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薔薇王の葬列 ファンタジーパラレル二次創作小説:優しい竜とエルフの姫

October 30, 2021
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画像はコチラからお借りしました。

「薔薇王の葬列」二次創作小説です。

作者様・出版者様とは関係ありません。

二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。


昔、世界には様々な種族が仲良く暮らしていた。

特に、エルフとドラゴンは仲良く暮らし、エルフ族が治めるヨーク王国では、古来ドラゴンの雛をエルフの子供が育て、生涯のパートナーとして共に生きていた。
そしてその生活を王侯貴族も送っていた。
「姫様、どちらにおられますか~?」
「姫様~!」
「まったく、あの子は何処へ行ってしまったの!?もうすぐアルフレド王子が来ると言うのに!」
ヨーク王国王妃・セシリーは、隣国の王子との見合いの時間が迫る中王宮から姿を消した娘・リチャードの姿を使用人総出で探していた。
「セシリー、あの子にはまだ結婚は早過ぎる。今回の縁談は白紙に戻した方が・・」
「貴方は黙ってくださいな!あの子はまともな身体ではないのですから、政略結婚でもしないと幸せになれないのですよ!」
良き妻、良き母である王妃は、難産の末にこの世に産み落としたリチャードが病弱な上に両性具有である事を知って以来、リチャードの事になると酷く過保護になってしまった。
今回の縁談は、セシリーがリチャードの将来を案じたが故に、勝手にセシリーが承諾したものであった。
しかし姫君として育てられながらも、リチャードは二人の兄達のように剣術や木登り、馬術や狩猟などに明け暮れる日々を送り、貴婦人としての嗜みである刺繍やピアノ、ダンスなどは完璧に習得したものの、リチャードは一日の大半を王宮の外で過ごすようになった。
それは、母・セシリーの過干渉から逃れる為だった。
長兄・エドワードは、リチャードを妹として過保護に扱い、リチャードが馬術をしたり剣術を習ったりするのを猛反対した。
だが次兄・ジョージは、エドワードとは対照的にリチャードと一緒に木登りをして遊んだり、一緒に剣術をしたりしたし、一度も彼はリチャードの事を妹としてではなく、弟として扱った。
しかしリチャードが初潮を迎え、女らしい丸みを帯びた身体へとなってゆくと、セシリーは二人の兄達とリチャードを引き離し、リチャードは王宮から少し離れた塔へと移された。
王宮から塔へと移されても、リチャードは幼少の頃と同じように、ジョージと遠乗りに出掛けたり、剣術の稽古を受けたりしていた。
その日もリチャードは、ジョージと共に鹿狩りの為森へと来ていた。
狩りの成果は散々な結果に終わり、リチャードはジョージと森の入り口で別れ、王宮へと戻る前に湖で水浴びすることにした。
水浴びで髪と肌に纏わりついていた汗をリチャードが流していると、何処からか蹄と嘶きの音が聞こえ、湖畔近くの叢から全裸の男が出て来た。
「エルフの姫か・・俺は幸運に恵まれているのかもしれん。」
男はそう言ってリチャードを見ると、そのまま湖の中へと入ってゆき、徐々にリチャードとの距離を詰めていった。
「曲者、俺に触れるな!」
「男の前で無防備に裸を晒すあんたが悪い。」
男は欲望で滾った金色の瞳でリチャードを見つめると、彼女の乳房へと手を伸ばそうとした。
その時、上空に一頭のドラゴンが飛んできたかと思うと、そのドラゴンはまるでリチャードを男から守るかのように二人の間に降りて来た。
「ふ、ドラゴンに睨まれるとは運が悪いな。まぁ、あんたとはまた会えるような気がする。」
男は口元に不敵な笑みを浮かべながらそう言ってリチャードの髪を一房梳くと、湖を後にした。

(何だったんだ、あいつ・・)

「助けてくれて有難う。」

リチャードからそう声を掛けられたドラゴンは、嬉しそうな声で鳴いた。

「お前、名前は?何処から来たんだ?」

リチャードが自分の目の前に居る金色の柔らかな鱗を持ったドラゴンは、澄み切った青空のような美しい瞳で彼女を見つめると、再び嬉しそうな声で鳴いた。
鱗の光沢具合から見るに、このドラゴンは若い雄のようだ。
あの傲慢な人間の男から自分を守ってくれたドラゴンに色々と尋ねてみたリチャードだったが、言葉を話せないドラゴンはリチャードの質問に嬉しそうな声で鳴くだけだった。

「リチャード様~!」
「リチャード、何処だ~!」

中々王宮へ戻って来ないリチャードに気づいたのだろうか、森の奥から従者達とジョージの声が聞えて来た。
「残念だがお前とはこれでお別れだ、縁があったらまた会おう。」
リチャードがそう言ってドラゴンの頭を撫でると、彼は悲しそうな声で鳴いた。
「リチャード、何処へ行っていたんだ、お前が中々王宮に戻って来ないから心配して探したんだぞ!」
「申し訳ありません、兄上。」
ジョージとケイツビーと共に湖を後にしようとしたリチャードは、急に背中に鈍痛が走るのを感じた。
「リチャード様!」
「待て、ケイツビー。このドラゴンは俺の友人だ。」
ケイツビーが腰に帯びていた剣を抜こうとしているのを慌てて止めたリチャードは、涙で潤んだ瞳で自分を見つめているドラゴンの方へと振り向いた。
「泣くことはないだろう、甘えん坊な奴め。」
「リチャード、まさかこいつも連れて行く気じゃないだろうな?」
「いけませんか、兄上?」
「俺は別にこいつを王宮に連れて行くことには構わないが、母上がこいつを見てどう思うか・・」
「大丈夫です、こいつの事は俺から母上に説明しますから。」
「そ、そうか・・」

一方、王宮ではセシリーがイライラとした様子でリチャードが王宮に戻って来るのを待っていた。

「まったく、あの子は今何処をほっつき歩いているのやら!」
「セシリー、落ち着け。すぐに帰って来るから・・」
「あの子の身にもし何かあったらどうなさるのです、あなた!」
そう興奮して夫である国王に捲し立てる王妃の様子を傍目で見ながら、リチャードの縁談相手であり隣国の王子であるバッキンガムがふと窓の外を見ると、空を飛んでいるドラゴンが徐々にこちらへと近づいてくることに気づいた。
「王妃様、ド、ドラゴンがこちらへやって来ます!」
「まぁ、何ですって!?」
セシリーと国王リチャードが上空を見ると、金のドラゴンの上に愛娘と息子、そして従者が乗っている事に気づいた。
「遅れて申し訳ありませんでした、母上。」
「リチャード、お前が無事に戻って来てよかったわ。それよりも、そのドラゴンはどうしたの?やけにお前に懐いているようだけれど?」
「湖で人に襲われた所を、このドラゴンに助けて貰ったのです。」
「まぁ、そうなの。さぁ、こちらにいらっしゃい。紹介するわね、こちらがスタッフォード王国の第一王子・ヘンリー様・・バッキンガム公爵様よ。」
「初めまして、バッキンガム公爵と申します。」

そう言って自分に向かって右手を差し出したバッキンガムの顔を見た途端、リチャードは彼の顔を拳で殴った。

「リチャード、バッキンガム様に何てことを!」
「母上、こいつです、湖で俺を襲って来た変態は!」
「ふ、まさかあんたがこの国の姫だったとは・・俺はつくづく運が良い。」

リチャードに殴られ、口端から垂れた血を乱暴に拭いながら、スタッフォード王国第一王子・ヘンリーことバッキンガム公爵はそう言うと不敵な笑みを口元に浮かべた。

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最終更新日  October 30, 2021 08:48:59 PM
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