慶大竹中平蔵と早大深川由起子教授が語る韓国とは
2008年竹中平蔵・上田晋也のニッポンの作り方で韓国特集を行っていたが、簡潔にまとめられわかるやすかったので紹介する。◆慶應義塾大学竹中平蔵教授韓国李明博大統領の外国人助言役に就任。20人の中の一人で、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長やサマーズ前米国財務長官などそうそうたるメンバーがいる。韓国の一人あたりのGDPは19,750ドルで日本の6割弱。10年の推移では日本はアップダウンしているが、韓国は1998年以降上昇し続けている。10年前は4分の1ほどだったのが、6割まできている。※国土面積は日本の26%で4分の1程、人口4,800万人で日本の3分の1程。韓国は波乱に満ちた経済。第二次世界大戦が終わった時点で朝鮮半島が分断され、南の部分の韓国はアジアの中で最も貧しい地域の一つだった。戦前に日本が建てた製鉄所や発電所のほとんどは北、北朝鮮につくっていた。これらをもたない韓国は非常に貧しい国から出発した。高度成長に成功する。ソウルに大きな河が流れているが、ハンガン(漢江)の奇跡と呼ばれた。ただその時に大分無理をしているところもあった。市場経済の中ではそれを担っていく企業家が必要だがなかなか育ってなく、なんとか経済を発展させようとする中で、特別に優遇するからがんばれと言って極端にいえばつくる。それが財閥になる。韓国の経済は財閥とともに発展して、奇跡をおこし、オリンピック開催までの実力をもった。ただ財閥をもつ企業は限界を持つ大きくするが、中のマネジメントは甘くなることもあるし、競争そのものがなくなっていく面もある。失敗すると止めるビファインドがなくなる。財閥の中に銀行をもつと何でも使えるとして過剰投資になったりして、そういうことが起きてしまったのが、1997年の通貨危機につながった。グローバル企業が育っている。韓国はある面ではるかにしのいでいる。2008年2月現在サムスンの時価総額は松下とソニーをあわせたぐらい。◆早稲田大学深川由起子教授韓国は通貨危機を契機に非常に大きな構造改革をして、その中で新しい産業を模索していくのだが、そこで行き着いたのがIT革命とそれに付随するコンテンツ産業だった。最初はADSLを使ったITの普及だったが、そこにコンテンツを詰め込んでいくことが実は非常に新しい産業を育てるのに便利だとすばやく気付いた。たとえば韓国のテレビドラマもホームページからダウンロードすれば韓国にいる韓国人でなくても世界中で見られる。そこに言語を変えることで世界にコンテンツを提供することになっていくわけで、そこから韓流ブームになだれ込んでいった。通貨危機のショックがまさにアメリカから起きているが、グローバル化が全部素晴らしいかと思っていたら逆流することもあると韓国は痛烈に思い知った。だからと言って中途半端に抵抗しても押し流されるだけで、やはりグローバリズムの波にうまく乗って生き延びようという決意を非常に強く持つようになったということではないかと分析している。