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テーマ:私の読書(24)
カテゴリ:本
答えは必ずある 人見光夫 2015年
逆境をはね返したマツダの発想力 業界初のロータリーエンジン量産化メーカー。1991年、ルマンでロータリーエンジン車でメルセデス、ジャガーを破って制覇した会社。技術的な野心を持ち、広島に居を構える自動車メーカー。話題となる大衆車、スポーツカーを時々作る会社。 販売市場でもトップランナー集団に挑み、マーケティングに幻惑されたり、資本提携・技術提携を重ねたりしながら、浮沈を重ねた会社。 製品は買いたたかれ、安くていい車でも残価は期待できないブランド。いずこも生き残りのグローバル立ち位置を作った時、取り残されたかのように広島に閉じこもった会社。連続赤字決算を繰り返し、もはや時間の問題かと思われた会社。 ひと昔前、マツダの大方のイメージは、こんな感じでした。 ところが、ここ数年、立て続けに目の覚める車を造り出し、なにやら伝統技術を革新して、仕立て直しているかのようでした。 本書を読むと「保守的で、担当域に逃げ、できない理由を探して、忙しく無駄をする旧弊」を打破しようとしてきたようです。 燃費と走行性能を目標にエンジン、車体、駆動装置の見直しをしたようです。シンプルに観察して、後追いの対症療法ではない根本治療法を求めて、大きく振った実験を重ね、解決のトップピンを見つけるアプローチであったと言います。壁を取り払ってやっていれば自ずと答えは見つかり、いつだって答えはシンプルで、全体最適に考えればできるそうです。これを世界一の性能を目指してやっているそうです。今も途上で、理想追求は止めないと、てらうことなく言います。 推進できたのは、ロードマップを示し、決意を示すリーダーシップであると言います。 HARD THINGSで、著者のホロウィッツは、リーダーの資質は、ビジョンをイキイキと描写できる能力(スティーブ・ジョブス)、正しい野心(ビル・キャンベル)、ビジョンを現実化する能力(アンディー・グローブ)だと言ってました。そして、なすべきことを会社に実行させる能力があるかどうかをCEOは問われていると言ってました。やるときは、人、製品、利益の順で大切にしろとも言ってました。なにやら日本の一昔前のいい会社に似ているようで、いい会社の万国共通の経営規範のようです。 HARD THINGSをかいくぐってきたマツダは、てらわず、自らの理想を追い求めるこんな会社に変わっていたような気がしてきました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 18, 2015 07:06:14 PM
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