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人生は10段変速の自転車みたいなもの

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2014/11/22
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カテゴリ:読書

毎度のネタバレです。

殺しを何とも思わない、ちょっと変わった殺し屋たちが登場する、裏社会を舞台としたハードボイルド小説。
したがって、当然のことながら何人も殺害され、なに一つ前向きな方向性の見当たらないストーリーですが。。。テンポの良い軽快さからグイグイひき込まれ、終わりの方で大きな悪の闇組織「フロイライン」がボスもろとも崩壊した時は、むしろ爽快感さえ感じてしまいました。
井坂幸太郎ならではのストーリー展開ですね。



主人公の鈴木は、轢き逃げされた妻の復讐を果たすために、教師を辞めて裏業界の組織「フロイライン」に入社する。経営者の息子が犯人であるが、その男は鈴木の見ている前で呆気なく車に轢かれる。そこには「押し屋」と呼ばれる殺し屋が介在しており、鈴木は組織の指示に従い「押し屋」の後を追う。

その名のとおり大柄な鯨という殺し屋が登場する。鯨は被害者を自殺に追い込み殺すのを専門とする。誰もが鯨を目の前にすると不思議と呆気なく死を選ぶ。しかし、鯨は自殺させた人びとの幻影に悩まされ、しだいに幻影ははっきりと現実の中に現れるようになり、これまでの人生を清算しようと考える。

そして、蝉というナイフ専門の殺し屋が登場。身軽で機敏な茶髪の若者で、なんのためらいも無く子供でも殺すが、冷酷非情というより、ちょっと足りないユーモラスさを感じるキャラクター。

「主人公」-「鯨」-「蝉」の3人の話しが順繰りに章を構成し、最初はそれぞれの話だったのが、それぞれの目的で「押し屋」を追跡することになり、一つの話に収束してゆく。生き残るのは誰だ?という展開である。

殺し屋など悪人はともかく、一般人も虫けらのように殺されてゆくのは、あまり面白い話の展開ではないが、タイトルのグラスホッパー(バッタ)は数が増えて密集すると凶暴化するという話が出てくる。都会の密集した人間に重ね合わせているのでしょう。

そして、最後に主人公の鈴木と闇組織をターゲットにした「押し屋」が残る。鈴木は全く手を下さないうちに復讐相手が殺され、妻の復讐を果たせず暫く落ち込むが、気持を切り替え立ち直る。

それでお終いかと思ったら、最後の最後にどんでん返しが!
なんと、これまでの話は主人公の幻覚だったのかなと取れる終わり方になっている。まぁ~、結末の解釈は意見の分かれるところでしょうね^^)

[蛇足なネタバレ]
この本の途中で、鯨と知り合いの田中というホームレスが出てきて「目の前の信号の点滅がちっとも止らないのは幻覚の見始めで、通過する列車がいつまで経っても通り過ぎないのは幻覚からの目覚めの合図だったりします」と言う会話を交わすところがある。

そういえば、復讐相手が轢き殺される直前に、交差点の信号が点滅していて、いつまで経っても変わらないと主人公は感じたのだ。。。そして最後のページで、駅にいる主人公の前を列車が通るが、いつまでも回送電車は通り過ぎないところで終わってしまう。

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Last updated  2015/02/05 08:41:33 PM
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