黒執事・薔薇王の葬列クロスオーバー中世パラレル小説です。
ディズニー映画「ノートルダムの鐘」風のパラレルですが、一部キャラ設定や時代設定が違っていたりしますが、それでもいいよという方のみお読みください。
「バッキンガム、お前は望みを果たしただろう?」
「いや、俺はまだ望みを果たしてはいない。」
そう言ったバッキンガム判事は、牢に繋がれているリチャードを見た。
「何だと!?」
「俺の望みは、あんたを手に入れる事だ。」
「冗談は止せ。」
「いや、本気だ。」
バッキンガム判事は、欲望に滾った瞳でリチャードを見た。
「俺に何をする気だ?」
「それはまだわからない。まぁ、あんたの態度次第だな。」
「閣下、奥様が・・」
「部屋で待たせておけ。」
「それが・・」
牢番がそう言って俯いた時、牢にキャサリンとセシリーが入って来た。
「奥様、リチャード様を見つけましたわ。」
「ありがとう、キャサリン。リチャード、わたしと一緒に家へ帰りましょう。」
「嫌です。」
「そう・・では、お前を殺すしかないわね!」
セシリーはそう叫ぶと、隠し持っていた短剣を取り出し、それをリチャードの頭上に振り翳(かざ)した。
一体何が起こったのか、リチャードにはわからなかった。
気が付くと、リチャードは血の海の中に居た。
そこには、セシリーとバッキンガム判事の姿があった。
セシリーは息絶えていた。
「あなた、しっかりして下さい!」
キャサリンは血塗れになって倒れている夫を抱きかかえながら泣き叫んだ。
「坊ちゃん、大変です!」
「バッキンガム判事が、プランタジネット公爵夫人と刺し違えただと?」
「えぇ。」
「それで、二人はどうなった?」
「プランタジネット公爵夫人は即死、バッキンガム判事は医師の治療の甲斐なく亡くなられたそうです。」
「そうか・・」
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