ハードバップ界いちの働き者、アート・テイラーの初リーダーアルバムだけ
あって、さすがに豪華なメンバーが揃っている。
アート・テイラーは忙しいサイドメン稼業の傍らアルバムタイトル同名の
コンボを率いており(すぐに解散したらしい)、本アルバムはそのお披露目的
内容でもあるようだ。
とはいってもアート・テイラーのリーダーシップは
表立って感じられない。
この姿勢は1959年の『テイラーズ・テナーズ』、1960年の『A.T.'s・デライト』
においても共通している。
興味深いコンポジションを提示するわけでもないし、長いソロをとることもしない。
フロントを盛り立てることを信条とするような彼のドラミングはいつもと変わらず、
ソロイスト(ソリスト)の後ろで快適なビートを送り続けている。
リーダーだからといって目立つ必要はない。
いつものようにベストを尽くすだけさ。
といったところだろうか。
そしてバードがマクリーンが
ブライアント(あたり曲「リトル・スージーの原型というべきフレーズも出てくる」)が
香り高いソロを気持ちよさそうにまき散らしている。
あくの強さにはかけるが、この律儀なドラム・ワークを愛した
ハードバッパーは数知れない。
職人魂ここにあり。
テイラーズ・ウェイラーズ/アート・テイラー 視聴有
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