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JEWEL

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連載小説:茨の家

2016.09.08
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カテゴリ:連載小説:茨の家

「女将さん、良かった、気が付いて!」

何者かに銃撃された千代乃が意識を取り戻したのは、事件から数日後のことだった。

「ファヨンさん、一体何があったの?」
「あいつが・・ジョンスが女将さんを逆恨みして、女将さんを殺して、みんなを殺そうとしていたんです。」
「まぁ、そんな事が・・」
満韓楼を襲い、自分を撃った犯人がジョンスだとファヨンから知り、千代乃は驚きのあまり絶句した。
「わたしは撃たれるような事をしたかしら?」
「きっとあいつの逆恨みですよ。ほら、ジニ様の事で色々と揉めていたじゃないですか?」
「でもあれはもう過ぎた事よ。」
「それは女将さんが思っていらっしゃるだけで、向こうはそう思っていないのでは?」
ファヨンの言葉に、千代乃は溜息を吐いた。
自分がジョンスとの間に起きた事を過去のものだと思っているが、ジョンスはそう思っていないのかもしれない。
だから、日に日に自分への憎しみを募らせ、彼は自分を殺そうとしたのだ。
「わたし、今回の事で色々と考えてしまうわ。わたしは彼に恨まれるような事をしてしまったのかしらって。」
「そんなに思い詰めることはないですよ、女将さん。今までジョンスは好き勝手な事をしていたけれど、今回で確実に刑務所に入りますね。あいつの顔をもう見なくて済むと思うと、せいせいします。」
そう言ったファヨンは、千代乃の手をそっと握った。
「女将さん、わたし達は女将さんの秘密を誰かに口外したりはしませんから、安心してください。」
「ファヨンさん、貴方いつからわたしが男だという事に気づいていたの?」
「ジョンスの家の使用人が女将さんのお風呂を覗いていた時からです。その時わたし、偶然女将さんの裸を見てしまったんです。」
「そう。」
「男でありながら今まで女として生きてきたという事は、女将さんは複雑な事情を抱えていらっしゃるのですよね?」
ファヨンの問いに、千代乃は静かに頷いた。
「ファヨンさん、貴方の他にわたしの秘密を知っている人は居るの?」
「ええ。チェヨンやユソンも知っています。後、料理番のミジャも。みんな口が堅いので、安心してください。」
「わかったわ。ファヨンさん、貴方はもう満韓楼に帰りなさい。」
「はい。ではこれで失礼します。」
千代乃の病室から出たファヨンは、廊下で一人の男性と擦れ違った。
その横顔をチラリと見た彼女は、彼と何処かで会ったような気がした。
「すいません。」
「はい、何でしょうか?」
男性がくるりと自分の方へと振り向くと、ファヨンは男性の顔をじっと見つめたまま両手で口を覆った。
「貴方、生きていらっしゃったのですね?」
「ファヨン・・もしかして、あの時のファヨンか?」
男性はファヨンの方へ一歩近づくと、彼女を抱き締めた。
「あの時、お前は死んだものだと思っていたのに・・こうしてお前と会えるなんて、嬉しいよ!」
「わたしもです、ヨンイル様!」

病院の廊下で抱き合っている二人の姿を、通りかかった看護婦が怪訝そうな様子で見つめていた。

「ここだと人目があるから、何処か静かな所で話さないか?」
「ええ、わかりました。」

ユソンとミジャが病院へと千代乃を見舞いに行くと、ファヨンが見知らぬ男と共に病院から出て行く姿を見た。

「あの男、一体誰だろうね?」
「知らないよ、そんな事。ユソン、他人の色恋沙汰に首を突っ込むなんて野暮な事、するんじゃないよ。」

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最終更新日  2016.09.14 14:41:05
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カテゴリ:連載小説:茨の家
ファヨンと共に応接間に入った千代乃は、見知らぬ二人の外国人男性が窮屈そうに床に座っている事に気づいた。

『満韓楼の女将の、千代乃と申します。あなた方は?』
『はじめまして、千代乃さん。わたしはピョートルと申します。こちらはわたしの弟の、イヴァンです。』
金髪碧眼の男性がそう言って千代乃に自己紹介すると、彼の隣に座っていた男性も千代乃に会釈した。
『ピョートルさん、何故こちらにいらしたのですか?』
『実は、旦那様・・つまり貴方の母方の祖父に当たる方が、死ぬ前に一目貴方にお会いしたいとおおせなのです。』
『わたしの、お祖父様ですか?』
今まで実の両親、そしてその親戚の事など知らなかった千代乃は、ピョートルの言葉を聞いて驚いた。
『その様子だと、何もご存知ないようですね?』
『わたしは赤ん坊の頃、養家の前で捨てられていたと、養母から聞きました。ですから・・』
『そうですか。』
ピョートルはそう言うと、一枚のメモを千代乃に手渡した。
『そのメモにわたし達の滞在先であるホテルの住所が書かれています。お時間があれば、是非いらしてください。』
『解りました。本日はお忙しい中、来て頂いて有難うございました。』
玄関までピョートルとイヴァンを送った千代乃が自室に戻ると、丁度ファヨンが昼食を持って来たところだった。
『ファヨンさん、いつも有難う。』
『いいえ。それよりも女将さん、さっきの方達はどなただったのですか?』
『わたしも詳しくは知らないのだけれど・・母方の祖父の使いの方だと言っていたわ。』
千代乃は昼食を一口食べると、そう言ってファヨンの方を見た。
『ファヨンさん、貴方ご自分の両親の事をどれほど知っているの?』
『うちの親の事なら何でも知ってますよ。どうしてそんな事を聞くんですか?』
『わたしは、実の両親の顔を知らないの。赤ん坊の時に捨てられて、養母に育てられたから。だから、あの人達から母方の祖父に会ってくれと言われて、驚いてしまったわ。』
『それは仕方ないですよ、今まで知らなかった母方のお祖父様から突然会いたいなんて言われたら、誰だって驚きますって。』
『そうね・・』
『それじゃぁ女将さん、お昼食べ終わったら呼んでください。』
『えぇ、わかったわ。』
ファヨンが部屋から出て行った後、千代乃はスープを一口飲んだ。
日本に居た頃養母が作ってくれた味噌汁の味を思い出し、千代乃は自然と涙を流していた。
この哈爾浜(ハルビン)に流れ着き、満韓楼の女将となってもうすぐ半年の歳月が経とうとしている。

(おかあさんや置屋のみんなは元気かな?)

昼食を食べ終えた千代乃がそんな事を思いながらファヨンを呼ぼうと自室の襖を開けた時、中庭の方から突然銃声が聞こえた。

『女将さん、あいつが来ました!』
『どうしたの、あいつって誰?』
『女将さん、逃げてください!』

チョンジャがそう叫んだ時、二発目の銃声が中庭に響いた。

千代乃は脇腹に刺すような痛みを感じると、そのまま意識を失った。

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最終更新日  2016.09.14 14:39:30
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2016.08.11
カテゴリ:連載小説:茨の家

青年―ジュンスはそう執事を怒鳴りつけると、千代乃の方へと向き直った。

『申し訳ないが、お引き取り願えませんか。わたしは、貴方に話す事など何もありません。』
『貴方にはなくとも、わたしにはあります。チョンジャさんの件で・・』
『あの女は告訴する。わたしに暴力を振るったのだから、それ相応の罰は受けて貰う。』
『ジュンス様、話が違います!』
『黙れ!』
自分の父親と同年代の執事に向かって怒鳴るジュンスの姿に、千代乃は彼にこれ以上何を言っても無駄だと思った。
『貴方とこれ以上話をするのは時間の無駄のようですね。では、これで失礼いたします。』
『待て、お前の所の妓生がわたしに迷惑を掛けたんだ、詫びのひとつもないのか?』
千代乃がそう言ってジュンスに頭を下げ、客間から出ようとすると、ソファから立ち上がったジュンスが千代乃の腕を掴んだ。
『お詫び、と申しますと?』
『解らないのか、金だよ、金。あの女に殴られた怪我の治療費と、わたしが受けた精神的苦痛への慰謝料だ。あの女がそれらを払えないのなら、上司であるお前が払うべきだろう。』
『お言葉ですがジュンス様、先にチョンジャさんを殴った貴方が彼女に治療費と慰謝料を支払うべきなのではありませんか?』
『何だと、妓生の癖に両班のわたしに口答えするのか!?』
激昂したジュンスが千代乃の胸倉を掴んだ時、客間の扉が開いた。
『ジュンス、何をしている?』
『ち、父上・・』
グレーの縞模様のスーツを着た紳士が鷹のような鋭い目でジュンスを睨みつけると、彼は慌てて千代乃の胸倉から手を離した。
『旦那様、お帰りなさいませ。』
『貴方が、チヨノさんですね?初めまして、わたしはチョンスと申します。』
『初めまして、チョンス様。満韓楼の千代乃と申します。本日はジュンス様とチョンジャさんの件について話し合いの場を設けようと思ったのですが、ジュンス様はその必要はないとおっしゃったので・・』
『ジュンス、後で話がある。ヨンハ、チヨノさんをわたしの部屋へ案内しろ。』
千代乃の話を聞いたチョンスは息子を睨むと、淡々とした口調で執事にそう言って客間から出て行った。
『父上、お待ちください!』
客間から出て行く父親の後を追おうとしたジュンスだったが、無情にも客間の扉は彼の鼻先で閉ざされた。
『先ほどは倅が貴方に対して無礼な振舞いをしてしまったことを、倅に代わって謝ります。チョンジャさんのご様子は、いかがですか?』
『チョンジャさんとは先ほど会って来ましたが、元気そうです。早く留置場から出たいと言っておりました。』
チョンスの部屋に通され、彼からチョンジャの様子を尋ねられた千代乃がそう答えると、彼は少し唸って何かを考えているかのように目を閉じた。
『今回の件は、完全にこちらに非があります。わたしは、跡継ぎであるジュンスを幼い頃から溺愛し、あいつの我儘を全て受け入れてきました。そのツケが、あいつが成人した今回ってきたのでしょうな。』
チョンスは溜息を吐くと、千代乃の手を握った。
『チヨノさん、どうかチョンジャさんに悪い事をしてしまったとお伝えください。ジュンスはわたしが厳しく躾け直します。』
『チョンス様、お忙しい中わたくしの為に時間を割いてくださって有難うございました。』

洋館から出た千代乃が満韓楼へと戻ると、ファヨンが何処か慌てた様子で千代乃の元へと駆けて来た。

『女将さん、大変です!』
『どうしたの、また何かあったの?』

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最終更新日  2016.09.14 14:31:51
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カテゴリ:連載小説:茨の家
チョンジャはその日、パーティーがあることをすっかり忘れてしまい、急いで身支度を済ませて満韓楼からホテルへと向かおうとした時、道端で偶然別れた男と会ったのだった。

その男は、連れの女と一緒だった。

『チョンジャ、俺にしつこく付き纏うなと言っただろう?』
『あんたみたいな男に付き纏うほど、あたしは暇じゃないんだよ、さっさとあたしの前から消えな!』
チョンジャがそう叫んで男を睨みつけると、彼にしなだれかかっていた女が笑った。
『あんたが言っていた妓生って、この女なの、ジュンス?』
『ああ。諦めの悪い女で、別れる時も別れたくないって言って騒いで揉めたのさ。』
『嘘ばっかり言いやがって!別れるとき散々あたしに泣きついて捨てないでくれって泣き喚いていたのはあんたの方だっただろうが!』
『うるさい!』
最初に殴って来たのは男の方だった。
『何するんだ、この野郎!』
そのまま路上で男と殴り合いの喧嘩になったチョンジャは、駆けつけた警察官によって警察署へと連行されていったのだった。
『まぁ、そんな事があったのね。』
『女将さん、あたしは何も悪くないんです!』
『解ったわ。チョンジャさん、貴方をここからすぐに出してあげますからね。』
千代乃はそう言ってチョンジャの手を握ると、彼女の隣に立っていた警察官の方を見た。
『先に彼女を殴った男は、何と言っているのですか?』
『彼は先に彼女が自分を殴って来たと言っています。』
『彼は今何処に?』
『彼なら、既に署を出て帰宅しました。』

(困った事になったわね・・)

『女将さん?』
『チョンジャさん、貴方と喧嘩した方の名前を教えてくださらない?』
『解りました。何か書くものを用意して貰えませんか?』
チョンジャは警察官に用意して貰ったメモ用紙と万年筆を受け取ると、そこに相手の男の名前と住所を書いて千代乃に渡した。
翌日、千代乃はチョンジャから渡されたメモに記された住所を訪ねると、そこには美しい瀟洒(しょうしゃ)な洋館が建っていた。
『失礼ですが、何か当家にご用でしょうか?』
鉄扉の前で暫く千代乃が右往左往していると、洋館の中から燕尾服姿の執事がやって来た。
『突然伺ってしまって申し訳ありません。わたくし、満韓楼の女将で・・』
『チヨノ様、お待ちしておりました。どうぞ中へ。』
執事に連れられ、千代乃は館の客間へと通された。
暫く千代乃がソファに座りながら待っていると、そこへ先ほどの執事が飲み物を載せた盆を持って客間に入ってきた。
『ジュンス様からお話は伺っております。路上で女性と口論となり、暴力を振るわれたとか・・』
『ええ。ですが警察署で聞いた話によると、先にジュンス様を殴って来たのはうちのチョンジャだと主張していたとか・・』
『チヨノ様、今回の事はジュンス様に責任を取らせますので、どうか他言無用に願います。』
『解りました。』
『有難うございます。』
執事が千代乃に向かって頭を下げていると、客間のドアが乱暴に開かれ、中に背広姿の青年が入って来た。
『ジュンス様、お帰りなさいませ。』
『誰の許しを得て、その女を入れたんだ!』

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最終更新日  2016.09.14 14:30:51
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2016.08.04
カテゴリ:連載小説:茨の家

満韓楼へと戻った千代乃が自室で読書をしていると、ファヨンがやって来た。

『女将さん、こんな物がチョンジャの部屋から見つかりました。』

そう言ってファヨンが千代乃に見せたものは、千代紙に包まれた阿片の粉末だった。

『一体、どうしてこんな物がチョンジャの部屋に・・』
『最近、チョンジャが誰にも行き先を言わずに夜中へ出掛けていることを知っています。』
『そう・・ファヨンさん、良く知らせてくれたわね。この件は誰にも口外しないで。』
『解りました。』
ファヨンが部屋から去った後、千代乃は彼女から渡された阿片の粉末を見た。
『ユニョク、居る?』
『はい、女将。』
外に控えていたユニョクは、影のようにするりと部屋に入って来た。
『少し調べて欲しい事があるのだけれど、いいかしら?』
『はい。』
『この阿片が何処から流れてきたのかを、調べて欲しいの。』
『解りました。数日留守にする事になるかもしれませんが、構いませんか?』
『構わないわ。』
『女将、そろそろ支度をいたしませんと・・』
『解ったわ。ユニョク、くれぐれも気を付けてね。』
『はい。それでは、行って参ります。』

ユニョクが部屋から出て行った後、千代乃は湯浴みをする為に浴室へと向かった。

浴室から上がって千代乃が髪を乾かしていると、千代乃は外から強い視線を感じた。
脱衣所の窓を開けて外を見たが、そこには誰も居なかった。

(気の所為ね・・)

その日の夜、哈爾浜市内のホテルで開かれたパーティーに出席した千代乃は、そこでジニの義母と会った。
『あら、奇遇ね。貴方がこのような場所に居るなんて。』
『まぁ奥様、お久しぶりでございます。』
千代乃が愛想笑いを浮かべながらジニの義母に挨拶をすると、彼女は不快そうに鼻を鳴らして千代乃に背を向けた。
『相変わらず、無愛想な女ね。』
『女将さん、気にする事ないですよ。』
『チョンジャは何処に行ったの?』
会場にチョンジャの姿がない事に気づいた千代乃がそう言うと、妓生達は何処か気まずそうな様子で俯いた。
『何かあったの?』
『実は先ほど、チョンジャが警察に連行されました。何でも、別れた男と口論になって殴り合いの喧嘩をしたみたいで・・』
『そう、彼女は今何処に居るの?』
パーティーが終わり、千代乃はファヨンと共にチョンジャが連行された警察署へと向かった。
『女将さん!』
警官に連れられたチョンジャの顔には、男に殴られた時に出来た青あざが残っていた。
『チョンジャさん、一体何があったの?わたしに解るようにちゃんと説明して頂戴。』
『わたしは何も悪くないんです、それなのにあの男が勝手にわたしを犯罪者扱いして留置場へぶち込んだんです!』

怒りで興奮したチョンジャは、警察署へ連行されるまでの経緯を千代乃に話し始めた。

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最終更新日  2016.09.14 14:35:11
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カテゴリ:連載小説:茨の家

『ウソンさん、こんにちは。』

千代乃がウソンに挨拶すると、彼女は口元を袖口で覆いながら千代乃に手招きした。

『ねぇ、ジニさんが組合長を辞めた事はもうご存知?』
『ええ。』
『今日の会合は、新しい組合長を決める為に開かれるのですって。チヨノさん、貴方が選ばれるといいわね。』
『わたしはまだ哈爾浜に来て日が浅いから、そんな重役が務まるかしら?』
『チヨノさんならきっと出来るわよ!』
ウソンがそう言って千代乃を励ましていると、そこへ何かにつけて千代乃を目の敵にしているビョンレが現れた。
『あらチヨノさん、お久しぶりね。』
『お久しぶりです、ビョンレさん。』
『ウソンさん、会合までまだ時間があるからホテルのティールームでお茶でも飲まないこと?チヨノさんもご一緒にいかが?』
『有難うございます、ビョンレさん。』
ビョンレ達と共にホテルのティールームへと入った千代乃は、そこでジニの義母と友人達が談笑している姿に気づいた。
『チヨノさん、どうかなさったの?』
『いいえ、何でもないわ。』
幸い千代乃にジニの義母は気づいていなかったようで、彼女は友人達と共に賑やかな笑い声を上げながらティールームから出て行った。
『チヨノさん、その簪素敵ね。』
『有難う。この簪、ジニさんから頂いたのよ。何でも、ジニさんのお母様の形見なのですって。』
『ジニさんのお母様って、朝鮮一の妓生と謳われていたお方なのでしょう?それなのに、どうしてあんな死に方をなさったのかしら?』
『あんな死に方?』
『あら、チヨノさんはまだご存知ないのね。ジニさんのお母様は、表向きは病死だって言われているけれど、噂では本妻に苛め抜かれて殺されたそうよ。』
『まあ・・』
ビョンレの口からジニの母親の死に対する衝撃的な事実を知り、千代乃は驚きの余り絶句した。

『わたしの母が、ジニさんのお母様の昔の妓生仲間でね、ジニさんのお母様があの男のお妾さんになった後も仲良くしていたのだけれど、うちに来る時、いつもジニさんのお母様はみすぼらしい格好をしていたわ。あの男の本妻に服も髪飾りも全部取り上げられたみたいでね。食事なんか家畜の餌同然のものを与えられていたそうよ。』
『酷い・・同じ人間なのに、どうしてそんな事を・・』
『チヨノさん、ひとつ教えてあげるわ。この哈爾浜でも、朝鮮でも言えることは、両班以外は人間扱いされないという事よ。わたし達は、あいつらの目から見たら獣同然の存在なんだから。』
会合の帰り、千代乃は満韓楼への帰路に着きながら、何度もビョンレの言葉を思い出していた。

“わたし達は、あいつらの目から見たら獣同然の存在なんだから。”

(まだ、この哈爾浜には・・いいえ、この世界には知らない事が沢山ある。わたしは、今まで日本で幸せに暮らしていたんだわ・・)

そんな事を思いながら千代乃が道を歩いていると、突然目の前に一台の車が自分に向かって突っ込んで来ようとしていた。

「危ない!」

恐怖で身が竦み、動けなくなった千代乃を一人の男性が助けてくれた。

「助けてくださり、有難うございます。」
「何をしているんだ、貴方は!自殺するつもりなのか!?」

千代乃の命を助けた男性は、そう千代乃を怒鳴りつけると、何処かへと行ってしまった。


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最終更新日  2016.09.14 14:33:47
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2016.07.22
カテゴリ:連載小説:茨の家

千代乃に拳で顔を殴られたジョンスは派手な悲鳴を上げてのたうち回り、その隙にユソンは他の妓生達が居る部屋へと逃げ込んだ。

『殴ったな、この俺を、下劣な妓生のお前が!』
ジョンスは怒りに滾った目で千代乃を睨みつけ、美しく結い上げていた千代乃の髪を掴んで自分の方へと引き寄せると、両手で千代乃の首を絞め始めた。
『殺してやる、お前なんか殺してやる!』
千代乃は酸素を求めて苦しく喘ぎながら、自分の上に馬乗りになったジョンスの顔を爪で引っ掻いた。
『このアマ、思い知らせてやる!』
千代乃に顔を引っ掻かれて更に激昂したジョンスは、千代乃の首を絞める力を強めた。
その時、風が唸るような音とともに、ジョンスの姿が一瞬にして千代乃の視界から消え去った。
何が起こったのかが解らず、千代乃が起き上がってチマについた砂を払っていると、そこへ一人の長髪の男が現れた。
『大丈夫ですか、チヨノ様。』
『ええ。貴方は、誰?』
『自己紹介が遅れました。わたしは本日から満韓楼の用心棒を務めさせていただきます、ユニョクと申します。』
そう言って千代乃に自己紹介した男・ユニョクは、千代乃の背後で伸びているジョンスを見た。
『この男を如何なさいますか、チヨノ様?』
『そうね・・』

千代乃はユニョクの耳元で、ある事を囁いた。

『さっきは助かったわ、有難う。』
『いいえ。あの男とは、知り合いなのですか?』
『ある意味そうだけれど、余り関わり合いたくない人ね。ねぇユニョクさん、貴方はどうして満韓楼の用心棒になったの?』
『先ほどジニお嬢様から、貴方様宛の手紙を預かって参りました。』
ユニョクはそう言うと、千代乃に一通の手紙を差し出した。
千代乃がその手紙に目を通すと、そこには万が一の時に満韓楼の用心棒として自分の友人であるユニョクを雇ってくれという内容がジニの流麗な字で書かれていた。
『これから宜しくね、ユニョクさん。』
『こちらこそ宜しくお願い致します、チヨノ様。』
『そんなかしこまった言い方はしないで。女将さんと呼んでくださいな。』
『解りました。女将さん、これからわたしは何をすればよろしいでしょうか?』
『そうね。今から買い物に付き合ってくださらないこと?』
『かしこまりました。』
満韓楼を出て市場へと買い物に向かった千代乃とユニョクは、広場に人だかりが出来ている事に気づいた。
ちらりと横目で広場を見ると、そこには全裸で柱に縛り付けられているジョンスの姿があった。
『誰か、助けてくれ~!』
『さてと、行きましょうか。』
午前中に買い物を終えた千代乃とユニョクが満韓楼へと戻ってくると、ユソンが二人の元へと駆け寄って来た。
『女将さん、先程は助けて頂いて有難うございました。』
『貴方、身体の方は大丈夫なの?さっきあの男に酷く殴られていたけれど・・』
『ああ、それならさっき薬湯を飲んだので大丈夫です。それよりも女将さん、会合に行ってください。』
『わたしが留守にしている間、余り無理をしないでね、ユソンさん。』
『はい。』

満韓楼を出た千代乃とユニョクが花柳界組合の会合場所であるホテルへと到着したのは、12時過ぎの事だった。

『あらチヨノさん、こんにちは。』

ホテルのロビーでそう千代乃達に挨拶をしてきたのは、組合員の一人であるウソンだった。

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最終更新日  2016.07.22 07:06:36
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2016.07.15
カテゴリ:連載小説:茨の家

『今お飲み物をお持ちしますね。』
『ええ、頼むわ。』

ファヨンが席を外すのを見たジニは、ゆっくりと千代乃の前に腰を下ろした。

『それで、わたくしに相談したい事とは何かしら、ジニさん?』
『貴方は、わたくしと兄との関係の事をどこまでご存知なの?』
ジニはそう言うと、千代乃を見た。
『貴方のお兄様が貴方を愛していらっしゃることを聞いたわ。』
千代乃がジニの質問に正直に答えると、ジニは安堵したような表情を浮かべた。
『よかった、貴方は口が堅そうね。』
ジニは少し身を乗り出すと、千代乃の耳元に何かを囁いた。
『それは、確かなの?』
『ええ。月のものが二月ほど遅れていたから、お医者様に診て貰ったの。そしたら、二ヶ月に入っているのですって。』
ジニから妊娠を告げられた千代乃は、彼女を祝福した。
『おめでとう。お腹の子の父親はどなたなの?』
『兄の子ですわ。兄に知らせたら、是非産んで欲しいと言われましたの。でも・・』
ジニの顔が急に曇った事に気づいた千代乃は、彼女が次の言葉を継ぐまで待った。
『あの人達がこの事を知ったら、黙ってはいないと思うの。』
千代乃の脳裏に、ジニの義母とその息子の顔が浮かんだ。
妾の子であるジニを子供の頃から虐げて来た彼らが、彼女の妊娠を知ったら何をしでかすのかわからない。
『お兄様は何とおっしゃっているの?』
『兄は英国に知り合いが居るの。その方に兄が相談したら、英国に来てくれとその方から言われて、わたくしも兄についていくつもりです。』
『そう。いつ英国へ発つの?』
『明朝です。だから、チヨノさんとお会いするのはこれで最後になりますわ。』
ジニはそう言って千代乃に微笑むと、おもむろに髪に挿していた簪を抜き、千代乃に手渡した。
『チヨノさん、貴方と知り合えて良かったわ。わたくしは、貴方の事を大事なお友達だと思っているの。だから、この簪を―母の形見を貴方に差し上げるわ。』
『ジニさん、大切にするわ。お兄様と―ヨンス様と幸せになってね。』
『有難う、幸せになるわ。』
ジニと千代乃が互いの手を握り合った時、ファヨンが冷えた茶を持って部屋に入って来た。
『じゃぁ、わたくしはここで失礼するわ。』
満韓楼の前でジニは車に乗ると、そう言って千代乃に向かって手を振った。
『ジニさんのお話は何だったのですか?』
『個人的なお話よ。ファヨンさん、午後の予定は何かあったかしら?』
『1時から哈爾浜花柳界組合の会合があります。夜7時からは哈爾浜ホテルでパーティーが・・』
『そうだったわね。午前中は何も予定がないから、お昼までゆっくりすることにするわ。』
『何かありましたら、呼んでください。』
『ええ、解ったわ。』
千代乃が自室に戻って読書をしていると、急に外が騒がしくなった。
『何かあったの?』
『女将さん、助けてください!』
千代乃が自室から出て中庭の方を見ると、そこにはジョンスに髪を掴まれて殴られているユソンの姿があった。
『うちの妓生に何をなさっているのですか、やめなさい!』
『余所者が口を挟むな!生意気な女を懲らしめるのにはこうしたやり方が一番なんだ!』

ジョンスはそう言って千代乃に唾を吐きかけると、ユソンの下腹を執拗に蹴り続けた。

『やめなさいと言っているでしょう!』

ジョンスの横暴な振舞いに堪忍袋の緒が切れた千代乃は、そう叫ぶなり彼の頬を拳で殴っていた。

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最終更新日  2016.07.15 07:12:08
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2016.07.08
カテゴリ:連載小説:茨の家

『おはようございます。』
『おはようございます、トシゾウ様。昨夜は良く眠られましたか?』

翌朝、歳三がアバーモフ伯爵邸のダイニングルームに入ると、ドミトリィが笑顔を浮かべながら彼に挨拶してきた。

『ええ、まぁ・・それよりも、伯爵はどちらに?』
『あぁ、父は朝の日課の散歩に出ています。暫くしたら戻る事でしょう。』
ドミトリィはそう言って母・ヒルデの方を見たが、彼女は不機嫌な表情を浮かべながら紅茶を飲んだ後、そのままダイニングルームから出て行ってしまった。
『何か奥様の気に障るような事を言ってしまいましたか?何せ露西亜語にはまだ疎いものですから・・』
『母は時々気分の浮き沈みが激しくなるのです。トシゾウ様の所為ではありませんから、どうぞご安心ください。』
ヒルデの退室が、自分の所為なのではないかと思っている歳三に、そう言って彼を安心させたドミトリィがコーヒーを飲んでいると、そこへ朝食のワゴンを押したアデリアが入って来た。
『トシゾウ様、おはようございます。』
アデリアはそう言うと、歳三に微笑んだ。
『おはよう。』
歳三が彼女に素っ気なく挨拶すると、彼女はそれが気に入らなかったようで、不快そうに顔を顰(しか)めた。
「兄さん、僕はこれからドミトリィさんとウラジオストク市内を観光するよ。仕事で根詰めてばかりいると倒れてしまうからね。」
「息抜きは必要だ。気を付けて行って来いよ。」
「わかったよ。」
朝食後、彬文とドミトリィを玄関ホールで見送った後、歳三が客室に戻ろうとすると、部屋の前にはアデリアが立っていた。
『何か俺に用か?』
『昨夜は余り乗り気ではありませんでしたね。』
アデリアはそう言うと、歳三にしなだれかかった。
彼女の身体から、芳しい薔薇の香りがした。
『メイドの癖に香水をつけてるのか?』
『旦那様はわたくし達に香水をつけるように義務付けていらっしゃるのです。それよりもトシゾウ様、今からわたくしと楽しい時間を過ごしませんか?』
『こんな朝っぱらから盛る気はねえよ。俺の事は放っておいてくれ。』
『まぁ、つれない方。』
アデリアはクスクスと笑いながら、そう言うと歳三の元から離れた。
『アデリア、またあんたあの日本人にちょっかいを出してるの?』
『あらオルガ、盗み聞きしていたの?』
アデリアは同僚のオルガの方を見ると、彼女は大袈裟な溜息を吐きながらアデリアを呆れ顔で見た。
『ドミトリィ様から、あの方にはちょっかいを出すなって言われているじゃないの?どうして勝手な事をするのよ?』
『あの方が気になって仕方がないの。それに、わたしがあの方の恋人に似ているのですって。でも、似ているのは顔だけみたい。』
『へぇ、どんな人なのか気になるわね、あの方の恋人。』
『こら、そこの二人!喋っている暇があったら仕事なさい!』
廊下でアデリアとオルガそんな事を話していると、メイド長のユーリアが目敏く二人を見つけて厳しく彼女達を叱った。
『さてと、仕事しないと。』
『そうね。』

メイド服の裾を翻しながらアデリアはオルガと共に階下へと降りていった。

同じ頃、哈爾浜(ハルビン)の満韓楼では千代乃が自室の鏡台の前で化粧をしていた。

『女将さん、今入っても宜しいでしょうか?』
『いいわよ。』
『失礼いたします。』
部屋の扉が開き、ファヨンと共に入って来たのは何処か思いつめたような顔をしたジニだった。
『ごめんなさい、こんな朝早くに伺ってしまって。実は、貴方に相談したいことがあるの。』

ジニはそう言うと、何処か落ち着かない様子でチョゴリの胸紐を指先で弄(いじく)り始めた。

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最終更新日  2016.07.10 08:39:23
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2016.07.01
カテゴリ:連載小説:茨の家

『わたくしに何かご用ですか、トシゾウ様?』

アデリアがそう言って歳三の方を見ると、彼は彼女の手首を掴んで自分の方へと引き寄せた。

『俺がお前を呼んだ目的は、ただひとつ。それ以上は、言わなくても解るだろう?』
『はい。お部屋に案内致します。』
『ああ。』
シガレット・ルームから仲良く連れ立って二人が出て来る姿を、柱の陰から誰かが見ていた。
『ここです。』
『なかなかいい部屋じゃねぇか。使用人の部屋にしては調度品や家具は見た所高級品そうだし。』
『わたくしの部屋ではありませんわ。お客様専用の部屋です。』
アデリアはドアを閉め、内側から鍵を掛けた後、歳三にしなだれかかった。
『お客様専用、というのは?』
『旦那様は、わたくし達に夜伽をさせているのです。奥様やお子様達は、旦那様の趣味を知りながらも黙認しております。』
『つまり、ここは主人公認の売春宿なんだな?』
『そのような下衆な言葉は使わないでくださいませ。せめて、娼館とおっしゃってくださいな。』
『言葉を変えても、意味は同じじゃねぇか。』
アデリアは歳三の言葉に笑うと、彼を寝室へと案内した。
『お喋りはもう止めましょう。』
アデリアは歳三を寝台の上に押し倒すと、着ているワンピースのボタンを外し始めた。
『随分と積極的だな?ご主人様にそう躾けられたのか?』
『ええ。昼は旦那様が主導権を握っておりますが、夜はわたくしが主導権を握っております。』
『そうか。俺の恋人とは大違いだ。』
歳三はアデリアの豊満な乳房を揉みながら、千代乃との情事を思い出していた。
顔は似ていても、千代乃はアデリアのように自ら服を脱ぐような事はしなかった。
『どうかなさいましたか?』
『いや、何でもない。』
『どうやら、貴方の恋人はわたくしとは違ってお淑やかな方だったのでしょうね。』
アデリアはそう言ってクスリと笑った後、歳三の股間に顔を埋めた。
彼のものが欲望に滾ったのを確認すると、アデリアは歳三の上に跨り、腰を揺らし始めた。
久しぶりの情事だというのに、それは呆気なく終わった。
『余り乗り気ではなかったようですわね。』
アデリアが歳三にしなだれかかりながらそう言って彼を見ると、歳三は不機嫌そうな顔をして眉間に皺を寄せた。
『少しここで休む。もうお前に用はない。』
『かしこまりました。』
アデリアが部屋から出て行くと、廊下にはドミトリィの姿があった。
『神出鬼没ですわね、ドミトリィ様。どうしてわたくしがこちらに居ると解ったのですか?』
『とぼけるな、アデリア。お前がトシゾウ様に興味を抱いていることくらい知っている。』
ドミトリィがそう言ってアデリアを睨むと、彼女は薄笑いを浮かべた。
『何がおかしい?』
『ドミトリィ様、わたくしのやり方に口を挟まないでくださいませ。』
『僕はお前がどうしようが詮索するつもりも、邪魔するつもりもない。だが、トシゾウ様だけには手を出すな。』

ドミトリィはそうアデリアに吐き捨てるように言うと、彼女に背を向けて去っていった。

(厄介な方ね・・)

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最終更新日  2016.07.01 15:27:38
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