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テーマ:私の図書(49)
カテゴリ:本
買い物難民を救え! 村上稔 2014年
-移動スーパーとくし丸の挑戦- ジョージ・パッカーの「綻びゆくアメリカ」のサム・ウォルトンの章によると、ウォルトンは、地方都市の小売店に狙いを定めて進出し、地元商店を潰して「毎日が低価格」の生活スタイルのマーケットを拡大してきたと描かれています。 低価格大型スーパーに依存して生きるようにアメリカ人を変貌させ、物価は下がり、パート労働が増え、多くが低賃金となり、ウォルマートは栄え、街は衰えたと説明しています。 本書によれば、そうしたことはアメリカでは20年前からフードデザートと言って問題になっていますが、その現象が日本の地方都市でもすざましい勢いで起きており、フードデザート・食の砂漠が出現しているそうです。買い物難民が生じた原因は、ウォルマートに地域の商店がつぶされたのと同じ構図のようです。 これに取り組むソーシャルビジネスとして移動スーパーのフランチャイズ展開を起業したそうです。地方の高齢者の食生活対策事業であるそうです。 地方都市でも新興住宅地などみているとパブリックスペースのないくつろげない町づくりに日本はなってしまっているそうです。団塊世代の最期が65才を過ぎた今、いよいよ高齢化に拍車がかかるわけですが、そうしたかっての新興住宅地や団地の中に居場所は自分の家の中しかなくなって閉じこもるはめになります。そうした地域に密着した人口が地方都市でも増えていきます。 一方で上記の身近な地場スーパー、商店が淘汰され、大駐車場を備えた大規模スーパー、ディスカウント店しかなくなり、高齢者は、難民化していかざるを得なくなるそうです。 このギャップをソーシャルビジネスとして、地域の仕事を確保する持続可能性のあるやり方で推進されているそうです。大手ではなく、地場スーパーと提携して全国に軽トラのとくし丸移動スーパーをフランチャイズ展開しているそうです。 「地方消滅」に震撼しましたが、「まち・ひと・しごと創生」とは、このような創意工夫の事業家精神と社会貢献できる「仁」ある「君子」が必要なことがよくわかりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 19, 2014 11:02:09 AM
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