素材は
NEO HIMEISM 様からお借りしております。
「進撃の巨人」の二次創作小説です。
作者様・出版者様とは関係ありません。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
リヴァイが両性具有設定です。苦手な方は閲覧なさらないでください。
「エレン君、リヴァイさんが呼んでいるよ。」
「は、はい・・」
エレンがリヴァイの部屋の前に立つと、リヴァイの溜息が襖越しに聞こえてきた。
「あいつ、こんなに痕をつけやがって・・エレンに気づかれただろうが、クソが。」
リヴァイの呟きを聞いたエレンがそのまま立ち去ろうとした時、不意の部屋の襖が開いた。
「うわぁ!」
エレンは驚きの余り、そのまま中庭へと転落してしまった。
「てめぇ、そこで何してる?」
「す、すいません・・」
「水浴びしてから部屋に来い、わかったな?」
「は、はい・・」
井戸の水で顔や髪についた泥をエレンが洗い落としていると、そこへハンジが通りかかった。
「エレン、何してんの?」
「ちょっと泥で汚れちゃって・・リヴァイさんに怒られちゃいました。」
「あはは、そうかぁ。リヴァイは絶対に土足で自分の部屋に上がらせないし、朝稽古の後必ず自分の防具や道着を洗う程の潔癖ぶりだもんね。」
「ハンジさん、リヴァイさんはいつからあんな風になったんですか?」
「さぁ、わたしも詳しい事は知らないね。」
「そ、そうなんですか・・」
「おいエレン、いつまで油を売っているつもりだ、早く来い!」
「す、すいません!」
「・・まぁ、リヴァイは何だかんだ言っても、君の事を気に入っているけどね。」
ハンジのその呟きは、春風によって掻き消された。
「失礼します。」
エレンがリヴァイの部屋に入ると、リヴァイは少し眠そうな顔をしながら鏡台の前に座っていた。
「エレン、お前に少し頼みたい事がある。」
「何でしょうか?」
「この軟膏を、いつもの店で買って来てくれ。」
「わかりました。」
エレンが薬屋でリヴァイから頼まれた軟膏を店主に頼むと、彼は何処か気まずそうな顔をしていた。
(あの人、どうしてあんな顔をしていたんだろう?)
「エレン、それは?」
「リヴァイさんから頼まれていた軟膏です。」
「これはわたしが渡しておくから、エレンは仕事に戻って。」
「はい、わかりました・・」
結局ハンジから、その軟膏の事は聞けなかった。
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