1312174 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

JEWEL

全137件 (137件中 11-20件目)

< 1 2 3 4 5 6 7 ... 14 >

完結済小説:琥珀の血脈

2015.04.13
XML

「あなた達、そこで何をしているの?」

凛と青年が睨み合っていると、そこへエカテリーナが通りかかった。

「女官長様、彼がわたし達に一方的に暴力を振るおうとしたんです!」
「まぁ、あなたは確か・・」
「ふん、興が削がれたな。」
青年は舌打ちすると、東屋から去っていった。
「女官長様、危ない所を助けていただいて有難うございました。」
「あんな人に絡まれるなんて、あなたも災難だったわね。」
エカテリーナはそう言うと、溜息を吐いた。
「女官長様は、あの方をご存知なのですか?」
「ええ。あの人は、以前宮廷で暴力沙汰を起こしたハロルズ一族の道楽息子よ。まさか、まだ宮廷に出入りしているなんて思わなかったわね。ところであなた達は、一体ここで何をしていたの?」
「皇太子妃様の誕生祝いに、踊りを披露しようと思いまして、その練習をしておりました。」
「まぁ、そうだったの。」

エカテリーナはそう言うと、そのまま東屋を後にした。

line6

「もっと僕達に絡んでくるのかと思いましたが、何だかあっさりと引き下がられましたね。」
「女官長様の事は放っておいて、練習に戻りましょう。」
「ええ。」
二人が練習に励んでいる頃、女官達は一週間後に控えているシャルロッテの誕生日パーティーへの準備に慌ただしく動いていた。
「まったく、新入りの二人は一体どこで油を売っているのかしら?」
「本当よね!あの子達、わたし達のことを格下に見ているのよ!」
「おやめなさい、あなた達。口を動かしている暇があるのならば、手を動かしなさい!」
凛とアンジュの陰口を叩いている部下に向かってエカテリーナがそう叱責すると、彼女達は不満そうな顔で自分の持ち場へと戻った。
「遅れて申し訳ありませんでした。」
「あなた方、踊りの練習に忙しいのはわかるだろうけれど、他の皆さんにご迷惑を掛けてはいけませんよ。」
「はい、肝に銘じます。」
アンジュと凛は、エカテリーナから叱責され、彼女に向かって深く頭を下げた。
「アンジュ、凛、皇太子妃様がお呼びですよ。」
「わかりました、すぐに行きます。」
二人がシャルロッテの部屋のドアをノックすると、中からエカテリーナが出てきた。
「二人とも、そこにお掛けなさい。」
「はい。皇太子妃様、わたくし達に何の用でしょうか?」
「エカテリーナから、あなた達が変な男に絡まれた話は聞きましたよ。二人とも災難でしたね。」
「皇太子妃様は、あの方をご存知なのですか?」
「わたくしとハロルズ一族とは姻戚関係にあります。とはいっても、あなた方に暴力を振るおうとした男とは余り親しくなかったわね。」

シャルロッテはそう言葉を切ると、ソファから立ち上がった。

「わたくしの誕生日パーティーの準備でこれから色々と忙しくなるけれど、体調管理はしっかりとなさってね。」
「わかりました、皇太子妃様。わたくし達はこれで失礼いたします。」

一週間後、シャルロッテの誕生日パーティーが王宮内で華々しく開かれた。

「皇太子妃様、お誕生日おめでとうございます。」
「有難う。あの二人の姿が見えないわね?」
「あの二人なら、色々と忙しく動き回っておられるのでしょう。」

エカテリーナがそう言ってシャルロッテの方を見た時、急に会場が暗くなった。


素材提供:Little Eden様

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村






最終更新日  2015.04.13 09:20:19
コメント(2) | コメントを書く
2015.04.10

ダンスに於いて素人同然のアンジュが一ヶ月でフラメンコをマスターするのは至難の業だった。
凛から基本的なステップを学んだアンジュは寝る間も惜しんで練習したが、完璧にはほど遠かった。

「アンジュ様、どうされたのですか?」
「最近寝不足気味で・・」
「アンジュ様、根を詰めて練習をしてはいけませんよ。焦りは禁物です。」
「でも、皇太子妃様の誕生日まであと一ヶ月もないのよ!」
アンジュがそう言って大声で叫ぶと、廊下を歩いていた女官達が彼女の方を振り向いた。
「アンジュ様、声が大きいですよ。」
「ごめんなさい・・」
アンジュと凛がシャルロッテへの誕生祝いでフラメンコを踊ることを、周囲の者に秘密にしていた。
「あなたの踊りを前に見たことがあるけれど、わたしもあんな風に踊れたらいいのにって思えば思うほど、焦ってしまうのよ。」
「僕のように踊らなくてもいいんです。アンジュ様は自分らしさをフラメンコで表現すればいいんです。」
「自分らしさを表現する?」
「僕がフラメンコを習い始めた頃、師匠に言われました。ただ綺麗に踊るのではなく、己の心を表現するのが真のフラメンコだと。」
凛はそう言うと、アンジュの肩を優しく叩いた。
「そう。あなたからそう言われて、少し気が楽になったわ。有難う。」
「どういたしまして。」

凛から心強いアドバイスを貰ったアンジュは、ますます練習に励んだ。

line6

「皆さん、お久しぶりです。」
「お久しぶりです、アンジュお嬢様。」
「これ、お昼にどうぞ。わたしが作ったサンドイッチです。」
「有難うございます。」
特訓を始めてから二週間が経った頃、アンジュは手作りのサンドイッチが入ったバスケットを抱えてオーロラ一座のテントを訪ねた。
「早速お嬢様の踊りを拝見することにいたしましょう。」
「宜しくお願いいたします。」
カイルは壁に立てかけていたフラメンコギターを手に取ると、それを静かに爪弾き始めた。
アンジュはその音色に合わせ、フラメンコのステップを刻んだ。
「如何でしたか?」
「初心者でここまで上達できるなんて、凄いですね。」
「有難うございます。」
カイルに褒められ、アンジュは嬉しさで頬を赤く染めた。
「アンジュ様、こちらにいらしていたのですね。」
「リン、さっきカイルさんから褒められたわ。あなたのアドバイスのお蔭よ。」
「僕は何もしていませんよ。あとは、本番まで練習をさぼらないようにしましょうね。」
「わかったわ。」
オーロラ一座のテントから王宮へと戻ったアンジュと凛が王宮庭園の東屋でフラメンコの練習をしていると、そこへ一人の青年がやって来た。
「お前達、そこで何をしている?」
「踊りの練習をしております。あなたはどちら様ですか?」
「お前、女官の癖にわたしの事を知らないのか?」
「わたし達は、あなたとは初対面なのですから、あなたの名を知らないのは当然でございましょう?」
「何だと、生意気な奴め!」
青年がそう言って腰に提げている乗馬用の鞭を凛達に向かって振り上げた。
凛は素早く彼の手首を掴んで鞭を彼から取り上げ、彼の向う脛を蹴った。
「よくもこのわたしに暴力を振るったな!」
「何をおっしゃいます、先に暴力を振るおうとしたのはあなたではありませんか。」


素材提供:Little Eden様

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村






最終更新日  2015.04.10 07:22:03
コメント(2) | コメントを書く
2015.04.09

「もうすぐ皇太子妃様のお誕生日ね。」
「そうね。わたくし達も何かプレゼントを差し上げないと。」
皇太子妃・シャルロッテの誕生日が近づく中、女官達は主人へのプレゼント選びに苦戦していた。
「リンは皇太子妃様に何を差し上げるつもりなの?」
「アンジュ様のように手作りのプレゼントを贈る訳にもいきませんし、正直言ってまだ何も考えていません。」
「そうよね。わたくしも、皇太子妃様へのプレゼントを何にするのか、まだ決めていないのよ。そうだ、明日一緒に買い物に行かない?」
「いいですね、それ。」

翌日、凛はアンジュと共にシャルロッテへのプレゼントを選びにリティア市内へと向かった。

line6

「王宮の外から出るのは初めてね。」
「ええ。王宮に入った頃は数ヶ月前のことなのに、随分昔の事のような気がします。」
「そんな事言わないで。さてと、折角リティア市内に来たんだから、さっそく皇太子妃様へのプレゼントを選びましょう!」
アンジュと凛はリティア市内にあるアーケード街を色々と回ったが、シャルロッテへのプレゼントがなかなか決められないでいた。
「少し休憩しましょうか?」
「そうですね。」
二人は昼食を取りに、アーケード街に近いレストランに入った。
店内はランチの時間帯とあってか、女性客で混んでいた。
「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
「二名です。」
「喫煙席と禁煙席、どちらになさいますか?」
「禁煙席でお願いいたします。」
「かしこまりました、こちらへどうぞ。」
二人がウェイトレスに案内されたのは、日当たりがいいテラス席だった。
「良い席ね。」
「ご注文は何になさいますか?」
「この店に初めて来たので、お勧めを教えてください。」
「そうですね。本店のお勧めは、海鮮のパエリアとなります。」
「では、それを2つ、お願いいたします。」
「かしこまりました。」
店員が運んできたハーブティーを飲みながら、凛はアンジュと取り留めのない話をしていた。
「皇太子妃様へのプレゼント、なかなかいいものがありませんでしたね。」
「そうね。」
「プレゼントといっても、高価な物ではなく、美しい思い出を贈るのもいいんじゃないでしょうか?」
「いいわね、それ!」
凛と意気投合したアンジュは、シャルロッテにダンスを披露することに決めた。
「ダンスと言っても、色々と種類があるしねぇ・・あなた、何が出来るの?」
「そうですね。僕が出来るのはフラメンコとワルツ、タンゴ位でしょうか。」
「そう。わたし、ワルツ以外のダンスは踊った事がないの。ねぇリン、わたしにフラメンコを教えてくれないかしら?」
「ええ、喜んで。」
昼食の後、凛がアンジュを連れてきたのは、オーロラ一座のテントだった。
「みんな、久しぶり!」
「リン、どうした?」
「カイル、少し頼みたいことがあるんだけど、いいかな?」
「リンの頼みだったら、何でも聞くよ。」
「実は・・」
凛はカイルに、シャルロッテの誕生日プレゼントとしてアンジュとともにフラメンコを踊ることを話した。
「そうか。皇太子妃様の誕生日はいつなんだ?」
「一ヶ月後。それまでに、アンジュ様はフラメンコを完璧に踊りたいんだって。」
「それはちょっと難しいなぁ。でも、やってみないと始まらないか!」
「そうだよね!」

こうして、アンジュの特訓が始まった。


素材提供:Little Eden様

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村






最終更新日  2015.04.09 07:23:12
コメント(4) | コメントを書く
2015.04.08

「トム・・」
「気安くその名を呼ばないでくれるかな?」
トムはそう言うと、凛を睨みつけた。
「どうして、僕のブローチを盗んで僕に成りすましたの?」
「そんな事、君が知る事ではないよ。」
トムは邪険に自分の腕を掴んでいる凛の手を振り払うと、そのまま彼に背を向けて歩き出した。
(僕は絶対に貴族になるんだ、絶対に!)
「リン、どうしたの? 少し顔色が悪いわよ?」
「すいません、ちょっと体調が優れなくて・・」
「そう。それじゃぁ、今日はお部屋で休んでいなさい。皇太子妃様からはわたくしが報告しておくわ。」
「有難うございます。それでは先輩、失礼いたします。」

先輩女官に頭を下げた凛は、自室に戻るとベッドに横になった。

(トム、どうしてあんなに変わってしまったの?)

眠ろうとした凛だったが、目を閉じるたびにトムと仲良く遊んだ孤児院時代の思い出が脳裏に浮かんでは消えた。

line6

「リン、起きなさい。」
「皇太子様、何故こちらにおいでに?」
「少し、君と話したいことがあってね。今、話せるかい?」
「はい。」
「君の名を騙っているトムという少年の事が、少しわかったよ。」
クリスチャンはそう言うと、一枚の書類を凛に渡した。
凛がその書類に目を通すと、そこにはトムの両親の事や生い立ちが書かれていた。
「この書類は?」
「役所の知り合いから取り寄せて貰ったものだ。どうやらトムは、君とは正反対の境遇で育ったようだね。」

トムの母親は貴族専門の高級娼婦をしていて、トムは母親の職場に住んでそこで雑用などをこなしていた。
父親は不明で、母親が病死して聖マリア孤児院に引き取られるまで、トムは勤務先の工場で過酷な労働を強いられ、雇用主から時折暴力を振るわれていた。

「トムは、己の貧しい境遇から抜け出したいから、君に成りすましたのかもしれないな。」
「ええ。皇太子様、どうすれば彼を救うことができますか?」
「残念だが、彼を救うことは誰にも出来ないよ。中途半端な愛情や同情は、彼にとっては悪意と同じだ。リン、今は自分の事だけを考えていなさい、わかったね?」
クリスチャンはそう言って凛に釘を刺すと、部屋から出て行った。
「あなた、リンと何を話していたの?」
「少し世間話をしていたのさ。シャルロッテ、もうすぐ誕生日だな。欲しい物はあるかい?」
「あなた以外、何も要らないわ。」
シャルロッテは少し照れたような顔を浮かべると、クリスチャンと腕を組んだ。
「わたし、あなたの妻になれてよかったわ。」
「嬉しいね、君の口からそんな言葉が聞けるなんて。」
クリスチャンはそう言って妻の頬に軽くキスすると、彼女は恥ずかしそうに頬を赤く染めた。
「皇太子ご夫妻は、相変わらず仲睦まじいわね。」
「そうね。どうしてお二人には子宝が授からないのかしら?」
「それは、神様が少しお二人に意地悪をなさっておられるのでしょう。」
仲睦まじい二人の様子を見ていた女官達がそんな噂話をしながら針仕事をしていると、そこへエカテリーナが通りかかった。
「あなた達、何の話をしているの?」
「女官長様が気になさるようなお話ではありませんわ。」
エカテリーナが針仕事をしている女官達に話しかけると、彼女達はそう言ってそそくさと道具をしまってその場から立ち去った。
最近女官達が自分の事を避け始めていると、エカテリーナは感じていた。

(あの小娘が、何か裏で手を回しているに違いないわ!)


素材提供:Little Eden様

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村






最終更新日  2015.04.08 07:22:31
コメント(2) | コメントを書く
2015.04.07

ガルシア皇国から来た使節団は、ガルシア皇国との国境線に近いアルティス帝国西部に住んでいる“太陽の民”の人権保護を求める団体だった。

「お初にお目にかかります、エリザベート皇妃様。今回貴国を訪問したのは・・」
「“太陽の民”の人権保護の為でしょう? あなた方がわたくしに謁見する目的はそれだけだとわかっているわ。」
「話がわかる方でいらっしゃる。」
“太陽の民”人権保護団体『光の会』会長・ガルケスは、褐色の肌に笑い皺を浮かべながらそう言うとエリザベートを見た。
「“太陽の民”が、この国の治安を悪化させているという、悪意に満ちた噂をわたくしは何度も聞きました。しかし、窃盗や放火、殺人などの犯罪に手を染めている者はごく一部にしか過ぎません。多くの民は貧困にあえぎ、謂れのない差別や偏見に苦しんでいます。」
「あなた方の話はわかりました。あなたはわたくしにどうして欲しいのですか?」
「この書類に、皇帝陛下と皇妃様の署名を頂きたいのです。」
「わかりました。」
「本日はお忙しい時間を割いていただき、有難うございました。」
ガルケスが皇妃との謁見を終わらせ、王宮の廊下を歩いていると、向こうから皇太子妃夫妻が歩いて来た。
「皇太子妃様、お目にかかれて光栄です。わたくし、『光の会』会長を務めております、ガルケスと申します。」
「夫から、あなた方の活動のことは聞いているわ。あなた方の活動が良い結果を生むといいわね。」
シャルロッテはそう言ってガルケスに笑顔を浮かべると、夫とともに皇妃の部屋へと向かった。
「お義母様、失礼いたします。」
「お入りなさい、二人とも。」
「先ほど『光の会』の方達と廊下ですれ違いましたけれど、彼らは何の話をお義母様に?」
「この書類を、わたくしに渡しに来たのよ。」
エリザベートは、そう言うとガルケスが先ほど自分に手渡した書類をシャルロッテに見せた。
「これは・・」
「この書類に、わたくしと陛下の署名が欲しいそうよ。あの人を説得するのは、骨が折れるけれど。」
その内容には、“太陽の民”の人権保護について書かれていた。
「父上は、“太陽の民”のことを犯罪者集団だと思っておりますからね。まさか、この書類を父上にお見せするおつもりですか?」
「そんな愚かな事はしないわ。ただ、あの人達が動き出す前に、何とかしないといけないわね。」
「ええ。」
民族や宗教の問題は、アルティス帝国のみならず、どの国も抱えている問題である。
アルティス帝国の人口は、褐色の肌をした“太陽の民”が約9割を占め、残りの1割を金髪碧眼のアルティス人が占めており、貧困に喘いでいる“太陽の民”とは対照的に、特権階級の多くをアルティス人が占め、富を独占していた。
限られた階級が富を独占しているという不平等な現実に、“太陽の民”達はやがて帝国政府に不満の声を上げはじめ、その中には皇帝一家を暗殺するべきだという過激な思想を持つ者達も居た。
「何か嫌な事が起こらなければいいのですが。」
「そうね。彼らがこのまま大人しく国に帰ってくれればいいのだけれど。」

エリザベートは深い溜息を吐くと、窓の外を見つめた。
空は、彼女の心を現すかのように灰色の雲に覆われていた。

(雨だ。今夜の公演は中止になるのかなぁ?)

窓の外から土砂降りの雨を見つめた凛は、オーロラ一座のことを想った。
彼らは今、何をしているのだろうか。

「邪魔。」
「あ、ごめんなさい。」

そう言って凛が脇に退こうとすると、彼はトムと目が合った。

素材提供:Little Eden様

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村






最終更新日  2015.04.07 16:45:35
コメント(2) | コメントを書く
2015.04.06

「何処からあなたに話したらいいのかわからないけれど、あなたのお母様とわたくしが初めて会った日の事を話しましょうか。」

エリザベート皇妃はそう言うと、ソーサーの上にカップを置いた。

「今から20年以上前になるわね。当時のわたしは、宮廷に輿入りしたばかりの世間知らずの小娘だったの。右を向いても左を向いても見知らぬ者達に囲まれて心細い毎日を送っていたわ。」
「皇妃様にも、そのような時代があったのですね。」
「誰にだってそんな時があるものよ。今のわたくしがあるのは、あなたのお母様のお蔭でもあるわね。」
「母のお蔭、ですか?」
「ええ。」

エリザベートは自分の親友だった女性と良く似た歳三の顔を見つめながら、まだ自分が皇太子妃として過ごした若き頃の日々を思い出していた。

line6

あの頃の自分は、まだ若くて世間知らずの貴族の令嬢だった。
緑豊かな田舎でのびのびと過ごしていたエリザベートに縁談が来たのは、彼女が16歳の時だった。
縁談を持って来たのは、母方の遠縁の叔母に当たるソフィーだった。
エリザベートには2歳上の姉・マルゴーが居り、マルゴーが見合いをするというのでエリザベートも姉のついでで見合いをすることになったのだった。
その相手が、当時アルティス帝国皇太子であったアルフレドだった。
姉の見合い相手である筈のアルフレドが、何故か妹のエリザベートに一目惚れしてしまい、あっという間にエリザベートはアルフレドと結婚することになってしまったのだ。
「エリザベート、宮廷に入ったら今までの自由奔放な暮らしは出来ないと思いなさい。」
「わかりました、お母様。」
母の言葉の意味をエリザベートが知ったのは、宮廷に輿入れしてから数ヶ月後の事だった。
宮廷では、叔母とその取り巻きの女官達に一挙手一投足監視され、エリザベートが何かミスをすると、“これだから山育ちは躾がなっていない”と詰られた。

(どうしてわたしはこんな窮屈な所に居るの? 家に帰りたい。)

エリザベートは宮廷で暮らしながら実家に帰りたいと思いながらも、実際にはそれが出来ない事を知っていた。
彼女は懐郷病(ホームシック)に罹り、日中自室に引き籠るようになっていた。
そんな中、エリザベートは日本から留学に来たあるピアニスト―歳三の母・祐美子と出会ったのだった。

『お初にお目にかかります、皇太子妃様。ユミコ=ヒジカタと申します。お近づきのしるしに、皇太子妃様に一曲捧げます。』

流暢(りゅうちょう)なドイツ語でそうエリザベートに挨拶した祐美子は、ピアノの前に座り、美しい音色を奏でた。
祐美子との出会いは、それまで宮廷で陰鬱な生活を送っていたエリザベートの心を変え、彼女は本来の明るさを取り戻していった。
「あなたのお母様のお蔭で、わたくしは光を取り戻せたのよ。」
「そうだったのですか。」
「まぁ、あなたのお母様とわたくしを引き合わせたのは、マリアだったわ。わたくしと二つしか年が違わないマリアは、まるで実の妹のような存在だった。」

エリザベートがそう言って歳三を見た時、誰かが部屋のドアをノックした。

「皇妃様、ガルシア皇国から使節団が来ております。」
「わかったわ。」

エリザベートはドレスの裾を軽く払うと、歳三に優しく微笑んで部屋から出て行った。


素材提供:Little Eden様

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村






最終更新日  2015.04.06 07:24:10
コメント(2) | コメントを書く
2015.04.03

「ええ。リンがマリア皇女様の孫君である重要な証拠のブローチは彼の名を騙る者に奪われてしまいましたが。」
「まぁ、さっそく皇妃様にお知らせしないと!」
「母上、くれぐれもこの事は内密にお願いいたします。」

部屋から飛び出そうとするエカテリーナの腕を、ルシウスはそう言って掴んだ。
「わかったわ。じゃぁ、皇帝陛下が目にかけている方は本当に偽者なのね?」
「ええ。」

エカテリーナはルシウスの言葉を聞いて驚愕の表情を浮かべた後、部屋から出て行った。

(母上が本当にリンの事を黙っているかどうか、心配だな。暫く様子を見ることにしよう。)

ルシウスがそんなことを考えながら廊下を歩いていると、向こうから凛とアンジュが歩いて来るのが見えた。

「ルシウス様、こんにちは。」
「リン、宮廷では上手くやっているかい?」
「はい。ルシウス様、こちらはカイゼル公爵家の御令嬢の、アンジュ様です。」
「初めまして、アンジュと申します。」
「こちらこそ初めまして。リンと仲良くしてやってくださいね。」
「はい。」

凛はアンジュという心強い友人の存在があってか、何かと気苦労が絶えない宮廷生活を何のトラブルもなく過ごしてきた。

だがそんなある日の事、彼はエカテリーナに突然呼び出された。

line6

「何のご用でしょうか、女官長様?」
「あなた、マリア皇女様の孫君だというのは本当かしら?」
「何故、それをご存知なのですか?」
「ルシウスから聞いたのよ。わたくしの力になれるようなことがあれば、何でも言って頂戴。」
「はい・・」
今まで自分の事を何かと敵視してきたエカテリーナの態度が突然軟化したので、凛は彼女が何かを企んでいるのではないかという疑念を抱いた。
「お父様、どうなさったのですか?」
「凛か・・」
カイゼル公爵家では、歳三の誕生日パーティーが盛大に行われていた。
だが肝心の主役がバルコニーでワインを飲んでいることに気づいたトムは、そう言って彼に話しかけた。
「ちょっと考え事をしていたんだ。」
「そうですか。パーティーに戻りませんと、皆さん心配しておりますよ。」
「わかった。」
歳三がトムとともにパーティー会場に戻ると、軍服姿のカイゼルが二人の元へとやって来た。
「トシゾウ、お前に紹介したい方がいる。」
「わかった・・」
また見合いの話か―そう思いながら歳三が父と共に大広間から出て父の書斎へと入ると、そこには華やかなドレスを纏った女性がソファに座っていた。
「ご挨拶しろ、こちらの方はエリザベート皇妃様だ。」
「初めまして、皇妃様。トシゾウと申します。」
「あなたが、マリア様と親しくなさっていた方の息子ね?」
「母を、ご存知なのですか?」
「ええ。あなたのお母様とわたくしは、マリア様を通してお知り合いになったのよ。」

エリザベートはそう言って歳三に微笑むと、そっと彼の手を握った。


素材提供:Little Eden様

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村






最終更新日  2015.04.03 07:29:13
コメント(4) | コメントを書く
2015.04.02

凛はその日から、先輩女官達から何かと雑用を言いつけられた。

「あ~、疲れた。」

凛は溜息を吐きながら、シーツの洗濯を終えた。

「リン、こんな所で何をしているの?」
「さっき、先輩達に籠いっぱいに入っているシーツを渡されて、これを全部洗濯するように言われたんです。」
「そんな事、洗濯係の方に任せておけばいいのに。」
アンジュがそう言って少し呆れたような顔で凛を見ると、彼はシーツを干し始めていた。
「僕、負けず嫌いなんです。先輩たちはきっと、僕には出来ないことを色々と押し付けてきて、僕が困っている顔を見たいに違いないんです。だったら、彼女達の悔しがる顔を僕が見ようかなぁと思って。」
「あなた、結構強かな方なのね。わたくしも手伝うわ。」
「助かります。」
二人がシーツを仲良く干している姿を、木陰からルシウスが見ていた。
「そう、あの子は宮廷で上手くやっていっているのね。」
「ええ。リンは負けず嫌いでハングリー精神が旺盛な子ですから、生き馬の目を抜くような宮廷でも、必ず生き残れる筈ですよ。」
「そういうところはチヒロに似たのね。あの子は女の子なのに、自分よりも年上の男の子達に向かって取っ組み合いの喧嘩をしていたわ。」

ルシウスの前で一人の貴婦人がそう言って昔の事を懐かしみながら紅茶を飲んでいると、部屋にエカテリーナが入って来た。

line6

「皇妃様、皇太子妃様がお呼びです。」
「すぐに行くわ。ルシウス、今日はあなたと話が出来てよかったわ。」
「わたしもです、皇妃様。」
ルシウスはアルティス帝国皇妃・エリザベートに向かって一礼すると、エカテリーナの前を通り過ぎた。
「シャルロッテ、わたくしにお話とは何かしら?」
「皇妃様、今皇妃様のお隣にいらっしゃるエカテリーナ様を、罷免してくださいませ。」
「まぁ、何故そのような事を急に言うの?」
「エカテリーナは、宮廷のしきたりだといって新入りの女官達に服を脱ぐよう命令していることを皇妃様はご存知なのですか?」
「皇太子妃様、何か勘違いされているのではありませんか? あれは、この宮廷で長く続いたものでして・・」
「エカテリーナ、あなたはわたくしの目が届かない所でそんなことをなさっていたのね、失望したわ。」
そう言った皇妃が自分を見つめる冷たい目に気づいたエカテリーナは、怒りと屈辱で頬を赤く染めた。
「シャルロッテ、あなたのお話はよくわかりました。エカテリーナの事はこちらが詳しく調査してから、彼女を罷免するかどうか決めることにします。」
「有難うございます、皇妃様。」

(おのれ、あの小娘、生意気にも女官長であるこのわたくしに意見しようなどと・・)

皇妃の前で恥をかかされたエカテリーナは、シャルロッテへの憎しみと復讐心に燃えながら、廊下を歩いていた。

「母上、お久しぶりです。」
「ルシウス、あなた最近、リンとかいう子に夢中なのですってね?」
「ええ。そのことで、母上と話したいことがあります。」
「わかったわ。」

ルシウスに連れられ、王宮庭園の人気のない東屋へと向かったエカテリーナは、久しぶりに会った息子が自分の事を冷たい目で見ていることに気づいた。

「話とは、何かしら?」
「わたしが今夢中になっているリンという子は、マリア皇女様の孫君でいらっしゃいます。」
「それは本当なの?」


素材提供:Little Eden様

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村






最終更新日  2015.04.02 15:19:02
コメント(2) | コメントを書く
2015.04.01

「そこで一体何をしているの?」
「こ、皇太子妃様!」

凛がエカテリーナ達から服を脱ぐよう迫られていた時、部屋に突然皇太子妃・シャルロッテが女官を引き連れ入って来た。

「この人に、いきなり服を脱ぐように言われました。」
「わたくしに断りもせずに、あなたはこの子に対して不当な身体検査をしようとしていたの?」
「申し訳ありません、皇太子妃様。」
エカテリーナはそう言うと、唇を噛んで俯いた。
「あなた、自分こそがこの宮廷を牛耳っているのだと自負していらっしゃるようだけれど、その自惚れはさっさと捨てることね。」
シャルロッテはエカテリーナを冷たく一瞥すると、凛に向かって微笑んだ。
「リン、わたくしと共に来なさい。」
「はい、皇太子妃様。」

廊下を歩きながら、凛は自分の前を歩くシャルロッテの背中を見ていた。

line6

「皇太子妃様、先ほどは助けていただいて有難うございました。」
「わたしは何もしていないわ。前からあの女官長が嫌いだったから、彼女に対して言いたいことを言ってやっただけよ。それよりもリン、あなたのお友達があなたに会いたがっているわよ。」
「僕の・・じゃないや、わたしの友達ですか?」
「ええ、一緒にわたくしの部屋にいらっしゃい。」
シャルロッテの部屋に凛が彼女と共に入ると、そこには他の女官達と談笑するアンジュの姿があった。
「アンジュ様、お久しぶりです。」
「リン、お久しぶりね。元気にしていた?」
アンジュは凛と宮廷で再会し、彼の元へと駆け寄った。
「アンジュ、あなたとこの子は知り合いなの?」
「ええ。この子はわたくしの命の恩人なのです。」
「そう。今夜、あなた達を歓迎するためにちょっとしたパーティーを開くつもりなの。」
「まぁ、嬉しいですわ、皇太子妃様。是非ご出席させていただきます。」
その日の夜、皇太子妃シャルロッテによって主催された歓迎会で、アンジュと凛は互いの近況を報告し合った。
「そう、あなたはアイリス様の下でお世話になっているのね。」
「アンジュ様は、アイリス様の事をご存知なのですか?」
「ええ。彼女、父親が賭博で莫大な借金を抱えて死んでしまって、その返済に追われて先祖代々の土地を売り払ったとかいう噂を聞いているわ。まぁ、本当かどうかわからないけれど。」
アンジュはそう言うと、クッキーを一口齧った。
「さっき、女官長様から服を脱ぐように言われたのですけれど、あれは宮廷に入ったら必ずするものなのですか?」
「まさか! あんなふざけた身体検査は、女官長様がよくやる新人いびりなのよ。」
「そうだったんですか・・皇太子妃様が助けてくださらなかったら、どうなっていた事か・・」
「女官長様とは余りお近づきにならないことね。彼女、皇太子妃様のことを嫌っていらっしゃるから。」

歓迎会にアンジュをはじめとする女官達から宮廷内の噂話や人間関係を聞いた後、凛が自室に引き上げたのは午前零時を回っていた。

(何だか、疲れちゃったな・・いつまで、こんな生活が続くんだろう?)

華やかな宮廷での暮らしが、気苦労の絶えないものだということに凛が気づくのは、余り時間がかからなかった。

翌朝、凛がシャルロッテの部屋へと向かうと、そこには既に先輩の女官達が居た。

「遅刻ですよ。あなた、新入りの癖にたるんでいるわね。」
「申し訳ございません。」
「次からは、わたくし達よりも早くいらっしゃい。」


素材提供:Little Eden様

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村






最終更新日  2015.04.01 09:15:17
コメント(4) | コメントを書く
2015.03.31

「奥様、宮廷の方がいらっしゃいました。」
「お客様をお通しして。」
ダイニングルームに軍服を着た男が入って来るのを見た凛は、緊張のあまり顔が強張ってしまった。
「そちらの方が、リン様ですか?」
「はい。本日からお世話になります、リンと申します。」
「すぐに荷物をまとめて、玄関ホールに来るように。」
ダイニングルームを出た凛は、自分の部屋に入って荷物を纏めた。
この十年間肌身離さず持ち歩いていたトランクの中には、母との思い出の品が詰まっている。

(お母さん、僕は必ずお父さんに会います。だから、天国で見守っていてください。)

「ルシウス様、アイリス様、行って参ります。」
「気を付けてね。」
「はい。」

玄関ホールでルシウスとアイリスに別れを告げた凛は、軍服の男が運転する車に乗り、王宮へと向かった。

line6

「お母様、どうしても今日王宮に行かなくては駄目?」
「アンジュ、あなたまだそんなことを言っているの?」
「だって・・」
カイゼル公爵邸では、奇しくも凛と同じ日に宮廷に上がることになっているアンジュがそう言ってエミリーに対して幼子のように駄々をこねていた。
「あなたはもう子供じゃないんだから、しっかりなさい。」
「わかったわ。」
「エミリーも寂しいんだよ、わかっておやり。」
「あなたはすぐにアンジュを甘やかすんだから。」
エミリーが隣で自分を睨んでいることに気づきながらも、エリオットは娘の頭を優しく撫でた。
「何も離れ離れになるわけではないのだから、安心して行っておいで。」
「わかったわ。」
アンジュはハンカチで涙を拭うと、鏡台の前から立ち上がった。
「お祖父様、行って参ります。」
「アンジュ、陛下には失礼のないようにしろよ。」
「わかりました。」
先に王宮へと上がった凛は、軍服の男とともに広い廊下を歩き、ある部屋に入った。
「女官長様、皇太子妃付きの女官を連れて参りました。」
「ご苦労様。あなたはもうさがっていいわよ。」
部屋の中には、シャンパンゴールドのドレスを着て、頭に頭巾を被った女が立っていた。
「初めまして、わたくしは女官長を務めているエカテリーナです。あなた、お名前は?」
「リンと申します。」
「あなた、王宮暮らしは初めてでしょう? わたくしが、あなたに王宮暮らしの厳しさを教えて差し上げるわ。」

そう言って凛に微笑んだエカテリーナの目は、笑っていなかった。

「そうねぇ、まずは着ている物を全て脱ぎなさい。」
「え?」
「何をグズグズしているの? 女官長様の命令は絶対ですよ。」

エカテリーナの隣に居た若い女官が、そう言って凛を睨んだ。

(どうしよう・・)


素材提供:Little Eden様

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村






最終更新日  2015.03.31 14:11:33
コメント(2) | コメントを書く

全137件 (137件中 11-20件目)

< 1 2 3 4 5 6 7 ... 14 >

PR

カレンダー

プロフィール


千菊丸2151

お気に入りブログ

いだてん 46話 New! みつき2733さん

老舗の洋食屋 フラ… New! 「ねえさん」さん

08話 【Walpurgis… New! 北摂かやさん

夕食は、鮭の塩焼き… New! friendly0205さん

バーベルスクワット… New! わかつきひかるさん

バックナンバー

日記/記事の投稿

コメント新着

千菊丸2151@ Re[1]:蒼き炎 -60-(12/06) クレオパトラ22世さんへ この作品の時…
クレオパトラ22世@ Re:蒼き炎 -60-(12/06) 今フランス、ナポレオンの少し後の時代の…
千菊丸2151@ Re[1]:蒼―lovers―玉 240(12/26) 風とケーナさんへ ジゼルから贈られた薔…
風とケーナ@ Re:蒼―lovers―玉 240(12/26) 千菊丸様、こんばんは♪ いつも本当にあり…

サイド自由欄

ランキングに参加しております、気が向いたらバナーをクリックしてくださいませ。

PVアクセスランキング にほんブログ村

キーワードサーチ

▼キーワード検索

フリーページ

カテゴリ

ドラマ・映画

(103)

日記

(197)

グルメ

(502)

読書記録

(1423)

大人の発達障害

(11)

連載小説:Ti Amo

(115)

連載小説:VALENTI

(141)

連載小説:茨の家

(40)

連載小説:翠の光

(31)

連載小説:双つの鏡

(174)

連載小説:鬼と胡蝶

(15)

完結済小説:炎の月

(160)

完結済小説:桜人

(70)

完結済小説:白昼夢

(57)

完結済小説:月光花

(401)

完結済小説:暁の鳳凰

(84)

完結済小説:金襴の蝶

(68)

完結済小説:金魚花火

(170)

完結済小説:狼と少年

(46)

完結済小説:翡翠の君

(56)

完結済小説:胡蝶の唄

(40)

小説のこと(短編小説etc)

(195)

連載小説:茨~Rose~姫

(85)

完結済小説:琥珀の血脈

(137)

完結済小説:螺旋の果て

(246)

完結済小説:紅き月の標

(221)

完結済小説:黒衣の貴婦人

(103)

完結済小説:lunatic tears

(290)

完結済小説:わたしの彼は・・

(73)

連載小説:蒼き炎(ほむら)

(60)

連載小説:蒼き天使の子守唄

(40)

連載小説:麗しき狼たちの夜

(221)

完結済小説:金の狼 紅の天使

(91)

完結済小説:孤高の皇子と歌姫

(154)

完結済小説:愛の欠片を探して

(140)

完結済小説:最後のひとしずく

(46)

朝ドラ風連載小説「浜菊の如く」

(2)

連載小説:Black Bird~慟哭~

(6)

連載小説:蒼の騎士 紫紺の姫君

(42)

完結済小説:金の鐘を鳴らして

(35)

連載小説:紅蓮の涙~鬼姫物語~

(151)

連載小説:狼たちの歌 淡き蝶の夢

(13)

完結済小説:宿命の皇子 暁の紋章

(262)

連載小説「女王達の輪舞曲<ロンド>」

(3)

完結済小説:玻璃(はり)の中で

(95)

完結済小説:美しい二人~修羅の枷~

(64)

完結済小説:碧き炎(ほむら)を抱いて

(125)

連載小説:皇女、その名はアレクサンドラ

(63)

完結済小説:蒼―lovers―玉(サファイア)

(300)

完結済小説:白銀之華(しのがねのはな)

(202)

完結済小説:薔薇と十字架~2人の天使~

(135)

完結済小説:儚き世界の調べ~幼狐の末裔~

(172)

二次創作小説:天上の愛 地上の恋「時の螺旋」

(7)

二次小説:進撃の巨人 腐向け小説「一輪花」

(8)

二次創作小説:天上の愛 地上の恋 「蒼き翼」

(11)

二次創作小説:黒執事×薔薇王中世パラレル「薔薇と駒鳥」

(27)

二次創作小説:火宵の月 幕末パラレル「想いを繋ぐ紅玉」

(8)

二次創作小説:火宵の月 韓流時代劇ファンタジーパラレル「華夜」

(7)

二次創作小説:薔薇王韓流時代劇パラレル「白い華、紅い月」

(8)

二次創作小説:火宵の月オメガバースパラレル「その花の名は」

(5)

連載小説:二人の皇太子~アメジストとエメラルド~

(6)

Copyright (c) 1997-2019 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.