「鬼神が昨夜ここに?」
翌朝、四郎はそう言って美津を見た。
「そうなの・・彼こう言ったわ。お前がどんなに人々を救おうと、お前は尊敬されるどころか化け物扱いされるって・・」
美津はそう言ってうつむいた。
「これからこの村には何かが起こりそうな予感がするの・・恐ろしい、何かが・・」
「買い物に、行ってきます。」
四郎は畑を出て、買い物に出かけた。
広場では人だかりができていた。
何だとおもってみていると、役人が1人の男を指して怒鳴っていた。
「この男は異教の神を信じ、お上に弓引く者!よってこの者を死罪とする!」
四郎は男の顔を見てハッとした。
男は自分達に何かと親切にしてくれる藤吾だった。
「待たれよ、その男は何も・・」
だが役人は四郎の言葉に耳も貸さず、藤吾の首をはねた。
四郎の脳裏に、藤吾の笑顔が浮かんだ。
「藤吾さんが、殺された・・」
「はい、この目でしっかりと見ました・・藤吾殿が殺されるのを・・」
「なんてこと・・」
美津はそう言ってその場に蹲った。
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Last updated
2012.04.01 21:49:57
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