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薔薇王の葬列 ヴィクトリア朝風パラレル 二次創作小説:天使と薔薇

May 11, 2022
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「薔薇王の葬列」二次創作小説です。

作者様・出版者様とは関係ありません。

二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。


「リチャード、結婚してくれないか?」
「は?」
いつものように、リチャードは幼馴染であるバッキンガム公爵こと、ヘンリー=スタフォードとアフタヌーンティーを楽しんでいた時、彼からそう言われ、彼女は思わず飲んでいた紅茶を吹き出しそうになった。
「冗談が過ぎるぞ、お前。」
「冗談じゃない、俺は本気だ。」
バッキンガムはそう言うと、リチャードの手を握った。
「そうか。」
「何も聞かないのか?」
「お前がそう言う事を言うのは、ウッドウィルが絡んでいるのだろう?」
「まぁ、そんなところだ。」
成り上がり者のウッドウィル一族は、何かと上流階級との繋がりを持とうとして、バッキンガム公爵家にエリザベスの妹・キャサリンを嫁がせようとしていた。
「その企みを、何とか潰したいと?」
「あぁ。」
リチャードは深呼吸をすると、バッキンガムを見た。
「俺は、どうすればいい?」
その日の夜、バッキンガム公爵家で舞踏会が開かれた。
「今夜は、ヘンリー様がいらっしゃるのですって!」
「まぁ、本当なの!?」
「楽しみだわ!」
結婚適齢期を迎えた貴族の令嬢達は、華やかなドレスと宝石で着飾り、バッキンガムの登場を今か今かと待っていた。
「いらしたわ、ヘンリー様よ!」
大広間に入って来たヘンリーは、隣に月の女神のような美女を連れていた。
「あの方、どなた?」
「お綺麗な方ね。」
バッキンガムの隣に立っている美女は、銀色の美しいドレスを纏い、アメジストの首飾りをつけていた。
「キャサリン様かしら?」
「違うわよ、キャサリン様はブロンドだもの。」
「でも、キャサリン様よりも気品があるわね。」
リチャードは令嬢達の話を聞きながら、不安そうにバッキンガムの顔を見た。
「心配するな、俺がついている。」
「だが・・」
お前にはキャサリンという女が居るのではないか―リチャードがそんな事を思っていると、そこへエリザベス=ウッドウィルが二人の元へとやって来た。
「バッキンガム、あなたがリチャードさんと居るなんて珍しいわね。」
「わたしは、リチャードと結婚致します。」
バッキンガムの爆弾発言に、大広間中が蜂の巣をつついたような騒ぎとなった。
「あなた、一体自分が何を言っているのかわかっているの?」
「あんたの妹とは結婚しない、それだけを言いたいだけだ。あてが外れて残念だったな。」
「待ちなさい!」
「お姉様、一体どういう事なの!?」
バッキンガムとの縁談がなくなりパニックに陥っている妹を宥めながら、エリザベスはリチャードの肩を抱いて大広間から去っていくバッキンガムの背中を睨みつけた。
(よくもわたしを虚仮にしてくれたわね!)
「エリザベス、どうした?少し顔色が悪いぞ?」
「あなた、実は・・」
エリザベスは、夫でありリチャードの長兄であるエドワードに昨夜の事を話した。
「妹は、酷く取り乱しておりますわ。どうか、あなたからもリチャードに言って下さらない?」
「あぁ、わかった・・」
エドワードは、“大変な事になったな”という顔をしていた。
「兄上、お話とは何でしょうか?」
「リチャード・・」
「そのお顔からすると、義姉上から何か言われたのですね?俺とバッキンガムの事で。」
「まぁ、そうだな・・」
「兄上、俺とバッキンガムは義姉上が考えるような疚しい関係ではありませんので、どうかご心配なさらないでください。」
「そうか・・」
「では、わたくしはこれで失礼致します。」
リチャードはそう言うと、エドワードの書斎から出て行った。
「あんたの兄貴は何と?」
「あの女から色々俺達についてのよからぬ噂を吹き込まれたみたいだ。」
「あの女があんたの評判を落とす為にやりそうな事だ。」
リチャードが自室に戻ると、そこにはバッキンガムの姿があった。
バッキンガムは読んでいた本を閉じると、リチャードを背後から抱き締めた。
「やめろ。」
「エリザベスには、勝手にイライラさせておけばいい。遠乗りなら付き合うぞ。」
「お前、馬は苦手だと言っていただろう?」
「あれはガキの頃の話だ。」
バッキンガムはそう言うと、厩へと向かうリチャードの後を追った。
「あんたの二番目の兄貴が、最近妙な動きをしている。」
「ジョージ兄上が?」
「何でも、トランプ賭博で負けた所為で、厄介な連中から目をつけられているようだ。」
「そうか。色々と調べてみる必要がありそうだ。」
リチャードはそう言うと、愛馬に跨った。
「リチャード様よ。」
「いつ見ても凛々しいわね。」
「バッキンガム様とお似合いね・・」
ハイド・パークでリチャードとバッキンガムが馬に乗っていると、その姿を見ていた令嬢達がそんな事を囁き合っていた。
「皆さん、何を話していらっしゃるの?」
「あら、キャサリン様・・」
「体調はもうよろしいのかしら?」
「ええ。」
キャサリンは、バッキンガムが楽しそうにリチャードと話している姿を見た後、ハイド・パークを後にした。
「キャサリン、どうしたの?」
「お姉様、あの噂は本当だったわ。あの二人は・・」
「何も心配する事は無いわ。全てわたしに任せておきなさい。」
「お姉様・・」
(リチャードを何とかしなければいけないわね。そう、“不慮の事故”にでも遭えば・・)
「行ってらっしゃいませ。」
「リチャード様、本当にお一人で行くのですか?」
「あぁ。すぐに戻って来る。」
その日、リチャードは一人で遠乗りに来ていた。
(そろそろ帰るか・・)
雨が降り出す前に、リチャードは帰宅しようと思っていた。
だが、彼女は夜になっても帰って来なかった。
「ケイツビー、警察を呼んでくれ。」
「はい。」

リチャードの突然の失踪に社交界は衝撃を受け、暫く彼女の消息について根も葉もない噂が飛び交ったが、やがてそれもなくなった。

(リチャード、一体何処に居るんだ?)

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Last updated  May 11, 2022 02:53:38 PM
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