Jashi's ROOM

2014/11/26(水)20:27

「Chromecast」とよく似た「EZCast」は違うプラットホーム

PCハードハードウェア(106)

『「Chromecast」とよく似た「EZCast」の使用チップとセットアップ』の続編 ■EZCastはいろんなところから販売されているが・・・ EZCastを調べれば調べるほど、「EZCast」という名称を使った製品を販売しているところが数多く見つかる。いったいこれはどうしたことか。 ヒントとなりそうなところが見つかった。各種端末でプラットホームで動作するEZCast用のアプリなどを配布しているhttp://www.iezvu.com/である。ここの下を見ると「Actions Microelectronics」の表示が見える。つまり今回のCPUチップを製造している会社である。 また、このサイトには「PCと接続して手動でファームウェアをアップデートする方法」が以下のURLに掲載されている。 http://www.iezvu.com/download_tool.php?&l=en ここのページに出てくる基板が今回購入したEZCastの基板と同じなのである。 またこのサイトに「パートナー」として表示される製品が、今回私が購入したものを含めていろいろな形態のものが出てくる。URLは以下。 http://www.iezvu.com/index.php?&m=Partner&a=index&id=30&l=en 以上のように、Actions Microelectronics社がチップを販売促進するために各種端末とやり取りするための「EZCast」というプラットホームを作ったということだ。基板もチップメーカーが基本的なものを作り、各社もそれにしたがったものを使っているということに違いない。ファームウェアはActions Microelectronics社が作成しており、ハードウェアを作っている会社が異なってもベースが同じなので共通して使えるということなのだろう。 ■EZCastとChromecastの違い Chromecastは、基本的にはAndroid端末(タブレット、スマートフォン)やPCからリモコンのように指示すれば、Chromecastがインターネットから自力で動画を取得して再生できるため、端末側では負荷が掛からず別の作業をすることができる。ただし、基本的にはWEB上にある動画が中心で、APIなどが公開されているため、端末側やLAN内にある動画なども再生できるアプリも増えてきている。 Chromecastではミラーリングは、PCのChromeブラウザでの拡張機能「Google Cast」を使うことで可能だったが(ただしインテルのWiDiやMiracastのようにスムーズではない)、Android端末では不可能だった。それがChromecastのファームウェアのバージョンアップやAndroidの最新バージョンでは対応できるようになってきた。それでも基本的にはミラーリングは多くの端末では未対応である。 EZCastは、アプリで選択したものをミラーリングで表示するのが基本のように思う。またMiracastのワイヤレスディスプレイアダプターとしても使えるようにEZCastアプリから切り替えられるようになっている。AndroidのMiracast対応しているもの、およびWindows 8.1搭載で強引にMiracast対応させたデスクトップ機でミラーリングは可能だった。ミラーリングできても画像が荒れたりブロック状になることもあった。 ただし、Windows 8までのPCはMiracastに対応しておらず、CPUやチップセット、無線LANモジュールの条件が合致すれば「Intel WiDi」が使える。「Intel WiDi」最新版では「Miracast」に対応していることになっているが、Windows 7のPCを使っての接続できなかった。つまり「Intel WiDi]に未対応なのである。 専用のMiracastやWiDi対応のミラーリングできるアダプターを持っている私としてはあくまでもオマケである。 試しにEZCastアプリからyoutubeの動画を再生して、端末の電源を切ってみた。するとしばらくすると動画が途切れた。EZCastアダプターのバッファーに入っていた分は再生されるが、端末側から指示が途切れたため再生が中断したのだろう。Chromecastでは指示が与えられれば端末側が切断しても途切れることがない。つまりEZCastは端末に負荷がかかるが、Chromecastは最初の指示のみで端末に負荷が掛からない。 ところで端末側からEZCastアプリで接続するとEZCastアダプターと接続しているのが確認できる。この状態でも端末側はインターネットへのアクセスが可能だった。 このことはEZCastアダプターは、家庭にある無線LANと接続してインターネットとのやり取りをし、EZCastを中継して端末に接続していることを示す。端末が直接無線LANアクセスポイントに接続してEZCastに接続すると端末側の負荷が大きくなるが、その点は考慮しているようだ。 なお、EZCastでyoutubeの動画を再生しているとき、端末のホームボタンを押して、別の作業をすることが可能で、端末の負荷はほとんどなかった。 ■EZCastはChromecastのパクリか 今回私が購入したようなChromecast似のものは、Chromecast人気に便乗して出回ったためぬ「パクリ」と思われているようだ。しかし、まったく似ていない形のEZCastも存在する。実はEzCastの方がChromecastよりも前に出ていたようで、パクリではないのだ。 先に述べたように見た目が似ていても動作が相当異なって内部も違うもので、全然違うハードウェアなのである。そして動作も似ているようで違う。EzCastの方が制限がない動作をするのである。 ■EZCastのアプリの使い方・・・実はChromecastでも使える!! EZCastのアプリを起動すると次のようなメニュー画面が出てくる。端末の動画や写真、音楽、WEB上のものを表示することができる。 EZCastのアプリは、ワイヤレスミラーリングのMiracastアダプターとして切り替えることも可能。ただし、Miracast専用のアダプターを持っているので比較すると、画像が乱れてしまうこともあり、画質的には若干落ちるようにも思う。AndroidやWindows 8.1のMiracast機能でのミラーリングはできるが、Intel WiDiでは接続しようとするが結果的には不可能だった。 端末のカメラをテレビに映し出すことができ、ポーズをかけると静止画として表示、さらにマーカーで描くこともできる。 EZCastのアプリだが、実はChromecastでも使えてしまう。上2つがEZCastであり、一番下がChromecast。選択してパスワードを入れれば接続できてしまうのである。ただしハードウェアが異なるのでMiracastアダプターとしては使えない。 EZcastは安価だが、基本的な動作が違うし荒削りなところもあるので、初心者はChromecastを購入した方がトラブルが少なくていいかもしれない。

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