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JEWEL

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完結済小説:鬼と胡蝶

2016.10.10
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「土方さん・・じゃなかった先生、おはようございます。」

歳三の声に振り向いた真珠の白い頬は、赤い血で汚れていた。

「てめぇ、一体何をしてたんだ?」
「別に。ただこいつが生意気な口を利いたから懲らしめてやっただけです。」
まるで天気の事を話すかのように、真珠は暢気な口調でそう言うと床に伸びている男子部員の脇腹を蹴った。
男子部員が痛みのあまり呻くと、真珠は舌打ちしてそのまま血だらけの木刀を持ったまま道場から出て行こうとした。
「おい待て、何処へ行くつもりだ?」
「そんな事、土方先生には関係ないでしょう?」
真珠は自分の腕を掴んでいる歳三の手を邪険に振り払うと、そのまま道場から出て行ってしまった。
「おい、大丈夫か?」
歳三が床に倒れている男子部員の方へと駆け寄ると、彼は苦しそうに呼吸していた。
「誰か、救急車呼べ!」
道場を出た真珠は、保健室に入るとそのままベッドに身体を投げ出した。
「またあなたですか。いけませんね、ずる休みは。」
ベッドを仕切るカーテンが勢いよく開き、白衣姿の男が真珠の前に現れた。
「さっきひと暴れしたので、疲れたんです。少し休ませてください、先生。」
「貴方はいつも誰かと喧嘩していますね。一体貴方は何と戦っているのですか?」
「さぁ、わたしにもわかりません。先生こそ、どうしてわたしの事を気に掛けるんですか?」
「貴方みたいな子を更生させるのが、わたしの役目だからですよ。」
男はそう言って真珠に微笑むと、彼女の唇を塞いだ。
「悪い男(ひと)ですね、先生って。」
真珠は男からのキスを受け入れ、彼の背中に手を回した。

「先生、また妹が何かやったんですか?」
真珠によって暴力を振るわれた男子部員に付き添う為病院へと向かった歳三は、そこで千華に会った。
「ええ。あの、あいつはいつもあんな事をするんですか?」
「妹は・・真珠は、いつも誰かと喧嘩ばかりしないと気が済まないみたいで・・中学の時は一番荒れていました。精神科にも通わせましたが、お医者様から原因が判らないと・・わたしは恐らく、前世の事をあの子が引き摺っているんだと思うのですが、土方先生はどう思われますか?」
「千華さん、貴方は前世の記憶があるんですか?」
「ええ。わたしと貴方が前世では恋人同士だったことや、前世では悲しい別れをしたことは、全て憶えています。いつか会えると信じていました、土方さん。」
千華はそう言うと、人目も憚(はばか)らず歳三に抱きついた。
「千華さん、やめてください。貴方にはご主人がいらっしゃるのでしょう?」
「どうして主人と結婚する前に、貴方と会えなかったのかしら。そうしたら、貴方と結ばれていたのに。」
千華は歳三の胸に顔を埋めて涙を流していると、突然歳三は激しい殺気に襲われた。
「千華、こんな所で何をしているんだ!?」
「あ、あなた・・」
千華がそう言って怯えた目で自分達の前に立つ男を見た。
「わたしに隠れて浮気でもするつもりか?誰がお前達を食わしてやっていると思っているんだ!」
銀縁眼鏡を掛けた男は怒りに滾った目で千華を睨みつけると、彼女の髪を鷲掴みにして彼女を無理矢理歳三から引き離し、彼女の顔を容赦なく拳で殴った。
固いリノリウムの床に倒れたまま動かない千華の姿を見た歳三は、気が付くと男の胸倉を掴んでいた。

「てめぇ、総司に何をしやがる!?」
「貴様、何者だ!?」
「うるせぇ!」

歳三はそう男に怒鳴ると、彼の顔面を拳で殴った。

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Last updated  2016.10.19 14:14:01
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翌朝、歳三は外から聞こえる車のクラクションの音で目を覚ました。

眠い目を擦りながら彼が寝室から出ると、キッチンでは朝食を作っている真珠の姿があった。

「土方さん、おはようございます。」
「おはよう。昨夜は良く眠れたか?」
「はい。もうすぐ朝ご飯できますから、待ってください。」
数分後、食卓に並べられたのは、鮭の塩焼きと玉葱と人参の味噌汁に白ご飯、そして沢庵の漬物だった。
「どうぞ、召し上がってください。」
「美味そうじゃねぇか。」
歳三がそう言って真珠が作った朝食を頬張ると、彼女は嬉しそうな顔をしてその様子を見ていた。
「それじゃぁ、わたし部活の朝練があるので先に出ますね。」
「ああ、気を付けて行って来い。」
「はい。土方さん、ひとつお願いがあるのですが・・」
「何だ?」
「キス、してくださいますか?」
「そんな事、お安い御用だ。」
歳三はそう言って真珠に向かって微笑むと、彼女の唇を塞いだ。
「行ってきます。」
真珠が部屋から出て行った後、歳三は車で学校へと向かった。
「土方先生、おはようございます。」
教職員用の駐車場に車を停め、歳三が車から降りると、この学校へ赴任した日に学校を案内してくれた体育教諭・柴田が声を掛けてきた。
「おはようございます。」
「今日は早いですね。これから部活ですか?」
「はい。柴田先生は?」
「わたしはそろそろ校門で生徒の生活指導をしなければなりません。あぁそうだ、土方先生にお耳に入れたいことがあるんですが・・」
「何でしょうか?」
「剣道部に、荻野っていう生徒が居るでしょう?あいつは問題児ですよ。」
「問題児?」
「ええ。あいつは剣道部のエースなのですが、いつも誰かと喧嘩ばかりして、何度か警察沙汰になったことがあります。あいつに深入りするのは止めた方がいいですよ。」

柴田はそう言うと、歳三に背を向けて校門の方へと駆けていった。

柴田の話を聞いた歳三は、自分の為に朝食を作った真珠が問題児のように見えなかった。
一体彼は自分に何を伝えたかったのだろうか―そんな事を思いながら歳三が剣道部の練習が行われている道場へと入ると、いつも中から朝練に励む部員達の声が聞こえてくる筈なのだが、今日に限って道場は静まり返っていた。

「先生!」
「どうした、何かあったのか?」

歳三が道場の中へと入ると、一人の男子部員が彼に駆け寄って来た。

「僕がいけないんです、僕が弱いから・・」
「俺に解るように話せ。」
「荻野さんが大変なんです!」

男子部員に手をひかれ、歳三は目の前に広がっている光景に目を疑った。

そこには、木刀を片手に二年の男子部員を容赦なく打ち据える真珠の姿があった。

その横顔は、夜叉そのものだった。


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Last updated  2016.10.21 22:15:21
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2016.10.06

「忍、どうしてお前はここに来たんだ?」
「それは、先生にお情けを頂く為です。」

そう言うと歳三の前世の恋人・忍こと真珠は、着ていたセーラー服の胸元のリボンを解き始めた。

「おい待て、性急すぎないか?」
「わたしはもう、100年以上も待ちました。お願いです、抱いてください土方さん!」
真珠はそう叫ぶと、歳三の上に馬乗りになった。
「忍、やめろ!」
真珠の手がズボンのベルトに伸びようとした時、チャイムの音が鳴った。
「服を着ろ。」
「わかりました。」
真珠は舌打ちすると、解いていたリボンを結び直した。
歳三がインターフォンの画面を覗き込むと、一人の女性が画面に映っていた。
その女性の顔を見た歳三は、驚愕の表情を浮かべた。

(総司!)

その女性は、かつて歳三が愛した恋人・総司と瓜二つの顔をしていた。

「お姉ちゃん・・」
「忍、知り合いか?」
「知り合いも何も、この女性はわたしの姉の、千華(ちか)です。」
「お前の姉ちゃんが、俺に何か用なのか?」
「さぁ、知りません。」
そう言った真珠は唇を尖らせ、何処か拗ねたような顔をした。
「すいません、こちらに妹が来ていませんか?」
歳三が部屋のドアを開けると、総司と瓜二つの顔をした真珠の姉・千華がそう言って彼を見た。
「お姉ちゃん、土方先生に何か用なの?」
「用って、貴方がいつまで経っても帰って来ないから心配したんじゃないの!そしたらここのマンションの管理人さんから貴方が来ているって聞いたから来たのよ!」
「そんな事を言って、噂の土方先生に会いたかったんじゃないの、お姉ちゃん?今は人妻でも、土方先生とは前世で恋人同士だった仲だものね?」
「黙りなさい!」
顔を怒りで赤く染めた千華は、そう叫ぶと彼女の手を掴んで無理矢理立ち上がらせた。
「ほら、家に帰るわよ!」
「嫌よ、わたしは帰らないわ。わたしは一晩土方先生の部屋に泊めて貰うの。」
真珠は姉の手を振り解くと、そう言って歳三にしなだれかかった。
「駄目よ、家に帰るの!お父さんだって心配しているわよ!」
「あの人が心配しているのは自分の世間体だけでしょう?もうすぐ町長選挙が近いし、嫁入り前の娘が独身の教師の家に押しかけた何て噂が広まればあの人の政治家生命が危ういものね?」
「真珠、いい加減にしなさい!」
千華が妹に手を上げようと左腕を振り上げた時、歳三は反射的にその腕を掴んでいた。
「妹さんには俺がよく言って聞かせますから、今日はお帰りになってください。」
「すいません・・先生、それじゃぁ妹の事を宜しくお願いしますね。」
千華は歳三に頭を下げると、部屋から出て行った。
「これで邪魔者は居なくなりましたね。」
「いいのか、家に帰らなくても?親父さんが心配しているんじゃないのか?」
「言ったでしょう、あの人が心配しているのは世間体だけだって。」
自分の父親の事なのに、真珠は何処か冷めたような口調で言った後歳三の胸に顔を埋めた。
「こんなことをしても、俺はお前ぇを抱かねぇぞ?」
「わかっていますよ、そんな事。暫くこうしておいてくださいよ。」
「ったく、しょうがねぇな・・」

真珠が歳三の胸に再度顔を埋めると、彼の鼓動の音が心地よく耳朶に響いた。


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Last updated  2016.10.21 22:16:13
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※BGMと共にお楽しみください。

1869(明治二)年3月。

この最果ての地に来て二月余り。

鳥羽・伏見の戦いから始まり、宇都宮、会津、仙台と負け戦を重ねて北へ北へと進軍してきた末に辿り着いたのが、この蝦夷地だった。
京では桜の季節を迎えようとしているというのに、この地はまだ白い雪に覆われている。
歳三は目を閉じ、京都に居た時の頃を思い出していた。
京の冬は、蝦夷地の冬と同じくらい寒さが身に沁みたものだったが、何故か寒いと感じなかったのは、近藤や総司達が居たからなのかもしれない。
近藤達はもう自分の傍には居ない。
彼らは自分を残して、鬼籍に入ってしまった。
一人になって、急に寒さが身に沁みる。

(寒ぃなぁ・・)

強い北風が吹きつけてきて、慌てて歳三はコートの前を掻き合わせたが、冷たい風が容赦なく彼の頬を打つ。
コートを握り締めた手はかじかみ、指先が寒さで赤く染まっていた。
冷気に晒され、次第に歳三の意識は徐々に薄れていった。
このままここで死ぬのも悪くはない―そう彼が思っていると、風が唸る音と共に誰かが自分を呼ぶ声が聞こえた。
ふわりと何か暖かいものが肩に掛けられた感触がした後、歳三は意識を失った。

―土方さん、起きてくださいよ。こんな所で寝たら、風邪をひきますよ?

闇の奥から聞こえて来たのは、懐かしい総司の優しい声だった。

―ほら、起きて。

そっと自分の手を優しく握る総司の手の感触がして、歳三が目を開けると、そこには自分を心配そうに見つめる一人の青年の姿があった。

「土方さん、良かった・・」

宝石のような翡翠の双眸に涙を溜めながら、青年は桜色の唇からそう言葉を紡ぐと、歳三の胸に顔を埋めた。

「心配かけて、済まねぇな・・」
「土方さん一人の身体ではないのですから、もうあんな無茶な事はしないでください!」
「あぁ、解っているよ。」
「約束ですよ?」

青年の絹糸のような金色の髪を撫でながら、歳三は彼の名を呼び、そして眠りの底へと深く沈んでいった。

「・・先生?」

いつの間にか眠ってしまったようで、歳三はゆっくりとソファから身体を起こした。
そこには自分の手を握る少女の姿があった。
その少女の姿と、脳裏に残っていた映像に現れた青年の姿が重なった。

「・・どうやら、思い出してくださったようですね。」

少女はそう言うと、華が綻ぶかのような笑みを浮かべた。

「漸く会えたな、忍。」
「お久しぶりです、土方先生・・土方さん。」

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Last updated  2016.10.10 19:46:26
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2016.09.29


「てめぇ、昨日の・・」

歳三がそう言って画面の向こうに居る少女を睨んでいると、彼女の背後からマンションの管理人が現れた。

『土方さぁん、ちょっと開けてくれないかしらぁ?』
そう言いながらも彼女は勝手に施錠されたドアのロックを解錠しようとエプロンのポケットから歳三の部屋の合鍵を取り出していた。
「今開けますから!」
慌てて歳三がドアを開けると、管理人は愛想笑いを浮かべて少女と歳三を二人きりにさせた後、そそくさとその場を後にした。
「俺に何の用だ?」
「あの、昨日の事を謝りたくて来ました。」
「まぁ、こんな所じゃ人目につくから、入れ。」
「は、はい・・」
歳三は少女を部屋に招き入れた。
「お邪魔します。」
「それで、俺に謝りたい事って何だ?昨日神社の境内で急に俺に抱きついて首筋を噛んだ事か?」
「それは、理由があって・・」
少女はそう言うと、俯いた。
「その理由は後で話してくれ。まずはお前ぇの名前を聞こうか?」
「わたしは荻野真珠と申します。」
「しんじゅ?変な名前だな。」
「真珠じゃありません、真珠と書いてまじゅと読むんです。あの、貴方は確か、先週うちの高校に赴任してきた土方先生ですよね?」
「あぁ、そうだが・・何で俺がここに住んでいることを知っているんだ?」
「ここのマンションの管理人さん、うちのお祖母ちゃんとカルチャースクール仲間なんです。」
「そうか・・」
田舎のネットワークは狭いと聞いたことはあるが、まさか真珠の祖母とマンションの管理人が知り合いだとは思わなかった。
「それで、昨日俺にお前ぇがしたことに何の理由があるんだ?」
「実は、先生の“気”に特別なものを感じてしまったので・・」
「突然オカルトじみた話をされても訳がわからねぇよ。一体どういうことだ?」
「こういうお話を初対面の先生に話すのは信じて貰えないかもしれませんが・・わたしには、特殊な能力があるんです。」
「特殊な能力?」
「普通の人には見えないものが見えるんです。お祖母ちゃんが言うには、わたしには“胡蝶姫”の血をひいているからだと・・」
「そのなんとか姫って何だ?」
「あぁ、先生は余所からいらっしゃった方だからご存知ありませんよね、胡蝶姫と鬼の伝説。胡蝶姫は昔、この土地を治めていた領主の娘で、人ならざるものが見える能力を持った巫女だったのです。胡蝶姫はこの土地を守り、領民達から慕われていました。けれど彼女は、孤独だったんです・・自分が持つ能力の所為で。」
そう言った真珠の宝石のような翡翠の双眸が少し翳ったのを、歳三は見逃さなかった。
「無理に話さなくてもいいんだぜ?」
「いいえ、先生にもこの土地の伝説と、それに纏わる因習を是非知って頂きたいのです。」

真珠は俯いた顔を上げ、歳三を見つめた。
その瞳には、強い意志の光が宿っていた。

「あの・・こう言うのも変ですが、先生を昨日一目見た時、わたしは先生の姿を通して大切な人の姿と重ねて見ていたのかもしれません。」
「大切な人?」
「上手くは言えませんが、昔・・わたしが生まれるずっと前から、先生とわたしは恋仲・・詳しく言えば互いに愛し合う関係だったような気がするんです。」

真珠の言葉を聞いた途端、歳三の脳裏にある映像が浮かんできた。

イラスト素材提供:Little Eden様

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Last updated  2020.05.08 22:06:28
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※BGMと共にお楽しみください。

「・・畜生、降って来やがったか。」

この辺鄙(へんぴ)な田舎町に引っ越してきてから一週間が経った。

この町にある高校で教師をしている土方歳三は、徒歩で片道一時間半かけて町に唯一あるコンビニで買い物をした帰り道、運悪く雨に降られてしまった。
生憎傘を持っていなかった歳三は、全身ずぶ濡れになってしまった。
雨が止むまで何処かで雨宿りをしようと思った彼だったが、辺りは田圃(たんぼ)ばかりで民家や屋根付きの建物が一軒も見当たらなかった。
歳三が暫く歩くと、やがて鬱蒼な森に囲まれた神社が見えてきた。

(荻野神社ねぇ・・神様には悪いが、少しここで雨宿りさせて貰うとするか。)

赤い鳥居をくぐった歳三は、そう思いながら本宮へと続く長い石段を上った。

(ふぅ、やっと着いたな・・)

歳三が朱塗りの本宮の前に立つと、突然何処かから鈴の音が聞こえて来た。

(何だ?)

歳三が鈴の音が聞こえてくる方を見ると、そこには一人の少女の姿があった。

長い金髪を波打たせた彼女は、翠の瞳でじっと歳三を見つめていた。

「俺に何か用か?」
「・・見つけた。」

少女はそう低い声で呟くと、突然歳三に抱きついた。
「お、おい!」
突然少女に抱きつかれ、歳三は驚いて思わず彼女を突き飛ばしてしまった。
少女は悲鳴を上げて地面に倒れ、彼女が纏っていた巫女装束は泥に塗れてしまった。
「済まねぇ、大丈夫か?」
歳三が慌てて少女を抱き起そうとすると、彼女は再び歳三に抱きつき、彼の首筋を噛んだ。
「甘い・・」
「てめぇ、いきなり何すんだ!」
歳三がそう言って少女を睨みつけようとした時、彼女の姿は何処にもなかった。
(狐に化かされたのか?)
神社から自宅マンションの部屋に帰宅した歳三は、シャワーを浴びる為に濡れた服を洗濯機の中へと放り込んだ。
その時、彼は首に違和感があることに気づき、鏡の前に立った。
すると、彼の首には何かに噛まれたような傷跡が残っていた。

(何だ、これ・・)

歳三の脳裏に、神社で会った少女の姿が浮かんだ。
あの少女は一体何者なのか―そう思いながら歳三はシャワーを浴びた後、そのままベッドで眠った。
翌朝、歳三が台所で朝食を作っていると、突然玄関のチャイムが鳴った。

(こんな朝早くから誰だ?)

そんな事を思いながら歳三がインターフォンの画面を覗き込むと、そこには昨日神社で会った少女が立っていた。

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Last updated  2016.10.09 15:03:07
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