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JEWEL

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完結済小説:翡翠の君

2014年01月24日
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※BGMとともにお楽しみください。

「初めまして、高田敏明です。」
「初めまして、長谷川眞琴と申します。」
「眞琴さんは、箏の先生をされているんですよね?」
「ええ。敏明様はなにをされているのですか?」
「僕はまだ学生で・・」
「あら、そんな事気にしませんわ。わたくしだってこの前まで女学生だったんですもの。」
「そうですか・・」
敏明と会った後、歳三は眞琴を自分の部屋に呼び出した。
「この縁談、進めていいんだな?」
「ええ。わたくし、高田様のことを気に入りました。」
「そうか・・」
歳三はそう言うと、千尋の仏壇の前に座った。
「千尋、眞琴の花嫁姿をお前ぇと見たかったな・・」
「お父様・・」
歳三の背中が小さく震えていることに気づいた眞琴は、そこへそっと顔を寄せた。
数ヶ月後、眞琴と敏明は結納を交わし、後は祝言を挙げるのを待つだけだった。
「眞琴、これをお前ぇにやる。」
「それは、お母様の・・」
「千尋が・・あいつが俺に嫁いで来た時に、髪に挿していた鼈甲の櫛と簪だ。」
「ありがとうございます、お父様。一生大切にいたします。」
眞琴はそう言うと、歳三から千尋の形見である鼈甲の櫛と簪が入った桐の箱を受け取った。
「何だかこっちまでわくわくしちゃうねぇ、あたしももう一度嫁に行こうかねぇ?」
「まぁ、雅代様ったら。」
実家の床の間に置かれた衣桁に掛けられてある白無垢を雅代と眺めながら、眞琴はそう言って笑った。
眞琴と敏明の祝言は、紅葉映える秋の日に行われた。
「眞琴ちゃん、おめでとう。幸せになってね。」
「ありがとうございます、雅代様。」
「眞琴、そろそろ出発しねぇと祝言の時間に間に合わねぇぞ!」
「わかったわ、お父様。」
白無垢を纏い、唇に紅をひいた眞琴は、まるで天から舞い降りた天女のように美しかった。
「幸せになるんだぞ、眞琴。」
「わかりました。」
「きっと、千尋も空からお前ぇの花嫁姿を見ているだろうよ。」
「ええ・・」
“いぶき”を出発した花嫁行列を見る為に、近所の住民達が集まって来た。
「あれ、眞琴ちゃんじゃないかい?」
「いやぁ、あんなに小さかった眞琴ちゃんが綺麗になって・・」
「幸せにお成りよ~!」
馬に乗った眞琴は、住民達から祝福の言葉を受けながら、彼らに笑顔を浮かべた。
眞琴が嫁ぎ先である高田邸へと着くと、そこには黒紋つきの羽織袴姿の敏明が玄関先で彼女を待っていた。
「眞琴さん、これから宜しくお願いします。」
「わたくしの方こそ、宜しくお願い致します。」
眞琴はそう言って敏明に頭を下げると、彼に手をひかれながら高田邸の中へと入っていった。
高田邸の大広間で祝言を挙げた眞琴は、そっと髪に挿している鼈甲の簪に触れた。
今この瞬間にも、千尋が自分の花嫁姿を見てくれているような気がした。
「どうしました?」
「いいえ・・」
「余り緊張しないでください。」

敏明はそう言うと、眞琴の手をそっと握った。

―完―


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Last updated  2014年02月04日 09時20分07秒
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「内藤さん、わたしもあなたに話したいことがあるんです。」
「話、ですか?」
「ええ。単刀直入に申し上げますが・・眞琴さんをわたしの娘にしていただけないでしょうか?」
「それは、どういう意味ですか?」
「わたしが長谷川流の家元を継いでもう十年余りになりますが、残念ながらわたしは幼い頃に罹った病が原因で、子が出来ぬ身体となってしまったのです。」
「そうですか・・」
「眞琴さんは、今までわたしが教えた生徒の中で、優秀な子です。それに、人を見る目もあります。あの子になら、長谷川流を任せられます。」
「今夜、娘に話してみます。」
「ありがとうございます、では宜しくお願い致します。」
光顕は歳三に向かって頭を下げると、そのまま茶室から出て行った。
「まぁ、先生がわたくしにそんな話を?」
その日の夜、歳三は眞琴を自分の部屋に呼び出し、光顕が自分の跡を眞琴に継がせたがっていることを彼女に話した。
「お前ぇはどうしたいんだ、眞琴?嫌なら断ってもいいんだぞ?」
「わたくしは、三つの頃から光顕先生の下で箏を習ってきました。箏を習う内に、その道を極めるのも良いのではないかと、最近思っているのです・・」
眞琴はそう言うと、姿勢を正して歳三の前に座った。
「お父様、わたくしは長谷川先生の養女になります。長谷川先生の養女となり、先生が守ってこられた長谷川流の跡を継ぎたいと思っております。」
「そうか、お前ぇがそう言うのなら、俺は何も反対しねぇよ。もし今ここに千尋が居たら、あいつも反対しねぇだろう。」
「ありがとうございます、お父様。」
「眞琴、光顕先生に失礼のないようにな。」
「わかりました。」

こうして、眞琴は長谷川光顕の養女となった。

「眞琴先生、お客様がお見えです。」
「わかりました、今行きます。」
光顕の養女となって数ヶ月が過ぎ、長谷川姓となった眞琴は、彼とともに暮らしながら、筝曲教室の講師も務めていた。
「お待たせいたしました、長谷川眞琴と申します。」
「君が土方君の娘さんだね?」
「失礼ですが、あなた様は・・」
「ああ、これは失敬。僕は君のお父さんの古い友人で、大鳥圭介というんだ。」
「お父様のご友人が、わたくしに何かご用ですか?」
「用ってほどでもないけれど・・上がってもいいかな?」
「ええ、どうぞ。客間までご案内致します。」
数分後、長谷川家の客間に入った大鳥は座布団の上に眞琴と向かい合って座ると、一枚の釣書を彼女の前に置いた。
「これは?」
「実は君に、縁談を持って来たんだ。」
「まぁ、わたくしにですか・・ですが大鳥様、わたくしはまだ修行中の身です。結婚などまだ先のことで・・」
「眞琴、そうつれなく言うものではないよ。大鳥さんのお話だけでも聞いておやりなさい。」
「お義父(とう)様・・」
客間に入ってきた光顕はそう娘を諌めると、彼女の隣に腰を下ろした。
「眞琴のお相手は、どなたなのですか、大鳥様?」
「明治政府高官のご子息で、高田敏明様とおっしゃる方だ。現在英国留学中で、日本に帰国次第君と一度お会いしたいとおっしゃっているんだが・・」
「ですがわたくしは・・」
「眞琴、一度だけでも会ってみなさい。」
「わかりました。」

大鳥が眞琴に縁談を持って来てから一週間後、眞琴は縁談相手の高田敏明と、横浜のホテルで会う事になった。


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Last updated  2014年01月24日 14時23分49秒
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2014年01月23日

「お母様、薬湯をお持ちいたしました。」
「ありがとう、眞琴。」
その日の夜、眞琴が薬湯を載せた盆を持って千尋の寝室に入ると、千尋はゆっくりと布団から起き上がり、何かを読んでいる最中だった。
「何をお読みになっているのですか、お母様?」
「今まで書きためていた日記ですよ。」
「そうですか・・見てもよろしいですか?」
「ええ。」
眞琴が千尋の日記に目を通すと、そこには日々のささやかな出来事や家族への想いが綴られていた。
「眞琴、もしわたくしが死んだら、あの長持の中を開けなさい。」
「わかりました、お母様。」
「お父様のこと、頼みますよ・・」
千尋はそう言うと、眞琴に優しく微笑んだ。
数日後の朝、彼は静かに息を引き取った。
「お母様、こんなに早くお亡くなりになられるなんて・・」
千尋の遺体に取り縋って泣きながら、眞琴はまだ温かい彼の手を握った。
「雅代さん、お父様は?」
「部屋で塞ぎ込んぢまっているよ。まぁ、無理もないねぇ・・」
眞琴はそっと、千尋の顔を覆っている白い布を取った。
彼の死に顔は、とても穏やかなものだった。
千尋の初七日の法要を終えた後、眞琴はふと長持を開けてその中にある物を取り出した。
それは、生前千尋がつけていた日記帳だった。
一冊目の日記帳に目を通した眞琴は、そこに書かれてある衝撃的な事実を知り愕然とした。

(お母様は、男性でありながらお父様と夫婦として暮らしていた・・)

眞琴はページを捲る手を震わせながら、歳三と千尋が戊辰の戦を生き延びたこと、会津の戦場で知り合った女性の出産に立ち会い、その子を眞琴と名付けたことなどが書かれてあった。

『眞琴には、実の父親の存在を知らせたくない。いや、寧ろ知らない方がいいだろう。あの男は父親でありながら、眞琴を捨てたのだから。』

「お父様、お話があるの。」
「何だ?」
「わたしの実の、お父様は何処の誰なの?」
「どうして、それを・・」
歳三はそう言うと、眞琴が握っている千尋の日記帳を見た。
「お母様の長持の中から見つけたの。ねぇお父様、わたくしは・・」
「お前ぇは何も心配するな、眞琴。」
歳三は眞琴を抱き締めると、彼女を落ち着かせる為に彼女の背を優しく撫ぜた。
千尋の四十九日の法要が終わった後、光顕が内藤家を訪れた。
「先生、お忙しい中母の為に来て下さってありがとうございます。」
「いえ・・わたしの方こそ、告別式に参列できなくて済まなかったね。」
光顕はそう言うと、眞琴と歳三に頭を下げた。
「長谷川先生、後でお話したいことがあるんですが、宜しいですか?」
「ええ、構いませんよ。」
歳三は光顕とともに、“いぶき”の母屋にある茶室へと入った。
「お話とは、何でしょうか?」
「娘から、物騒な話を聞きましてね・・あなたが、見知らぬ青年に脅迫されているのを見たとか。」
歳三の言葉を聞いた光顕は、突然大声で笑い出した。
「それは誤解ですよ、内藤さん。眞琴さんが見かけた青年は、わたしの遠縁の従弟ですよ。」
「ですが、家を取り戻すと・・」
「それも誤解です。確かにわたしが住む家は、元はその従弟の父親のものでした。しかし、彼には事情があり、あの家を手放すことになったのです。」
「そうなのですか・・」

歳三はそう言うと、光顕が点(た)てた茶を飲んだ。


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Last updated  2014年01月23日 21時48分15秒
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17年前、吉原・黄尖閣の牡丹太夫を砒素(ひそ)で毒殺したのは、かつて牡丹太夫が振袖新造(ふりそでしんぞう)であった頃に牡丹太夫から熱湯をかけられ、顔に醜い火傷を負った黄尖閣の下男・六郎だった。
六郎はかつて翡翠と呼ばれ、いずれ黄尖閣一の太夫となるといわれていた。
だがその才能に嫉妬した牡丹が、六郎に些細な言いがかりをつけて彼に熱湯を浴びせた。
その所為で顔に酷い火傷を負った六郎は、太夫となることを諦め、黄尖閣の下男となった。
六郎失脚後、牡丹太夫が黄尖閣の看板を背負うことになり、六郎は間近で太夫として輝く牡丹の姿を毎日見る事になった。
そしていつしか彼の中では、牡丹に失脚させられた積年の恨みが募ってゆき、それは憎悪となって爆発した。
六郎はあの日、牡丹に砒素入りの茶を飲ませる前に、毒味と称して自分も毒入りの茶を飲んだ。
だが砒素入りの飴玉(あめだま)を毎日舐めて砒素に耐性がついていた六郎は中毒を起こさなかった為、彼を信用した牡丹は何も疑わずに毒入りの茶を飲み、そのまま死んだ。
「と、事件の真相はこんなものです。」
「人の恨みっていうのは、恐ろしいもんだなぁ・・」
「ええ。六郎は牡丹を殺してはじめて、安らかな気持ちになったと供述しております。恐らく彼は牡丹が生きている限り、一生彼への憎しみを抱えたまま生きていくのが嫌だったんでしょう・・」

山田が去った後、一人になった歳三は溜息を吐いて冷えた茶を飲んだ。

牡丹太夫は才能こそあれど、その才能をひけらかし、周囲に尊大な態度を取って敵を作っていた。
もっと彼が謙虚であれば―ライバルである六郎を卑劣な真似をして蹴落とすようなことをしなければ、彼は命を取られるようなことはなかっただろう。

「お父様、もうお客様とお話は済みましたの?」
「ああ。眞琴、稽古はどうだった?」
「先生は今日もわたくしのことを褒めてくださいました。けれど、稽古が終わった後、先生に会いに来た方が何やら物騒な話をしていて・・」
「物騒な話?」
「ええ。何でも、先生の家はかつて自分の父親の家だったから、父親が生きている内に返してもらうとかなんとか・・お父様、警察を呼んだ方がいいのでは?」
「放っておけ。先生とその人との間の問題に、お前ぇが口を挟む資格はねぇ。」
「ですが・・」
「お父様の言う通りですよ、眞琴。」
「お母様・・」
母屋から離れに戻ってきた千尋がそう言って自分を見つめていることに気づいた眞琴は、そっと目を伏せた。
「眞琴、あなたはもう女学校を卒業したのですから、これから己の道を見つけなければなりませんよ。」
「わかっています、お母様。ですが、これからどうすればよいのかわたくしにはわかりません。」
「焦らなくてもいいのです。今はただ、己に出来る事を為せばいいのですよ。」
「わかりました、お母様。」
「もうこんな時間ですから、お昼にしましょうね。」
千尋がそう言って台所へと向かおうとした時、彼は胸に鋭い痛みが走り、流しの前に蹲った。
「お母様、しっかりしてください!」
「千尋、今医者呼んで来るからな!」
町医者が“いぶき”の離れに来たのは、歳三が離れを飛び出して数分後のことだった。
「心臓が少し弱っているね。余り無理をさせない方がいいよ。」
「わかりました。先生、お忙しいのに診察に来て下さってありがとうございました。」

歳三はそう言うと、町医者に向かって頭を下げた。


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Last updated  2014年01月23日 14時29分21秒
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2014年01月22日

「それではお母様、行って参ります。」
「気をつけるのですよ。」
眞琴が光顕の元へと向かうと、彼は眞琴の女学生姿を見て嬉しそうに目を細めた。
「眞琴さん、女学校卒業おめでとう。」
「ありがとうございます、先生。今日もご指導、お願い致します。」
「わかったよ。それじゃぁ先週のおさらいを・・」
光顕がそう言って稽古を始めようとした時、稽古場に女中が入ってきた。
「どうしたんだい?」
「旦那様にお会いしたいという方がいらっしゃって・・」
「今は稽古中だ、お客様に待っていただくように言いなさい。」
「はい・・」
女中はそう言って光顕と眞琴に頭を下げると、稽古場から出て行った。
「お客様がいらっしゃるのでしたら、わたくしは失礼致します。」
「別に会わなくてもいい客だ。さてと、稽古を始めようか。」
稽古の後、眞琴が光顕と稽古場で茶を飲んでいると、そこへ一人の青年が入ってきた。
「先生、今日こそ僕のお話を聞いて頂きますよ。」
「くどい、君の話なんぞ聞きたくない。帰りたまえ。」
「そうは参りません。」
青年はそう言うと、光顕の前に腰を下ろした。
「先生、こちらの方はどなたです?」
「眞琴君、君が気にするような人ではないよ。今日はもう帰りなさい。」
「はい。先生、お茶を頂いてありがとうございました。わたくしはこれで失礼致します。」
眞琴がそう言って光顕に頭を下げると、青年の執拗な視線を浴びた。
「わたくしに何かご用ですか?」
「いいえ・・」
「先生、またお稽古、宜しくお願い致します。」
「気を付けて帰るんだよ。」
眞琴が帰った後、光顕は青年の方へと向き直った。
「君は・・いいや、君のお父上は、一体何故この邸に執着するんだ?」
「それはこの邸が、かつて我が家のものだったからです。僕は、父が生きている間にこの邸を取り戻したいだけです。」
青年はそう言うと、光顕を見た。
「一度、君のお父上とお会いして話をしてみよう。」
「わかりました。では僕はこれで失礼致します。」
眞琴が帰宅して“いぶき”の母屋に入ると、そこには雅代と見知らぬ男が何かを話していた。
「雅代様、ただいま戻りました。」
「あら眞琴ちゃん、お帰り。」
「そちらの方はどなたです?」
「こちらの方は、山田庄治さん。あんたのお父さんの古い知り合いだってさ。」
「初めまして、内藤眞琴と申します。父なら離れにおります。」
「そうですか。あなたが、内藤さんの娘さんですか。」
洋装姿の男―山田庄治はそう言うと、眞琴を見た。
「離れまでわたくしが案内致します、どうぞ。」
「わざわざ済まないね、ありがとう。」
眞琴が山田とともに離れへと向かうと、歳三が愛刀を磨いているところだった。
「お父様、お客様がいらしております。」
「俺に客?」
「ええ、山田様とおっしゃる方です。」
「山田?」
「お久しぶりです、土方さん。山田です、覚えておられますか?」
「山田か・・元気にしていたか?」
「ええ、お蔭さまで。」
「お父様、わたくしお茶を淹れて参ります。」
眞琴がそう言って離れから出た後、歳三は山田の方へと向き直った。
「どうして俺がここに居るってわかったんだ?」
「大鳥さんにあなたの消息を尋ねたら、ここの住所を教えて頂いたんです。さっきの方は、娘さんですか?」
「ああ。といっても、眞琴は俺の実の娘じゃねぇけどな。それよりも山田、ここに何をしに来た?」
「吉原の黄尖閣で牡丹太夫を殺した犯人が、捕まりました。それを土方さんにご報告したくてこうして伺いました。」
「そうか・・」


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Last updated  2014年01月22日 13時35分07秒
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「旦那様、内藤ご夫妻がお見えです。」
「そうか、客間に通してくれ。」
来たか―石田はそう思いながら、先程読んでいた新聞から顔を上げた。
彼が客間に入ると、来客用のソファには歳三と千尋の姿があった。
「いらっしゃいませ、内藤さん。今お茶を・・」
「結構だ。」
歳三はそう言うと、石田を睨んだ。
「あんたが眞琴の実の父親ということは、千尋から聞いてる。それに、この前“いぶき”に渡世人を送りこんで眞琴を拉致しようとしたのも、あんただよな?」
「何を根拠にそんな出鱈目(でたらめ)を・・名誉棄損で訴えますよ?」
「俺が証拠もなしにあんたにそんな事を言うと思っているのか?」
自分を見つめている歳三の紫紺の双眸が、怒りに満ちて鋭い輝きを放っていることに石田は気づいた。
「眞琴はお前ぇらには渡さねぇ。それだけをあんたに言いに来たんだ。」
歳三はそう言った後、千尋とともにソファから立ち上がり、客間から出た。
「待ってくれ、わたしは・・」
「あんたが東京帝国大学の教授になれたのは、あんたの奥さんの父親のコネがあったからなれたんだろう?この事をあんたの舅に言いつけたら、どうなるかわかっているよな?」
玄関ホールから外へと出て行こうとする歳三達の後を慌てて追った石田は、そんな言葉を歳三に投げつけられ、まるで金縛りに遭ったかのようにその場から動けなかった。
「お願いだ、義父にはこの事を言わないでくれ。」
「じゃぁ、あんたの悪事を世間に公表しない代わりに、あんたは眞琴を諦めるんだな。それが、条件だ。」
「そんな・・」
「あんた、奥さんとの間に息子が居るって聞いたぜ?眞琴以外にも自分の血を分けた我が子が居るんだから、眞琴に執着しなくてもいいだろう?」
歳三はそう言うと、自分に怯えている石田の顔を覗きこんだ。
「わかった・・条件を呑もう。」
「そうか。」
歳三は石田に微笑むと、そのまま彼に背を向けて千尋とともに石田邸を後にした。
「あれで、あの方が眞琴を諦めるでしょうか?」
「さぁな。諦めてくれといいんだが・・」
また石田が眞琴を拉致しようと妙な真似をするのではないかという不安に駆られた歳三と千尋だったが、それは杞憂に終わった。
「綺麗だねぇ、眞琴ちゃん。まるでお姫様みたいだよ。」
「ありがとうございます、まさよさん。」
七五三を迎えた眞琴は、雅代がこの日の為に誂えてくれた振袖に袖を通すと、嬉しそうに雅代に礼を言って彼女に頭を下げた。
「可愛いなぁ、本当にお姫様みたいだ。」
歳三はそう言うと、眞琴を抱き上げた。
七五三のお参りに行った後、歳三達は写真館で家族写真を撮った。
「やっぱり何度見ても、眞琴は可愛いなぁ。」
「旦那様ったら・・」
振袖姿の眞琴を見ながら何度もそう呟く歳三を見て、千尋はそう言って苦笑した。
「まぁ、放っておいておやりよ。歳三さんにとって、眞琴は可愛い娘なんだからさ。」
「そうですね・・」

千尋はそう言うと、雅代と互いの顔を見て笑い合った。

14年後―1891(明治24)年3月、17歳となった眞琴は女学校を卒業した。

「千尋、女学校卒業おめでとう。」
「ありがとうございます、お母様。」
「眞琴が女学校卒業かぁ・・あんなに小さかったのになぁ・・」

歳三はそう言うと、美しく成長した娘の姿を見て溜息を吐いた。


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Last updated  2014年01月22日 11時10分42秒
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2014年01月21日

「なんだ、てめぇ!?」

母屋に入ってきた歳三を睨みつけた男は、そう言うと雅代の喉元から匕首を話さずに、彼を睨みつけた。

「それはこっちの台詞だ。てめぇ一体何者だ?」
「ふん、そんなのお前ぇには知ったこっちゃねぇだろう、今から死ぬ奴にはよ!」
「へぇ、そうかい・・だったら、こっちも容赦しねぇぞ。」
男は雅代を突き飛ばすと、歳三に向かって匕首を振り翳した。
歳三は咄嗟に身を屈めると、男の向う脛を蹴りあげた。
「畜生、舐めやがって!」
痛さに顔を顰めた男はそう叫ぶと匕首を投げ捨て、腰に差していた長ドスを抜いた。
男は獰猛な獣を思わせるかのような目つきで歳三を睨むと、上半身裸になった。
すると彼の背に彫られた鮮やかな龍の刺青が戸口から漏れる微かな陽光に照らされて、蒼い輝きを放った。
「いくぞ・・」
歳三は男と間合いを取ると、男が先に攻撃を仕掛けてくるのを待った。
「おい、何ぼけっとそこで突っ立ってやがる?まさか、今更俺が怖いんじゃねぇだろうなぁ?」
「てめぇ、馬鹿にするんじゃねぇぞ!」
男は歳三の挑発に乗り、勢いよく彼に突進してきた。
その隙を狙った歳三は、素早く身体を反転させ、男の後頭部に拳を叩き込んだ。
「ぐえっ!」
蛙が地面に踏みつぶされるかのような声を出した男は、そのまま地面に倒れた。
「ふん、ざまぁねぇな。」
歳三はそう言うと、しずの身体を縛めている荒縄を切った。
「ありがとうございます。」
「雅代さん、無事ですか?」
「ああ。」
「この男と面識はありますか?」
「ないよ。さっき突然来てね、眞琴ちゃんは何処だって聞いて来たんだよ。」

(こいつの狙いは、眞琴か・・)

昨日千尋から聞かされた話を思い出した歳三は、この男を送りこんだのは石田だとにらんだ。
「おい、起きろ。」
男を“いぶき”の母屋の外れにある土蔵に監禁し、歳三はそう言うと男に頭から冷水を浴びせた。
男は歳三の顔を見て彼から逃げようとしたが、天井から両足首を荒縄で縛られて逆さ吊りにされているので動けなかった。
「なぁ、俺は何もお前ぇを取って食おうとしている訳じゃねぇんだ。ただ、誰に頼まれて此処に来たのかを教えて貰いてぇだけなんだよ。」
そう男の耳元で甘い声でそう囁く歳三だったが、男は歳三が悪魔に見えた。
「俺は何も知らねぇ・・」
「ふぅん、そうか。なら、お前ぇが吐くようにするまでのことだ。」
歳三はにっこりと男に微笑むと、五寸釘を彼に見せた。
「おい、何する気だ!?」
「別に。」

数分後、土蔵の中から男の絶叫が聞こえた。

「また、あれをしましたか・・」
「あれって何だい?」
「いえ、ただの独りごとです。雅代さん、しずさん、お怪我はありませんでしたか?」
「ああ。歳三さんが来てくれなかったら、あたしら二人ともあいつらに殺されていたよ。」

土蔵で歳三による苛烈な拷問を受けた男は、歳三に自分に眞琴を拉致するよう指示した者の名を告げた。


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Last updated  2014年01月21日 21時47分50秒
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翌朝、千尋と歳三は雅代に、眞琴の実父に会った事を話した。

「そうかい、その石田って人、本気で眞琴ちゃんを引き取ろうとしているのかい?」
「ええ。ですが、あちらに眞琴は渡せません。三年前、あの男は眞琴を捨てた癖に、今更眞琴を引き取って育てたいなんて・・何かを企んでいるに違いありません!」
「まぁ、眞琴ちゃんを余り一人にさせないことだね。箏の先生の家に行く時は、うちのしずをお供につければいいよ。」
「申し訳ありません、雅代さんにご迷惑ばかりお掛けしてしまって・・」
「困った時はお互い様だろう?それにね、あたしは眞琴ちゃんのことを実の孫のように思っているんだよ。」
雅代はそう言うと、千尋に微笑んだ。
「かあさま、いってまいります。」
「気を付けて行くのですよ。」
「では千尋さん、行って参ります。」
「しずさん、どうか眞琴のことを宜しくお願いしますね。」
「はい、わかりました。眞琴お嬢様、参りましょうか。」
光顕の元へ箏の稽古に行く時は、しずが眞琴を送り迎えする事になった。
「先生、今日も眞琴お嬢様の事、宜しくお願い致します。」
「わかったよ。稽古が終わり次第、“いぶき”さんに連絡するからね。」
「では、わたしはこれで失礼致します。」
しずはそう言って光顕に頭を下げると、長谷川邸から出て行った。
「せんせい、きょうもよろしくおねがいいたします。」
「眞琴ちゃん、今日も宜しくね。」
光顕は眞琴に微笑むと、そっと箏の前に座った。
稽古が終わり、光顕はしずが眞琴を迎えに来るまで彼女とお手玉をして遊んでいた。
「先生、すいません。」
「いえいえ、時々こうやって眞琴ちゃんと遊んで童心にかえるのもわたしにとってはいい刺激になります。」
「せんせい、ありがとうございました。」
しずに手をひかれて長谷川邸から出て来た眞琴を、建物の陰から一人の男が見ていた。
「女将さん、ただいま戻りました。」
「お帰り、しず。眞琴ちゃん、お腹空いたろう?おやつにしようか?」
「はい!」
「じゃぁ、手を洗っておいで。しず、眞琴ちゃんを厠へ案内しておやり。」
「はい。」
しずと眞琴が厠へと立った後、“いぶき”の中に一人の男が入ってきた。
「いらっしゃいませ。」
「女将、ここに眞琴という女の子がいるな?その子は今何処に居る?」
「さぁ、そんな子は知りませんねぇ。失礼ですがお客様、お名前は?」
「とぼけるな、女将!早く眞琴の居場所を教えろ、さもないと痛い目に遭うぞ!」
男はそう叫ぶと、雅代の喉元に匕首(あいくち)を突き付けた。
「女将さん、どうなさって・・きゃぁ~!」
眞琴の手をひいて厠から戻ってきたしずは、雅代に匕首を突き付けている男の姿を見て悲鳴を上げた。
「騒ぐな、女!騒ぐとお前も痛い目に遭わせるぞ!」
「眞琴お嬢様、早く離れにお逃げ下さいませ!」
男に気づかれぬよう、しずは眞琴を離れへと逃がした。
「どうした、眞琴?どうして泣いているんだ?」
「へんなおとこのひとが、おもやに・・」
「千尋、眞琴を頼む。俺は母屋に行って来る。」
「旦那様、これを。」
千尋はそう言うと、歳三に彼の愛刀を渡した。
「お気を付けて。」
「ああ。」

歳三が母屋へと向かうと、そこではしずが柱に身体を縛りつけられており、雅代は匕首を持った男に人質に取られていた。

「てめぇ、何者だ!」

歳三はそう男に叫ぶと、愛刀の鯉口を切った。


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Last updated  2014年01月21日 13時11分03秒
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2014年01月20日

「降りる時は、お足元にご注意ください。」

馬車が石田邸に着いた後、先に馬車から降りた執事はそう言いながら、千尋と眞琴を邸の中へとエスコートした。
「旦那様、内藤様を連れて参りました。」
「そうか。」
「失礼致します。」
石田邸の客間に入った千尋は、ソファに石田と見知らぬ女性が座っているのを見て、その女性が石田の妻であることに気づいた。
「かあさま、この人だぁれ?」
眞琴はそう言うと、不安げな顔をして千尋を見た。
「この方は、お母様のお知り合いですよ。さぁ眞琴、ご挨拶なさい。」
「はじめまして、ないとうまことともうします。」
「君が眞琴ちゃんか、可愛いねぇ。」
石田は眞琴を見て嬉しそうに目を細めると、隣に座っている妻の方へと向き直った。
「あなた、こちらの方はどなたなの?」
「内藤さん、こちらは妻の文子だ。」
「内藤千尋と申します。」
「上田、眞琴ちゃんと暫く一緒に遊んでいてくれないか?」
「わかりました。眞琴様、わたくしと一緒に遊びましょう。」
「かあさま・・」
「上田さんの言う事をよく聞きなさい。石田さんとのお話が終わったら、すぐに迎えにいきますからね。」
千尋の言葉を聞いた眞琴は少し不安げな顔をしながらも、上田とともに客間から出て行った。
「わざわざわたくしをここに連れて来たのには、何か訳がおありなのでしょう?」
「ええ。実は眞琴を、わたくしどもに引き取らせていただけないかと思いましてね・・」
「奥様は、それを承諾されたのですか?」
千尋がそう言って石田の妻・文子を見ると、文子は静かに頷いた。
「ええ。あの子とは血が繋がっていませんが、この人の娘ならわたくしの娘と同じことです。どうか千尋さん、眞琴ちゃんをわたくしどもに引き取らせてください。」
「お断りいたします。わたくしは眞琴を実の娘のようにこの三年間育てて参りました。三年前眞琴を捨てた石田様には、あの子を渡すことはできません。」
「僕はあの子の実の父親ですよ!娘を育てる権利が、わたしにはある!」
「権利という言葉を使う前に、父親としての義務を果たされていらっしゃらない方が何を言いますか?」
千尋がそう言って石田を睨むと、彼の隣に座っていた文子が千尋に分厚い封筒を手渡した。
「これはなんですか?」
「眞琴を三年間わたくしどもの代わりに育ててくださった謝礼金です。」
「これは受け取れません。」
千尋はそう言うと、文子に金が入った封筒を突き返し、そのまま客間から出て行った。
眞琴は、上田と居間で遊んでいた。
「眞琴、帰りますよ。」
「はい、かあさま。」
「ご自宅までお送り致します。」
「いえ、結構です。」
石田邸から帰宅した千尋は、歩き疲れて眠ってしまった眞琴をそっと布団に寝かせた後、溜息を吐いた。
「どうした、何かあったのか?」
「旦那様・・」
歳三の顔を見るなり、千尋は涙を流しながら彼に抱きついた。
「千尋、どうしたんだ?」
「実は・・」
千尋はしゃくり上げながら、眞琴の実父に会ったことを歳三に話した。
「そうか、そんな事があったのか・・」
「旦那様、あの人達には絶対に眞琴を渡したくありません。」
「俺もお前ぇと同じ気持ちだ。」


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Last updated  2014年01月20日 15時25分29秒
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「本日の稽古はここまで。」
「せんせい、ありがとうございました。」
眞琴がそう言って光顕に頭を下げると、彼は眞琴の小さな頭を撫でた。
「さてと、稽古が終わったところだし、皆で饅頭でも頂くとするか。」
「では、わたくしがお茶を淹れて参ります。」
先程千尋と眞琴を稽古場まで案内した女中が、そう言って稽古場から出て行った。
「あの方は・・」
「ああ、あの人は鈴香さんといって、先代の頃からうちに仕えている人だよ。」
「そうですか。先生、眞琴のことをどうぞ宜しくお願い致します。」
「こちらこそ、宜しくね。それにしても、眞琴ちゃんは小さいのに礼儀正しい子だ。きっと君の教育が行き届いているからだろうね。」
「まぁ・・」
千尋が光顕の言葉を聞いて照れ臭そうな笑みを口元に浮かべた時、稽古場の戸が開いて一人の女が入ってきた。
年の頃は三十代前半といったところだろうか、艶やかな黒髪はお団子にして鼈甲の簪を挿して纏めており、薄紫色の着物は彼女の美貌を際立たせていた。
「先生、お久しぶりでございます。」
「おや文乃(ふみの)さん、随分早く来たんだね。」
「ええ。」
女はそう言ってしなを作ると、光顕の前に座った。
彼女のしぐさを密かに観察しながら、千尋は彼女が花柳界の人間であることに気づいた。
「そちらの方は、どなたです?」
「ああ、本日からわたしが稽古をつけることになった内藤眞琴さんのお母様だ。
千尋さん、こちらの方は神楽坂の芸者さんで、文乃さんだ。」
「初めまして、内藤千尋と申します。」
「文乃と申します。」
文乃と名乗った女は、そう言うと千尋をじっと見た。
「わたくしの顔に何かついていますか?」
「いいえ。ただ、町人の奥様にしちゃぁ立ち居振る舞いが洗練されているなぁと思いましてねぇ。もしや、旗本か何かの奥様だったとか・・」
「それは、詳しくお教えできません。」
「そうですか。すいませんねぇ、野暮な事を聞いちまって。先生、稽古は昼からお願いしますね。」
「ああ・・」
「それじゃぁ、また来ます。」
文乃はそう言って光顕に頭を下げると、稽古場から出て行った。
「先生は、あの方をご存知なのですか?」
「ああ、文乃とは長い付き合いでね。話せば長くなるかな。」
「そうですか・・」
「先生、お茶がはいりました。」
文乃と入れ違いに、稽古場に茶を載せた盆を持った鈴香が入ってきた。
「では先生、失礼致します。」
「気を付けて帰るんだよ。眞琴ちゃん、またね。」
「せんせい、さようなら!」
千尋と眞琴が光顕の家を出て雑踏の中を歩いていると、突然一台の馬車が二人の前に停まった。
「内藤千尋様ですね?」
「そうですが、あなた様はどなたです?」
馬車から出て来た男を見た千尋が彼にそう尋ねると、男は石田家の執事だと名乗った。
「旦那様が、あなたにお話があると・・申し訳ありませんが、旦那様の為にお時間を割いていただけないでしょうか?」
「・・わかりました。」
千尋はそう言うと、自分を不安そうな顔で見ている眞琴の手をひいて石田家の執事とともに馬車の中に乗り込んだ。
「どちらに行かれるのですか?」
「石田家です。」

執事はそう言うと、窓から顔を出して御者に馬車を出してくれと合図を出した。


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Last updated  2014年01月20日 11時52分18秒
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