2012/02/20(月)03:30
地デジ難視対策衛星放送を見るには
■地デジ難視対策衛星放送
「地デジ難視対策衛星放送」とは、地上デジタル放送(地デジ)への移行により、地上アナログ放送は受信できていたものの、地上デジタル放送が受信できなくなった世帯が、暫定的にBS放送衛星を利用して東京地上キー局を受信できるようにするもの。NHK東京総合、NHK東京Eテレ、日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビ、地デジ難視対策データ放送がある。
私の家では、PT2など複数のデジタルTV受信チューナーを使い、「spinel」というLANで配信するソフトを併用し、家庭内のPCで有線/無線LANで地デジや衛星放送が受信や録画ができるようにしている。おかげでテレビがなくてもPCの台数だけ受信機がある状態である。しかもコピー制限なく録画できるので便利なのである。なお、ここのPCではスクランブル解除にB-CASカードが必要なのだが、「BonCasLink」を使えばメインとなるPC上でカードリーダに挿入されているB-CASカードを、LAN内の子のマシンで共有できるので使っている。
このシステムでも先ほどの「地デジ難視対策衛星放送」はもちろん受信できない。ところが・・・・
■TVTestで地デジ難視対策衛星放送を見る
「TVTestで地デジ難視対策衛星放送が見れるwinscard.dll」というものがあることに気がついた。検索するとダウンロード可能だった。オンラインでファイルを共有できるストレージサービスの大手「Megaupload」が先日FBIにより捜査が入り、運営者の逮捕およびサイト閉鎖に追い込まれたが、ここに置いてあったものが容易にダウンロード可能だった。また、ファイルサイズが小さいが同じ動作をするものが「friiocas.zip」というファイル名で現在でも容易に入手できる。
このZIPファイルのなかにある「winscard.dll」というファイル、これを「TVtest」というテレビ放送を受信するソフトのフォルダの中に入れると地デジ難視対策衛星放送が見られるという。
実際に確認してみた。BS放送を選び「テレビ東京」を選ぶと確かに受信できた。TVTestのタイトルバーおよび番組のテロップでテレビ東京が確認できる。
さらに、私の住む関西では見ることができない東京のテレビ局のロゴ(右上に表示されるもの)を集めてみた。
しかし、なぜ見られるのだろうか・・・
実は「friio」というあのデジタルTVチューナー、専用のソフトを使うとB-CASカードがなくても受信できる。friio側がB-CASカードの情報を共有するサーバーを立ち上げており、専用のソフトはそのカード情報を受信して放送が受信できるという訳だ。
そのfriioのB-CASカードサーバーから受信するのが「TVTestで地デジ難視対策衛星放送が見れるwinscard.dll」ということなのだ。friioサーバーからのB-CASからのデータを受信できる部分を取り出して、B-CASとしてなりすませるdllファイルなのである。言い換えると、friioのサーバーは地デジ難視対策衛星放送の情報も持っているということになる。
「TVTestで地デジ難視対策衛星放送が見れるwinscard.dll」を使うときの注意点として、先ほど述べたBonCasLinkを使っていた場合は終了させる必要がある。winscard.dllがB-CASカードの代わりに動作することができないからである。また、カードリーダーを装備しているPCで通常のB-CASカードを挿入している場合、このカードリーダーは外す必要がある。
ただし、地デジ難視対策衛星放送はSD画質なので画質はあまりよくない。また、東京の番組が面白いかというと、やはり関西の番組の方が面白い。そういった理由であまり見ることはない。また、friioのB-CASサーバーが安定性がないのか、見ている番組が止まることがあるのも別の理由になるのかもしれない。
■オマケ・・・BLACKCAS
衛星放送が契約なしで、合計89チャンネルのBS + 地デジ難視対策 + CS110度(スカパー!e2)が見られる「BLACKCAS」というB-CASカードが発売されている。このカードはB-CASカードが必要なテレビや録画装置などで利用できるという。また、2038年4月22日まで使えるらしい。このカードを使えば有料番組がタダ見なのである。
発売しているサイトではPayPalでの支払いが可能で、日昇開發科技有限公司という台湾の業者で、価格は49,800円。以前は「Magic B-CAS」という名称で倍の値段がしていたらしい。
ここまで来ると恐ろしい・・・・B-CASカードのシステムが完全に解析されているのである。今後、同じようなカードがいろいろ出てくるかもしれない。