カテゴリ:電子工作
■PC接続できるデジタルマルチメーターM-6000Mを注文
電気関係の工作には、テスターが必需品。現在、アナログタイプ2つ、デジタルタイプは4つ所有。 ところが、PC接続してテスターのデータを取り込めるものは所有していない。次のものが安価なので購入に踏み切った。秋月電子通商で販売されている韓国METEX社のM-6000Mという4250円のデジタルマルチメーターである。これはRS232Cのインターフェースを持ち、PCに計測データを取り込める。 本当は、M-6000HというUSBインターフェースを持つものがほしかったのだが、購入にモタモタしている数日のうちに秋月では商品が品切れになり、購入することができなかった。 M-6000MはRS232Cのインターフェースだが、現在のPCではRS232Cのインターフェースを持つものが少なくなり、USBに変換して使用する必要がある。RS232CをUSB変換するケーブルが秋月で900円で販売されているので、これも同時に購入した。 送料が500円なので、合計5650円。秋月もオンラインでの購入にクレジットカードが使えるようになったので便利になった。 M-6000Mの諸元は次のもの。 ![]() 60MHzまでの周波数測定、コンデンサの静電容量の計測、温度計、秋月では動作が安定しないと明記している照度や音響レベルなど、盛りだくさんのデジタルマルチメーターである。 ※コラム・・・秋月電子との長いつきあい 秋月電子は、元は信越電気商会、私が中学生頃に買ったエレクトロニクス雑誌「トランジスタ技術」(CQ出版。通称トラ技)の広告で魅力的な部品を販売する業者であった。ところが当時は通販をしておらず、その商品を代行販売する「亜土電子」があり、よく利用した。ここは後にアマチュア無線機器販売の「トヨムラ」と業務提携をし、トヨムラが新しく秋葉原に建設していた「T-ZONE」という建物にテナントで入り、後に「T-ZONE」を名乗る。トヨムラに取っては乗っ取られたのかも。トヨムラは今でも細々と健在。亜土電子改めT-ZONEは・・・ 秋月電子は今でも健在。もう30年近く前に購入して組み立てた電灯線デジタルクロックとアラームとの組み合わせ(それぞれキット)、今でも朝の目覚めに活躍している。以前は店頭にも行ったこともしばしば。今でもトランジスタ技術での広告やWEB上の通販サイトで魅力的な商品を提供し続けていることは凄い存在である。 ■M-6000Mが到着 2日後、M-6000Mが到着した。M-6000Mには、パッケージに入った本体(右下)と秋月独自の付属品(写真右上)が付いていた。また左はRS232CをUSB変換するケーブルである。 M-6000Mをパッケージから取り出すと、赤色の保護ケースが登場。 保護ケースを開けると、本体、テストリード、マニュアルやソフトの入っているCD-ROM、英語マニュアル、RS232Cインターフェースモジュールが入っている。 付属のRS232Cインターフェースは、マルチメーターの上部裏側に取り付けるようになっている。このインターフェースと本体とは電気的に接触はないが、フォトカップラーらしきもの2つでデータをやりとりするようだ。 秋月が独自に付属させているものは、左から、日本語マニュアル、K型熱電対(温度測定用)、BNCメス-バナナ オス変換コネクタ(周波数測定などに用いる)である。 そして、M-6000Mは次のような外観である。ちなみにBNCメス-バナナ オス変換コネクタを取り付けている。 また、PCのUSBポートに接続するためには、RS232CをUSBに変換する必要がある。そのため、同時にRS232CをUSB変換するケーブルも注文した。本体とドライバーCD-ROMが付属している。付属のCD-ROMに含まれるドライバーは古いもので、64ビット版Windowsを使うときはProlific社のサイトから新しいドライバーをダウンロードする必要がある。こ ■M-6000M独自の機能を使う 基本的な計測以外で、独自の機能を使ってみた。 ・温度計 K型熱電対(温度測定用)は、-200℃~+1250℃まで対応しているが、本体は-40℃~+1000℃までの計測となる。マルチメーターの左中央にあるスリット上の端子にK型熱電対を接続する。室内温が20℃台のとき、31℃くらいの表示であった。誤差もあるが、温度表示がずれている感じである。その差を調べておけばそれなりに使えるかもしれない。 ・照度、音響レベル 内部にマイクやセンサーが内蔵されている。動作が安定しないと秋月が明記している機能だが、それなりに目安としては使えそうだ。 ■M-6000MをPCに接続して使う準備 (1)PCとの接続準備。標準はRS232C、変換ケーブルでUSBも可 PCとの接続は、標準ではRS232C(シリアル)で付属のRS232Cケーブルで行う。この場合はドライバーのインストールは必要ない。 RS232Cポートを持たないノートPCなどは、上記のRS232CをUSBに変換するケーブルを使用してUSBポートに接続する。このとき、ドライバーソフトをインストールする必要がある。この変換ケーブルは、Prolific社のPL2303という変換チップが使用されている。 上記で述べたように変換ケーブル付属のCD-ROMのドライバーは相当古く、64ビット版Windowsでは使えない。最新のPL2303_Prolific_DriverInstaller_v1417.zipをダウンロードして使ってみたが、M-6000MはRS232Cでの接続として認識しなかった。多少古いPL2303_Prolific_DriverInstaller_v130.zipでは、そのようなこともなく正常にM-6000Mからのデータを取り込むことができた。これは32ビット版Windows XPと64ビット版Windows 7どちらでも同じ状態だった。最新版が良いとは限らないということだ。 ドライバーをダウンロードしてインストール後、RS232CをUSBに変換するケーブルをPCに接続すると、Windowsにドライバーが組み込まれる。「デバイスマネージャー」で確認すると次のように表示される。 ![]() シリアルポート番号が「COM3」や「COM6」のように表示されるのでメモしておく。後で述べるフリーソフトであるデジタルマルチメーター用データロガー「Ts Digital Multi Meter Viewer」で使うために必要な情報であるからだ。また違うUSBポートに変換ケーブル接続すると、ドライバーが再びインストールされるが、このときシリアルポート番号が変わるので注意。 (2)データーロガー「Ts Digital Multi Meter Viewer」をインストール フリーのデジタルマルチメーター用データロガーソフトデーターロガー「Ts Digital Multi Meter Viewer」を使うと、デジタルマルチメーターに表示されているものをPCに取り込み、値が変化していく様子を見ることができる。またEXCELなどで読み込めるファイルとして保存もできる。M-6000Mなどいくつかのマルチメーターに対応。 ダウンロードしてインストール。インストール自体は実に簡単に終了する。 ■M-6000MをPCに接続して使う (1)PCとM-6000Mとを接続 PCにRS232Cポートがあるときは、M-6000M付属のRS232Cケーブルで接続。PCにRS232Cポートがないときは、別売のRS232CとUSBに変換するケーブルを使って、USBポートからM-6000MのRS232Cインターフェースに接続する。そしてM-6000Mの電源を入れておく。 (2)データーロガー「Ts Digital Multi Meter Viewer」を起動および設定 「Ts Digital Multi Meter Viewer」を起動する。最初に使用するデジタルマルチメーターの機種・・・1、そして接続するCOMポート番号・・・2、この2つを選択する。今回は「M-6000M」を選択し、上記のデバイスマネージャーで確認したCOMポート番号(今回はCOM3)を設定する。もしRS232Cケーブルで接続した場合、COMポート番号はCOM1やCOM2になるだろう。 ![]() これらの設定をすれば、Ts Digital Multi Meter Viewerは記憶し、次回起動したときには設定が不要である。そして上にあるConnectボタン・・・3 を押せば計測が始まる。 以下は実際にM-6000MとPCとを接続して「照度計」として使ったもの。M-6000Mの計測モードを切り替えればTs Digital Multi Meter Viewerもモードが自動的に切り替わるので便利だ。 ![]() このとき、PCとM-6000Mとを接続して計測させている実際の写真が以下。 ■M-6000Mのまとめ 本体が安価であり、別売のRS232CからUSBへの変換ケーブルが必要だが、フリーのソフトである「Ts Digital Multi Meter Viewer」を使って安価でUSBでPCへデータ取り込みができる点は非常に素晴らしい。 欠点としては、M-6000Mに付属のRS232Cが裏に取り付けるタイプで、スマートではない。また耐久性でも問題があるかもしれない。本当はM-6000HのようにUSBインターフェースが内蔵されたようなタイプであれば良かった。 しかし、トータルでM-6000Hと比較すると、変換ケーブル込みでもコストパフォーマンスは高い。そして国産のマルチデジタルメーターよりもはるかに安価、これでPCでデータを取り込めるようになり満足度は非常に高い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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