素材は
NEO HIMEISM 様からお借りしております。
「進撃の巨人」の二次創作小説です。
作者様・出版者様とは関係ありません。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
リヴァイが両性具有設定です。苦手な方は閲覧なさらないでください。
「さてと、何故彼が女子姿になってわたしと共に屯所にやって来た経緯(いきさつ)を話そうか。」
副長室に入ったエルヴィンは、そう言うとリヴァイの隣に座った。
「彼は何者かに襲われ、瀕死の重傷を負って路上に倒れていた所をわたしが助け、彼が回復するまで保護していました。」
「何故だ?」
「彼を襲った刺客は、彼が“黒猫”である事を知っている可能性が高い・・つまり、敵味方関係なく彼の命を狙っている者が居るのではないかと。」
「そうか。その可能性はあんたの話を聞くと否定できねぇな。」
土方がそう言って軽く咳払いした時、襖の向こうからエレンの声が聞こえた。
「お茶を持ってきました。」
「入れ。」
「失礼します。」
副長室に入ったエレンは、憧れの上司の隣に座っている男をジロリと睨んだ。
(同じ男なのに、俺より格好良い・・)
「おいエレン、用が済んだのならさっさと出て行け。」
「す、すいません!」
慌てて副長室から出て行くエレンの背を見送りながら、リヴァイは溜息を吐いた。
「彼は、君の部下かい?」
「あぁ。まだ十五のガキだが、剣の腕は粗さが目立っているものの、強い。」
「わたしを見る彼の目、まるで恋敵を値踏みしているかのように見えたよ。」
「恋敵だと?馬鹿言え、あいつはまだガキだ。」
「君は色恋については疎いようだね?」
「はぁ?」
「二人共、そろそろ本題へ戻って欲しいんだが・・」
土方の言葉を聞いた二人は漸く我に返った。
「済まない、話を続けよう。」
気を取り直したエルヴィンは、土方にリヴァイを女装させる事になった経緯を再び話し始めた。
「彼の傷が癒えて、わたしが彼を屯所へ送る事になったんだが・・ひとつ問題が起きてね・・」
エルヴィンは目を閉じ、その時の事を思い出していた。
腹の傷が癒え、屯所へとリヴァイを送ろうとしたエルヴィンだったが、小柄の彼に似合う男物の着物がなかった。
困り果てたエルヴィンが知人に相談すると、彼は女物の着物と肌着一式、髪飾りを持ってきた。
「てめぇ、ふざけるなよ・・こんな格好で外に出ろって言うのか?」
「君を襲った刺客、或いは君を襲えと刺客に命じた者がこの辺りに潜伏している可能性が高い。君が女装してわたしと歩けば怪しまれずに済む。」
「・・ほぉ、悪くない。」
こうしてリヴァイは、女装してエルヴィンに連れられて屯所へと戻って来たのだった。
「では、わたしはこれで失礼するよ。」
「もう、行くのか?」
「大丈夫、また会えるよ。」
エルヴィンはそう言うと、リヴァイの頬を優しく撫でた。
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