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カテゴリ:スポーツ
2008年 1月 2日にNHKで新春スペシャル対談 “野球”と“ベースボール”~ヒルマン監督・バレンタイン監督~が放映された。
大リーグビジネスに学べ バレンタイン:日本の監督、コーチ、選手たちは大リーグ級だよ。しかし、ビジネスとしての日本のプロ野球は試合をつまらなくしているのでは。いいビジネスモデルとはいえない。日本が選手の大リーグ流出を防ぐのは日本のチームに大リーグと戦えるだけの強さがなければならないと思う。 ヒルマン:その通り。マーケティング手法については、僕にもいいたいことがある。選手の大リーグ流出を嘆き不満ばかり言っているのは間違いだ。日本の球場にはどこにでも、巨大なモニターがあってその巨大な画面にイチローと夢の共演をする日本のビジネスマンの姿が映ったり、松坂がビールの宣伝をする映像が流れたり、まったく意味がわからない。それは大リーグを若者にPRしているのと一緒だと思う。 バレンタイン:大リーグのビジネスのやり方は日本より優れている。大リーグは30球団一緒になってやっている。収益を分け合い、アイデアを持ち寄り、マーケティングにかかる負担も分担し、選手も共有している。例えばヤンキースは自前の放送局で、ロイヤルズがニューヨークへ来ることを宣伝し、ロイヤルズで好調な選手までも紹介する。個人主義の国アメリがで相互補助の仕組みができているんだ。 ヒルマン:ホームページも一緒だしね。 バレンタイン:1995年のストライキの後、選手会とオーナー会が互いに支えあうことの大切さを学んだ。経営者側が選手をPRし、選手も経営者側を宣伝するようになった。それに対して日本は、島国でグループ意識も高い、にもかかわらず、12球団がそれぞれ別に運営している。収益の分配もなく、アイデアも持ち寄ることもなく、マーケティング費用を分担することもなく、ともに何かをやることは一切ない。でもパリーグには6球団が一緒になって何かをやろうという意識がある。しかし、12球団が一緒にやらなければダメなんだ。一緒になって大リーグのビジネスモデルに習えば同じレベルになる。野球の世界的な発展のためにはすばらしいことだけどね。 ヒルマン:12球団が一つにまとまれば、大リーグに追いつくと思うんだ。ただ、一部には旧態以前とした考え方が残っているのも事実で、方向性を変えることは難しいだろうけどね。 バレンタイン:さあどうだろう。自分だけがよければいいという考え方なのか、考え方が古いのか、私にはわからない。 ところで、今年の開幕カードで札幌ドームに遠征し日本ハムと対戦するとき、東京では大リーグの試合が行われるという。これはどういうことだろう。どんな業界でもこれほどヘンな状況は作り出せない。でもなんと日本プロ野球連盟自ら作り出した状況なんだ。大リーグの試合が行われる日に、パリーグの開幕カードを行うと決めたんだ。大リーグは全国放送。私たちの試合は全国放送されないかも。それも去年の覇者日本ハムとロッテという好カードだよ。ローカル中継だけかも。 でも日本の選手の力は証明されてる。日本からアメリカへ渡る選手は日本でもらえる以上の年俸を手にすることができる。かつては大リーグの選手が日本へ出稼ぎに来たけど。今は日本の選手が大リーグで大金を稼いでいる。それというのも、日本では価値に見合った年俸を得られないからでしょ。以前の大リーグは有望選手をドラフトしマイナーリーグで育成していたが、今は日本で出来上がった選手を引き抜いて、チームに不足している選手を補強しているね。大リーグにとってはいいことだけど、日本プロ野球にとってはよくないことで、日本選手をいかに引き止めるか、対策をとるべきだ。 監督業というのは常に修正を迫られ、修正を続け、学び続け、楽しみ続けることが肝心なんだ。 対談を終えてヒルマンは、日本選手のレベルがどれほど高いかわかっていたことはうれしく思ったね。そのことを大リーグで広めてもらいたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年03月15日 22時21分15秒
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