素材は
NEO HIMEISM 様からお借りしております。
「火宵の月」二次創作小説です。
作者様・出版者様とは関係ありません。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
「まぁ王妃様、ご機嫌麗しゅう。」
スンアは笑顔を浮かべながら、クオク王妃に挨拶したが、王妃は不快そうに鼻を鳴らした。
「王妃、其方がこちらに来るなど珍しい。王様に何かあったのですか?」
「大妃様、王様の動物好きは異常です!猫を部屋で買うのはおかしくはありませんが、鼠まで寝所に持ち込み、添い寝するなど、想像するだけでもおぞましい!」
「王様は貴女と共寝するよりも、動物と共寝する方が良いのですよ。」
「翁主、おやめなさい。」
「まぁ、わたくしには魅力がないと?」
「そのような事は言っておりませんわ。」
「さぁ、どうだか。」
スンアと王妃との間に、見えない火花が散っていた。
「あの、わたくしはこれで失礼致します。」
火月はそう言うと、チマの裾を摘まんでその場から去った。
「火月、遅かったわね。一体何があったの?」
「それがね・・」
火月が同僚の女官に、王妃と翁主がやり合っていた事を話すと、彼女は溜息を吐いた。
「スンア翁主様と王妃様は犬猿の仲なのよ。」
「まぁ、どうして?」
「色々と複雑なご関係なのよ、お二人は。」
「そうなの・・」
「そこの二人、私語は慎みなさい!」
上司である提調尚宮(チェゴサングン)から叱られ、火月達は慌てて自分達の仕事へと戻った。
「あの火月とかいう新入り女官、気に入りましたわ。」
「翁主、人嫌いであるお前が初対面の相手を気に掛けるなど珍しいこと。」
「好きで人嫌いになったわけではありませんわ、お祖母様。あの女官、確かハン大監末娘だそうですね?この前の宴で伽耶琴を披露していたので、てっきり掌楽院の女官になったと思いましたのに、意外でしたわ。」
スンア翁主は、髪に挿した簪を弄りながら、口端を上げて笑った。
「何かよからぬ事を企んでいるのではないのだろうね、翁主?」
「そういえば、もうすぐお祖母様の古希を祝う宴が開かれますわね。あの女官にお祖母様の衣装を縫わせてみてはいかが?」
「あの女官を宮中から追い出そうというのですか?」
「いいえ、あの者の実力を知りたいのです。」
「好きになさい。」
大妃と翁主がそんな話をしている頃、王は女官の膝枕を愛でながら微睡んでいた。
「まぁ王様、このようなお姿を誰かに見られでもしたらどうします?」
「見られてもよい。」
「まぁ、悪いお方・・」
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