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薄桜鬼 二時間サスペンスドラマパラレル 二次創作小説:沢庵刑事トシの事件簿

October 7, 2021
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薄桜鬼の二次小説です。

制作会社様とは関係ありません。

二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。

「土方君~!」
「大鳥さん・・」
「楽しみだね、明日!」
「そうだね・・」
「もぅ、そんな暗い顔しな~い!」
ある日の警視庁内にある喫煙所で、大鳥圭介がそう言いながら歳三の頬をつついた。
「なぁ大鳥さん、そこにはどうしても行かなきゃ駄目か?」
「当然だよ!」
大鳥がそう言ってスマホの画面を歳三に見せた。
そこには、某有名リゾートホテルの写真が映っていた。
「何で、男同士でこんな所まで旅行しなきゃなんねぇんだ~!」
「商店街の福引でペア宿泊券当たったんだから、仕方ないじゃない!」
「だとしても、何で俺を誘うんだ?他に誰も居なかったのか?」
「う・・」
「土方さん、大鳥さんに何という事を!」
「失礼にも程がありますよ!」
「わ、悪かった!」
どこからか湧いて出て来た“大鳥親衛隊”から一斉に責め立てられ、歳三はエイの干物のような顔をしていた。
(あ~あ、ついてねぇ・・)
仕事が終わった後、歳三は風呂に入ってそのまま寝た。
「土方君~!」
「何だよ、うるせぇな。」
翌朝、歳三は外から聞こえて来るけたたましい車のクラクションで目を覚ました。
「じゃぁ、行こうか!」
「お、おぅ・・」
 大鳥の車で、歳三は彼と共に房総半島にあるリゾートホテルへと向かった。
「うわ~、海が良く見える~!」
「そうだなぁ・・」
「は~、極楽、極楽!」
海を一望出来る大浴場の湯舟に浸かりながら、歳三はもう帰りたいと思ってしまった。
「土方君、早く~!」
「わかったよ・・」
温泉を楽しんだ後、二人が向かったのはこのホテルの名物、海鮮ビュッフェ会場だった。
アワビ、伊勢海老、そして鯛・・房総半島の海の幸が、テーブルに所狭しと並んでいた。
「うわぁ~、どれを食べるか迷うな~」
「あぁ、そうだな・・」
(帰りてぇ・・)
そんな事を思いながら歳三が料理を選んでいると、大鳥は海の幸を山のように皿に盛っていた。
「おいおい、そんなに食べると腹壊すぞ!」
「大丈夫だよ!」
だが大鳥は翌朝、腹を壊して寝込んだ。
「鴨川シーワールド、行きたかったな・・」
「自業自得だろ。」
部屋に大鳥を残し、歳三は朝食ビュッフェへと向かった。
夕食の時とは違い、朝食ビュッフェには海鮮料理は置いておらず、代わりにパンやみそ汁、ご飯などが並んでいた。
(あ~、うめぇ。)
白い炊き立てのご飯の上に、パリパリの焼き海苔を巻いた歳三は、それを美味そうに頬張った。
沢庵をパリパリと音を立てながら歳三がみそ汁を啜ろうとした時、奥のテーブルから悲鳴が聞こえて来た。
(何だ?)
「誰か、救急車を呼んで!」
「直美、しっかりして~!」
「どうしました?」
歳三が奥のテーブルの方へと向かうと、そこには一人の女性が苦悶の表情を浮かべながら床に倒れていた。
「この子、私の友達なんですが、さっきそこに置いてあったジュースを飲んだ後、急に苦しみ出して・・」
「失礼。」
歳三は女性の脈拍を確認した後、彼女の友人達に向かって首を横に振った。
「そんな・・」
「嘘でしょう~!」
歳三はすぐさま警察に通報した。
「大鳥さん、居るか?」
「土方君、どうしたの?」
「事件だ。」
「えぇ~!?」

現場となったレストランの厨房では、一人の仲居が蒼褪めた顔をしながら、“何か”を持って裏口から外へと出て行った。

「それで、あなた達は被害者とどういう関係なんですか?」
歳三の通報を受け、ホテルへと駆け付けた千葉県警の井上真警部補は、そう言うと歳三をジロリと睨んだ。
「失礼、俺はこういう者です。」
歳三は警察手帳を井上に見せると、彼は慌てて敬礼した。
「死亡したのは萩本直美さん。彼女は高校時代の同級生達とプチ同窓会として四人でこのホテルに泊まっていたんです。」
「へぇ・・」
死亡した萩本直美の同級生、渡辺由美、西田恵美、浜田理絵の三人にそれぞれ事情聴取をした歳三達だったが、彼女達は皆口を揃えて、“特に被害者には変わった様子はなかった”と言った。
(一体、誰が彼女を殺したんだ?)
ホテルの中庭で煙草を吸っていると、そこへ大鳥がやって来た。
「大鳥さん、あんたもう大丈夫なのか?」
「うん。胃腸薬を飲んだら良くなったよ。」
「そうか。このホテルの従業員には、聞き込みはもう終わったのか?」
「一人だけ、まだやっていない従業員が居るんだ?」
「誰?」
「吉田志保、事件当時レストランで給仕スタッフをしていた仲居だ。」
「彼女は今、何処に?」
「それが・・行方がわからないんだ。」
「何だって!?」
歳三達は懸命に消えた仲居を捜したが、彼女のものと思われる草履と遺書が崖の上で見つかった。
そこには、被害者を毒殺したのは自分だと書かれてあった。
『私は高校時代、萩本達からいじめられました。彼女達は、昔の事など忘れて楽しそうに笑っていました。それを見たわたしは、萩本を殺す事を決意しました。』
志保の遺書には、萩本のグラスに毒を入れたと書かれてあった。
グラスから毒物が検出され、吉田志保は萩本直美殺害の犯人として被疑者死亡のまま書類送検された。
「いじめっていうのは、加害者にとってはすぐに忘れる事だけれど、被害者にとっては一生苦しむ事なんだろうね。何だか、後味が悪い事件だったね。」
「そうだな。」
ホテルで起きた殺人事件と、その被害者の個人情報がネット上に拡散し、萩本の家族は行方を晦まし、渡辺由美は婚約破棄、西口恵美は離婚、浜田理絵は実家の家業が倒産と、それぞれ悲惨な末路を迎えた。
「“喧嘩両成敗”って言葉は昔からあるけど、そんな物は存在しないね。“いじめ”なんて軽い言葉を使うから、その実態を知らない人間が増えるんだ。」
「俺もそう思うぜ、源さん。」
「はいよ、冷やしラーメン。」
「新作か?」
「夏に向けて、密かに商品開発をしてみたんだよ。」
「頂きま~す!」
歳三は冷やしラーメンの美味さに舌鼓を打った。
「美味い!」
「それは良かった。」
「それよりも源さん、いつも何処で寝泊まりしているんだ?昔住んでいた家はもう売りに出したんだろう?」
「あぁ、実は今は、ここに住んでいるのさ。」
「ここ、高級マンションじゃねぇか?金はどうなんだ?」
「監察医時代に貯めていたお金と、サイドビジネスで儲けたお金で色々とね。」
「やるねぇ、あんた。」
「サイドビジネスは、犯罪系のものじゃないから、安心してくれ。」
「わかった、気をつけてな。」
「あぁ。」

歳三と別れ、源さんは屋台を貸倉庫にしまうと、自宅がある高級マンションの中へと入っていった。

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最終更新日  October 7, 2021 10:04:12 PM
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薄桜鬼の二次小説です。

制作会社様とは関係ありません。

二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。


「あなた、一体これはどういうつもりなの!?」
「つい、出来心で・・許してくれ、愛子!」
「いいえ、あなたとは離婚よ、いいわね!」
「そ、そんな・・」

都内某所にあるタワーマンションの一室で、一組の男女が言い争っていた。
女は大西愛子、国内外でも人気の大手アパレルブランド「A-Fashion」の社長である。
そして彼女と言い争っているのは、愛子の夫で専務の英人である。
英人は女遊びが激しく、その所為で愛子との喧嘩が絶えなかった。
その日も、英人がモデルに手を出したと知った愛子は怒り狂い、彼に離婚を言い渡した。

「お願いだ愛子、お願いだから!」
「やめて、放して!」

英人は愛子と激しく揉み合っている内に、彼女を突き飛ばしてしまった。

「愛子、しっかりしてくれ!」

「そろそろだなぁ・・」

晩秋の寒空の下、一人の男がある有名高級菓子店の前に並んでいた。
この日、彼が指折り数えて待ち望んでいた数量限定の新作スイーツが発売されるのだ。

「只今より整理券をお配りしま~す!」

遂にこの日が来た―男が店員から整理券を受け取り、店のオープンを待っていると、そこへ一人の男がやって来た。

「大鳥さん、こんな所に居たのか!」

絹糸のような黒髪をなびかせ、優雅にサングラスを外した彼は、眉間に皺を寄せながら、宝石のように美しい紫紺の瞳で男を睨みつけた。

「キャ~!」
「あの人、イケメンよ~!」
「土方君、十分待ってくれないか?今大事な用が・・」
「用だったらもう済ませた。」

そう言った男―土方歳三の手には、この菓子店のロゴが入った紙袋が掲げられていた。

「土方君・・」
「行くぞ。」
「待ってよ、ねぇ!」

歳三の後を、男―大鳥圭介は慌てて追った。

「土方君のわからずや!」
「何だ大鳥さん、急に?」
「あんなの、楽しくない!ちゃんと並んで買うのがスイーツ好きの醍醐味なのに、全然わかってない!」
大鳥はそう言って歳三を睨むと、ウォォォ~ンと大きな声で泣き出した。
「おいおい、たかがスイーツ如きでそんなにムキにならなくても・・」
「わかっていない、そこが一番異性に嫌われている所が!」

(ったく、面倒臭せぇなぁ。)

「今、面倒臭いって思ったでしょ?」
「思ってねぇよ。」
「嘘、思ったでしょ!土方君、もう嫌い!」

そう叫ぶなり、大鳥は頬を膨らませた後、歳三の手から紙袋を奪い取り、その中に入っているチョコレートバウムにかじりついた。

「土方君にはあげないよ~」
「はいはい・・」

歳三は内心溜息を吐きながら、車を発進させた。
事件現場に着いた時、車内はチョコレートの甘い匂いに満ちていた。

「土方さん、どうしたんだ?酷い顔してるぜ?」
「まぁ、色々あってな・・」
「大鳥さんは?」
「あの人なら車の中でスイーツ食ってるぜ。その所為で、車の中がチョコレートの匂いがして吐きそうだ・・」
「そうか・・」
「それで、ガイシャは?」
「このマンションの最上階の部屋だ。」
「へぇ・・結構いい所に住んでいるんだな。」

歳三はそう言いながら、原田と共に事件現場となったタワーマンションの最上階の部屋へと向かった。
部屋に上がって二人がリビングに入ると、ソファの近くには被害者である大西英人が倒れていた。

「トシさん、来たんだね。」
「源さん、あんたどうしてここに?」
「ここに配達に来たら、この人が死んでいたんだよ。」
「そうか。」
「死因は、窒息死だね。目に点状出血があるし、失禁の跡がある。恐らく、凶器らしきものが見当たらないから扼殺だろうね。」
「あの~、土方さん、こちらの方は・・」
「この人は・・」
「それじゃトシさん、次の配達があるから失礼するよ。」
「そうか・・」
「今日は冷えるね。はい、これ。」

謎の配達員こと元監察医・井上源三郎は去っていった。
彼は去り際、コーンポタージュの缶を歳三に手渡した。

「あなた、あなた~!」
「あの人は?」
「ガイシャの奥さんだ。」


リビングに、高級ブランドのスーツを着ている被害者の妻・愛子がやって来た。

「どうして、こんな事に~!」
「奥さん、ご主人と最後に会ったのはいつですか?」
「そうですわね・・おとといの午前十時頃だったと思います。その日は離婚調停があったので、良くおぼえていますわ。」
「そうですか。」

愛子は高級ブランドのショルダーバッグの中から一冊の手帳を取り出し、付箋が貼られたページを歳三達に見せた。

「詳しいお話を、署でお聞かせ頂いても?」
「構いませんわ。」

事件から数日後、歳三は警視庁刑事部長・山村英爾に呼ばれた。

「潜入捜査、ですか?」
「今回の事件の裏には、“A-Fashion”内での派閥争いがあると、我々はにらんでいる。そこでだ、君にはモデルとして“A-Fashion”に潜入して貰いたい。」
「はぁ・・」
こうして歳三は、“A-Fashion”にモデルとして潜入捜査する事になった。
「お疲れ~」
「お疲れ様です。」
「社長の旦那さん、誰に殺されたのかしら?」
「そりゃぁ、ねぇ・・」
「社長に決まっているわよ!」
「しっ、声が大きいわよ!」
「それ、本当なんですかぁ?」
歳三がわざとらしくそう尋ねると、近くに居たモデルの奈美がコーヒーを飲んだ後、こう言った。
「あの人、専務だけれど、所詮はお飾りなのよ。会社の実権は全て社長が握っているのよ。」
「まぁ、あの人は婿養子だからね。社長と結婚したのも、あの人の財産目当てだし。」
「そうよねぇ。確か、あの人は社長と結婚する前はフリーターだったって。」
「逆玉ってやつ?社長のお父様・・会長が亡くなられてから、急にはっちゃけたのよねぇ!」
「女遊びが激しくなってさぁ、そこからよね、社長が仕事の鬼になったのは!」

英人と愛子の夫婦仲は、相当冷え切っていたようで、愛子は遺言書にはっきりと、“自分の死後、遺産は全て弟・優人に相続させる”と書いたらしい。

「ねぇ、あの話もしてあげなさいよ、昨年の夏、社長の葉山の別荘での事!」
「え、それはここじゃまずいわよぉ~、今夜みんなでカラオケ行きましょう!」
「いいわねぇ!」

“女三人寄れば姦しい“という諺通り、聞かれもしないのにモデル達はベラベラと社長夫妻の事情を歳三に話した。

「あなた達、いつまでサボっているつもりなのっ、もう撮影始まっているわよ!」
「は~い!」
「じゃぁ、後でね!」
「はい。」

先輩モデル達が控室から居なくなった後、彼女達から聞いた話を自分なりに整理してそれらをメモとして手帳に書き出してみた。

(今の所、犯人は社長か?)

まだ情報収集が必要だと思った歳三は、その日の夜先輩モデル達と共にカラオケに行った。

歳三が彼女達から聞いたのは、以下の話だ。

昨年の夏、社長夫妻がモデルを労う為に葉山の別荘へ彼女達を招待した。
だがそこで英人の愛人と鉢合わせしてしまい、愛子と彼女は取っ組み合いの喧嘩をしたという。

「その喧嘩の原因は、レバニラ炒めですって。」
「え?」
「社長、大のニラ嫌いなのに、愛人が嫌がらせの為に持って来たんですって、専務と二人で食べる為に。」

現場に残されていたレバニラ炒めは、一口も手をつけられていなかった。

(おかしい・・何かが引っかかる。)

「トシさん、今帰りかい?」
「源さん・・」
「その様子だと、行き詰っているんだろう?少し食べていきなよ。」

カラオケからの帰り道、歳三の前にラーメンの屋台をひいた源さんが現れた。

「なぁ源さん、ガイシャは何を頼んだんだ?」
「チョコミントアイスだよ。」
「レバニラ炒めじゃなくて?」
「あの人、ニラアレルギーだったてねぇ・・それもかなり重度の。」
「そうか、それか!源さん、ありがとう!」
「お代は要らないよ。」

源さんはそう言うと、歳三に微笑んだ。
翌朝、英人の愛人・木村りえが成田空港でフランスへ発とうとしているという情報を得た警察によって、緊急逮捕された。

「わたしがあの人を殺したという証拠は・・」
「ありますよ。あなた、英人さんが重度のニラアレルギーだと知っていましたよね?」
「えぇ、そうよ。あの人・・彼から別れを切り出されたの。だから、この手で彼を殺したの!」

木村りえは犯行を自供し、英人の首からは彼女の皮膚片が検出された。

「主人を殺したのが、あの女だったとはね。あの人は本当に不運な人だったわ。」

愛子は、“A-Fashion”の社長室で歳三から犯人逮捕の一報を受け、そう言った後笑った。

「まぁ、彼女には感謝しなくてはね。彼と離婚する上で色々と面倒な手続きがなくなったのですから。まぁ、彼女にはそれなりの慰謝料を請求致しますと伝えて下さいな。では、会議がありますので。」

ハイヒールを履いて颯爽と社長室から出て行った愛子は、一度も歳三達の方を振り返ろうとしなかった。

女は恐ろしい、と歳三は思った。

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最終更新日  October 7, 2021 10:03:30 PM
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