ありふれた生活

山手線の目黒駅で白い杖をついた目の不自由な女性が乗ってきた

軽く混雑した車内

その女性はどこにつかまるでもなく、
よりかかるのでもなく車内に立っていた


どうしたものか
手すりに誘導したらいいのだろうか


なんて考えているうち電車がガタッと大きく揺れた


私はとっさにその女性を支えようと手をのばした


そしたら、他に手がふたつ


女子大生風の派手な女の子の手
金髪で大きなヘッドフォンをした男の子の手

きっと彼らも気にしてたんだよね。。。
３人で目が合って照れ笑い


ちょっと温かい気持ちになれた午後



その電車で向かった先は、某役所。。。

役所の担当者の手はひどく毛深かった

指毛が渦を巻いていた
その渦をのばしたならば、きっと指より長かろう。。
あなたの渦に溺れたい（そんなわけはないだろう）

願わくば・・・
その毛、頭にあったらよかったのにね

ま、大きなお世話ですけどね。。


ハートウォーミングな手のお話をオムニバス形式でお届けしました。。