2015/02/15(日)07:22
客体験こそ
理容師の皆さん方の学会がある。
その学会で、1年間顧問講師をしたことがある。
その成果を、長崎の学会で参加者の
理容師の皆さん方に、成果報告していただく、
いわゆる1,000円床屋が出現、
理容業界がゆれにゆれた。その頃の話である。
. 利用者の選択、判断の問題を、
「利用者の身になって考える」
と、いくらと考えても言っても、なんの解決もしない。
そんなことは言っても言わなくてもいいから
自分が消費者、お客、利用者、クライアントになる。
その経験を踏まえ、それで体感したことを
自分の経営に置き換えて、活かす。
それ以外がない。
お客になってお客の気持ちを体感する。
実は、実際にやられた方ならわかるが、
これがきわめて難しいのである。
そうした話を聞いてその後、このことを実践された方は、
私が知る限り長崎のSさんのグループ、5-6人だけ。
なぜか。なぜ難しいのか。
それは作り手、売り手の経験、経営者、店主の経験、思考、
こうしたものが脳を占めていて、消費者体験や
消費者の思いなどの進入を邪魔するからである。
経営する側が、消費者になりきると言うことは
実際、きわめて難しいことである。
顔も頭も知られている県内の同業者ではなく、
知られていない土地の床屋さんで自分の頭を刈ってもらう。
長崎のSさんたちは、それを1年以上続けた。
客体験をご子息、お弟子さんと実践された。
その体験をお手紙でいただいたが、
曰く「床屋ばなれの理由。じっとしているのはしんどい」。
お客様の体感をいっぱい積むと、
自分の企業、お店の問題が見えてくる。
問題、課題と言うが、それらもまた
消費者、お客、利用者、クライアントからみた
それらでなければ、なんの対応、解決、革新にならないのである
消費者、お客、利用者、クライアントからみた問題、課題こそ
なさねばならない対応である。
消費者になりきれて、
真に経営革新を図らねばならないことが見えてくる。
今、経営者に乏しいのは日常生活での消費者感覚だ。
だから、
今、経営者がなさねばならないことは日常での生活だ。
今、経営者が取り戻さねばならないことは消費者感覚だ。