※BGMと共にお楽しみください。
「進撃の巨人」の二次創作小説です。
作者様・出版者様とは関係ありません。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
リヴァイが両性具有設定です。苦手な方は閲覧なさらないでください。
「リヴァイさん、お身体の具合はいかがですか?」
「最近胎動が激しくて眠れねぇ。産まれたくて仕方ないんだろうよ。」
「それはそうでしょうね・・」
「まぁ、双子だからな。」
リヴァイがそう言って下腹を撫でた時、激しい痛みを感じた。
「リヴァイさん?」
「もう、産まれるかもしれねぇ。」
「えぇ!」
エレンが突然の事に慌てふためいていると、ミカサが産婆を連れてやって来た。
リヴァイの二度目の出産は、稀に見る難産だった。
彼は男女の双子を産んだが、出血が酷く危険な状態だった。
「あんたを呼んでいるよ、行ってやりな。」
「はい・・」
リヴァイの部屋にエレンが入ると、彼は苦しそうに息を吐いていた。
「エレン、頼みがある・・」
「何ですか?」
「こいつらを、頼む・・」
リヴァイは、そう言った後、息を引き取った。
「リヴァイさん、しっかりして下さい!」
(エルヴィン、漸くお前に会いに逝ける・・)
1880(明治十三)年4月、京。
この日、エルヴィンとリヴァイの長女・梓は、舞妓として正式に“店だし”の日を迎えた。
「遂にこの日が来たなぁ。」
「おかあさん、今までうちを育ててくださりありがとうございました。これからも宜しゅう御頼み申します。」
「あんたの舞妓姿を、あんたの両親に見せたかったなぁ・・」
幸はそう言うと、涙ぐんだ。
「姉上!」
「まぁ、誰かと思うたら忍ちゃんやないの。こんな朝早うからどないしたん?」
「この簪(かんざし)を姉上に渡してくれって、エレンさんが。」
「おおきに。」
梓はそう言って弟・忍から母の形見の簪を受け取り、それを割れしのぶに結ったばかりの髪に挿した。
「梓ちゃん、もう時間え。」
「へぇ、今行きます。」
梓はそう言った後、男衆(おとこし)に手を引かれながら、「花のや」の外へと出た。
2012(平成二十四)年12月、東京。
四年前に起きたリーマン・ブラザーズの経営破綻の煽りを受け、リヴァイの職場であった大手チェーンの飲食店は年明けを待たずに閉店する事になり、従業員は全員解雇された。
ハローワークには連日失業者で溢れており、公園で暮らすホームレスの数も日に日に増えていった。
リヴァイは昼はビルの清掃員とスーパーの惣菜のパート、夜はスナックで働き詰めの毎日を送っていた。
「パパ~」
幼稚園に娘・梓を迎えに行ったリヴァイは、彼女の手を握りながら買い物を近くのスーパーで済ませ、夕飯を食べに近くのハンバーガーショップへと向かった。
「美味しいね、パパ!」
「あぁ、そうだな・・」
自転車の後部座席に梓を乗せ、リヴァイが自宅アパートの駐輪場に自転車を停めていると、駐車場に停めていた一台の車から、一人の長身の男が降りて来た。
「リヴァイ、やっと見つけた・・」
「エルヴィン・・」
リヴァイは、数年前に離婚した元夫・エルヴィンと思わぬ形で再会し、驚きを隠せなかった。
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