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JEWEL

2015年04月24日
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オーロラ一座のテントは、今夜の公演に向けての準備で、団員たちは忙しく働いていた。

「お前ら、もっとキビキビ動け!」
「カイル、久しぶりだね。」
「リン、久しぶりだな。元気そうでよかった。」
カイルはそう言うと、凛に向かって微笑んだ。
「そうか、お父さんの所で暮らすことになったのか。じゃぁ俺達ともお別れだな。」
「うん。寂しいけれど、またカイルたちと会えるよね?」
「ああ。そうだ、お前に渡したい物があるんだ。」
カイルはそう言うと、ポケットの中から指輪を取り出した。
「安物の指輪だけれど、俺からのプレゼントだ。」
「有難う、大事にするね。」
「お父さんと仲良く暮らせよ。」
カイルとテントの前で別れた凛は、歳三と共にリティアへと戻った。
「お父さん、僕ちゃんとお祖父様に挨拶できるかなぁ?」
「大丈夫だ。」
カイゼル公爵邸に入った凛は、祖父の書斎のドアをノックした。
「入れ。」
「失礼いたします、お祖父様。」
「お前がリンか・・あいつと同じ顔をしているな。」
カイゼルはそう言うと、凛の頬を撫でた。
「わたしが意地を張った所為で、お前から母親を奪ってしまったな。お前には、悔やみきれんことをした・・」
「僕は一度も、あなたを恨んだことなどありません。だから顔を上げてください、お祖父様。」

その日の夜、カイゼル公爵家では凛を歓迎するパーティーが開かれた。

「リン、これからはずっと一緒に暮らせるわね。」
「ええ。アンジュ様、改めて宜しくお願いいたします。」
「こちらこそ、宜しくね。あなたとわたしは従兄妹同志なのだから敬語は不要よ。」
「はい。」
アンジュと凛が楽しそうに話している姿を見ながら、歳三はシャンパンを一口飲んだ。
「これから賑やかになりそうね、お兄様。」
「ああ。」
「リンは本当に、チヒロ姉様にそっくりね。」

凛がカイゼル公爵家で暮らし始めてから、1年が経った。
彼は歳三と共に、歳三の母の故郷である日本へと向かうことになった。

「リン、気を付けて行って来てね。」
「はい、叔母様。」
「じゃぁ、行ってくる。」

旅立ちの日の朝、車に乗り込む歳三と凛を玄関ホールで見送ったエミリーは、彼らが乗った車が見えなくなるまで手を振った。

「お父さん、日本ってどんな所かな?」
「さぁな。俺は日本には一度も行った事はないが、きっと楽しい所だろう。」

歳三はそう言うと、紫紺の瞳を煌めかせた。


~完~

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最終更新日  2015年06月17日 14時30分32秒
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Re:琥珀の血脈 最終話(04/24)   kaze-uni さん
凛はようやく、カイゼル家の一員に慣れましたね。
長い間の苦労が報われて良かったです。
これからは幸せに暮らして欲しいですね。 (2015年04月25日 01時14分37秒)

Re[1]:琥珀の血脈 最終話(04/24)   千菊丸2151 さん
kaze-uniさん
>凛はようやく、カイゼル家の一員に慣れましたね。
>長い間の苦労が報われて良かったです。
>これからは幸せに暮らして欲しいですね。
-----
長い間生き別れていた凛と歳三は、漸く親子として暮らすことが出来ました。
これから、二人は幸せに暮らすことでしょうね。 (2015年04月25日 13時07分17秒)

『琥珀の血脈』のご完結、おめでとうございます   風とケーナ さん
千菊丸様、こんばんは♪
いつも本当にありがとうございます!

カイゼル公爵家でも歓迎される凛くん、
アンジュちゃんとも従兄妹同志として、
これからも仲睦まじく暮らしていくのでしょうね(^-^*)

歳三様と凛くんが千尋ちゃんの故郷である日本に向かう、
とても素敵なシーンで終幕となり、清々しい余韻で胸がいっぱいです。

此度も感動的な小説を本当にありがとうございました.:*・☆

(2015年08月26日 22時40分51秒)

Re[3]:琥珀の血脈 最終話(04/24)   千菊丸2151 さん
風とケーナさん
>千菊丸様、こんばんは♪
>いつも本当にありがとうございます!

>カイゼル公爵家でも歓迎される凛くん、
>アンジュちゃんとも従兄妹同志として、
>これからも仲睦まじく暮らしていくのでしょうね(^-^*)

>歳三様と凛くんが千尋ちゃんの故郷である日本に向かう、
>とても素敵なシーンで終幕となり、清々しい余韻で胸がいっぱいです。

>此度も感動的な小説を本当にありがとうございました.:*・☆


-----
カイゼル公爵家の一員となった凛、これから歳三といつまでも仲良く暮らすことでしょう。
今までこの長い小説を読んでくださり、有難うございます。
(2015年08月27日 18時51分45秒)

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