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JEWEL

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完結済小説:白銀之華(しのがねのはな)

2012.11.16
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ユーリは漸く、夫と娘達とともに平穏な暮らしを手に入れた。

王宮で突然暮らすことになり、麗欖(れいらん)は、はじめは戸惑ったものの、環境に次第に順応してゆき、幼い弟の面倒を見ていた。

ユーリは公務に追われながらも、家族と過ごす時間を決して疎かにはしなかった。

「陛下、戴冠式の日時が決まりました。」
「そう。」
「陛下、最近お幸せそうですね。」
女官の一人がそう言って、ユーリに微笑んだ。
「やはり家族が共にいると、一人で王宮に暮らしているよりリラックスできる。」
「そうですか。では失礼致します。」
女官は優雅に礼をすると、部屋から出て行った。
「お母様、お客様がいらっしゃってるわ。」
「そう。」
麗欖とともにユーリが謁見の間に入ると、そこには鴇和一族の生き残りの姉弟・羅姫と香欖(こうらん)が居た。
「お久しぶりでございます、ユーリ様。このたびのご即位、おめでとうございます。」
「ありがとう。何故ここに?」
「一族の汚名を返上してくださったお礼に参りました。」
「あなた方には、辛いことをしてしまったわね。今更どのような償いをしてもあなた達のご両親は戻ってこない・・」
「もういいのです。汚名が返上された今となっては、前の陛下がなさった過ちに恨むことはありません。」
「そう・・」
ユーリと羅姫の瞳が、ぶつかった。
彼女の瞳は、穏やかな光をたたえていた。
「では、お元気で。」
「姉弟で仲良く暮らすのですよ。」
「ええ、お達者で。」
故郷へと帰ってゆく羅姫達の背中を見送りながら、ユーリはドレスの裾を払って謁見の間から出て行った。
数日後、戴冠式が行われ、絢爛豪華なドレスを纏ったユーリは、アベルから王冠を授けられ、名実共にダブリス新国王となった。
「お母様、見て!」
「あら、どうしたの?」
「ねぇお母様、百合もお姫様のようになれる?」
「ええ、なれますとも。きっとね。」
羅姫はそう言うと、愛娘に向かって微笑んだ。
「お嬢様、参りましょうか?」
「ええ。でもいい加減、その“お嬢様”っていうのはやめて頂戴。もうわたしはあなたの妻なのだから。」
「申し訳ございません、いつもの癖で・・」
「まぁいいわ。汽車が出てしまう前に行きましょう。きっとリヒトの街は今頃お祭り騒ぎでしょうね。」
「ええ。」

夫と娘と共に、羅姫はリヒトへと向かった。
輝かしい未来を背負いながら。


~完~



あとがき

何だか駆け足気味で書き終わってしまいましたが、それぞれハッピーエンドという形で終わらせました。
長い間、お読みくださった読者様、ありがとうございました。

2012.11. 19. 千菊丸

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最終更新日  2012.11.25 23:00:08
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ユーリが王位に即位してから、彼女は息を吐く暇がなかった。

疫病によって財政状況が苦しくなり、その所為で亡き皇妃が携わっていた福祉事業を凍結せざるおえなくなってしまった。
「ユーリ様、国の為とはいえ、すべての福祉事業を凍結なさるとは、さぞや心苦しいことでしょう。」
「ああ。せめて現在進行している事業だけでも残しておきたかったが・・それよりも経済の建て直しの方が重要だからな。」
紅茶を飲みながら、ユーリはそう言ってアベルを見た。
宮廷内で強い発言権はないものの、司教となってからアベルはユーリの良き相談役となっていた。
「それは皆様もよくわかっておられるでしょう。」
「そうか・・そうであればいいが。」
ユーリはそう言って溜息を吐くと、アベルを見た。
理知を湛えた緑の瞳を自分に向けながら、彼は静かにこう呟いた。
「何だか、昔のことが思い出されますね。」
「そうだな。まだあの頃のわたしは理想に燃えていた。しかし、今は現実に圧されて思うようにならない。」
ユーリは再び溜息を吐くと、紅茶を飲んだ。
「そう急くことではありません。焦らないでください。」
「ありがとう、アベル。」
ユーリはそう言うと、そっとアベルの手を握った。
「陛下、今しがた汽車が駅に着いたとの知らせが。」
「そうか。」
ユーリは弾けるような笑顔を浮かべると、椅子から立ち上がった。
「どちらへ?」
「夫と子どもを迎えに行く。」
「お気をつけて。」
「では、行ってくる。」
匡惟は、隣で寝ているわが子を揺り起こした。
「起きなさい、もう着いたよ。」
「やっとお母様に会えるね!」
「ああ。」
匡惟は、もうユーリは自分たちのことを忘れてしまっているのではないのかという不安に襲われた。
国王となったユーリは多忙を極め、息をつく暇がないという。
そんな中で、彼女が自分達をおぼえているのかどうかー匡惟はそう思いながら、汽車から降りた。
「お母様だ!」
それまで俯いていた匡惟は、わが子の声でゆっくりと顔を上げた。
するとそこには、雑踏の中で自分に手を振るユーリの姿があった。
「ユーリ!」
「お帰りなさい、あなた。」
匡惟は、久しぶりに妻と抱擁を交わした。
「もう、わたし達のことを忘れてしまったのかと思っていた・・」
「そんなことはない。ずっと会いたかった・・」
「お母様、会いたかったよ!」
自分に似た紅の瞳を涙で潤ませながら、麗欖(れいらん)がユーリに抱きついた。
「出来れば、娘にも会わせたかった・・家族四人で、共に暮らしたかった・・」
匡惟の言葉に、ユーリは静かに頷いた。
「行こう。ここは冷える。」
「そうですね。」
「お母様、これからはずっと一緒に暮らせるの?」
「ああ、ずっとお前達と一緒に暮らせるよ。」
「そう。じゃぁ天国のお姉様も喜んでくださっているよね?」
「ああ。いつも天国からみんなを見守ってくれていると思うよ・・」

ユーリは泣きそうになるのを堪えながら、娘の手を握った。

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最終更新日  2012.11.25 22:57:52
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「これは・・」

長方形の箱をユーリが開けると、そこには代々ダブリス王家に受け継がれるサファイアのネックレスが入っていた。

「そなたに、これを。」
「兄上、それは・・」
「わたしは、王位から退く。元々その座は皇太子であるお前のもの。さぁ、受け取るがよい。」
「よろしいのですか?わたしが、このネックレスを・・」
「みなもお前のことを国王にふさわしい器であると認めている。」
ユーリが周囲を見渡すと、そこには笑顔を自分に向けている重臣達の姿があった。
ユーリは姿勢をただし、優雅に礼をした後ルディガーの前に跪いた。
ルディガーは箱からネックレスを取り出すと、それを恭しくユーリの細く白い首に掛けた。
「何だと、ルディガー様が王位を退位されたと!?」
「では、次の国王はどなたなのだ!?」
「ユーリ様なのです。」
「そうか、ユーリ様ならば心配ありませんな。」
「さよう。ユーリ様は才知に長けるとともに、武術にも優れたお方。傾きかけたこの国を立て直してくださることでしょう。」
「ええ。」
ルディガーが王位から退いたことは、宮廷中に瞬く間に広がった。

そしてその知らせは、海の孤島にも届いた。

「ねぇお父様、お母様が国王様になられたら、私達自由になれるの?」
「ああ、なれるとも。」

匡惟(まさただ)はそう言うと、子どもたちに微笑んだ。
その時、クラークが部屋に入ってきた。
「今からあなた方を解放いたします!」
彼の言葉を聞いた途端、幽閉されていた者達は歓声を上げた。
「漸くお家に帰れるね。」
「ああ・・」
次第に水平線の彼方へと消えてゆく孤島を眺めながら、匡惟は娘の形見であるネックレスを握り締めた。
長い船旅を経て、匡惟達はダブリスの港へと着いた。
「お父さん、早くお母様に会いたいね。」
「ああ。」
汽車に乗り込んだ後、匡惟は流れゆく景色を眺めながらそう言って笑った。
「リヒトまでまだかかるから、今のうちに寝ておきなさい。」
「うん。」
自分の肩を枕代わりにして眠るわが子を愛おしそうに見つめながら、匡惟は今朝買った新聞に目を通した。
その一面記事には、王笏(おうしゃく)を持ち、美しいドレスを纏ったユーリの写真が載っていた。

“ユーリ皇太子、国王に即位”

(もし王となられても、ユーリ様は私達に会ってくださるだろうか?)

ユーリとの絆は、彼女が国王となった今でも変わらないと匡惟は信じている。
彼女も、そう信じていることを祈って。
「ユーリ様、どうなさいました?」
「いや・・今夜の汽車で、わたしの家族がここに来る筈なんだが・・何だか落ち着かなくて・・」
「そうでございますか。それではわたくし達はこれで。」

女官はそう言ってユーリに優雅に礼をすると、彼女の部屋から辞していった。

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最終更新日  2014.04.17 12:14:47
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「ユリシラ=エーネント?何処の方でしょうか?」

青年から渡された名刺の名を読み上げたアベルがそう言って首を傾げると、青年は少しムッとしたような顔をして次の言葉を継いだ。

「エーネント家は昔ながらの貴族ではありませんから。」
「そうですか、これは失礼いたしました。」
「いいえ、気にしておりませんから。」
そういいながらも、青年はアベルを睨みつけたままだった。
「それで、わたしに何の御用でしょうか?」
「いえ、お噂の司教様のお姿を、一目見ておきたいなと思いまして。それでは。」
青年はそう言うと、アベルの前から颯爽と去っていった。
「何でしょうね、あの方。司教様に向かって無礼な・・」
「放っておきなさい。それよりも後のことは宜しく頼みますよ。わたしは忙しいので。」
「承知いたしました。」
司祭と途中で別れ、アベルは宮殿を出て大聖堂へと戻った。
「司教様、お久しぶりです。」
「リュシエル、久しぶりだね。元気にしていたかい?」
アベルは救護院でボランティアをしている青年に声を掛けられ、そう言って彼に微笑んだ。
「ええ。疫病が治まってよかったです。ですが、皇妃様がお亡くなりになられたことは残念でなりません。あのお方は、本当に素晴らしいお方でしたのに。」
青年がそう嘆息すると、アベルは静かに頷いた。
亡き皇妃は、国民達の医療福祉の充実のために色々と力を尽くしてくれた。
だがその皇妃が亡くなった今、彼女が担当する事業がどうなるのかわからない。
「陛下は皇妃様のご遺志を継がれて、民のために力を尽くしてくださることを祈っておりますよ。」
「そうですよね。まさかいきなり廃止なんてことはないでしょう・・」
「ええ。慎重派の陛下ですから、そのような暴挙に出られることはないでしょう。」
大聖堂へと戻る道すがら、アベルは青年と話しながら今後のことについて考えていた。
皇妃中心で行われている福祉事業は12事業あり、その中の8事業は国の援助を受けてはいるものの、財政状況は芳しくない。
しかし疫病の影響の所為で国庫は破綻寸前である。
「では、わたしはこれで。」
「ええ。」
青年と別れ、アベルは大聖堂の中へと入った。
「お父様!」
信徒席を中ほどまで進むと、アベルの養女・璃音がアベルに駆け寄ってきた。
「璃音、元気そうだね。」
すっかり貴族の令嬢特有の優雅な雰囲気を纏った璃音は、公共の場であるにも関わらずアベルに抱きついた。
「離れなさい、璃音。わたしはお前の娘だが、ここでは・・」
「わかりました。それよりもお父様、これから忙しくなるのですか?」
「ああ。皇妃様がお亡くなりになられたからね。」
「確か、今の陛下との間にはお子様はいらっしゃらないのでしょう?そしたら、陛下がお亡くなりになられたら誰が次の王となられるのかしら?」
璃音の鋭い指摘に、アベルは唸った。
今ダブリス王家の直系の血をひいている者は、ルディガー以外ユーリしかいない。
孤島に幽閉されていたユーリを、今更何故ルディガーがリヒトに呼び戻したのかーその理由を探りながら、アベルはミサの準備をしていた。
「ユーリ様、陛下がお呼びです。」
「わかった。」
ユーリが謁見の間に入ると、そこには左右に重臣達が居並んでいた。
「兄上、どうしたのですか?」
「ユーリ、そなたに大事な話がある。」
「大事な話?」
「エリンシスト、例のものを。」
「はっ!」

ルディガーの傍に控えていた重臣の一人が、彼に長方形の箱をユーリに渡した。

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最終更新日  2012.11.25 22:54:06
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雪が降る中、ダブリス王国皇妃・羅姫の葬儀がしめやかに行われた。

「羅姫、我が妻よ・・」

新婚僅か数ヶ月で、腹の子とともに死んでしまった妻の棺に取り縋ったルディガーの姿は、誰から見ても痛々しかった。

(兄上、お可哀想に・・)

バルコニーからその様子を眺めていたユーリは、羅姫の冥福を静かに祈った。

「ユーリ様、陛下がお呼びです。」
「わかった。」
ドレスの裾を払うと、ユーリはルディガーの部屋へと向かった。
皇妃の喪に服す為、貴族達は皆喪服を纏っており、宮殿の中は一面漆黒の闇に包まれたかのようだった。
「陛下、ユーリ様がいらっしゃられました。」
「さがれ。」
「失礼いたします、兄上。」
「ユーリ、お前にも葬儀に参列して欲しかったのだが、重臣達が反対していたのだ。」
「いいえ、気にしてはおりませんのでお気にならさず。それよりも兄上、少し休まれた方がよろしいのでは?」
「いや、わたしはまだやらねばならぬことがある。ここにお前を呼んだのは、お前に会わせたい者がおるからだ。」
「会わせたい者?」
「入るがよい、アベル。」
「失礼いたします、陛下。」
扉が開き、胸に金の十字架を提げたアベルが部屋に入ってきた。
「アベル・・」
「ユーリ様、お久しぶりです。お元気そうでなにより。」
アベルはそう言うと、ユーリに向かって優雅に宮廷式の礼をした。
「二人きりで話すがよい。わたしは忙しいからな。」
ルディガーはさっと椅子から立ち上がると、部屋から出て行った。
「アベル、あれからどうしていた?」
「あれから色々とありましたが、今ではウテルス大聖堂の司教を務めております。」
ウテルス大聖堂は、代々ダブリス王家の結婚式や葬儀を執り行う伝統と格式ある教会であり、その司教の座に着けるものは上位貴族の子弟でも難しいといわれている。
「そうか・・それは大出世だな、おめでとう。」
「ありがとうございます。これはひとえに、ユーリ様のお蔭です。」
「わたしの?」
「ええ。あなた様の助けがなければ、わたくしは今の地位にはついておりませんでした。」
「アベル、皇妃様は今朝身罷られた。」
「存じております。あの病は、妊産婦が罹(かか)ると重症化すると聞きました。疫病の猛威は徐々に治まりつつあるものの、どうなることか・・」
アベルがそう言葉を切った時、一人の司祭が部屋に入ってきた。
「司教様、お客様です。」
「わたしに?」
「ええ、至急司教様にお会いしたいと・・」
「そうですか・・ユーリ様、失礼いたします。」
「わかった。また会おう。」

アベルはユーリに頭を下げると、部屋から出て行った。

「司教様、こちらです。」
アベルが司祭とともに廊下を歩いていると、一人の青年がアベルに気づくと頭を下げた。
「アベル様、ですね?」
「はい。あなたは?」
「初めまして、わたくしはこういう者です。」

青年はそう言うと、名刺をアベルに渡した。

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最終更新日  2014.04.17 12:10:41
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「失礼いたします。」

皇妃の寝室に入ってきたのは、全身白装束を身に纏った男だった。

「ユーリ、王立研究所のリーヤだ。」
「初めまして。あなた様が、ユーリ様ですね?」
目元以外の全身を覆い隠した男は、そう言って紅の瞳でユーリを見た。
「初めまして。」
「ルディガー様、例の件でご報告が。」
「そうか、ではユーリ、お前も来るがいい。」
「わかりました、兄上。」
「もう、行ってしまわれるのですか?」
ベッドの中で、羅姫が名残惜しそうにルディガーを見た。
「すぐ戻る。」
ルディガーはそっと羅姫の手に口付けると、男を従えて皇妃の寝室から出て行った。
「やはり、疫病の原因はこの麦角菌と思われます。研究所では既にこの疫病の抗生物質が完成しております。」
「そうか。国内では疫病の猛威は沈静化したが、宮廷では汚染されたユーリア麦が入ってきておる。これ以上感染を広げぬ為にはどうすればいいか・・」
「汚染されたユーリア麦は、焼却処分いたしました。宮廷の穀物庫に収納されているものも、焼却処分にする予定です。」
「それでよい。疫病を拡散させぬ為には感染源を絶つことだ。沈静化するにはどのくらい時間がかかる?」
「あと数週間ほどです。では、わたくしはこれで。」
王立研究所のリーヤはそう言ってルディガーに頭を下げると、廊下の向こうへと消えていった。
「兄上、皇妃様の容態は思わしくないようですが・・」
「ああ。ラヒはもう長くはもたぬ。漸く妻を娶り、子が産まれるというのに・・」
そう言ったルディガーの表情は、苦痛に満ちていた。
「ユーリ、暫くここに滞在してくれまいか?」
「何の為に?兄上、あなたが濡れ衣を着せた鴇和一族を根絶やしにしたことは覚えておられますか?今更疫病の原因が判明したところで、彼らの名誉と命は戻りません!」
ユーリが怒りを瞳に滾らせながら兄を睨みつけると、彼女は俯いた。
「お前の言うとおりだ。すぐに鴇和一族の名誉は回復できぬが、出来る限りのことをしよう。」
「そうですか。では、部屋に案内してください。」
「わかった。」
ルディガーは何か言いたそうだったが、ユーリを部屋へと案内した。
「では、ゆっくり休むといい。」
「お休みなさい、兄上。」
部屋に入るなり、ユーリは着ていたドレスを籠の中へと入れ、浴室でシャワーを浴びながら消毒成分が強いシャンプーと石鹸で髪と身体を洗うと、爪の間に至るまで隅々と磨いた。
「ユーリ様、ここに着替えを置いておきます。」
「ありがとう。」
部屋に入ってきた女官は、にっこりとユーリに微笑むと部屋から出て行った。
清潔なシーツを頭から被って目を閉じると、次第に睡魔に襲われユーリは眠りへと落ちていった。

翌朝、皇妃の部屋から悲鳴が聞こえ、ユーリはベッドから飛び起きた。

「一体何が!?」
「皇妃様が、先ほどご逝去されました。」
泣き腫らした目でそう告げた女官を、ユーリは信じられない顔で見た。
あの状態では長くはないだろうと思っていたが、まさかこんなに早くなくなってしまうとは、予想がつかないことだった。
「兄上はどうしておられる?」
「陛下は、葬儀の準備を進めております。ユーリ様は暫く部屋で待機しているようにとのご命令でございます。」
「そうか、わかった・・」

ふと窓の外を見ると、まるで水鳥の羽のような純白の雪が、空から降っていた。

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最終更新日  2012.11.25 22:49:42
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「ユーリ様、お足元にお気をつけて。」

銀髪に映える青いドレスを纏ったユーリは、裾を摘みながらゆっくりと船から降りていった。

「ユーリ、会いたかったぞ。」
頭上で声がしてユーリが俯いた顔を上げると、そこには両手を広げて自分を歓迎しているルディガーが立っていた。
「お久しぶりです、陛下。」
ユーリはそう言うと膝を折り、優雅な宮廷式の礼をした。
「今すぐ王宮へと参るぞ。妻が待っておるゆえ。」
「はい・・」
ここはおとなしくルディガーに従うしかないようだ。
彼とともに馬車に乗り、王宮へと向かう道すがら、ユーリは久しぶりに見るリヒトの市街地を見た。
疫病に襲われ、ゴーストタウンと化したリヒトは、以前と同じような活気を取り戻しており、路上では新鮮な果物や野菜・魚などを取り扱った市場は活気に満ちていた。
数分後、ラミレス宮殿の中へと入ったユーリは、活気に満ちた市街地とは対照的に、暗く陰惨とした空気が漂っている宮廷内の空気に気づいた。
「一体、これは・・」
「疫病の所為だ。国中の疫病が、すべてここに集まってきてしまったのだ。」
「そんな・・」
馬車から降りたユーリは、ドレスの裾を捌きながら廊下を歩くと、円柱にもたれかかりながら呻く女官達の姿を見て、ルディガーの言葉が嘘ではないことに気づいた。
彼女達の顔は、赤い湿疹に覆われ、激しく掻き毟(むし)った所為で血が滲んでいた。
だが湿疹は腕や首にも広がっていた。
「さぁ、ここだ。」
ルディガーに案内され、ユーリは彼の妃である羅姫の部屋へと向かった。
「陛下、お帰りなさいませ。」
「妻の容態は?」
「余り変わりありません。妃殿下はご懐妊中であらせられますので、少量の薬を投与しておりますが・・」
「効果はない、ということだな。」
ルディガーは失望の表情を浮かべた。
「ユーリ様、お部屋に出られる際はお召し物をお脱ぎになってくださいませ。」
「わかった・・」
ユーリが恐る恐るルディガーの妻・羅姫の寝室を開けると、その途端に肉が腐っているような凄まじい悪臭が彼女の鼻を突いた。
「帰ったぞ、ラヒ・・我が妻よ・・」
「ああ、あなた・・」
羅姫が眠っているであろうベッドには、分厚い天蓋で覆われていて彼女の顔は見えない。
だが、その声は弱々しく、容態がかなり悪いと容易に想像できる。
「ユーリ、こちらへ。」
ルディガーとともに天蓋の近くへと寄ったユーリは、その隙間から見た羅姫の顔を見て絶句した。
彼女の美しい顔は原型を留めておらず、大人の握り拳大ほどの湿疹に覆われていた。
「一体何故、このようなことが・・」
「疫病の原因は、わが国で獲れるユーリア麦だったのだ。」
「ユーリア麦が?」
「ああ、今年は旱魃(かんばつ)の影響もあってある菌がユーリア麦に巣食い、それを知らずに収穫した民の口に入り、瞬く間に疫病に流行したのだ。」

ルディガーがそう言葉を切った時、部屋のドアがノックされた。

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最終更新日  2012.11.25 22:48:21
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「ユーリ様、間もなくダブリス領海域内に入ります。」
「そうか・・」

エステア王国軍の捕虜になったものの、ソーラスに救出されたユーリは、ダブリス王国軍とともに故国へと帰還している最中だった。
一ヶ月余りも暗くて湿った船底部に監禁されていたユーリは、顔にはキャサリンによって何度か殴られた赤紫色の痣が残り、荒縄を必死に解こうとして両手の爪には血が滲んでいた。
ソーラスに救出された彼女が軍医の手当てを受け回復したのはそれから一週間後のことで、さらに歩けるようになったのはそれから三週間後のことだった。
「お加減はいかがですか?」
「悪くはない。ただ、あの島に残してきた家族が気になって・・」
「あなた様のご家族は、無事だそうです。時期が来たら、本国へ連れてゆくと陛下がおっしゃっております。」
「陛下が?」
ユーリの美しい眦がつり上がった。
自分達混血を、あの島に幽閉させたのは、ルディガーに他ならなかったからだ。
「確か陛下は混血児をあの島に幽閉し、隔離しようとしていた筈。それなのに一体何故、わたしを本国へ?」
「それは、話せば長い話となります。」
ソーラスはそう言って溜息を吐くと、水平線の彼方を見ながら今までの経緯を話し始めた。
王国中が疫病に襲われ、ルディガーはその原因が妖狐と人間との混血児が病を広めている所為だとはじめは決め付けていたが、王立研究所が疫病の原因を突き止めた為、混血児の隔離政策を白紙に戻したのだという。
「それで?」
「あなた方に、償いをしたいと、陛下はおっしゃっております。」
「償いだと?」
ユーリの中で、ふつふつとルディガーへの怒りが沸いてきた。
脳裏には、無実の罪を着せられて殺された鴇和一族の顔が浮かんだ。
「どのような償いを兄上はなさるつもりなのだ?今更償いをしたところで、無実の罪を着せられ殺された者達は二度と帰ってこない!」
「ユーリ様が憤られることはごもっともです。ですが、陛下があなたのお力を是非貸していただきたいと・・」
「わたしの力?」
「ええ・・陛下のお妃・・現在ご懐妊中の羅姫様の体調が思わしくないようなのです。」
「そうか。」
ユーリは水平線の彼方を見つめると、そこから眩いばかりの太陽が顔を覗かせた。
「一度部屋に戻る。」
「わかりました。」
部屋に戻ったユーリは、力なくベッドに横たわった。
ルディガーは一体何を企んでいるのだろうか。
それに、何故死んだ蓮華の姉・羅姫が彼の妃となっているのだろう?
そんな謎がぐるぐると頭の中を回り、ユーリはゆっくりと目を閉じた。
「ユーリ様、起きてください。」
「ん・・」
「間もなく港に着きますので、お召し替えを。」
「わかった。」
ベッドから起き上がったユーリは、クローゼットに入っているドレスを取り出した。
「ユーリ様、失礼いたします。」
ドアがノックされ、数人の侍女たちが部屋に入ってきた。
「陛下が港でお出迎えになられますので、急ぎませんと?」
「陛下が?」
「ええ。」
一方、港ではルディガーが馬車の中から双眼鏡を構え、艦隊がくるのは今か今かと待ち構えていた。
「陛下、そう気を急くことはございませんよ。」
重臣の言葉を聞いたルディガーは、苛立ったように舌を鳴らした。
「わたしは忙しいのだ。」
「申し訳ございません・・」
「わかればよいのだ。」

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最終更新日  2012.11.25 22:46:29
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「ユーリ皇太子をダブリス側に奪還されただと!?それはまことか、キャサリン!?」

自国の領海域内で敵艦の攻撃を受けた上に、人質であるユーリ皇太子を奪還されたことを知り、キャサリンの父でありエステア王国皇帝は、苛立った様子で右足の踵を地面に打ち付けると、娘をにらみつけた。
「敵の攻撃を許してしまったのは、ひとえにわたくしの不徳といたすところでございます、陛下。」
「キャサリンよ、このまま指を咥えてそなたはユーリ皇太子が奪還されるのを見ているわけではあるまいな?」
「そのようなことは致しませぬ。」
「そうか。」
皇帝はこめかみを人差し指と中指で押さえると、低く唸った。
「陛下、まだお加減がよろしくないのでは?」
「ああ。我が娘から受けた傷はとうに癒えたと思うておったが、一度傷を負うと人の身体というものは元通りにはならぬものよ。」
皇帝の言葉に、キャサリンは彼の前に跪いたまま無言で頷いた。
あのとき、実の娘であるユーフィリアに撃たれた傷は完治しかけているものの、過度の精神的ストレスによる偏頭痛の発作は皇帝を悩ませていることは、宮廷に出入りする貴族の誰もが知っていた。
「さがれ。長旅の疲れもあることであろう、今宵は部屋で休むことを許す。」
「では、失礼致します。」
キャサリンはさっと立ち上がると、マントを翻して謁見の間から出て行った。

―あれは、キャサリン様・・
―いつお戻りに?
―何でも、ユーリ皇太子奪還に失敗したとか・・

自分の姿を見るなり、宮廷雀たちが扇の陰で突然ひそひそと悪意ある囁きを交わし始めた。
「少し注意していきましょうか?」
「止せ。下らぬ女どもの話など、放っておくがいい。」
「ですが・・」
幼少の頃より刺繍やピアノといった貴婦人の嗜みより、剣術や馬術といった兵士の嗜みの方が性に合ったキャサリンのことを、“キャサリン様が男ならばよかった”と幾度となく陰口を叩かれた経験があったキャサリンにとって、今更宮廷雀たちの陰口などに怯えるほど初心ではなかった。
だがキャサリンに心酔し、骨の髄まで彼女に忠実であるアレクシスにとって、彼らの噂話を聞き流せるだけの余裕はないらしく、腰の長剣を抜こうとした彼の手を、キャサリンは制した。
「アレクシス、お前は真面目すぎるのが玉に瑕(きず)だ。何事も斜に構えて見てみれば、この世界も悪くはないぞ?」
「は、はぁ・・」
アレクシスはそう言うと、よくわからないというように首を傾げ、キャサリンの後をついていった。
「陛下、お薬の時間でございます。」
「うむ・・」
皆が寝静まったその日の真夜中、皇帝の寝室に薬湯を持った皇妃・アウロラがすべる様に入ってきた。
「アウロラ、済まぬ・・」
「何をおっしゃいます、陛下。」
蒼い瞳に慈愛の光を宿らせながら、アウロラはそう言って夫に優しく微笑んだ。
末の娘・ユーフィリアを亡くした後、あれほど傲慢だった彼はまるで人が変わったかのようにおとなしくなり、それと比例して覇気も失っていった。
「エウリケ、居るの?」
「はい、ただいま。」
いつも自分の傍に控えている女官の名をアウロラが呼ぶと、彼女はすっと主の前に出た。
「この前行った場所で、また薬湯を摘んでおいで。誰にも見られぬように。」
「はい、皇妃様。」

美しい女官は主に一礼すると、闇の中へと消えていった。

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最終更新日  2012.11.25 22:44:53
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エスティア王国の戦艦・マリスは、エスティア王国領海へと入った。

「あと一時間後で着きます。」
「そうか。領海に入った以上、他国軍からの攻撃はないと思うが、油断するなよ。」
「ハッ!」
兵士は両足の踵を鳴らしてキャサリンに敬礼すると、司令官室から出て行った。
「これからどうなさいますか、キャサリン様?」
「どうするも何も、それは到着するときに考えて・・」
キャサリンがそう言ってアレクシスのほうへと振り向いたとき、船体が大きく揺れた。
「何だ!?」
「キャサリン様、ダブリス艦から攻撃を受けました!」
「総員配置につけ!」
「一体どういうことでしょう。今になってダブリス艦が攻撃をするとは・・」
「敵の狙いは知れたこと。ユーリを奪還しようとしているのだろうよ。」
キャサリンはユーリへの私怨に拘り過ぎてすっかり油断してしまったことに臍(ほぞ)を噛んだ。
一方ユーリは、激しく船体が揺れたことに気づいて、ゆっくりと目を開けた。
「くそ、この距離ではダブリス艦に弾が届かないぞ!」
「一体どうすれば・・うわぁぁ~!」
すぐ上の甲板では、ダブリス艦と対峙しているエスティア軍が砲撃を受けて次々と倒れていった。
「敵に怯むな!」
「ですがキャサリン様、敵勢力の艦隊のほうが我が艦よりも機能性に優れております!」
「おのれ、ダブリスめ!いつの間に改良を加えたのだ!」
キャサリンの瞳が、鋭い光を放った。
その間にダブリス兵がマリスへと乗り移り、刃を煌かせながら彼女に迫ってきた。
「おのれぇ!」
怒りの雄たけびを上げたキャサリンは、腰に帯びている長剣を抜くと、次々と敵兵を斬り倒していった。
「キャサリン様に続け!」
「おお~!」
甲板でエスティア・ダブリス両国軍が激しくぶつかり合い、血の雨を降らせた。
「ユーリ様、ユーリ様、しっかりなさってください!」
突然何者かに揺り起こされ、ユーリが再び目を開けると、そこにはかつて自分に仕えていたソーラスが自分の身体を椅子に縛(いまし)めている荒縄を切り裂いたところだった。
「さぁ、ここから出ましょう!」
「だが、どうしてここへ?」
「詳しい話はあとです、さぁ!」
ソーラスとともに、ユーリは甲板へと上がった。
すると、そこから怒りの形相を浮かべたキャサリンが長剣を振り回しながらユーリの元へと走ってくるところだった。
「おのれぇ、逃がすものか!」
ユーリは寸でのところでキャサリンの手から逃れ、ダブリス艦へと乗り込んだ。
「全員戻れ!ユーリ様は無事奪還した!」
エスティア軍と斬りあっていたダブリス軍たちは、次々と撤退していった。
瞬く間にダブリス艦隊はエスティア領海内から離れ、一路母国へと帰還していった。

「この借りは必ず倍返しにしてやる・・」

キャサリンは怒りにたぎった瞳で、水平線の彼方へと消えてゆくダブリス艦隊を睨みつけた。

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最終更新日  2012.11.25 22:43:31
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