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JEWEL

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完結済小説:美しい二人~修羅の枷~

2012.12.12
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「あんた、この世界は初めて?」
「ええ。」
「なにやら訳ありって感じだけど・・まぁいいわ、給料は沢山出すから働いてちょうだい。」
「ありがとうございます。」
こうして香帆は、スナックでホステスとして働くこととなった。
水商売は初めてだったが、酒が苦手な香帆は、客の興味をそそる話で徐々にお得意客を増やしていった。
「初めてにしちゃぁ、やるわねあんた。」
「ありがとうございます。」
ママに褒められ有頂天となった香帆だったが、そう甘くはなかった。
「悪いけど、あなた明日から来なくていいわ。」
「え?」
「こんなものが今朝うちのポストに入れられててねぇ。あんたがそんな女だとは知らずに雇ったあたしが馬鹿だったわ。」
ママが煙草を吸いながら香帆に見せたのは、例の週刊誌の記事だった。
「・・お世話になりました。」
香帆は頭を下げると、ママは溜息を吐いて店の奥へと消えていった。
それから香帆は何とかキャバクラに勤め始めたが、そこでもうまくはいかなかった。
「あんたが例の不倫女?可愛い顔してやるのねぇ?」
「そんな・・」
「退いてよおばさん、邪魔!」
店の稼ぎ頭であるホステス・留美に突き飛ばされ、香帆は無様に床に転がった。
「あ、あんたもう来なくていいって、ママが言ってたよ。」
「そんな、どうすれば・・」
「それは自分で決めなさいよぉ。さ、行こう。」
留美は取り巻きを従えて、更衣室から出て行った。
二軒目の勤務先を解雇された香帆は、途方に暮れながら夜の歓楽街を歩いていた。

一体どうしてこうなってしまったのだろうか。

歳三と不倫し、家族を失った結果、惨めな人生を送るとは、彼に抱かれている間はわからなかった。
世間から後ろ指を指されながら生きているのが辛くて、伊豆のアパートから飛び降りたが、死ぬこともできなかった。

もう、駄目だった。

(馬鹿なことをしたなぁ、わたし・・)

溜息を吐きながら、香帆は腹が減り、ファストフード店の前に来ていた。
財布の中を覗くと、千円札しかなかった。
だが、飢え死にするよりマシだろう。
「いらっしゃいませ。」
カウンターの前に立つと、そこには制服姿の香が立っていた。
「これのサラダセットひとつください。」
「640円です。」
「じゃぁ、これで・・」
「ありがとうございます、360円のお釣りです。」
香は自分の方をちらりと見ず、淡々と仕事をしていた。
もう彼は、自分のことなど忘れているのだろう。
いや、忘れようとしているに違いない。

自分は彼の家庭を壊し、父親を奪った悪い女なのだから。

「ありがとうございました。」

店を出た後、香の冷たく事務的な声が、香帆の胸に深く突き刺さった。




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最終更新日  2013.03.14 21:41:24
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伊豆を出て、家族と縁を切った歳三は、大阪で働き始めた。

もう過去のことを忘れ、一人だけで暮らすことを決意した歳三は、がむしゃらに働き、職場と自宅の往復する日々を送っていた。
だが時折仕事をしながらも、香帆のことが気になって仕方がなかった。
あれから、香帆は元気にしているのだろうか?
夫と子ども達と、再会しているのだろうか?

「おい、危ないやろ!」

歳三が我に返ると、彼はあやうく食器を床に落とすところだった。
「ぼけっとしとらんと、働け!」
「すいません・・」
食器を洗いながら、歳三は騒がしい厨房と店内を歩き回った。
居酒屋のバイトは、時給が高かったが、明け方まで残業することが多く、昼のバイトをひとつかけ持ちするだけで精一杯だった。
学生時代飲食店でバイトをした経験があった歳三だったが、夜の居酒屋はいろんな客が来た。
大学生のグループが一番多く、色々と理不尽なクレームを言われたりした。
だが生活の為と思い、歳三は黙って耐えてきた。
コンビニ弁当を手にアパートのドアを開けて部屋の中に入ると、歳三は溜息を吐いて部屋の電気をつけた。
一人で食べる食事は、さびしかった。

(どうしてこんなことになっちまったんだろうなぁ・・)

歳三は溜息を吐き、弁当を食べた。

一方、東京へと戻った香帆は、病院で意識を取り戻した。

「ねぇ、歳兄ちゃんは?」
「あの人のことは忘れなさい!」
「でも・・」
「いいわね!」
両親の言葉に納得できない香帆は、歳三の実家へと向かったが、門前払いされた。
「お願いだから、二度とここには来ないで。」
「そんな・・」
伊豆で飛び降り自殺に失敗し、東京に戻った香帆は、歳三の消息を探したが、彼の行方はわからなかった。
香帆は生活する為仕事を探そうとしたが、年齢制限があり何処も雇ってくれなかった。
学生時代に取った資格は全く役に立たなかった。

(どうすればいいの、どうすれば・・)

八方塞りの中、香帆は街中を歩きながらお茶でもして帰ろうとした。
その時、一軒のスナックに求人広告が貼られてあった。

“18~36歳まで。良く働いてくれる方募集!”

広告の下に、電話番号が書かれていたので、香帆は慌てて手帳にその番号をメモした。
「ただいま・・」
「お帰り、どうだった?」
「駄目だったわ。」
帰宅した香帆は、部屋に入って先ほどメモした番号に電話を掛けた。
『もしもし、クラブ・エリです。』
「もしもし、求人広告を見つけてそちらで働こうと思うんですけれども・・」
『じゃぁ、明日の朝9時に面接するから、来てちょうだい。』
「わかりました、宜しくお願いします。」

香帆はそう言うと、携帯を閉じた。

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最終更新日  2013.03.14 21:41:01
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2012.12.11
歳三が病院に駆けつけると、香帆が運ばれた救急救命室のランプが赤く光っていた。

「香帆、どうしてこんなことに・・」
「ご主人でいらっしゃいますか?」
歳三が俯いている顔を上げると、そこには一人の看護師が立っていた。
「ええ。妻の容態はどうなんですか?」
「意識不明の状態です。このままだと、昏睡状態に陥ることになるかもしれません。」
「そんな・・」
「覚悟しておいてください。」
看護師はそう言うと、救急救命室へと入っていった。
香帆の手術は朝までかかった。
待合室にある長椅子で寝ていると、携帯に職場から着信があった。
「すいません、妻が事故に遭って・・」
『今日は休みなさい。詳しいことはあとで話そう。』
「はい・・」
携帯を閉じ、歳三は深い溜息を吐いた。
「歳三さん!」
「歳!」
ふと顔を上げると、そこには香帆の両親と姉の信子の姿があった。
「このたびは、ご迷惑をお掛けしてすいません・・」
「どうしてこんなことになったのよ!あなた、うちの香帆に何をしたの!?」
香帆の母親は、そう叫ぶなり歳三の胸を拳で叩き始めた。
「すいません・・」
「あんたって子は、何処まで他人に迷惑掛ければ気が済むのよ!」
信子はつかつかと歳三のほうへと近づくと、彼の頬を叩いた。
その時、救急救命室のランプが消え、担架に載せられた香帆が出てきた。
「香帆、しっかりして!」
「香帆!」
香帆はアパートの部屋から飛び降りたことは、瞬く間に町中に広まった。
「土方さん、もうここには来ないでくれるかな?」
「それって、クビってことですか?」
「そうだ。こんな事が起こった以上、もうここには居られないだろう?」
「・・ええ。短い間でしたが、お世話になりました。」
歳三は頭を下げると、ホテルから去っていった。
数日後、彼はアパートの部屋を引き払い、町から出て行った。
行きあてなど何処にもないのはわかっていたが、誰も知らない場所へと行きたかった。
新幹線に乗り込み、座席にもたれかかりながら、歳三はゆっくりと目を閉じた。
香帆は東京の病院に転院することが決まり、姉や彼女の両親は歳三との絶縁を言い渡した。

「あんたは絶縁されるだけのことをしたのよ。もう連絡して来ないで。」

母代わりに自分を育ててくれた姉の言葉は、何よりも歳三の胸に深く突き刺さった。
もう実家に自分の居場所はない。

(これから、どうっすかなぁ・・)

窓の外を見ると、ちょうど富士山が見えた。
朝日を受けて輝く霊峰・富士は、美しかった。
歳三は暫しその美しさに見惚れながら、再び眠りに就いた。

今はもう、何も考えたくなかった。

『新大阪、新大阪です~』

目を開けると、新幹線は終点の新大阪に着いていた。

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最終更新日  2013.03.14 21:40:35
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職場を一方的に解雇されたと香帆が歳三に告げると、彼は深い溜息を吐いた。

「そうか・・心配すんな、俺が何とかしてやるから。」
歳三はそう言うと、香帆の肩を叩いた。
「うん・・」
解雇された香帆は、次の就職先を探したが、何処も人手が足りていて、誰も彼女を雇ってはくれなかった。
歳三に迷惑をかけまいと思いながら就職活動をしながら、不採用通知を受け取る香帆の焦りが募ってゆくのと比例して、頻繁に嫌がらせの電話がかかってきた。

“不倫女、何とか言え!”
“タダでやらせてるんだろう?”

自分を誹謗中傷する受話器越しに怒鳴り声を聞きながら、香帆の神経は徐々に磨り減らせていった。
子ども達に会いたい―そう思いながら、香帆は夫の実家へと電話をかけた。
『もしもし?』
「お義母さん、お久しぶりです。」
離婚前にはよく頻繁に連絡を取り合っていた姑に向かって、香帆は無意識に頭を下げていた。
『あなた、今更電話をかけてくるなんて!無神経にもほどがあるわ!』
「申し訳ございません・・あの、子どもたちは・・」
『もう、あなたはうちとは何のかかわりのない人間です。迷惑なのよ!』
耳元でガチャンと受話器を戻す音が聞こえたとともに、甲高いダイヤルトーンが香帆の耳を突き刺した。

香帆は、両膝の間に顔を埋めて泣いた。

「香帆、居るのか?」
帰宅すると部屋の中が暗かったので、歳三が電気をつけると、リビングの隅に香帆が膝を抱えて座っていた。
「どうした、そんなところで風邪ひくぞ?」
「歳兄ちゃん、ごめんね。」
香帆はそう言うとゆっくりと立ち上がり、歳三に抱きついた。
「わたしの所為で、迷惑掛けてごめんね・・」
「何言ってやがる。もう俺はお前と生きると決めたんだ。」
「歳兄ちゃん・・」
二人の唇が重なろうとしているとき、ドアを誰かが拳で殴っている音が聞こえた。
「おい、不倫女、出て来いよ!」
「そこに居るんだろう!」
ガンガンと頭に響くかのような鈍い金属音に怯えながら、香帆はいつの間にかベランダの窓を開け放った。
「香帆・・?」
歳三はドアに気をとられ、香帆が何をしようとしているのかがわからなかった。
窓を開けた彼女はベランダの柵を乗り越え、夜の闇へと消えていった。
「きゃ~!」
「誰か救急車!」
階下の住人の悲鳴で、歳三は何が起きたのか漸く気づいた。
救急車のサイレンの音が聞こえ、歳三はドアを叩いていた者達が去った気配を感じ、部屋から飛び出した。
「土方さん、奥さんが今病院に運ばれたわ!」
「何処の病院ですか?」
「あっちに向かっていったわ!」

(香帆、死ぬなよ!)

自転車を必死に漕ぎながら、歳三は香帆の無事を祈った。

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最終更新日  2013.03.14 21:40:11
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2012.12.10
「ねぇ、あの人でしょう?」
「そうよ、あの人よ、不倫して子ども捨てたっていう・・」
「おとなしそうな顔をして、やることはやっているのねぇ・・」
事務室に入る前、給湯室に居た仲居たちが顔をつき合わせながら、香帆のほうを時折チラチラと見てはヒソヒソ話をしていた。
彼女達も、あのサイトを見ているのだろうか。
「おはようございます・・」
香帆が彼女達に挨拶すると、彼女達はそそくさと給湯室から出て行った。
「何あれ、かんじ悪い!気にしない方がいいよ。」
「は、はい・・」
のぞみとともに事務室へと戻り、香帆は何も考えなくてもいいように仕事をした。
「お昼休憩、何処行く?」
「お弁当、作ってきましたから。」
「そう、じゃぁあたしは外で食べてくるね!」
「お気をつけて。」
のぞみが事務室から出て行ってドアが閉まると、そこはしんと静まり返った。
香帆以外、事務スタッフは昼休憩の為ランチを食べに行っていて誰も居ない。
香帆は溜息を吐きながら弁当箱の蓋を開けると、そこには歳三が早起きして作ってくれた色とりどりのおかずとご飯がある弁当が入っていた。
「いただきます・・」
両手を胸の前で合わせ、香帆は箸を手に持ち弁当を食べ始めた。
その時事務室のドアが開き、給湯室で会った仲居が入ってきた。
「それ、ご主人に作って貰ったの?」
「はい・・」
「ふ~ん、愛されてるのねぇ。」
無遠慮な視線を香帆に向けながら、仲居はそう言うと弁当を見た。
「ねぇ、ちょっと味見してもいいかしら?」
「え?」
「その卵焼き美味しそう!」
あっという間に、仲居はいつの間にか手に携えていた割り箸で卵焼きを摘むと、香帆が抗議する暇を与えずにそれを口の中へと放り込んだ。
「何するんですか!」
「そんなに怒ることないじゃない。たかが卵焼きひとつくらいで。あんたよりも捨てられた子ども達のほうが、よっぽど辛い思いしてるんだから。」
「それは・・」
夫の元に残されてきた子ども達のことを思うと、香帆は何も言い返せなかった。
「じゃぁ明日も宜しくねぇ~!」
何も反論できない香帆を見て満足気な笑みを浮かべた仲居は、そう言うとさっさと事務室から出て行った。
「ただいま。」
「どうした、元気ないな?もしかして、誰かにいじめられたのか?」
「まぁね。彼女達がわたしに文句のひとつやふたつ言いたいのも、わかる気がする。歳兄ちゃんは?」
「似たようなもんだよ。まぁ、そういう奴は相手にするな。」
「わかった・・」
翌朝から、あの仲居たちに対する香帆への陰湿ないじめが始まった。
決済書類を隠したり、私物をロッカーから盗んだりするというものだったが、香帆が少しも動揺している様子がないので痺れを切らしたのか、彼女達は裏サイトの掲示板で彼女の噂をばら撒いた。

“香帆は股が緩い変態女”

その書き込みと共に、過去に千尋が撮影した歳三との情事を撮影した動画のURLが張られており、その下には香帆の携帯番号とアパートの住所や連絡先、更には二人の子どもの顔写真や氏名などが記載されていた。
香帆とその家族の個人情報が書き込まれて数時間も経たない内に、香帆の携帯に100件ほどの非通知電話がかかってくるようになり、やがて旅館にも悪戯電話がかかってきて業務に支障をきたすようになった。

「土方さん、あなたには悪いけれど、ここを辞めて貰うわ。」

(どうして・・どうしてこんなことに?)

同僚からの理不尽ないじめに遭い、一方的に解雇された香帆は、途方に暮れながらアパートへと戻った。

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最終更新日  2013.03.14 21:39:49
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「はい。ですが、その記事に書かれていることは事実無根です。」
「そうか・・では仕事に戻りなさい。」
「わかりました。ではこれで失礼いたします。」
上田のオフィスから出て行くと、歳三は厨房へと戻った。
「なぁ、あんた元医者だったんだって?」
「ええ。」
「この記事のこと、本当なの?」
「いいえ。」
「ふぅん、そう・・」
この日から、同僚が自分を見る目が変わったと、歳三は思った。
「ただいま。」
「お帰りなさい。何か変わったことあった?」
「ああ。それよりも香帆、何読んでんだ?」
「今日発売の週刊誌。これ・・」
香帆の手から週刊誌を奪い取ると、それを歳三はゴミ箱へと捨てた。
「こんなくだらねぇもん見るな!」
「ごめんなさい。でもまさか、こんなものが出るなんて思いもしなかった。」
「もう忘れろ、な?」
「うん、わかった・・」
その夜、歳三はなかなか寝付けずに部屋を抜け出し、煙草を外で吸った。
「寒っ!」
厚手のダウンジャケットを着ていたが、厳しい潮風と寒さが身にしみた。
「あ~、土方さん!」
そろそろ部屋に戻ろうかと思ったとき、電柱の陰から沙織が現れた。
「どうした、こんなところに?」
「土方さんに会いに。」

沙織はそういうと、にっこりと笑った。

「ねぇ土方さん、昨日奥さんにお会いしましたよ。」
「香帆に?」
「ええ。あの人、あんまり自分のことはなしませんね。それに地味だし。」
“わたしよりも”という沙織の声が、歳三は聞こえたような気がした。
「そんな話を、俺にしに来たのか?」
「まさかぁ、違いますよ!」

沙織はそういうと、大きな声で笑った。

「土方さん、付き合ってくれません?」
「お前寝ぼけてんのか?俺は既婚者だぞ?」
「ええ、知ってますよ。あたし、他人のものが欲しくて堪らない性格なんです。」
「そうか。でも俺は興味ねぇよ。じゃぁな。」
歳三はそう言って沙織に背を向けて歩き出そうとしたが、彼女は歳三についてきた。
「香帆さん、バツイチなんでしょう?そんな人と良く付き合えますよね?」
「うるせぇな。俺だってすべてを捨ててきたんだ。子どもや医師としての地位や肩書きをな。お前みたいな小娘に割く時間はねぇから、放っておいてくれ!」
歳三は沙織のほうを見ずに、アパートの中に入った。
「何だ、つまんないの。」
沙織は舌打ちすると、アパートの中へと入っていく歳三の背中を睨んだ。
歳三は本当に香帆を愛しているのだろうか。
あんな地味な女に、自分が負ける訳がない。
帰宅した沙織はノートパソコンの電源を入れると、ある掲示板へとアクセスした。
そこは、香帆がパートとして働いている旅館の従業員が運営する裏サイトだった。

“事務の香帆さん、バツイチ。夫と子どもを捨てて伊豆に来た不倫女。”

「これでよしっと・・」
沙織はマウスを動かし、「送信」ボタンをクリックした。
あとはこの掲示板を見た誰かが、好き勝手に何かを書いてくれるだろう。
「おはようございます。」
翌朝、香帆がいつものように出勤すると、同僚達の態度がやけによそよそしかった。
「あの、どうしたんですか?」
「ねぇ土方さん、ちょっと向こうで話さない?」
そう言って事務室から自分を連れ出したのは、のぞみだった。
「昨夜、このサイトの掲示板にあんたのこと、書き込まれてたんだよ。」
「え?」
「まぁ、見てみなって。」
のぞみは休憩室にあるパソコンの電源をつけると、裏サイトにアクセスした。
「これは・・」
香帆は掲示板に書かれている内容の酷さに絶句した。
そこには彼女が不倫をして家族を捨てて伊豆に来たこと、歳三とは籍を入れていないことなどが書かれていた。
「書き込んだやつのIPアドレス、調べてみたんだけどさ、ネットカフェで書き込んでるから誰が書き込んだのかわからないんだよね。」
「のぞみさん・・」
「気にしないほうがいいよ、こんなの。さ、仕事に戻ろう。」

のぞみはそういうと、香帆の肩を叩いた。

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最終更新日  2013.03.14 21:39:22
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2012.12.03
「おはようございます。」
「おう、おはよう。」

歳三が勤務先のホテルの従業員専用入り口に入ると、同じ厨房で働いているコックの西本が彼に挨拶を返してきた。

「なぁ、もうすぐクリスマスだなぁ。」
「ああ。ホテルはクリスマスも正月も関係ないからな。」
「今年も家族と過ごせないクリスマスになりそうだよ。それに比べてお前はいいよな、あんな美人な奥さんが居てさ。」
「そうかな・・」
周囲には、あれこれ他人に詮索されるのが嫌なので、歳三は香帆のことを妻として紹介していた。
籍も入れず、ただ一緒に暮らしているだけだったが、香帆とは夫婦同然だった。
「今日、かみさんは家に居るのか?」
「ああ。クリスマスは休みを取ってどっか連れて行こうかと思ってるんだ。」
「へぇ、そうか。やっぱりそういうところが女心をくすぐるのかもな。」
西本はそう言って笑うと、更衣室から出て行った。
クリスマスシーズンに突入してから、ホテルにはカップルや家族連れの客が来るようになり、乳幼児連れの若夫婦を厨房から見ながら、歳三はふと香帆が中絶した子どものことを思い出していた。
もし自分が彼女に子どもを産んでくれと頼んでいたら、今ならあれ位の年になっているのだろうか。
香帆は夫や子ども達と別れ、腹の子を中絶して歳三の元へとやって来た。
だが復縁しても、彼女とセックスすることはなくなった。
完全にという訳ではないが、昔のように激しく燃え上がるような濃厚なものから、淡白なものへと変わっていき、回数も月に数回位だった。
セックスよりも、歳三は香帆と過ごす時間や、彼女が交わした会話の回数に重きを置いていた。
子どもなどいなくても構わないー歳三はそう思いながら、客席から視線を外し、調理に取り掛かった。
その時、レストラン内に赤ん坊の泣き声が響き渡った。
母親と思しき女性が、周囲に頭を下げながら必死に赤ん坊を泣き止まそうとしているが、腹が減っているのか、赤ん坊はますます泣き喚いていた。
周囲でランチを楽しんでいるカップルや数人の女性グループがしかめ面をしながら母親に対して非難の視線を送った。
歳三は客席で母親に声を掛けようかと思い始めたその時、一人の女性がつかつかと親子連れの方へと近づくなり、母親から赤ん坊を取り上げてその小さな頬を叩き始めた。
「お客様、おやめください!」
「うるさいわよ、あんた母親でしょう!?自分のガキを泣き止ませられないなら、こんなところに来るんじゃない!」
歳三は居ても立ってもいられずにその母子と女性との間に割って入った。
「お客様、赤ちゃんは泣くのが仕事です。お客様のお気持ちはわかりますが、どうかここのところは穏便に済ませてはいただけないでしょうか?」
歳三の言葉を聞いた女性は顔を真っ赤にしてプルプルと震え出し、周囲の視線は女性を非難するものへと変わっていった。
「すいません・・すいません・・」
「いえいえ、お気になさらず。たまにはこういう場所に来て息抜きもしたいですよね。」
歳三がそう言って赤ん坊をあやすと、母親は今にも泣きそうな顔をしていた。
「土方さん、あとで話がある。」
「あ、はい・・」
総支配人・上田に呼び出された歳三は、彼のオフィスへと入った。
「昼間のレストランでの一件は聞いたよ。君の対応はホテルマンとしてベストなものだった。」
「ありがとうございます。」
「それよりもね、昨日わたしの家のポストにこんなものが入れられていたんだ。」

そう言って上田が歳三に見せたのは、一冊の週刊誌だった。

その見出しには、“有名病院勤務の外科医が謎の失踪!3歳年下の人妻と愛の逃避行か!?”と書かれていた。

「この記事に書かれている外科医は、君のことかね?」

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最終更新日  2013.03.14 21:38:49
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「じゃぁ、行ってくる。」
「うん、行ってらっしゃい。」

翌朝、いつものように香帆は玄関先で歳三を見送った。

「今日は仕事、休みなのか?」
「うん。」
「戸締り、しっかりしておけよ。」
「わかったよ。」
ドアが閉まった途端、香帆は溜息を吐いてこたつの中に入ってテレビをつけた。
画面には、アイドルグループやお笑い芸人が馬鹿騒ぎをしている。
うんざりした香帆はテレビを消し、バッグを持って部屋から出て、ドアに鍵を掛けて自転車で近くのレンタルDVDショップへと向かった。
「いらっしゃいませぇ~」
気だるそうな口調で、レジカウンターに居る店員が香帆を迎えた。
香帆は小さい籠を持つと、韓流コーナーへと向かった。
最近休みの日は、こうしてここに来ては韓国ドラマや昔のトレンディドラマや映画のDVDを借りて一日中それを観ているか、ネットをしているかだった。
以前は近所のカルチャースクールでお花やお琴などを習い、習い事仲間とお茶をしたりしていたが、今はそんな時間的余裕はなかった。
伊豆で仕事を見つけてから、毎日職場と自宅の往復の生活で、休みの日は家に籠もりっきり。
いつまでこんな生活が続くのだろうか―香帆がそう思いながらDVDを探していると、丁度観たいドラマのDVDがあったので、それに手を伸ばして籠の中へと入れた。

「あの、落ちましたよ。」

レジへと香帆が向かおうとしたとき、誰かに肩を叩かれて彼女が振り向くと、そこには一人の女性が立っていた。
茶色くカールされた長い髪に、フレアのミニスカート。
まだ人生これからといった20代前半くらいの女性が香帆に差し出したのは、いつの間にか籠から落ちてしまった長財布だった。
「ありがとうございます。」
「あの、わたし水田沙織と申します。あなたのご主人の同じ勤め先のホテルで働いています。」
「主人と?」
香帆は、まるで小動物のような愛らしい女性の目が、少し険しく光ったことに気づいた。
「ええ。」
「どうも、主人がいつもお世話になっています。それじゃ。」
香帆は沙織から長財布を受け取ると、さっさとレジで会計を済ませて店から出て行った。
「ふぅん、あの人が奥さんなんだぁ。地味な人・・」
自転車に乗った香帆の背中を眺めながら、沙織はそう呟くとヒールの音を響かせながら駅前のカフェへと向かった。
「お待たせぇ~!」
「んもう、遅いよ沙織!待ちくたびれちゃったじゃん!」
彼女がカフェに入ると、窓際の席に座っていたホスト風の男がそう言って沙織に抱きついた。
「敦、ごめん。ねぇ、何処行く?」
「そうだなぁ、ホテルとか?」
「もう、敦のエッチ!」
沙織はそう言って男の肩を叩いたが、その顔は何処か嬉しそうだった。
「沙織、お前さぁ、最近狙っている男居るって聞いたけど、ホントか?」
「まぁねぇ。既婚者だけど狙ってんだぁ。」
「お前、他人(ひと)のもんに手ぇ出すのが好きだよなぁ。」
「そうかなぁ?敦だって同じじゃん。」
沙織はそう言って敦を見ると、彼は少しバツが悪そうな顔をした。
敦と付き合い始めて数ヶ月前になるが、女癖の悪い彼は女だとわかればその尻を追いかけずにはいらない男だった。
沙織は敦と似たようなものだが、彼女が今まで付き合った男性は、全て既婚者だった。

彼女は他人の者を奪いたくて仕方がない女なのだった。

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最終更新日  2013.03.14 21:37:58
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2012.11.26
「お疲れ様~」
「また明日~」

終業時間を迎え、香帆をはじめとする事務の女性パートたちはそう挨拶を交わしながら次々と事務所から出て行った。
香帆は事務所を出て、アパートへと向かって歩き出していた。
その時、背後から車のクラクションが聞こえた。
「乗ってく?」
「え、いいんですか?」
「いいよぉ。ここ観光地っていってもさぁ、夜は人通りが少ないから、若い女の一人歩きには向かないよ。」
「ありがとうございます、じゃぁ・・」
のぞみの厚意に甘え、香帆は彼女の車の助手席に乗り込んだ。
「すぐ近くですから。」
「そう。あたしん家、駅の近くなんだ。そこで両親と兄夫婦と暮らしてる。でも嫁(い)き遅れって両親から毎日言われてさぁ、肩身狭い思いしてるよ。」
「そうですか・・」
「あたしはさぁ、来年で28になるんだよねぇ。でもここいらじゃぁ、高校で一緒だった子達はもう結婚して肝っ玉母ちゃんになってる子が殆ど。東京でバリバリ働いてて毎日充実してたと思ったんだけどねぇ。何か現実は違ったみたい。」
「・・わたしも、今の人と一緒になる前、好きな人と結婚して、家庭を持って・・幸せだと思ったことがあったけど、何かが物足りなかった。だから・・」
「もういいよ、それ以上は言いなさんな。はい、着いたよ。」
のぞみはコーポ・リメージュの前で車を停めた。
「ありがとうございました。」
「うん、また明日ね。」
「おやすみなさい。」
香帆はのぞみの車から降りると、彼女に礼を言ってアパートの外階段を上がっていった。
「ただいま。」
歳三と借りている304号室のドアを開けると、まだ歳三は帰ってきていないらしく、ドアに鍵がかかっていた。
香帆は溜息を吐くと、バッグから鍵を取り出してそれをドアに挿し込んで中に入った。
部屋の明かりをつけると、リビングは几帳面な歳三の性格を現しているかのように小奇麗に片付けてられていた。
歳三に夕食のことを聞こうと彼の携帯に掛けたが、それはダイニングテーブルの上に置いてあった。
「歳兄ちゃんったら・・」
香帆はそう言って苦笑すると、こたつのスイッチを入れて歳三の帰りを待った。
「じゃぁ土方さん、お疲れ様です。」
「ああ、お疲れ様。」
漸く仕事が終わった歳三は、香帆に連絡しようと携帯を探したが、家に置き忘れてきたことに気づいて苦笑した。
事務所から出て駐輪場へと彼が向かっていると、誰かが自分の方へと小走りでやってくる気配がした。
「土方さん、お疲れ様です!」
「ああ、お疲れ・・」
息を切らしながらやってきたのは、パートにきている女子大生の水田沙織だった。
「もうお帰りですか?」
「ああ。」
「あの、送っていきましょうか?」
「いいよ。一人で帰れるから。」
沙織が何かと口実を作っては自分との距離を縮めようとしていることに勘付いていた歳三は、そう言うと自転車に跨って駐輪場から去っていった。
「ただいま。」
歳三が帰宅すると、キッチンから良い匂いがしてきた。
「お帰りなさい。ハンバーグ作ったんだけど、食べる?」
「ああ。」

家庭も仕事も何もかも捨ててきた香帆と歳三は、幸せだった。

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最終更新日  2013.03.14 21:34:50
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「これから何処行こうか?」
「温泉地でも行こうか。お前は何処に行きたい?」
「そうだなぁ、伊豆がいいな。歳兄ちゃんは?」
「伊豆にしよう。お前がそう言うんなら。」
途中で特急列車を降りた二人は、伊豆の温泉旅館・きぬたで働き口を探し始めた。
「いきなりじゃぁねぇ・・ちゃんと履歴書持ってきてくれないと。それに事務として働きたいんなら、何か資格あるの?」
「簿記2級持ってますし、パソコンも出来ます。」
「そう・・じゃぁ、今日から宜しくね。これだけは言っておくけど、うちは客商売だから、お客様に愛想よくね。」
「ええ。宜しくお願いします。」
香帆は、そう言って女将に頭を下げた。
きぬたでの事務仕事は、帳簿の管理が主で、エクセル2級を持っている香帆にとって結婚前に働いていた職場の仕事よりも楽だった。
「随分と手際がいいのね。」
「はい・・ありがとうございます。」
事務室で香帆がパソコンで仕事をしていると、女将がそう言って彼女のデスクにお茶を置いた。
「この調子で、頑張ってね。」
「はい・・」
時計を見ると、もうすぐ正午になろうとしていた。
「ねぇ、お昼行かない?」
そう言って香帆の肩を叩いたのは、仲居の堀田のぞみだった。
「はい・・」
「じゃ、行こうか!」
のぞみとともに、香帆は旅館の近くの喫茶店へと向かった。
「ここのBLTサンド、絶品なんだよ!」
「そうですか、それじゃぁそれのランチセットを。」
のぞみはランチセットを注文した後、香帆を見た。
「ねぇ、何処に住んでるの?」
「旅館の近くにあるコーポ・リメージュです。」
「ふぅん。あのね、女将さんは従業員の男関係には厳しいのよ。前に一度さぁ、ここで働いていた子が客と出来ちゃってさぁ。」
のぞみはそう言うと、両手で妊婦のジェスチャーをしながら、“きぬた騒動”と呼ばれた事件のことを話した。
高校を卒業したばかりの仲居が、一人の客と恋に落ち、駆け落ち同然に辞めて姿をくらましてしまったのだという。
「相手の男が、県会議員の息子だったんだよねぇ。そいつ、大きな会社の社長令嬢と婚約してたんだけど、それを蹴って逃げちゃったのよ。」
「あの、二人は今何処に?」
「さぁ、それは知らないわ。でも駆け落ちなんてしてもさ、一時の感情に走ってそれが冷めると激しく後悔するもんよ。」
のぞみがそう言葉を切った時、店員がランチセットを運んできた。
「さ、いただきましょ!」
「いただきます。」
出来立てのBLTサンドを頬張りながら、のぞみは香帆を見た。
「あの、どうしたんですか?」
「昨日、あんたの歓迎会やってあたしがあんたを送っていったでしょう?部屋から出てきたイケメン、もしかしてご主人なの?」
のぞみの言葉を聞いた香帆は、コーヒーで咽(むせ)てしまった。
「ちょっと、大丈夫?」
「はい・・」
「これ使いなよ。」
「ありがとうございます。」
香帆はのぞみからナプキンを受け取ると、それで口元を押さえた。
「それで、どうなの?」
「彼とは同棲しているだけで、結婚はしてません。」
「ふぅん。色々と事情抱えてるの?」
「はい・・」

香帆の言葉に何か思うところがあったのか、のぞみはそれ以上何も聞かなかった。

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最終更新日  2013.03.14 21:34:08
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