JEWEL

2020/07/19(日)19:36

太陽と月 (七)

薔薇王転生パラレル小説 巡る星の果て(20)

画像はコチラからお借りいたしました。 「薔薇王の葬列」二次創作小説です。 作者様・出版者様とは関係ありません。 二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。 「あ・・」 ヘンリーはそう言いながら、じっとリチャードの白い裸身を見た。 「きゃぁっ!」 突然ヘンリーが現れ、唖然としていたリチャードだったが、慌てて傍にあった衣で身体を覆い隠した。 「ごめん、まさか君が水浴びをしているなんて思わなかったから・・」 「あの、暫くあちらの方を向いて頂けませんか?」 「わかったよ・・」 ヘンリーがそう言って自分に背を向けた後、リチャードは濡れている髪をそのままにして手早く衣を着て、泉から立ち去った。 「主上、天女は見つけられましたか?」 「うん・・とても綺麗だったよ。ねぇバッキンガム、もう帰ろう。僕、疲れちゃったよ。」 「主上、せっかくここまで来たというのに、何をおっしゃるのです。少し水浴びをした後で戻りましょう。」 「・・わかったよ。」 ヘンリーはそう言うと、乳兄弟のバッキンガムに従って彼と共に泉で水浴びをした。 濡れた髪と身体を十分に乾かさぬまま衣を着てしまったリチャードは、その日の夜案の定風邪をひいてしまった。 「リチャード様も慌てん坊ですね。まだ髪が乾かない内に泉から出て行かれるなど・・一体何があったのですか?」 「ゆっくりと泉で水浴びをしようとしたら、人が来てな・・」 「これから薬湯をお持ちいたしますので、ゆっくり休んでくださいませ。」 リチャードの式神・芹はそう言って嘆息して局から出ると、衣擦れの音を立てながら廊下を歩き始めた。 リチャードが時折咳込みながら御帳台の中で寝返りを打っていると、廊下の方から微かな足音が聞えて来た。 芹だろうかと思い、リチャードが微かに顔を上げて廊下の方を見ると、そこには芹ではなく帝の乳兄弟(ちきょうだい)であるバッキンガムの姿があった。 「・・ほぅ、先程泉で水浴びをしていた天女は、貴女だったのか。」 「・・何の用でございますか、バッキンガム様。」 「新しくこの藤壺女御様の女房となられた高貴な女人の顔を是非とも拝見したくて、貴女の女房に代わって薬湯を届けに参った次第です。」 妙にかしこまった口調でそうリチャードに話すバッキンガムは、ゆっくりとリチャードの傍に腰を下ろした。 「薬湯を口移しで飲まして差し上げましょう。」 「いいえ、結構です。後宮は女人禁制です。人に見つかる前に早くここから立ち去ってはいかが?」 「ふふ、貴女がそうおっしゃると思いましたから、先程人払いを命じておきました。ここに居るのはわたしと貴女の二人だけ・・」 バッキンガムはそう言って薬湯を口に含むと、間髪入れずにリチャードの唇を塞いだ。 「何をなさいます!」 「貴女の唇は柔らかいですね・・まるで天女のようだ。」 そう言いながらバッキンガムは、リチャードの衣の中へと手を滑り込ませ、彼女の乳房を軽く揉んだ。 「天女との交合は、まるで天にも昇るかのような快感を得られると、ある書物に記されておりました。是非ともそれを天女の貴女と試したいものですね。」 「やめて、誰か・・」 「人払いを命じたと、先程言ったでしょう?」 バッキンガムはそう言って欲望で金眼を爛々と輝かせながら、リチャードの衣を脱がせた。 その時、さっと二人の前に白い影のようなものが横切ったかと思うと、それはバッキンガムにのしかかり、リチャードの乳房を揉んでいる彼の手に噛みついた。 「玻璃(はり)・・」 「イテテ、一体何なのですか、この狼は?」 バッキンガムがそう言いながら自分の手を噛んだ白い狼の方を見ると、狼は彼に向かって唸っていた。 「わたしが飼っている狼です。これ以上わたしに触れると、この子が貴方の喉仏を食いちぎってしまうかもしれませんよ?」 狼に邪魔されたバッキンガムは、軽く舌打ちしながら局から出て行った。 にほんブログ村

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