一日一冊:読書日記「読書普及研究所」

2005/07/20(水)01:36

★★★★★「国家の罠」佐藤 優、新潮社(2005/03)¥1,680

★★★★★絶対お薦め!家宝となるでしょう(414)

いつも応援ありがとうございます。 今日は何位になっているでしょうか? ------------------------------------------------------ ■今朝のカザフスタン:ウラルスク市:12時29℃:晴れ ------------------------------------------------------ ウラルスクにも大学があります。 通訳によると写真の彼女たちは大学生とのこと。 みんなジーンズで、ジーンズがはやっているのでしょうか。 ------------------------------------------------------ ■無料メルマガ「1分間書評!【一日一冊:人生の智恵】」より本日の一冊は・・・ ------------------------------------------------------ 「国家の罠」佐藤 優、新潮社(2005/03)¥1,680 (評価:★★★★★) 購入する ------------------------------------------------------ ●この世の中には完全なる正義、完全なる悪というものはありません。  同じ事象も、ある立場からみれば正義、ある立場から見れば悪という  側面を持っています。 ●そうした視点で、一時期、新聞を騒がせた鈴木宗男と田中眞紀子と外務省  の戦い、それから波及したようなムネオハウスがらみでの鈴木宗男の逮捕  を考えるためには、逮捕された外務省佐藤優氏が書いた本書は最適の一冊  でしょう。  ・「この事件は横領でも背任でもどっちでもいける。こっちが背任にした   のは、カネに触っていない東郷を捕まえるためだった。あんたと前島だけ   ならば横領でよかったんだ。・・・これは鈴木宗男を狙った国策捜査   だからな。だからあんたと東郷を捕まえる必要があった。(p233) ●この本を読んで驚くのは、マスコミで報道される鈴木宗男氏と著者の  イメージと、本書で描かれる両氏のイメージの格差です。私は、著者の  佐藤優氏は人生をかけても筋を通す、かなり優秀な人であると感じました。  ・「一般国民の目線で判断するならば、それは結局、ワイドショーと週刊誌   の論調で事件ができていくことになるよ」「そういうことなんだと思う。   それが今の日本の現実なんだよ」「それじゃ外交はできない。ましてや   日本のために特殊事情を活用することなどできやしない」「そういうこと   はできない国なんだよ。日本は。あなたはやりすぎたんだ。(p288) ●検察が考えるように、国策捜査で捕まる人たちは皆さんたいへん能力が  あるので、検察に協力して前面自供し、早期に社会復帰してもらわなけれ  ばならないというのに説得力があるのが悲しいのですが、それが日本の  現実なのでしょう。  ・「下手に偽計業務妨害だけが部分無罪になったりすると、こっち(検察)   は組織の面子に賭けて上にあげるぜ。時間が数年無駄になる。呑み込ん   じゃった方が全て速く終わるぜ」正直言って、長期裁判は嫌だ。ここで   呑み込んでしまいたくなった。しかし、ここは筋を通さなくては一生後悔   することになると思った。(p332) ●見せしめ裁判というものは、社会の規律を正しくするという意味で大事な  ものなのでしょう。ただ、それが権力闘争の結果であったり、一時の世論  に沿ったものであるだけでなく、より一段高い視点からも考えるべきもの  だと思います。 ●それは見せしめ裁判というものが、個人個人に与える影響だけでなく、  組織に影響し、最終的には社会全体に影響するからです。水が澄めば  見た目はきれいではありますが、逆に魚が住まなくなってしまう  ようなことがあれば、それは本末転倒ということでしょう。 ●とはいえ、事件の両面を見るという視点だけでなく、日本の政治・  外交のあり方、そして日本の現実を考える良書と判断し★5つと  しました。 「国家の罠」佐藤 優、新潮社(2005/03)¥1,680 (評価:★★★★★) 購入する 参考になったと思う方はクリックをお願いします。 ↓ 楽天日記は簡略版です。 正式版を読みたい人はメルマガ登録をお願いします。 ------------------------------------------------------ 殿堂入り無料メルマガ「1分間書評!【一日一冊:人生の智恵】」 メルマガ登録|ホームページ

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