2015/06/29(月)15:39
技をつなぐ
日本木造遺産 藤森昭信 藤塚光政 腰原幹雄 2014年
千年の建築を旅する
23の木造建築の写真と解説はいずれもとても面白い。由来と凝らされた技巧、込められた主題に感心するばかり。文化財の良さを知るとはこのように楽しいものであることがよくわかった。こうした語り部は有難い。
建築がこれほど迫ってくるとは、つながれた技がなすものと思う。建物自体が、技と渾身の力がこめられた巨大な美術品にも見えてきた。建物の存在が、空間美をつくりだしてもいるようだ。
木造遺産は、「遺跡でなく、弛まぬ補修と維持のおかげで実物を体験できる。連綿と生き続ける現代建築で、後世に引き継ぐ未来建築でもある。」との巻末の説明の意味がよくわかった。
是非、なんとか先達の技のかずかずを体験してみたいと思う。