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カテゴリ:環境
2008年1月1日に放送した「未来への提言スペシャル~地球温暖化に挑む・世界のキーパーソンからのメッセージ」でのこと。
NHKのナレーション ハンセン博士は今温暖化について一般の人たちにわかりやすく伝える講演活動に力を入れている。休日を利用して全米各地をまわり個人の立場で温暖化の危機を訴えている。 「みなさんにぜひ聞いていただきたいのですが、温暖化について科学的に分かってきたことと、一般の人たちがなんとなく理解していることの間には大きなギャップがあります。みなさんが思っている以上に温暖化は危険な段階にきています。非常事態なのです。」 ハンセン博士が特に懸念しているのが、化石燃料の中で最も二酸化炭素を出す、石炭の使用が急増していることである。 ハンセン博士は言う。 「少なくとも先進国ではあと2,3年のうちに石炭火力発電所の新規建設を止めなければなりません。」 NHKのナレーション 世界の温暖化対策の中で今大きな問題となっているのが石炭火力発電である。同じ量の電力を作る際に、石炭は石油の1.2倍の二酸化炭素を排出するためである。ところが石炭はコストが安いため、電力を安く供給することができるというメリットがある。原油価格高騰の今、世界の石炭使用量はこの5年間に3割も増加した。 発電に占める石炭の割合は二酸化炭素の大量排出国(中国80%、インド70%、米国50%)でも大半を石炭に頼っているのである。 ハンセン博士は石油、天然ガス、石炭の3つの化石燃料から排出される二酸化炭素が今後どれだけ温暖化に影響を与えるかを気候モデルを使って計算した。その結果、最も埋蔵量の多い石炭の使用を段階的に中止すれば、大気中の二酸化炭素の濃度を危険なレベルまで上昇させずに済むということがわかった。 ハンセン博士は言う。 今後の温度上昇を1度以下に抑えて大規模な気候変動を回避することは可能。そのためには石炭の使用を段階的に止めること。石炭を燃やすことができるのは排出される二酸化炭素を隔離する技術を使った場合にのみ限る。 将来石油、天然ガス、石炭を燃やすことで、どれだけの二酸化炭素が排出されるか考えて見ると、私たちは石油の枯渇を意識している。価格も上昇している。おそらく埋蔵量の半分は使ったであろう。しかし石炭の埋蔵量は非常に多いため、今後莫大な二酸化炭素を出してしまう潜在的な可能性を持っている。これが大きな問題なのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年01月20日 22時34分16秒
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