2014年2月の読書記録
1月分の記録が書ききれなかったので、2月分と纏めて書きます。突然姿を消した女の正体・・その女の過去は、時代の激流に呑みこまれた家族の歴史でもあったんですね。何だか、色々と考えさせられる作品でした。杉村三郎シリーズ第3作目です。今回は、驚愕のラストが待っていました。作中にマルチ商法が出ていましたが、マネー犯罪は、自分のみならず家族や友人をも不幸にしてしまうんですね・・NHKでドラマ化された宮尾登美子さんの小説。土佐の一絃琴に魅せられた女達の思いが、文面からひしひしと伝わってくるようでした。何かに向かってただ邁進する人の姿は、素敵ですね。なんとも後味の悪い小説でした。無計画に男と遊んでは避妊もせずにポコポコと子供を生む母親を忌み嫌い、家を出たはずの男が、付き合った女と避妊もせずに無計画にセックスして妊娠させた挙句、結婚したくないって逃げ出して、挙句の果てに殺人まで犯して・・もうどうしようもないほどのDQN男に惹かれる女の方もねぇ・・男に騙されていることにも気づかずに未婚の母になって、男が惨殺した人間を目の当たりにして、男を突き飛ばして殺して・・一番の被害者は、このDQNカップルから生まれた子供ですね。両親共に殺人犯で、無計画でどうしようもない馬鹿ときた。女の弟と両親がまともで常識を持った人間だから、良い子に育てばいいですね。それよりも、このDQN女をかばったオッサンが殺人犯扱いされる理不尽さも救いようがないですね。事の発端を作った夫婦もなぁ・・ギャンブル癖がある夫に、ブランド物のバッグや服を買いあさる見栄っ張りな妻。こっちもお似合いの馬鹿夫婦ですね。一人息子がまともでよかったよ。とある企業の食肉偽装と、中野の居酒屋で起きた殺人事件・・全く接点のない事件の繋がりが徐々に明らかになるにつれ、大型ショッピングモールによって商店街が崩壊し、“町の顔”が消えている地方の現状も明らかになっていきます。フィクションじゃないような気がするなぁと、読み終わった時思いました。チーム・バチスタシリーズ最終巻です。全然読んでいないんですけどね・・まぁ、最終巻とだけあって、ラストまで波乱尽くしの展開でした。面白くて、あっという間に読み終えてしまいました。