もぐらのランプ Mole's lamp

2010/06/20(日)19:31

カミングアウト

病気と仕事(9)

実は、2週間ほど前、上司に自分の病気のことをカミングアウトしました。 きっかけは、5月に胃腸を壊し、1週間ほど休んだ(詳細はこちら)ことです。 その時は別に何も聞かれなかったのですが、たった1週間休んだくらいで全快するものでもなく、その後も欠勤してしまい、自分の中の焦りと申し訳なさと情けなさが余計にストレスになってしまっていました。 仕事にちゃんと行けた日も、 「一体、私のこと、どう思っているのだろう」 「ずる休みしていると思われているのだろうか」 等 悲観的な考え方が頭の中をぐるぐる廻り、 いつもビクビクしていました。 今の職場に就いてから、精神症状は落ち着いていて、自分でも 「寛解したのかも・・・」 と思えるほど元気だったのですが(風邪を引いて休んだことはあったけれど)、 3月末以降、症状がでてきてしまいました。 私の仕事は精神障害のある方の支援(ケースワーカー)です。 自分の体調管理が大変求められる仕事です。 体調管理ができている限り、カミングアウトする気はまったくありませんでした。 せいぜい辞めるときに、ちょっとそういう病気があったことを言ってみてもいいかなと思うくらいでした。 PSW(私の仕事)の人間にとって、自身の精神障害歴をカミングアウトすることには、どんなメリットがあるのでしょう。 体調を崩す前の私の答えは「デメリットしかない」でした。 それは、周りの人間がみんなPSWで、カミングアウトすることで、自分の精神障害について一般の人が知らないような(要するに余計な情報まで)詳しく知られてしまう。 PSWとひとくちに言っても人間なので、差別意識の強い人もいる。 何かあったら「あの人は精神障害者だから」と障害のせいにされてしまうかも知れない・・・ というのが私の理由でした。 それでも、カミングアウトするに至ったのは、 自分の欠勤がずる休みではないこと 春先に調子を崩しやすく、今年もそうであったこと 欠勤理由にいろいろとウソに近い理由を言うのがもう苦しくてたまらなかったこと 上司が精神障害者(そして人間)に対して基本的に温かい視線をもっていること です。 (特に、最後の理由は大きいです。) 「私は、当事者なんです」 と言ったとき、思わず涙が出てしまいました。 上司は微笑んで 「そう」 と言ったかどうだったか忘れましたが(え~!忘れんなよっ←自分に対するツッコミ)、要するに受け止めてもらえたと感じました。 彼女は特に私が精神障害者なのではないかとは感じてはいなかったようです。 自分の病状が重かったころのことや 症状が重かったころ、誰も自分の言うことを信じてくれなかったという経験、 私の言動すべてを診断基準にあてはめられたという悔しい経験 などを話すと、 「随分つらい経験をしてきたんやね。でもその経験はマイナスにはならないよ」 と言って下さいました。 話して本当に良かった・・・・ PSWが職場で自分の精神障害経験を話すのは、大きな賭けだと思います(別にPSWに限りませんが・・)。 今は、精神障害者向けの求人などもありますが、その中にPSWを募集していたりする事業所はないのではないでしょうか? 私の勤務している自治体には身体障害者の方がたくさんいます。しかし、知的障害者、精神障害者を募集しているところはあるのでしょうか? 私も言う前に、その上司に 「『こういう人は雇わない』というような規則や条例はありませんか?」 と、聞きました。 私が精神障害者であることが分かった途端、解雇されるのを恐れたからです。 まあ、「身体障害者以外は雇わない」というような条例はないらしいですが・・・・ これからは体調管理を万全にして、自分の限界も知って、がんばりたいと思います。

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