ飼育者と、まったく同じ問題意識を持つ必要がないでしょう。小鳥の扱いがしっかりできるように努力している獣医さんを、諦めずに見つけたいところです。

 臨床における飼い主に対する態度は、学んだ師匠の影響もあるでしょうが、多くはその獣医さんの個性で、また経営上の必要性でも変わってくるようなものです。さほど気にすることはないです。最新の設備は、人間でもそうですが、普通には必要としませんから、万万一の際は、そうした設備を持った専門性の高い遠くの動物病院に行くことを考えておく程度で良いでしょう。せっかく導入したので、必要もない普通の治療で、そういったものを使用されては、患者にも飼い主にもかえって迷惑な面も大きいだけで迷惑です。
 治せるか治せないか、技術面を追い求めていたはずが、気づけば、気が合うか合わないか、相性で判断する結果になることも多いです。しかし、詐欺的な医療行為の危険性もありますから、やはり実用性をまず踏まえなければならないでしょう。獣医さん側の対人面での不注意で冷静さを失わないように、あらかじめ、その動物病院の代表者が、どういった経歴を持ち、どういった傾向を持っているか、事前に調べておきたいところです。

※ 例えば野鳥診療を得意とする研究者肌の師匠の元で学んだり、動物園勤務の経験だけでは、飼い主への応対についての修行は不十分になるでしょう。もし、アメリカの動物病院で研修すれば、技量は上達しても、患者飼い主への説明は母国語ではないだけに苦労して、フラストレーションがたまり、何らかのトラウマを持っても不思議はないかもしれません。と、いろいろ勝手な想像ができれば、理不尽に叱りつけられても、感情的なしこりにはなりにくいかと思います。理想の獣医さんを求めれば、失望も大きくなりがちですが、相手は同じ人間なので、それなりに理解しようと努めさえすれば、(それが全くの的外れであっても)さほど裏切られた気分にならずに済むかと思うのです。







Last updated  2013年03月27日 21時58分31秒
コメント(0) | コメントを書く
2013年03月17日

 私が脳内抹消している動物病院を、高評価する人もいる。例えば、「柏」では「(飼い主の飼育の仕方が悪いから病気になったと)罵倒され」、「世田谷」では「今まで助けてもらえ」なかったとし、手術と入院で費用が「8万円」かかったものの、お腹の膨張が治ったと喜び、インコ飼育歴20年、パソコン情報収集歴10年で、ようやく信頼できる獣医さんに巡り会ったと、他人にも勧められているのを見かけた。
 確かに、それはそうだったのだろうし、気持ちはわからないでもない。獣医さんに、これまでの飼育方法を全否定されては、飼育歴が長ければ長いほど、思い入れが深ければ深いほど、反発を感じるのは当然で、獣医さんの「診療室トーク」などご自分たちが信じているほど説得力を持っていないことも多いので、納得出来なくて腹が立っても不思議はない。しかし、それは、動物病院に行く主目的である症状に対する治療とは直接関係がないのである。獣医さんの治療以外での発言は、個人的な意見のひとつに過ぎないので、「あ~、思い込みが激しいんだな」と聞き流しておけば良いはずなのだ。あまり腹が立つなら、「いらんことゆーなや、ボケぇ!」くらい、関西弁でぼそっと言ってみればその場で済んだものと思う。
 お説教したがり屋さんの獣医さんから見れば、『20年の飼育歴』といったあまり根拠にならない自信を持つ飼い主は、一番危険な存在に相違ない点を認識したほうが良いだろう。頑迷に昔の方法論を繰り返すだけの存在に見えてしまうらしいのである。従って、全力で(自分も頑迷だとは気づかずに)否定しにかかってくるわけだが、そういったその獣医さん個人の特性は、(有名なので)情報収集力と分析力があれば、予め認識出来たはずである。認識していれば、「あぁ~、なるほど、『困ったちゃん』が始まったか~」くらいにしか感じなかったのではなかろうか。
 「今まで助けてもらえ」なかったのは、今までが今より重篤なケースであった可能性が高い。危篤状態や不治の病では、どのような獣医さんでも救命は不可能なのは言うまでもない。むしろ、この飼い主さんが言うところの「柏」や「世田谷」が、私が想定する獣医さんたちなら、漏れ伝わる専門外の飼育面や栄養面でのどーしようもない非科学性や、飼い主に対する応接面での稚拙さを別にして、専門の小鳥の医療面でのみ評価するなら、日本では有数の存在のはずだ。従って、彼らであれば、8万円の開腹や手術を必要とせず、その場でちょいちょいと切開したり、穿刺するくらいで治った症例ではなかったかと想像するのが、むしろ自然であろう。

 ベテラン飼い主の経験論の落とし穴は、客観性に欠けることだ。自分が見た事実は自分の解釈を伴い、その解釈は正しいとは限らないが、それに気づかず、誰でも同じ解釈になると、無意識のうちに信じているのである。例えば、たびたび話の種にして申し訳なく思っている某文鳥漫画に、文鳥が「自分のウンコをちゃんと認識していて」、自分の脚の指に自分のフンが付いているのに気づかなければ普通に行動するのに、気づいた途端にショックを受けた様子になる、といったことが描かれている。そして作者は、フンを汚いものと認識するからショックを受けるのだと解釈しているわけだが、私に言わせれば、フンと認識していないことを示す行動でしかない。なぜなら、フンを汚いとする認識そのものが、人間的な解釈、それも文明人にのみ理解される解釈に過ぎないからである。なぜ、フンが不浄なものなのか?犬など大喜びで糞まみれになるではないか?汚いと思わなくてもショックを受けるのでは?自分の身に得体のしれないものがくっついていればどうするか?まして飛翔の障害にならないように、身繕いを完璧にし続けるのが小鳥の習性では?だから、飛び出した羽などを気にするあまりに、羽毛曲げがエスカレートするのが文鳥的「毛引き」ではなかったか?と、普通にブツブツといろいろ考えていく客観性があれば、別の解釈に落ち着くはずだ。「間違えて(フンを)口にしちゃったりすると、すごくイヤな顔に」なるに決まっている、食べ物ではないのでまずいのだ。「飲み水にウンコが入って」いると「ものすごく哀しい顔に」なるに決まっている、それがない状態に慣れているに過ぎない。面白くはないが、「ウンコは汚いもの」とする固定観念に縛られなければ、明らかではないか?
 客観的にものを見ようと意識しない限り、場当たり的な印象に過ぎない経験をいくら繰り返しても、比較など不可能に近い。病院行きました。怒られて腹立ちました。違うとこ行きました。死んじゃいました。また違うとこ行きました。手術して治りました!これでは、永遠に経験は生かされない。どういった症状でどのような診断を受け、どのような治療をとるに至ったか、それは合理的と言えるのか否か。手術などという重大な話なら、その場で別の動物病院に診せに行き、その見解を踏まえて比較し、どちらの診断が合理的なのか、どういった点でそのように判断したのか、そういった検討を経ない限り、少なくとも他人にこっちが良くこっちが悪いと、簡単には言えるはずがない。その場その場の自分の主観だけの印象論で、信じる信じないなどと決めてしまうのは危険だということを、理解すべきだと思う。
 ネットで情報を仕入れるなら、客観的に正しく比較検討する能力が必要だ。事例を検討し、報告者の客観性も考慮しなければならない。その主張が、ベテランのものであれ、何らかの権威のものであれ、そんなことは関係ない。人は思い込みをする生き物で、ベテランやら権威やらと自分を位置づけてしまうと、それは『固陋』『頑迷』の始まりとなる。経験を聞いて参考にする他人が、そんなものに振り回される必要はない。

 私は、「飼育歴20年、パソコン情報収集歴10年」の人に、「歴」の点で勝るとも劣らないが、それがほとんど意味を持たないことを自覚している。そうした『無知の知』が身につくほど賢くないが、認識はしていようと努めている。従って、客観的に検討しようと努力するし、主観的な推奨よりも、経過がよくわかる体験談をもとに考える。考えて、ごく単純な治療以外で、評価できるケースが無いので、脳内抹消に至っている。その評価を覆しうる事例に、お目にかかりたいものである。
 そもそも、批判能力に欠けた善良な飼い主の体験談に頼らなくとも、獣医師であれば、奇跡的な施術の数々を、論文にまとめて公表しているはずなので、それを(内容は理解出来なくとも、何か書いたり発表しているのが分かるだけで良い)確認すれば、ある程度技量は想像できてくる。実際、そういった症例研究を掲げる動物病院のサイトも多い。また、小鳥の医療は特殊なので、誰から医療技術を学んだかを知ることができれば、どの程度期待して良いかも想像出来よう。実際、自分の修行先研修先をサイトに掲げている獣医さんも多い。翻って、飼い主への宣伝効果も見込めるそういった行動を、他の面では宣伝熱心な獣医さんが実施していなければ、疑惑しか起きないと、私は思うのだが、如何なものであろうか?そうしたことを考慮せず、一体どういったところに注目し、ネットを利用した情報収集や分析をされているのか、不思議と言わねばなるまい。
 人間として、騙され上手なのは、(特に日本では)一種の美徳と言える。「お人好し」が悪いはずがない。しかし、動物病院選びに関しては、ペットが身体的な危難にさらされるのである。「お人好し」では済まないので、しっかりしたいものである。







Last updated  2013年03月27日 21時59分10秒
コメント(0) | コメントを書く
2013年03月13日

 昨日のタイトル、「信じる者は掬われる」にしたかったのだが、元の「救われる」と同じ読みなので、文字化しないとわからず、また「掬」などという字はあまり見ないので、「カモられる」とした。しかし、カモるなどという俗語が、万人に通じるかどうか・・・。などと考えつつ、「カモ」で連想したことを、乱雑に補足しておく。

 ※ 何のことかわからない人は、『獣医さんの「みかた」』参照のこと(一気に読むと、長いし、誤字多いし、で、くたびれるはずなので、お薦めはしない)。

 風聞によれば、飼い主の職業を申告させる動物病院があるらしい。そういった病院から見ると、飼い主はカモに見え、患者のペットは長ネギに相違ない。まさに「カモがネギをしょってやって来る」わけで、飼い主はカモに過ぎず、人権を認めていないのだろう。
 なぜ、人権を無視し、他人の職業を当たり前のように聞かねばならないのか?当然、下心があるに相違ない。やはり、職業で支払い能力を値踏みしているのだろうか?いや、むしろ、その飼い主の社会性を推し量っていると、私は思う。社会との接点が希薄な人なら、詐欺的行為だと思っても、相談する相手もなく、訴えるなり社会的手段で反撃に転じてくる可能性が低い。開業し、そこで営業し続けるには、頻繁と訴訟沙汰に発展するようなことは避けねばならず、お金持ちから一度に多く詐取するより、より薄く広く継続的に詐取しなければならないと思うのである。
 職業を聞き、社会性が希薄であるか判断した上で、さらに、数回診療をして、その飼い主の風体や物言いから、その人となりを見定め、騙されても気付かなかったり、気づいても泣き寝入りするしかないカモを、選抜しているのではあるまいか。従って、数万~十数万円の現金が用意できて、家族も少なく、医療に無知で素直な人。具体的には、若い一人暮らしや、主婦で付き合いが広くないタイプの人が、カモと見なされる危険性を、より多く持っていると、指摘せねばならない。また、もしかしたら、住所も尋ねるかもしれないが、営業目的以外に、飼い主の住所など獣医さんが知る必要はない。もしかしたら、詐欺の対象から、近所の人を除外するためとも考えられる。地域に根付いた詐欺師とは、芸が細かくなければ出来ないものなのだろう(昔の任侠ヤクザも地元民には親切)。

 もちろん、他人の職業や風体で、その人を推し量るなど、品性下劣でなければ出来ない。まして、弱みに付け入るなど、外道の所業である。しかし、世の中にはそういった輩は必ず存在するので、用心が肝要だ。しかもこの場合、カモと見られた飼い主が、人権を踏みにじられ、愚弄され、人間の尊厳を傷つけられ、金銭を奪われるだけでは済まない。野菜のネギ、動物とさえ見なされないペットたちは、生命を奪われることになりかねないのである。おそらく、「サギ」の手術など、「カモ」を納得させる切開跡さえ残れば良いので、お腹をちょっと切ってすぐ縫い合わせるくらいのはずだが(犬猫のサギ獣医では実験動物的に余計な箇所をいじって死に至らしめた犯罪者もいたが、これは例外だろう。無事に元気に退院させた方が評価が高まり『得』なのだ)、それでも麻酔する必要があり、生命への危険性は生じる。また、入院ともなれば、慣れない場所での生活によるストレスで、体調を崩して急速に悪化してしまうことも有り得る(小鳥の場合は特にそうである)。本来、そうならねばならない理由は、何一つなかったのに、である。
 まったく不必要な切開手術によって、愛する小鳥の生命を危険に追いやってはなるまい。飼い主は、賢く用心深く、自分の小鳥を守っていかねばならない。「信じたい」といった願望ではダメなのだ。ワラくずを掴んでも沈むだけなので、冷静に、しっかりしたロープ(=倫理観があり信頼に足る技量を持った獣医さん)、を探さねばならない。ロープが無ければ、飼い主として、自分でできる限りの飼育・看護をすれば十分だろう。余計にガチャガチャいじられるより、少なくとも小鳥自身にとっては、その方が気楽である。何しろ、彼らは動物病院が自分の病気を治してくれるところとは、まず認識できないのだ。
 自分でしっかりと、社会的な知恵も、医療その他の生活上必要なレベルの知識も学んで、その獣医さんが、信じられるかどうかを判断出来るようでありたい。

 なお、先だって、自分のオカメインコに手早く注射してくれた獣医さんを褒め称えている記事を紹介したが、先ほど見かけた内科医さんの体験談(コチラ)に重なって見える。
 昔から、「すぐ注射するのは『ヤブ』」と言われたものだが、この体験談の患者氏などは、むしろ注射が大好きで、注射でなければ治らないと信じて疑っていない。しかし、注射には、人間でもリスクがあるので、内科医の先生も仰っているように、可能なら避けるのがセオリーだ(必要のないことはしないのは昔から当然で、必要かどうかも分からず流れ作業で注射をする者がヤブ認定となっていたわけだ。つまり「すぐ注射するのは『ヤブ』」は実に的を射た評価基準で、庶民の知恵と言うべきだろう)。小鳥の治療でも、当然すぎるくらいに当然ながら、経口で薬を飲めるなら、普通にそうする。注射が必要な時に、素早くそれを行うのは名医の条件かもしれないが、必要もないのに打つのは、良くて「注射職人」普通にはヤブ医者の証明でしかない。注射を打つ技に、医療知識など不要で、慣れれば誰でも出来るのである。
 人間への注射以上に、小鳥にそれを行うのは慎重でなければならない。その理由は、生理的にも様々考えられる。しかし、大きさから想像する方が、素人としてはわかりやすい。何しろ注射器や針は、人間用だ。しかし、文鳥の大きさは体重比で人間の2千分の1に過ぎない・・・。では、50キロの2千倍はどうだろう?100トンである。この体重を持つ生物は、現在まで陸上に存在しない。現在最大のアフリカゾウですら10トン未満。体長25メートル、恐竜の中でも最も巨大なプラキオサウルスでも、せいぜい50トンだ(諸説あり)。地球上最大の生物であるシロナガスクジラが、体長25メートル以上で100トンを超えるらしい・・・。シロナガスクジラに、人間用の注射器が通用するだろうか?まして、シロナガスクジラ用の注射器があるなら、それを人間に使用出来るだろうか?
 もちろん、人間用でも細い注射針は、小鳥にも物理的に使用可能で、必要に応じて使用しなければならないが、頻繁に、当たり前のことのようにそれを行うのは、異常、と言わねばならず、むしろ臨床医としての見識が疑われよう(ネギだと思っているから出来るのではないかと・・・)。

 素人の飼い主に専門的な医療技術は必要ではない。安易に試みれば、「生兵法はケガの基」、危険な事態に発展するかもしれない。当然、素人に必要な医学的知識など、高が知れており、特に詐欺師的な獣医の目で見れば、浅い知識を得意げにペラペラ語る飼い主など、よほど騙しやすく見えるだろう。何しろ、それだけ、うわべの知識を吸収しやすいタイプ(えてして固執して他の意見を客観的に検討できない)、詐欺師の甘言も受け入れやすいタイプと見なせるからだ。
 しかし、何も知らなければ、危険を避けることは難しい。ワラもロープも見分けることが出来ない。素人は素人なりに、しっかりと信じられる者を見定められる知識が必要だと、やはり、繰り返さねばなるまい。受け売りの知識をひけらかすような知識の使い方をせず、それをしっかり自分で検討し、反対意見と照らし合わせる余裕を持ち、サギをサギと見抜けるように、自分をカモと見なされ、自分の文鳥たちをネギにされないように、私も心がけたい。







Last updated  2013年04月20日 10時36分07秒
コメント(0) | コメントを書く
2013年03月12日

 先日、以下のメールを頂きました。

≪件名≫「4歳になるメスの桜文鳥の件でご相談させてください」
≪内容≫「今回、桜文鳥が最近少しですが元気がないようで、元気がないのと卵があるかと思っていたのもあり、卵が詰まってしまったのかと思い受診しました。
診断は、卵ができる臓器の中に腫瘍または小さな卵みたいのがたくさんできて詰まっている状態で外科的な処置が必要と言われました。
検査は、レントゲン→エコー→造影をして診断されました。
もともとかかっている鳥を見れる病院であり信頼はしています。
しかし、オペとなるとリスクのほうが大きいような気がして即答はできず、今も受けるべきか迷っています。
元気に長生きしてくれるならと思うのですが、こんな小さな子に手術を受けさせるのかと飼い主のエゴなのか、この子の寿命として受け入れるのかと考えます。また、治療法があるのに受けさせないもの申し訳ない気がします。
獣医さんからは、やはりインコよりもフィンチは症例数も少なく、身体も小さいのでリスクは高いと言われました。
少しわかりづらい面もあると思いますが、どう思われますでしょうか?

 どう思うか、正直に答えました。「繁殖期の鳥の卵巣には「小さな卵みたいのがたくさんできて」いるのが、当たり前」なので、「(そのようなことを説明する獣医さんがいれば)何を言っているのか、不思議な生き物を見るような目になってしまう」し、「レントゲン→エコー→造影」で、小鳥の卵巣の中の腫瘍が判別できたら、世界的なニュースと言うべきで、さらに卵巣を切開して腫瘍部分のみを切除することが出来たら、それは神様もびっくり」です。といった内容・・・。
 実際に、飼い主がそのように理解する説明をしているとすれば、獣医師資格を持っているのを疑わねばならなくなるほど、無茶苦茶なのです。もちろん、獣医さんが本当にそのように言ったのかはわかりません。しかし、飼い主にそのような受け取り方をさせているだけでも、かなり問題があるように思います。

 皆さんは、鶏肉に「キンカン」と呼ばれるものがあって、金柑の実のようなコロコロしたものが大小たくさん存在するのを、ご存知でしょうか?私が幼い頃、調理惣菜となっているそれを買ってくることがあり、苦手としていたのですが、それはともかく、これこそがニワトリの卵巣で、コロコロの金柑は黄身=卵子なのです。つまり、鶏の卵巣内では、卵子が順番に成長して排卵を待っているのですが、それは、繁殖期の文鳥でも同じことと考えられ、少なくとも産卵が始まる状態では、卵巣に複数の卵子が存在しなければなりません。
 また、皆さんは、25グラム程度の極小の生き物の、小指の先ほどの器官に生じる悪性腫瘍を、「レントゲン→エコー→造影」で診断できると思われるでしょうか?臓器の内部を撮影しての診断は、残念ながら現在の科学レベルでは人間の医療であってすら不可能です。それが可能なら胃カメラなど存在しません。そもそも人間の卵巣腫瘍にしても、内部の話ではなく外側の表面に生じて初めて気づくこともあるだけで、その確定診断にはCTもMRIも腫瘍マーカーも必要となり、「レントゲン→エコー→造影」で診断出来るものではありません。

 これは別に医学の専門職でなくても知っている人が多い、ほとんど一般常識レベルのお話です。従って、「卵ができる臓器の中に腫瘍または小さな卵みたいのがたくさんできて詰まっている状態で外科的な処置が必要」は、呆れ返った話になってしまいます。
 そもそも、何をどのように「外科的処置」してくれるのでしょう?本当に。卵巣を切開して中の腫瘍を取り除くつもりでしょうか?それが成功したら、人間の手術としても前例がないと思います。人間ですら、極小の臓器である卵巣の外部から腫瘍部分だけを取り除くのは、おそらく不可能なので、全摘出になってしまいます(だから女性は精神的にも苦しむのです)。より小さい小鳥の臓器を内部切開して病変部分の摘出するのは、夢物語でしかないでしょう。そして、鳥の卵巣は切除してしまうとほとんど予後不良(亡くなってしまう)とされるので、産卵を外科的に止めることが出来ずに困っているのが現実なのです。そういった現実を知っていれば、あまりに無茶苦茶なのです。

 この説明の仕方の特徴から、私は某動物病院を連想し、セカンドオピニオンを薦めました。私の主観からは、デタラメな説明をして不必要な医療行為を行う悪徳獣医のカモになっているようにしか見えず、何より文鳥の身が心配だったのです。何の問題もないのに、少しお腹を切開して縫い合わせ、治療費を請求するなら、もともと大して問題はないので、多くは無事に退院出来るでしょう。問題があったと思い込まされている飼い主なら、おかげに助かったと信じても不思議はありません。治療費が高額なものとなっても、後悔せずに済んだと喜ぶに違いありません。しかし、そのような治療的な意味合いのない手術でも、危険性はあります。入院によるストレスも大きいです。結果、入院中に亡くなってしまう可能性もあります(犬猫では事例がありますが、小鳥については風聞なので断定はできません)。

 溺れる者がワラをつかんでも沈むだけです。残念ながら、信じる者はカモられることも多いのが現実です。
 飼い主は、自分のペットに不調があれば(不調があると獣医に言われれば)、慌てるのは当然ですが、だからといって冷静さを失ってしまえば、悲運の可能性が増大するだけです。獣医さんを信頼しなければ、治療などできませんが、信頼できるか否かをしっかり見定めなければいけません。一度信頼しても、客観的に検証し続けなければいけません。獣医さんを疑うというより、自分の判断力を常に疑うべきでしょう。何となく他人任せにしてきた人には、大変なことのように思えるかもしれませんが、賢い生活者として、飼い主として、自分の身と文鳥の身を守るために、しっかりと自分で知識を集め、自分でそれを身につける努力が必要だと思います。
 私を含め、飼い主のほとんどは、医療の専門家でも、栄養学の専門家でも、そうした関連がありそうな専門分野の研究者ではありません。しかし、生活する上での知識は、素人なりに蓄えなければいけません。文鳥道、精進、精進です。







Last updated  2013年03月27日 22時00分51秒
コメント(0) | コメントを書く
2013年03月03日

 小鳥専門を標榜する獣医さんにしては珍しいペレット全否定論に関連し、昨日思いついて遺伝子組み換え(英語ではgenetically modifiedで、GMと略される)の問題を加えてしまいました。このままでは、少々無責任かと思うので、補足しておきます。
 なお、予め断っておきますが、私の社会科知識は広くても浅いという性質をもっているので、例えば準備をせずに「ビオトープ管理士」の試験を受けて合格するような専門性はありません。GM作物の話についても、専門的知識を生活上必要としていませんし、関心もないので、知識を深めようとは思っていません。知っているべき人がまったく触れないから不思議だと、一般論として感じているに過ぎないので、この件について関心のある人に質問をされても困ります。関心があれば、自分でよく調べ、質問はGM作物に関心のある人にお願いします。

 『バイテク情報普及会』というサイトに、世界各国のGM作物の栽培状況と表示義務の状況が示されており(コチラ)、「2008年に米国で栽培される大豆の92%が遺伝子組み換え品種」で「トウモロコシは80%が遺伝子組み換え品種」とあります。すでに4年以上の時が流れているので、おそらく現在は、さらに100%に近づいた比率でGM品種に切り替わっているものと思われますが、そのアメリカでは、「遺伝子組み換えに関する表示は義務付けられてはいません」から、加工品の原料がどちらかなのかは、普通は分かりません。わからない以上、シェアのほとんどを占めるGM作物であると考えるしかないわけです。
 私個人は、自然交配による品種改良も、遺伝子組み換えも、特に違いは無いとの考え方をしています。何しろ、栽培品種は、ずっと以前から十分すぎるくらいに不自然なのです。遺伝子組み換えの結果生まれた品種であれ、食用としての使用確認段階で問題なければ、特別視する必要はなく、農薬をセスナ機で空中からやたらと散布した穀物よりはマシ、少なくとも自然への負荷は小さい、といったアメリカ穀物メジャーの主張に沿うような考え方に(GM推進派の主張や論点整理は『NPO法人くらしとバイオプラザ21』さんのコチラがわかりやすいです・・・すみません。精読していません)、落ち着いてしまいます。私自身は、表示しようと表示しなかろうと、何も考えず食べてしまうし、小鳥にも与えてしまう人間なので、それ以上は深く考えないわけです。
 しかし、不自然なものは怪しいとの考え方も、その考え方自体は誰も否定出来ませんし、そもそも穀物メジャーのすることなど信用できないと言われたら、私個人は共感しないでもないので、そういう人たちは、知らずに食べないように気を付け、推進論を覆すべく、専門的な研究を深めていただきたいものと願っています。ただ、飼料穀物として使用されている以上、ベジタリアンでない限り、間接的にはほぼ確実に摂取していると考えるのが妥当ですから、間接摂取での健康被害まで気にしてノイローゼにならないように、気を付けたほうが良いとは思います(直接摂取と間接摂取は、それぞれ分けて考えたほうが良いでしょう)。

 GM作物を『悪』と見なす考え方をするなら、アメリカの穀物メジャーなど信用出来るはずもなく、むしろ中華人民共和国の汚染のほうがマシといった考え方も有り得ます(先ほどそういった主張をされるハムスターの飼い主さんのブログを目にしました)。であれば、当然、すでにGM品種への切り替えが進んだアメリカの大豆やトウモロコシを原料とするペレットよりも、中国の零細農家が作った雑穀の方が、比較対象にならないくらいに安全性が高いと見なすことにもなるはずです。
 残念ながら、私はGM作物を否定する思想を持たないので、その論点で否定する気持ちにはなりませんが、何とかいう協会の会長でなくとも、小鳥飼育に関与する人の中には、自然派、ナチュラリストを志向する人は多いはずですから、GM作物を論点にして考えて良いのではないかと思います。小鳥の「食の安全」に関しての見識ある方々には、この点についても、「あーだこーだ」と(私に対してではなく、どこか他所で、一般の飼い主に向けて)ご主張いただければと思います。







Last updated  2013年03月27日 22時02分10秒
コメント(0) | コメントを書く
2013年03月01日

 飼い主の考え方が十人十色なのは当然ですが、獣医さんの考え方もいろいろなので、それを理解していないと、たまたま受診した獣医さんの意見を、絶対的なものと勘違いしてしまうことになります。
 再三再四の繰り返しとなりますが、鳥用ペレットについては、もともとが最善のエサを用意しにくい大型インコ飼育での次善の策で、文鳥については、低カロリーな数種の穀物を配合した主食と、副食の組み合わせ、という、より自然に近くバランスの取れるエサを、数百年来与え続け飼育下で繁殖させ続けてもきているので、あとは個々の質の問題(「食の安全」)や多様性の拡充など、飼い主それぞれのの理想を加えれば、わりに容易に、最善とその飼い主が信じられる食を提供することが出来ます。従って、大型インコの場合と異なり、ペレットへの切り替えを単純明快に「より正しい」とは言えず、むしろそれは最善を目指すのとは別の方法論となるのです。もちろん、実際の飼育では、さまざまな状況や必要性がありますから、ペレットも次善の策としてやはり有効な手段のはずで、否定する必要はないでしょう。アメリカ製のものは、もともと文鳥とは全く別の生き物である中型インコを意識して作られていると考えられるので、メーカーの説明を必ずしも鵜呑みにせず、問題が起きるようなら、与え方を工夫していく柔軟性を持って、利用すれば良いだけだと思っています。
 これは一貫した私の立場で、ペレット自体の否定などしたことがありませんし、全否定しようとは思ったことすらありません。自分が大型インコを飼育すれば、ペレット食にするでしょうし、中型インコを飼育するにも、おそらくそれを選択し、より小さいインコ類を飼育する場合も、副食くらいには取り入れ、場合によっては切り替えたでしょう。案外穏健なのです。
 しかし、小鳥の専門を自称する獣医さんには、ペレットそのものを否定する過激な人もいます。先ほど見かけた『エキテン』という口コミサイトに投稿されているオカメインコの飼い主さんの証言によれば、その獣医さんの意見(何でもありの「診療室トーク」)は以下です。

 「鳥のエサ(シード)はほとんど中国の輸入であり、高濃度の農薬がフリーパス」 

 「ペレットに関しては筋胃の機能を弱め、その影響でホルモン分泌まで止まってしまうので、使用自体が悪い

 「自然派」の考え方を持つ人なら、獣医さんでなくとも、素朴にこういった考え方をしているかもしれません。個人として、科学的な裏付けや論理的整合性を意識せずに、そのような感覚を持って生活をするのは自由ですが、科学的な裏付けも何もないのに他人に勧めるとすれば、それは無責任であり、また不見識であり、まともな科学者には出来ない行為です(この獣医さんには、放射能の舌禍事件同様に、軽率なところが多分にあるのかもしれません。せっかくカリスマ性があって、獣医業とは無関係なエコロジー?団体の会長としては、成功を収めつつあるようですから、人前での非科学的なおしゃべりは、慎まれた方が良いと思うのですが、如何なものでしょう?)。
 確かに、「筋胃の機能を弱め」は、柔らかく消化が良ければそれだけ筋胃が活躍する必要がなくなるので、有り得ないとも言い切れないでしょう。しかし、その分消化吸収が良いので問題ないとも言えそうです。つまり、消化の悪い慣れない食べ物には弱い体質になると考えられないでもない、程度の話で、慣れない食べ物を与えなければ良い、と言われたらそれまでのことです。ドッグフードも同様ですが、同じようなカリカリしたものを食べ、同じような糞を毎日して生きているのは、確かに自然な状態とは異なります。しかし、変なものを食べてお腹を壊すより次善策として正しいとするコンセンサスが、ほぼ社会的に根付いているので、それを使用する人が主流になっているのだと思います。それを、犬猫も診る獣医さんが真っ向から否定するとは、よほどの勇気の持ち主と言えるでしょう。
 さらに「ホルモン分泌まで止まる」と断定したとなれば、これは栄養学マター(カタカナ英語をわざと使っています。栄養学分野での問題の意)、むしろ獣医学マター(獣医学分野での問題)でしょう。獣医さんでペレットを推奨する人なら、黙って済ませられる言動ではないはずです。迷える飼い主に能書きを垂れる時間があるなら、同じ獣医さんの立場として、科学的に否定しさって欲しいものです・・・、という以前に、「分泌が止まるのを証明する実験データを出せジジイ!」とのペレット使用者の叫びが聞こえそうで・・・、そして。確かにその叫びこそ正解だと私は思います(だいたい「ホルモン」と言ってもいろいろあるわけで・・・)。科学的な根拠のない否定は、まともな科学者なら出来ない話です(したがって、遺憾ながら「物好き爺様」呼ばわりになってしまうのです)。他人に『指導』したいのなら、その論拠を科学的に提示するべく、臨床医療とはまるで別の分野のご研究をなされた後に、お願いしたいものです。

 私の場合は、輸入された穀物の配合飼料使用者でそういったものを売っている立場でもあるので、前段の「鳥のエサ(シード)はほとんど中国の輸入であり、高濃度の農薬がフリーパスらしい」の部分を、否定しなければならないでしょう。
 確かに、粟(アワ)などは、あの中華人民共和国からの輸入が多いようです。しかし、中国の農産物にしては安全と考えるのが論理的で、過剰な心配は妄想の産物だと思います。文鳥の主食となる粟・稗・黍などは、雑穀と呼ばれますが、雑草並みの生命力なので、元々病虫害にはかなり強い植物です。したがって、栽培するのに際して農薬はあまり使用されません。大雑把な思考の人は(生態学協会の会長がこんな事で良いのだろうか・・・。これも口が滑って誤解を与えたということか・・・)、野菜や稲作で過度な農薬散布が発覚すると、すべての農産品が農薬まみれのように思い込んでしまいがちですが、必要ないものに農薬を散布するような手間ひまやコストをかける人は、どこの国にもいません。そもそも、雑穀を栽培するのは、稲作が出来ない山間の田舎、ようするに川から灌漑用水を引けない地域で、農業も原始的な方法で行なっているはずです。飼料用に大規模に作付けして収穫する北アメリカやオーストラリアと異なり、人間の食用に栽培されていたものが、中国国内での需要の低下で飼料用に輸出されるようになっていると考えられ、依然として基本は自分たちの食用ですから、あまり無茶なことは出来ないでしょう。また、する必然性もないのです。もちろん急激に環境汚染が進んでいる国なので、その点の農作物への影響は心配されますが、外見を良くするためには病虫害用の薬剤散布が手っ取り早い野菜や、河川からの灌漑が必要なため、その水質汚染の影響を受けやすいお米とは異なる点は、しっかりと認識すべきでしょう。
 この獣医さんの頭には、『輸入検疫』という言葉はないようですが、実際は抜き取り検査が頻繁に行われており、「高濃度の農薬がフリーパス」といった状況は有り得ないです。もしかしたら、輸送途上の農作物が劣化しないために、収穫後に薬剤を散布するポストハーベスト問題が念頭にあったのかもしれませんが、これは劣化しやすい果実類や、船便で遠距離を輸送する際に、劣化を防ぐために農薬類を散布するものですから、隣国の中国からの作物では問題になりにくいものと思われます(こうした話は、「ビオトープ」にせよ生態系への影響に関する知識の深い人なら、私よりずっと詳しく理解しているはずですが・・・)。
 なお、 現在どれほどの比率になっているのか不勉強で知りませんが、飼料穀物は北米やオーストラリア産も多く(飼料会社が扱っているのは知っている)、「ほとんど中国の輸入」は、誤解を招くと思います。現在は、中国現地での転作の進行や中国当局の輸出規制により、中国への依存率を低下させなければならなくなってきている方が、よほど現実的な問題で、例えば粟穂は一般的に流通しなくなる可能性もある状況です。そういった現状を認識しているのか、疑問に思えます(【参照】飼料会社西種商店のサイト)。
 以上のように、この獣医さんの鳥の飼料についてのお話は、いずれも首肯しがたいと言わねばなりません。

 それにしても、自然に造詣が深ければ深いほど、自然の治癒力への信頼や期待も大きくなり、治療方法を選択する際も、その傾向が現れるのではないかと思うのですが、この獣医さんは、むしろ積極的にガンガン注射をしたり薬剤を投与したりするようです。もちろん、それ自体は治療方針の問題ですから、飼い主の了解があれば、責められることではありませんが、矛盾は感じます。ペレットが筋胃の活動を弱めるといった問題意識を持つ人が、どうして生き物として無理のない経口摂取ではなく注射という選択を安易に出来るのでしょう?
 ・・・ペット保険のアニコムさんが、1割プランを維持出来ずに3割負担とせざる得なかった理由も、何となくわかる気がします。

 なお、生態系協会の会長でなくとも、自然的なものを尊重する思想信条の人が、アメリカ産のペレットを否定したければ、遺伝子組み替え作物の問題を指摘するのがお薦めです。「大豆(遺伝子組み換えでない)」などと、オーガニックではない加工品にも表示される日本では、それを気にしている人も多いはずですが、アメリカでは、遺伝子組み換えは品種改良の一種として特別視せず、大豆やトウモロコシのほとんどは遺伝子組み換えにより病虫害への耐性を高めるなどした品種に切り替わっており、オーガニックの栽培方法で、普通に遺伝子組み換え作物を栽培しているはずだからです。
 私は、実際問題として、それを主食として食べているアメリカ人やその他の国の人々、そして飼料として食べるているはずの日本の家畜たち、さらにペレットを食べる鳥たちにも、格別の問題を聞かないので、日本人が自分の食用にそれを遠ざけようとする方が、不思議な話だと思っています。しかし、遺伝子組み換えを忌避する人の「食の安全」の観点に立てば、アメリカ産のペレットは否定される存在ではあるのです。
 論点はいろいろあるので、自分が何を優先させて考えるのか、特に「あーだこーだ」言いたい場合は、多角的に問題意識と知識を持ちたいものだと思います。







Last updated  2013年03月27日 22時02分49秒
コメント(0) | コメントを書く
2013年02月27日

 昨年越してきたウチの近くに、小鳥専門を称する病院の「本院」があるのは、その病院の分院が池袋に出来る前から知っています(もともと犬・猫・鳥の病院)。その気になれば歩いて行ける距離で、本来なら、やたらとたくさんの文鳥と暮らす私にとって、心強い存在になってくれるはずです。しかし、残念ながら私の脳内動物病院リストから抹消されており、近くても遠い、むしろ無いのと同じ扱いになっています。なぜ、貴重な小鳥専門病院の存在を抹消したかと言えば、そこに通われた人の体験談から、大いに違和感を感じていたからです。
 そのように存在を意識していなかったためか、引越し後遺症と猛暑で心身ともにくたびれ果てていた時期のことだからなのか、昨日ひょんなことから記事を発見するまで、院長の池谷氏の舌禍事件を知りませんでした。それは、原発事故についての常軌を逸した発言だったわけですが、その内容は引用するのもおぞましいので、福島民報の記事などでご確認ください(2012年8月30日福島民報記事9月17日産経新聞コラム)。

 今現在、あくまでも私個人の脳内リストに存在しないにしても、それは初めからそうだったわけでもありません。パソコンでインターネットを始めた当初(20世紀末)から、小鳥の治療技術に優れた獣医さんを探しており、それに該当しそうな人の動向には注目していたのです。従って、池谷氏が、自分で結成された生態何ちゃら言う協会の会長をなさっていて、あの鳩山由紀夫・邦夫ご兄弟たちの主催される鳩山友愛塾』で頻繁にご講義をされていることまで、実は以前より知っています。そのため、今回の件を知った時には、本来小鳥の臨床医であるはずの池谷氏が、貴重な時間を割いて、地方議員諸氏に対してせっせと講義しなければならない理由は、ようするに民主党系の政治家をますますおバカにしてしまう壮大な陰謀ではないかと、二大政党制を確立したいと願っていた一有権者は、疑ることになりました。・・・すると、その遠謀の主は、あのお兄様。その背後でさらに糸を引くのは・・・、やはり宇宙人でしょうね?
 それにしても、何ですかこれは。この話題だけでも、他の池谷氏による講義内容の質の低さは推して知るべしという感じです。この爺様(「じっつぁま」と読んでください)の講義の影響を受けているなら、自民党を出たり入ったりしている「ナチュラリスト」の弟さんの「環境革命」(その何とか塾のサイトでご確認ください)と言うのも、底浅い噴飯物ではないかと疑われてしまうものと、老婆心ながら心配してしまいます(「死神」呼ばわりされながらも、死刑執行という法務大臣としての当然の職務を果たした邦夫氏は、私は偉かったと思っています。なお、この舌禍事件のあった昨年夏の段階では、お兄様の由紀夫氏は、まだ民主党のオーナー気取りの重鎮として存在していた点に留意すべきでしょう)。

 池谷氏の無知蒙昧のデタラメ発言については、見識のある方々から、お怒りの声が多数あがっているので(事の経過が良くわかる「信夫山ネコ」さんのブログ。まったく同感な「コジロー」さんのブログ)、今さら私がおっとり刀で指弾するまでもありませんが、せっかくなので一点指摘しておきます。
 この爺様の脳内ではチェルノブイリ周辺の野生動植物に、奇形がいっぱい存在していることになっているようですが(いつの話なのでしょう?)、市井の無責任な与太話としてなら耳にしても、科学的な話としては聞いたことがありません。そもそも、おかしいと思った地域があってそこでおかしなものを探せばおかしなものも出てくるものです。そして、大抵は、おかしくないと思われる場所でも、同じように調べれば同じようにおかしなものが出てきます。例えば、私が少しは知っている学問分野の、日本中世の考古学でも、新たな発見があると、他の遺跡からも同じようなものが続々と発見されます。これは、それまで気づかなかったものの価値に気づき、それを探そうとした結果です。当然、「発見」される前に発掘調査された遺跡にも、それがあったはずですが、価値に気づかずに、下手すれば、たんなる石ころなり木片などとして捨てられていたわけです。
 生物の形体異常・奇形・変異個体はそれなりの頻度でどこでも存在するもので、チェルノブイリ周辺でも探せば見つかるに決まっており(「チェルノブイリ周辺」と言ってますが、広~~いですよ。当時の汚染度合いはいろいろですし)、それを特殊とするには、通常の地域との有為な相違が見られるか、科学的にサンプリング調査をしなければなりません。もちろん、変異個体の発生率が高かったとしても(って、だからいつの話なのでしょう?)、その原因は何か、いくつも可能性を考えて、それぞれの中で合理性のあるものは何か検証しなければなりません。そのような学問的常識もわきまえない科学的知識に乏しい物好きの爺様が(「生態系」の専門家のはずなので不思議です。私の考える科学的認識が不可欠な生態系とは違うのかもしれません)、「行ったら奇形がおってびっくりじゃったぁ~」、と言っても、「そんなもん川口前川観音通りの公園にもいるのに気づかないだけじゃん?」、と言い返されたら、ほぼそれで仕舞いです。つまり、チェルノブイリなど行かず、近所の散策でもした方が、よほど生態系の真実を発見できるかも知れないわけですね。足元から見ていきたいものです(街中の小さな公園で奇形植物が見つかれば、頻度としてびっくりですが、「チェルノブイリ周辺」よりはるかに狭い川口市全域までいかずとも、荒川の土手でもうろつけば、実例の1つや2つ見つけられるでしょう。ただ、見つけ出せるほど、植物や昆虫への知識があるかは知りませんが)。

 小鳥の専門病院は貴重で、疑いもなく、池谷氏の病院に通われている飼い主もいるはずです。その場合、人格と医療技術は別ですから、この件を気にすることはないと思います。しかし、もし疑いを抱いている点があるなら、この機会に、いろいろ考えてみても良いかと思います(それをそうするのには、理由があるはずです。自分の文鳥のために、人としての美学に反しても、いろいろ勘ぐるべきでしょう。例えば、何ちゃら協会を維持して政治家とコネクションを築くには何が必要か。都心の一等地で24時間営業するにはどれほどの維持費が必要になるか。それを小鳥の診療から得るためには、どのようにしなければならないのか。翻って、小鳥の治療の多くは原始的なレベルにある中、高度な医療機器が病院側の運営面ではなく、純粋に治療面でどれほどの意味があるのか。あったとして、それを有効活用するだけのスキルがその獣医さんにあるのか、といったことをです。画像がきれいに撮れても、画像診断できなければ意味がないでしょう?)。
 私は、政治的な動きなどする暇もなく、臨床医療に一生懸命励んでくれる獣医さんを尊重します。小鳥だけで収益を上げるのは難しいでしょうから、病院が専門であるか否かには問題にしません。小鳥治療の専門性が高い獣医さんで、いろいろ思い込みの独り善がりや知識の上滑りが感じられても、まだしも改善される余地があると期待します(治療と無関係なくだらぬ能書きは聞き流す。もちろんネット上では客観的に批判すべきは批判し尽くすのみ)。
 何を優先させるかはそれぞれですが、それだけに、それぞれでしっかり考えないといけないと思います。で、とりあえず、近くて遠い小鳥の病院は、やはり私の脳内からは永久抹消です。







Last updated  2013年03月27日 22時03分30秒
コメント(0) | コメントを書く
2013年02月24日

 もし現実として、カナリアシードで太り、ペレットで痩せるとすれば、栄養成分の値を信じる限りでは(信じなくとも微差でしかないことは明らか)、栄養成分・カロリーの問題ではなく、純粋に食べる量の問題と見なすのが、案外、的を射ているように思われます。カナリアシードはその文鳥にとって美味しいので食べ過ぎ、ペレットはその文鳥にとって不味いのであまり食べない、つまり、食欲の有無、嗜好性の強弱と単純に理解するわけです。そもそも、さほど大食の様子もなく、あきらかに脂肪の多い食べ物を多く与えることもなく、それなりに運動(飛翔や水浴び。文鳥はインコ類と異なり、これらのエネルギーを多く必要とする行動を得意とする)をしているにもかかわらず、お腹に脂肪が付くような太り方をするなら、それは先天的な代謝異常を疑うのが筋ですが、とりあえず、肥満すれば即エサの問題として、ダイエット(食餌療法)をはかるのは、人間の女性の行動に安易に重ね合わせた、少々軽はずみな対応と言えるでしょう。
 ダイエットが必要であったとしても、量の問題であれば、食べ慣れたものの量を減らしたほうが無難なはずです。配合飼料であれカナリアシード単体であれ、カロリーには大した違いはないどころか、むしろ一般(獣医さん含む)に信じられている逆とも考えられるわけですから、何であれ、食べる量を制限すれば同じことのはずです。人間でも、和食中心の生活をしていた人が肥満したからと言って、洋食中心に切り替えても無意味なのと同じことです。もちろん、劇的な主食の変化による拒食を期待するようなダイエットは、急激に過ぎて体調を崩す原因となり、危険な虐待行為になりかねないので、注意しなければいけません。まずは、いつも食べる量を慎重に測り、それより少なめに与え、代わりに青菜類をしっかり食べられるようにすれば、わざわざ同等かそれ以上に栄養豊富なペレットへ切り替えずとも、ダイエットになるはずです。

 ・・・ペレットを使用しないように勧めているように誤解されそうなので、自分がハリソン社のペレットを自分の文鳥の主食として使用するならどうするかを、考えてみましょう(真似をして問題が生じても、責任は負えない)。

※それにしても、処方されたから与えているとか、こう言われたからそうなんだとか、自分で問題点を探し、自分で考えようとしない態度は、一体どうした教育の結果なのでしょう?教えたことを信じて従うだけなのは、中学校、長くても大学の受験勉強くらいで卒業してもらいたいものです。自分の意見を持たず、持とうともせず、勝手に信じ込んでいる話を疑いもせず、その内容を検討しないどころか、内容よりその見解の当事者を信じて疑わず、反対意見を批判する能力がないものだから、相手に意見を言う資格がないと思い込んで済ませてしまう、それでは議論する「資格」を、自ら辞退することになるかと思います。情けないです。

 文鳥よりカロリーの高い食事が必要なはずの中型インコまでカバーする飼料なので、常識的に考えても、また、実際に表示されるタンパク質や脂肪の値から考えても(これ以下ではないという数値なので、実際はより「高カロリー」)、文鳥にとっては必要十分以上に過剰な栄養価を含んでいると見なされます。したがって、最初から成鳥用の『ADULT LIFETIME SUPER FINE』を用い、成長期と言っても説明にある6ヶ月ではなく、生後3ヶ月程度までと繁殖期に、副食的な位置づけで別途『HIGH POTENCY SUPER FINE』を与えます。さらに、病気や老鳥には、様子を見ながらですが、それを用います。特に老鳥には、より栄養価の軽いエサにするのが、ドッグフードなどでは常識で、それは人間同様に代謝が緩やかになるため多くのカロリーを必要としなくなるからと承知していますが、文鳥の場合は違っているような感触を持っているからです。消化吸収が悪くなり、また人間や犬猫と違い、暇なく食べ続けねばならない生物種であるため、体力低下でそれが難しくなれば摂取量自体が減るので、栄養価の高い消化の良いものを好むようになると、個人的には考えています(裏付けのない個人の経験上の感触)。
 ようするに、メーカー側の推奨する使用方法から逸脱しています。しかし、それは当たり前でしょう?小型フィンチから中型インコまで同じエサというだけでも納得いかないのに、同じ与え方で済むなどと、無茶苦茶を言われても、信じられる訳がありません

 再度、『ADULT LIFETIME SUPER FINE』の適用種を読んでみましょう。

 canaries, finches, budgies (parakeets), parrotlets, cockatiels, lovebirds and other small birds

 訳せば、「カナリア、フィンチ、セキセイインコ、マメルリハなどの小型インコ類、オカメインコ、コザクラやボタンインコ類、その他の小鳥」です。私だけかもしれませんが、「and other small birds」は、「何でもかんでもOK!OK!」と、ハリソンさんに肩を叩かれつつアメリカ的な豪快さ(大雑把)で言われているような気がしてしまいます。そして、せいぜいラブバードや中型インコを意識し、セキセイインコも使用可能と考え、ついでにカナリアやフィンチやら何やらも食べられるだろう、くらいのものと解釈します。
 だから、文鳥にとって不適切なわけではなく、そういったものと理解した上で、使用するべきでしょう。オーガニックの食材で作られた総合栄養食で、殻が飛んで部屋を汚すことも少ない、この特徴を、最も重視する考え方は、あって当然なのです。しかし、それはやはり飼育下の文鳥の食べ物として「究極のバードフード」・最善では有り得ないと思います。いろいろな種類をつまみぐいするのが自然な姿で(食の多様性)、殻を飛ばして散らかすのも自然な姿だからです。それを犠牲にする以上、ペレット食は次善策で、次善策の中で、オーガニックなど品質が優れている点があってもなくても、それは次善策のペレット食内部での優劣に過ぎません。
 飼育の仕方は、誰もが最善を目指す必要はないです。自分のできる範囲で、自分が重視したい方針に基づいて、悪くはない方法を、選択すれば良いと思います。獣医さんが推奨する高価な飼料であれば(スーパーに積まれている小鳥の餌よりずっと高い)、それをベストと信じたくなるのは当然ですが、そこで一歩立ち止まって、考えてもらいたいところです。文鳥の場合は、文鳥問題30にあるように、大型インコと異なり、伝統的な飼育での飼料構成で何の問題も無いので、さらに飼い主自身の理想の姿に近づけるなら、主食である配合飼料や副食各種の中身の品質向上くらいで十分な状態なのです(オーガニックが好きなら、オーガニックの穀物を探す。無農薬が好きなら無農薬を探し、国産を信じるなら国産を探す。それだけ)。その点、しっかりと現実を認識すべきで、十年以上も文鳥には当てはまらない理屈で「処方」している獣医さんは、その見識を問われるべきだと思います。

ジュウシマツからオカメインコまで同じエサを同じように与えるのが正しいと、10年以上も信じ続けられるような人は、いったい何の「専門家」なのでしょう?ペレットの鳥種別の分化が進まず、そのことへの配慮が欠如した人が、十年一日で「処方」し続けているのが現状のようですから、飼育の専門家であるべき飼い主は、自分の飼育する鳥種により適合した使用方法を、自分たちで模索するしかないと思います。
 なお、このペレットが適用対象とする小鳥の大きさは、大まかには次のようになります。
 
小型フィンチ(コキンチョウなど)15g程度・ブンチョウ25g程度
 小型インコ(マメルリハなど)30g程度・小型インコ(セキセイインコ)35g程度
 中型インコ(コザクラなど)45g程度・中型インコ(オカメインコ)90g程度
 15gと90gでは体格差6倍です。食性もまったく違っていて当然で、穀類や種実の配合飼料の場合、フィンチ用、文鳥用、セキセイ用、カナリア用・中型インコ用と、それぞれの鳥種専用に細分化され、メーカーが工夫した内容になっています。汎用の「小鳥用」の場合は、小型フィンチからセキセイまでで使用され、より大型のインコ類や声や色柄など特殊要因を持つ品種のあるカナリアには用いられないのが普通です。例えば、中型インコ用の飼料にはヒマワリの種が少し配合されることが多いですが、文鳥はこれを割って食べることができません。まして、より小型のジュウシマツ・キンカチョウ・コキンチョウなどは、種が大きすぎてクチバシでくわえることも出来ないでしょう。
 これほどの違いがある生き物に、同じもの同じように与えれば良いとは、飼育に関する常識があれば決して言えないはずです。

 文鳥の飼い主は、自分の家で自分の文鳥を飼育することについての専門家です。誰にも負けようがありません。そして、しっかりした飼い主なら誰もが、専門家としての自分の研究を深めようとするはずですから、それぞれの家の方法論には、それぞれの飼い主の研鑽が詰まっていると見るべきです。
 獣医さんを飼育の専門家と見なしてしまう人も多いですが、獣医さんは動物医療の専門家です。文鳥を飼ったことがなくて当然で、その生態についての認識も、飼育したことのない人の表面的な知識にとどまって不思議はありません。そのような文鳥の飼育の素人であったとしても、そのアドバイスは参考にすべきですが、治療に関すること以外は、特に尊重する必然性もありません。むしろ、「素人意見」などと寝惚けた権威主義で軽視せず(人間の家庭生活の専門家など有り得ないのと同様に、家庭飼育の専門家などいない。自分と同じ立場の飼い主たちの試行錯誤の方が、よほどわかりやすく参考になることが多い)、それぞれの『文鳥飼育の専門家』から、もちろん、その飼育方法には、どうしようもない思い込みや、勘違いはあるでしょうから、しっかり取捨選択しつつ、自分の飼育に役立つ情報を、上手に吸収していってもらいたいと思います。

QED

← (上) (中)







Last updated  2013年07月31日 11時51分29秒
コメント(0) | コメントを書く

【メールのごく一部引用】
 それぞれの種類のシード一粒に対しての栄養成分の把握が出来ていなければシード全体に対しての栄養成分を把握することは不可能です。
 すなわち、毎日与えているシードの栄養成分はバラバラであり文鳥がどれ程の栄養を摂取しているのかは分からないのです。
 しかも、文鳥が一日に必要な栄養って何がどのくらい必要なのか比較対象から算出したものではなく科学的根拠のあるバックデータが存在しないのではどうしようもないと思うんです。

 確かに自然の産物は、同じ種類でも、産地や収穫の季節、その年の気候、その他もろもろの条件で、栄養成分は一定になりません。例えば、文鳥が偏食をするかしないか以前に、そのカナリアシードの栄養成分の組成が、前のパッケージと同じとは限らないのです。おっしゃる通りなわけです。では、考えてみましょう。そういった不確かな自然の産物を原料としているペレットの栄養素が、一定で有り得るか否か、をです。もし、無添加であれば、一定にするのは絶望的だと、気づきませんか?
 添加物でいちいち成分調整をしないハリソン社の製造ポリシーでは、細かな栄養分データを掲げるのは不可能でしょう(当初は深く考えず、細かな栄養成分を明示していましたが、おそらく製造するごとに違ってしまうことに気付き、明示できなくなったものと推量している)。原材料が自然の農産物である以上、栄養価は変動しているからです。結果、たまたま、ある栄養素が過剰気味だったロットを与え続ければ、ストレートに過剰になり続けてしまいますし、逆に不足気味だったら、それを食べる文鳥は不足気味ともなりかねません。その程度は許容範囲と理解しなければ、無添加の人工飼料の製品化など有り得ないのです。つまり、人工的な栄養成分調整よりも、オーガニックや無添加と言ったことを重視する利用者なら、細かな成分表示を求める方がおかしいのです。自然の産物は均一均質ではないのが本質なので、それを優先する限り、細かな栄養成分の変動など問えるはずがないのです。
 それでも、ハリソン社は、タンパク質と脂肪については表示しています(グーグルの翻訳にリンクしてみたコチラ)。『ADULT LIFETIME SUPER FINE』で、タンパク質14%以上、脂肪6%以上、となっています。それ未満にはならないようにしているわけですが、これは、原料の比率を微妙に調整している可能性を示しています。他の食べ物については、栄養成分がわからないとか原料比率がわからないとか指摘したがる人は、このペレットについても大いにご不満だろうと思うのですが、案外推奨しているらしいのは、私には理解できないのですが、その点はご納得いただけるでしょうか?
 すでに、お気づきとは思いますが、自然の農産物そのものである配合飼料を批判する論点は、すべて無添加ペレットに帰ってきてしまい、むしろ一層矛盾が深刻になってしまいます。「科学的根拠のあるバックデータが存在しない」としたら、それでどうして人工飼料など作れるでしょうか?経験的にこれが理想的だと、ハリソンさんなりメーカー側が信じている数値があるからこそ、それに合わせて成分を調整しているはずです。
 配合飼料なら、たまたま1種類の穀物に普通よりも栄養的に劣るものがあっても、他で補える可能性があります。多様な品目を食べる利点は、リスクが分散する点にもあるわけです。ところが、ペレットでは、相互補完は出来ません。さらに、原材料比率が変化すれば、味も変わってくるはずなので、新しく開封したら、食欲が目立って落ちるような現象が生じる可能性があります。
 どのように変質していようと文鳥はその一種類を食べねばならず、飼い主にとっては中身の栄養成分も原料組成も分からず、変化を極力抑えるようにメーカーが努力していることを、信じて与えるしかありません。そのように信じて与え続けても、メーカーの都合による製造中止などにより、入手で出来なくなる事態も起こりえます(実例あり)。一種類のペレットのみに慣れていると、そう言った際にかなり面倒なことにもなります。
 ペレットには、そういった側面があることを、飼い主は認識しておきたいところです。是非とも、専門であろうが似非専門家であろうが素人の物好きであろうが、その主張する内容を自分で調べることもせずに鵜呑みにせず、文鳥のためにも、自分の知性を発揮して検討して頂きたいものです。

 さて、「同じペレットでも違います!」とおっしゃる方が10年前から存在するハリソン社の製品ですが、実際には「生後6ヶ月まではHIGH POTENCY SUPER FINE。その後はADULT LIFETIME SUPER FINEというのが一般的な使い方」なのだそうです。そこで『HIGH POTENCY SUPER FINE』を、メーカーサイトで確認すると、タンパク質を20%以上、脂質を12%以上含んでいるのことがわかります。成長段階なので高栄養食にするのだとは思いますが、この数値は、配合飼料を主食とした場合、ほとんど実現不可能な数値です。このような栄養組成が文鳥に必要になるものか、どういったエビデンスに基づいてのご判断なのか、ご教示いただきたいものです。

アメリカ合衆国で文鳥を飼育する人は極めて稀なので、ハリソン社がそれを対象に商品を開発するはずはありません。フィンチではカナリア程度かと思いますが、カナリアの飼料は、伝統的にも油脂分の多いニガーシードなどを多く配合し、高カロリーにする傾向があります。実際、対象鳥種をフィンチ、カナリア、小型インコのセキセイから中型インコのオカメまで、すべてOK!OK!といった製品です。文鳥用の配合飼料でオカメインコを育てる人はまずいないでしょうし、その逆もあり得ません。配合内容はまるで別物です。どちらが、繊細な配慮がなされていると思われますか?

 文鳥の飼料として用いられるヒエ・アワ・キビ・カナリアシード・玄米(青米)といった穀物は、タンパク質含有率6.8~13.7%、脂肪含有率2.7~4.8%に過ぎません(飼料会社の近喜商事のパッケージにある数値に拠る。おそらく同社が独自に調べたデータかと思われ、後述するように、文部科学省の『日本食品標準成分表2010』の数値はより控えめ)。同じ量を食べると仮定すれば、『HIGH POTENCY SUPER FINE』は、一般的な文鳥の飼料に対し、かなり高カロリーになるのは明らかです。そして、成鳥になってからの通常食とされる『ADULT LIFETIME SUPER FINE』にしても、タンパク質を14%以上、脂質を6%以上も含んでおり、文鳥の飼料としては、やはり高カロリーと見なす以外にないでしょう。カロリーだけで判断するのは危険ですが、食べる量の制限なしに、これに文鳥の肥満防止の意味でのダイエット効果を期待するのは、少なくとも科学的ではありません
 なお、カロリーとは、大まかには三大栄養素の脂肪1g=9kcal、タンパク質1g=4kcal、炭水化物1g=4kcalとして計算したものです。脂肪の係数が他の2倍以上になっているので、通常は、脂肪を多く含めば含むほど高カロリーになります。文鳥の食べる穀類に関しては、総じてペレットよりも低脂肪ですから、「シードは高カロリー」などと非科学的な主張を繰り返すような、些細なカロリーの違いにも敏感な人は、ペレットのみを与えればもっとも肥満になりやすく、玄米(青米)の配合を増やすのが、低カロリー化の方策として正しいと、「カロリー!カロリー!!」と知りもせずに見当はずれな行動をとらずに、科学的な事実に則した認識に改めて欲しいものです。

 参考までに、文部科学省の食品成分データベースで検索できる穀類や種子(呼び方が違う点に注意。そもそも「シード」などと一括するのは誤解の元)の栄養成分をタンパク質・脂肪・炭水化物の順に挙げ、かっこ内に飼料会社の近喜商事のパッケージにある栄養成分を示し、アトウォーター係数で簡便なカロリー計算を行ないました(少数点以下四捨五入。『日本食品標準成分表2010』はより細かく係数を品目別に設定して行うので、少々数値が異なる。しかし、簡便計算でも例えば玄米は346.7なので、誤差は小さい)。

ヒエ 9.7(9.3)%・3.7(4.8)%・72.4(69.6)%・カロリー367(359)kcal
アワ 10.5(9.9)%・2.7(3.8)%・73.1(70.4)%・364(355)kcal
キビ 10.6((2.7)%・1.7(3.8)%・73.1(66.2)%・356(350)kcal
カナリアシード (13.7%)・(3.5%)・(58.5%)・(320kcal)
玄米 6.8%・2.7%・73.8%・350kcal
ニガーシード (19.4%)・(43.2%)・(26.9%)・(574kcal) 
ヒマワリ (7.8%)・(21.0%)・(57.0%)・(448kcal)  
麻の実 27.1(29.5)%・25.6(27.6)%・27.6(31.3)%・463(449)kcal

 低カロリーになると信じて、カナリアシードを与えるのを控えたり、ハリソン社のペレットを試みる飼い主もいますが、上の数値を信じれば、真逆、わざわざより高カロリーに向かって行動していることになってしまいます。
 ペレットのカロリーがわからないではないかと言われそうですが、そのように思うこと自体が、これまでの議論をまるで理解していないことの証明です。メーカーが炭水化物の含有量を明示していないので、計算できないだけです。そして、メーカーが表示できない理由も、前述のように、おそらく原料比率の調節による成分調整が必要だからだと類推できます。タンパク質と脂肪をメーカーの保証数値に保つには、それぞれを多く含む原料を調節する必要があり、炭水化物に関しては、そのしわ寄せでかなり大きく増減せざるを得ないのでしょう。
 それでも類推するなら、小麦粉で出来た乾燥パン粉が質的にも栄養分組成でも似ているように思えるので、その値(14.6%・6.8%・63.4%)からペレットのタンパク質と脂肪の値(14+6)を差し引けば、炭水化物の含有量を64.8%と推測できそうです。それを元にカロリー計算すれば、369kcalになります。
  『ペレットの方が高カロリー』などと言うけれど、微差ではないか、と思われるでしょう?その通りで、私も初めからそう思っています。もともとひと桁の微量しか含まない脂肪分の数パーセントの違いなど、カロリーの値に大して影響するわけがないのです。しかし、それでも『ペレットの方が高カロリー』は紛れもない事実ですから、カロリーなど大して違わないにもかかわらず、大きく違うように錯覚するばかりか、より少ない方を過剰と言い募って「カロリー!カロリー!!」と調べも考えもせずに連呼するより、よほど正確ではないでしょうか?

さらに(下)へつづく

(上)







Last updated  2013年07月31日 11時49分05秒
コメント(0) | コメントを書く
このブログでよく読まれている記事

全12件 (12件中 1-10件目)

1 2 >


Copyright (c) 1997-2020 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.