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薔薇王の葬列 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:炎の宝石

Apr 28, 2022
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「薔薇王の葬列」二次創作小説です。

作者様・出版者様とは関係ありません。

二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。


カラン、と軽やかな音と共に喫茶店に入って来たのは、中世的な美貌を持った美女だった。

「コーヒーをひとつ。」
「かしこまりました。」
彼女は黒いワンピースとハイヒールといった全身黒づくめの服装だったが、その服装がかえって彼女の美しさを引き立てていた。
彼女は誰かを待っているようで、時折バッグの中から取り出した文庫本を読みながらも、外をチラチラと見ていた。
美女がそろそろコーヒーを飲み終わろうとしている頃、再びドアベルが鳴った。
「何あの人、イケメン!」
店に入って来た長身の男は、カウンター席に居る美女の方へ向かうと、徐にかけていたサングラスを外した。
「待たせたな、リチャード。」
美しい金色の瞳に見つめられた美女は、読んでいた文庫本をバッグの中へとしまうと、男に向かって微笑んだ。
「遅かったな。」
「行こうか。」
「あぁ。」
嵐のように、美男美女のカップルは喫茶店から去っていった。
「“例のもの”は、何処だ?」
「これから俺が案内する所にある。」
美男美女のカップル―リチャードとバッキンガムは、路地裏にある一軒のアンティーク・ショップへと向かった。
「いらっしゃいませ。」
「“例のもの”を。」
「かしこまりました。」
店主の男は、そう言うと店の奥へと消えた。
「大丈夫だ、ここには俺達しか居ない。」
「そうか。」
リチャードが店の周囲を警戒していると、店の奥から叫び声が聞こえた。
「どうした!?」
「裏口から、逃げた・・」
店主は、そう言った後息絶えた。
「リチャード、あっちだ!」
「わかった!」
リチャードはそう叫んだ後、店から飛び出していった。
すると、路地裏を駆けていく男を見つけたリチャードは、バッグから銃を取り出すと、躊躇いなくその引き金を引いた。
乾いた銃声が路地に響き、店から逃げた男はその場に蹲った。
「おのれ・・」
「“例のもの”は何処だ?」
「もう、“あの方”にお渡しした。」
「そうか。ならばお前は用済みだな。」
リチャードはそう言うと、男のこめかみに銃口を押し当てた。
「リチャード、そいつは生かしておけ。」
「命拾いしたな。」
「ひぃ・・」
「俺の気が変わらない内に、お前の主の名を言え。」
「言います、言いますから命だけは・・」
パチパチと時折爆ぜる薪の音に耳を澄ませながら、リッチモンドは自分の前にひれ伏している男を見た。
「それで、君はあの者達に“例のもの”を奪われたと?じゃぁ、これは偽物なのかな?」
「そ、それは・・」
「まぁいい、直接確かめればいい事だ。」
リッチモンドはそう言うと、男から受け取った“例のもの”を暖炉の中へと投げ込んだ。
すると、それはたちまち灰となった。
「偽物だね。“炎の宝石”は炎に強いのに・・」
「も、申し訳ありません!」
「まぁいい。お前はもう、用済みだ。」
リッチモンドがそう言って指を鳴らすと、男は生きたまま灰になった。
「さてと、これからどうしようかな・・」
「旦那様、失礼致します。」
「食事なんて頼んでないけど?」
「エリザベス様が・・」
「わかった、君はもう下がれ。」
「はい・・」
チューダー家との同盟締結の為、政敵・プランタジネット家から嫁いで来たエリザベスは、何かと自分の事を気にかけてくれている。
エリザベスの叔母・リチャードとは早く決着をつけなければ―リッチモンドはそう思いながら、ワインを一口飲んだ。

(美味しいね・・まるで上質な血の味のようだ。)

リッチモンドは、口端に残っていたワインを舌で舐め取った。

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Last updated  Apr 28, 2022 07:48:08 PM
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