甘酸っぱくて切ないだけ・・・青春時代の恋なんてそんなもんだよなぁー感を十二分に漂わせる映画だ。自分の経験に当てはめると、甘酸っぱくて切ない気持ちの源泉は、自分の無力さを残酷なまでに思い知るからで、その理由の一つは同年代の女子が自分より一回りも二回りも大人びてしまうことかも知れない。
劇中でもヒロイン
「なずな」の早熟さがハンパない。
「か・け・お・ち、しよ!」
と迫られて、同級生の典道君はたじたじ。「水商売やれば何とかやっていけるでしょ!」って言われてそりゃー頭真っ白になるわな。こっちは自分の体も大人になり切っていないというのに、「なずな」が既に大人の女性としてのエロスを漂わせている~ガキ真っ盛りの男子は狼狽えるばかりだ。
何かやり残したような気分にさせる晩夏という季節も何だか切ない。切ないことだらけの描写は正に青春時代って感じだ。だから、ラストの不可解な結末・・・(主人公はもしかして死んだの?という憶測もネットで飛び交っているが)~それは単に主人公が夏休み中の白昼夢から完全に醒めずに遅刻でもぶっこいてるだけでしょ?って拙者は想像した。
太平洋の雄大な水平線に、抜けるような青い空・・・場所が全然違うにもかかわらず、「絵」が何となく「君の名は。」を思い出させた。黄昏時のシーンは印象的で、銚子電鉄と思われる車両がいつの間にか海の上を走っているシーンは「絵」としても秀逸だった。千と千尋の・・・を彷彿とさせるシーンでもあったね。
そして一番の収穫は「なずな(広瀬すず)」がアイドルを夢見て歌う
「瑠璃色の地球」かな。拙者は松田聖子に詳しくないから、アタマの中のジュークボックスにまだ入っていない。事実上新しく聴いた曲って感じ。
映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」オリジナル・サウンドトラック
灯台の建つ岬で暗い海を見ていた・・・歌詞もうまく引っ掛かっている!これは名曲だと音楽配信で買ってしまった。80年代の音楽だから過敏に反応したのはやっぱり世代故のことなのか。
ちなみに映画は府中のTOHOシネマで鑑賞。株主優待を使い切った。なぜかスクリーンがプレミアシートで、
グリーン車のようなゆったり空間ですごい得した気分。嫁さんにも好評で、次は池袋パルコのコラボカフェに行こう!ということになった。そのコラボカフェでは予想外の展開だったのだが、続きはまた・・・。