※BGMと共にお楽しみください。
「進撃の巨人」の二次創作小説です。
作者様・出版者様とは関係ありません。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
リヴァイが両性具有設定です。苦手な方は閲覧なさらないでください。
「母上~!」
何処からか幼子の声が聞こえてリヴァイが振り向くと、そこには自分に向かって必死に歩いて来る男児の姿があった。
年の頃は二、三歳といったところだろうか。
美しい金の髪を揺らしながら、彼は嬉しそうに自分に抱きついてきた。
「どうした、そんなに急いで?」
「父上が呼んでいますよ。」
「わかった、すぐ行く。」
リヴァイが家の勝手口から裏庭へと出ると、そこには畑仕事に精を出している夫の姿があった。
「父上~!」
鍬を持っていた夫が男児の声を聞いて、ゆっくりとリヴァイ達の方へと振り向いた―
「リヴァイ、気が付いた?」
目を開けると、そこは見慣れた部屋の天井だった。
(そうだ、俺は急に吐き気に襲われて・・)
「ハンジ、俺は・・」
「今町医者をモブリットに呼んで来て貰っているから、お茶でも飲んで。」
「済まねぇ・・」
リヴァイはハンジから湯呑みを受け取ると、茶を一口飲んだ。
「最近、身体が怠くてたまらねぇし、炊きあがった飯の匂いを嗅いだだけで吐いちまう。ただの夏風邪だといいんだが・・」
「さぁ、どうだろうね。」
町医者がリヴァイに告げたのは、彼が妊娠七週目に入ったという揺るぎない事実だった。
「どうするの?」
「ここに、あいつとの子が居るのか。」
リヴァイはそう言うと、まだ目立たない下腹を撫でた。
あの夢は、まだ見ぬ我が子が見せてくれたのだろうか。
「父親は、エルヴィンなの?」
ハンジの言葉に、リヴァイは静かに頷いた。
「産みたいの?」
「・・俺は、人の親にはなれねぇよ。」
今まで散々人を殺めてきた自分が、人の親になどなれるものか。
妊娠が判ってから数日後、リヴァイは闇医者の元を訪ねた。
「堕胎薬をくれ。すぐに効くやつを頼む。」
堕胎薬を手に入れたリヴァイは、その時誰かに見られている事に全く気づかなかった。
「リヴァイ、久しぶりだな。」
「エルヴィン、どうしてここに?」
「それは、何だ?」
突然屯所を訪ねてきたエルヴィンは、そう言うとリヴァイの手から堕胎薬を奪った。
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