※BGMと共にお楽しみください。
「進撃の巨人」の二次創作小説です。
作者様・出版者様とは関係ありません。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
リヴァイが両性具有設定です。苦手な方は閲覧なさらないでください。
「美禰(みね)、何故ここに居る?」
「エルヴィン様に会いに来たからに決まっているじゃありませんか。」
そう言ったエルヴィンの許嫁・美禰は、コロコロと鈴を転がすかのような声で笑った。
「まさか、わたしが君を江戸に残して浮気するとでも思って、わざわざ京へ?」
「いいえ、美禰はエルヴィン様を心から信じております。実は京に来たのは、兄上を弔いに来たのです。」
「兄上というと・・吉之助殿が?」
「はい。」
美禰の兄・吉之助とエルヴィンは幼馴染で、吉之助はエルヴィンが唯一心を開くことができる大切な友だった。
その吉之助の訃報を知り、エルヴィンは暫くその場から動けなかった。
「エルヴィン様?」
「すまない・・急な事で受け止められないんだ。吉之助は何故死んだんだ?」
「・・殺されたのです、兄は“黒猫”に。」
「“黒猫”・・」
「エルヴィン様もご存知でしょう、京で暗躍している正体不明の人斬り“黒猫”を?」
「ああ、知っているとも。」
「会った事はおありですか?」
一瞬、エルヴィンの脳裏に、あの時会った舞妓―リヴァイの顔が浮かんだ。
(まさか、リヴァイが・・そんな事は・・)
「エルヴィン様?」
心配そうに自分の顔を覗き込もうとする美禰の手を、エルヴィンはそっと握った。
「済まない、少し気分が優れなくて・・」
「まぁ、それは大変ですわ!今お茶をお持ちしますからね!」
そう言った美禰は部屋から飛び出ると、彼女は一人の芸妓とぶつかった。
「あら、ごめんなさい。」
「すいまへん。」
芸妓は切れ長の三白眼をしていて、その所為で美禰は彼女に睨まれているような気がした。
「兄さ・・姐さん、早うお座敷に戻って来ておくれやす!」
「ほな、うちはこれで失礼します。」
リヴァイはそう言って武家娘に背を向け、お座敷へと戻っていった。
「なぁ、いいだろう?可愛い子ちゃんの声が聞きたいなぁ。」
お座敷にリヴァイが戻ると、丁度舞妓に扮しているアルミンが酔客に絡まれている所だった。
「まぁお客様、うちではご不満どすか?」
リヴァイがそう言ってアルミンに絡んでいる酔客に微笑むと、彼は慌ててアルミンから手を離した。
「さっきは助けてくださってありがとうございます。」
「あんな事ならもう慣れっこだ。余り気にするな。」
「はい・・」
「屯所に戻るぞ。」
リヴァイはミカサとアルミンを連れて料亭から出ようとした時、先程自分とぶつかった武家娘が酔客に絡まれているのを見た。
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