素材は
NEO HIMEISM 様からお借りしております。
「進撃の巨人」の二次創作小説です。
作者様・出版者様とは関係ありません。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
リヴァイが両性具有設定です。苦手な方は閲覧なさらないでください。
「隊長、どうかされましたか?」
「いや、何でもない。」
雑踏の中へと消えてゆく男の背中を見送ると、リヴァイは部下達を引き連れて屯所へと戻った。
「リヴァイさん、副長がお呼びです。」
「わかった。」
屯所に戻ったリヴァイは、そのまま副長室へと向かった。
「副長、リヴァイだ。」
「入れ。」
リヴァイが襖を開けて副長室に入ると、部屋の主は文机の前に溜まっている書類仕事を片付けている所だった。
「昨夜、祇園の巽橋近くの路上で男の遺体が見つかった。その遺体から、こんな物が見つかった。」
土方はそう言うと、懐からある物を取り出した。
それは、昨夜あの男を殺した時にリヴァイが挿していた簪の破片だった。
「昨夜、現場の近くにある茶屋で過激派浪士の会合が開かれていたらしい。」
「何が言いたい?」
「リヴァイ、お前の“副業”の事は知っているが、隊務に支障が出ない範囲内でしろ、以上だ。」
「わかった。」
リヴァイはそう言うと、副長室から出て行った。
「リヴァイさん、俺に稽古をつけてください!」
「・・いいだろう。」
「いてて・・」
「もう降参か、ガキ?」
「エレン、大丈夫?」
「今日はこれ位にしといてやる。」
リヴァイはそう言うと、道場から出た。
(バカか俺は・・あんなガキに八つ当たりしてどうする?)
そんな事を思いながらリヴァイが洛中を歩いていると、いつの間にか雨が降っている事に気づいた。
暫く商店の軒先で雨宿りをしていたリヴァイだったが、埒が明かないので、彼は再び雨の中を歩き出した。
「貴様が“黒猫”だな?」
「仲間の仇、ここで討たせて貰う。」
リヴァイが背後を振り向くと、そこには憎しみに滾った目で己を見つめている男達の姿があった。
リヴァイは無言で刀の鯉口を切ると、男達も彼に倣って一斉に刀の鯉口を切った。
激しい剣戟の音が人気のない路地に響き、リヴァイは残った一人の敵を睨みつけた。
「もうこれでしまいか?」
「おのれ!」
男は死に物狂いで刀を振るい、リヴァイの腹を傷つけたが、リヴァイは傷を負いながらも、男の息の根を止めた。
(畜生、油断した・・)
冷たい雨は、やがて雪へと姿を変えていった。
リヴァイは、その場で意識を失った。
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