「進撃の巨人」の二次創作小説です。
作者様・出版者様とは関係ありません。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
リヴァイが両性具有設定です。苦手な方は閲覧なさらないでください。
「こちらこそお久しぶりです、沖田さん・・あ、今は土方さんでしたね?」
「手術成功と、退院おめでとうございます。結婚式、わたし達も出席しますね。」
「ありがとうございます。」
“沖田総司”こと、土方由美はそう言ってリヴァイに微笑んだ。
「エルヴィン、一体何だ・・この招待客リストの長さは?」
「色々と、わたし達が日頃お世話になっている人達の事を考えて作ったら・・こんな風に長くなってしまった。」
「俺達は芸能人じゃねぇんだぞ?招待客リストをはじめから作り直せ、今すぐにだ!」
「わ、わかった・・」
エルヴィンが慌てて奥の書斎へと戻っていくのを見た由美は、思わず噴き出してしまった。
「どうした、由美?」
「何だか、お二とも昔から変わってないなぁと思って。」
「あ、もうお子さん生まれたんですか?」
「えぇ、元気な女の子です。顔はわたしに似ているんですけれど、性格は土方さん似かなぁ?」
「まだわからねぇだろ?」
「良かった、無事に産まれたんですね、おめでとうございます。」
「ありがとうございます、梓ちゃんは幼稚園ですか?」
「えぇ。何だか、梓とエルヴィンと三人で暮らしている事が、俺はまだ信じられません。」
「それはそうでしょう。前世が波乱万丈だっただけに、今の幸せが実感できないというか・・」
「わかります。」
リヴァイがそんな事を言いながら由美と笑い合っていると、スミス家のハムスター・コスモが巣箱の中から顔を出してあくびした。
「うわぁ、可愛いなぁ~!」
「最初、俺はハムスターなんてネズミと同じだと思っていたんですけどね、毎日世話をしている内にすっかり情が移ってしまいました。」
「わたし達、子どもが出来るまで動物を飼うかどうか迷っていて・・でも結局、動物を飼う前に子どもが出来たからその話はなくなりましたけど。」
「そうですか。動物を飼うのって、意外とお金がかかりますものね。」
「おい総司、もうそろそろ桜を迎えに行く時間じゃねぇのか?」
「本当だ、もうこんな時間!じゃぁリヴァイさん、また会いましょうね。」
「えぇ、また。」
結婚式まで後一ヶ月を切った頃、リヴァイはエルヴィンに連れられて、ドレスショップへと向かった。
「おいエルヴィン、俺は絶対にドレスなんて着ねぇぞ!」
「リヴァイ、お願いだから・・」
「おい、その目はやめろ。」
「梓にお前のドレス姿を見せてやりたいんだ・・」
「わかった、ドレスは着るから、今すぐその目をやめろ、エルヴィン!」
結局、リヴァイはエルヴィンの提案を渋々と呑み、結婚式にドレスを着る事になった。
「お色直しは、白無垢でいこう!」
「あぁ、わかったよ・・」
結婚式当日は、雲ひとつない快晴だった。
「ハンジさん、お久しぶりです!」
「エレン、元気そうで良かった。」
結婚式が行われる予定の教会には、ハンジやエレン、ミカサやナナバ、そしてケニーとクシェルがやって来た。
「ミカサ、今まで辛い思いをさせてしまって、申し訳ないわね。」
「謝らないで、母さん。もう辛くて苦しい日々は終わったのよ。」
「そうね・・」
ミカサとクシェルがそう言いながら再会を喜び合っている頃、新婦控室では渋面を浮かべているドレス姿のリヴァイが、仁王立ちでハンジと対峙していた。
「おいハンジ、そのデカい箱はなんだ?」
「見てわからない?メイクボックスだよ。」
「てめぇのメイクの腕前が壊滅的なのは知ってる。それ以上近寄ると、俺はあの窓から飛び降りる。」
「やだなぁリヴァイ、あんたにメイクするのはわたしじゃなくて、ナナバだよ。」
「そうか、それなら安心した。」
「まぁ、あんたの人生の晴れの日を台無しにしないよ、わたしは。」
「さてと、早速メイクしていくよ。」
一方、新郎控室では、エルヴィンが友人達に囲まれていた。
「まさかお前が妻子持ちだったなんて、思いもしなかったよ!」
「今まで黙っていて悪かった。」
「まぁ、人嫌いで気難しいお前が選んだ相手なんだから、俺達は受け入れるぜ。」
「ありがとう。」
教会に入って来たリヴァイの美しさに、招待客達は息を呑んだ。
「ママ、綺麗。」
「キレイだねぇ。」
結婚披露宴は、和気あいあいとした雰囲気で行われた。
「何だか、平和過ぎて眠たくなっちゃう・・」
ハンジがそう言ってあくびを噛み殺していると、突然宴会場のドアが開いて、一人の女が入って来た。
「許さない、あんた達だけが幸せになるなんて!」
血走った目でエルヴィンとリヴァイを睨みつけた女―奈々は、包丁を握り締めながら高砂席の方へと突進してきた。
だが、彼女が高砂席へ辿り着く前に、警察官が宴会場に入って来た。
「何をするのよ、離せ~!」
奈々は泣き喚きながら、警察官に連行されていった。
最終更新日
2020年04月13日 00時00分13秒
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