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JEWEL

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連載小説:翠の光

2020年07月11日
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カテゴリ:連載小説:翠の光

※BGMと共にお楽しみください。

―なぁ、聞いたか?
―尾上の介錯を荻野がするってさ。

千尋が尾上の介錯をする事は瞬く間に屯所中に広まったが、総司が隊士達ににらみをきかせていたので、今回は何も言われなかった。

「沖田先生、お話しとは何でしょうか?」
「あなたを睨んでいた女の正体がわかりましたよ。」

総司は、千尋に女の正体と、橘家の事件を話した。

「そんな事が・・」
「えぇ、だから・・」

総司は千尋に、ある事を囁いた。

「本日はお忙しいところ、わたくしのような者の為に時間を割いて下さり、ありがとうございます。」
「いいえ、こちらこそ。新選組の土方様がわざわざこちらにいらっしゃるなんて・・」

一方、歳三が華の簪を届けに橘家へと向かうと、彼の姿を見た若い女中達が、少し浮足立った様子でヒソヒソと物陰で何かを話していた。

「華様のお加減は?」
「鈴世お嬢様があんな亡くなり方をされてしまってから・・床に臥せってしまわれて・・」
「そうですか。では、華様にお伝え下さい、お姉様の仇は討ったと。」
「はい、必ずお伝え致します。」

園はそう言うと、歳三に向かって頭を深々と下げた。

「沖田先生、大変です!尾上が、脱走しました!」
「そうですか、では荻野君、後は頼みましたよ。」
「はい。」

新選組を脱走した尾上は、夜陰に紛れて実家がある大津へと向かっていた。
だが―

「何処へ行こうとしているのですか?」

突然土砂降りの雨に遭い、尾上が近くの店の軒先で雨宿りをしていると、そこへ千尋がやって来た。

「ひ、ひぃ!」
「何処へ行こうと、あなたはわたし達から逃げられませんよ?」
「うぁぁ~!」

追い詰められた尾上は闇雲に剣を振り回したが、どの攻撃も千尋には当たらなかった。

「無駄なあがきですね。」
「うわぁ~!」

恐怖に満ちた表情を浮かべた尾上は刀を上段に構えて千尋に向かっていったが、その刃は彼に届く前に尾上は絶命していた。

「良く出来ましたね、見事です。」
「ありがとうございます。」

尾上の返り血を浴びても、千尋は眉ひとつ動かさなかった。

「尾上は荻野に粛清されたんだってな・・」
「あんな綺麗な顔をして、恐ろしい・・」

道場の隅で隊士達がそんな話をしていると、そこへ斎藤がやって来た。

「げ、今日の稽古指導は斎藤先生か・・」
「何だか嫌な予感しかしねぇ・・」
「そこ、私語を慎め!」

斎藤がそう叫んで私語をしている隊士達を叱っていると、そこへ少し慌てた様子で道着姿の千尋がやって来た。

「すいません、遅れました。」
「素振りを千回してから、稽古を始めろ。」
「はい。」

千尋が道場の隅で素振りを始めると、そこへ貴助がやって来た。

「よぉ、昨夜は帰って来るのが遅かったな。本当に尾上を粛清したのかい、あんた?」
「えぇ。彼は闇雲に剣を振るいましたが、その刃はわたしには届きませんでした。」
「・・一度だけでいい、あんたと戦いてぇものだな。」
「わたしもそうしたいですね。」

千尋と貴助がそう言って笑い合っていると、そこへ総司がやって来た。

「二人共、楽しそうですね。何を話していたのですか?」
「いえ、一度荻野と戦ってみたいなと思いまして・・」
「そうですか・・では、今ここでやってみませんか?」
「え?」
「遠慮しないで、こちらへいらっしゃい。」

総司はそう言うと、千尋と貴助を道場の中央へと連れて行った。

「え、あの・・」
「二人共、防具はどうしますか?」
「胴だけでいいです。」
「そうですか、あなたは?」
「俺は全部で!」

千尋が胴だけをつけ、防具一式をつけた貴助と蹲踞(そんきょ)の姿勢で向き合った時、道場中の視線が二人に集まった。

「ねぇ、どっちが勝つのか賭けませんか?」
「趣味が悪いな、あんた。」
「ふふっ。」

総司は赤茶色の瞳を煌めかせながら、二人の勝負の行方を見守った。

先に仕掛けたのは、貴助の方だった。

「ハァッ!」

 気合と共に貴助は千尋の面を狙ったが、その前に千尋が貴助の胴をしたたかに打っていた。

「なかなかやるな、あいつ。」
「でしょう?」
「総司、土方君が呼んでいるよ。少し機嫌が悪いみたいだから、早く行ってあげなさい。」

山南からそう言われた総司が副長室へと向かうと、歳三が仏頂面を浮かべながら何かを読んでいた。

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最終更新日  2020年08月23日 14時54分45秒
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2020年07月08日
カテゴリ:連載小説:翠の光

※BGMと共にお楽しみください。

「姉様、やっと見つけたわ。姉様の心を壊した奴を。」
「それは本当なの、華?」
「えぇ、だから姉様、わたしに任せて。」
女―華は、そう言って姉の手を握った。
「謎の女は、一体何者なんだ?」
「さぁ。でも身なりを見た限り、良家の子女みたいですね。それに、彼女こんな物を落としていきましたよ。」
副長室で総司はそう言うと、女が挿していた簪を歳三に見せた。
「これは?」
「簪に、家紋が彫ってありますよ。」
「そうか。」
歳三は総司から簪を受け取ると、そこに彫られている家紋を見た。
「これは・・」
「知っている家紋なんですか?」
「知っているも何も、こりゃぁ橘家の家紋だ。」
「橘家って、あの旗本の?何でそんな家のお嬢様が荻野君を狙っているんですか?」
「さぁな。明日、俺が橘家にこれを返しに行って来る。」
「わかりました。ところで、尾上さんの処分はどうします?」
「あいつは切腹だ。」
「じゃぁ、介錯(かいしゃく)はわたしがします。」
「いや、あいつの介錯は荻野にやらせる。」
「本気ですか?」
「あぁ。」
「土方さんがそう決めたのなら、わたしは何も言いません。」
総司はそう言うと、副長室から出た。
「沖田さん、お久しぶりです。」
「山崎さん、どうしたんですか?屯所に来るなんて珍しいですね?」
「副長にご報告したい事があってな。副長は?」
「土方さんなら副長室に居ますよ。」
副長室へと向かう山崎を見送り、総司が一番隊を率いて巡察で洛中に出ると、何やら三条小橋の辺りが騒がしかった。
「何かあったのかなぁ?」
「さぁ・・」
やがて、通りの向こうから揃いの羽織を着た男達がやって来た。
「京都見廻組が、何でこんな所に?」
「さぁ・・」
「おや、誰かと思ったら新選組一番隊組長の沖田さんではないですか?」

突然背後から気取った声が聞こえたかと思うと、そこには京都見廻組隊士・佐々木只三郎の姿があった。

「新選組がこんな所に何の用だ?」
「それはこちらの台詞ですよ。」

総司と佐々木の間に、静かな火花が散った。

一方、副長室に呼ばれた千尋は、歳三から尾上の介錯を命じられた。

「わかりました。」

その顔には、迷いがなかった。

「確か、こちらはあなた方の管轄外ではありませんか?あぁ、もしかして橘家絡みの事件とか?」
「・・それを君に話す必要はない。」
「そうですか、では勝手にあなた方についていきますね。」
総司はそう言うと、佐々木達と共に事件現場へと向かった。

現場は総司の読み通り、橘家の母屋から少し離れた蔵の中だった。

「お前・・お前の所為で姉様が!」

総司が佐々木達と共に蔵の中に入ろうとすると、昨日の巡察時に千尋を睨んでいた女がそう叫ぶなり、総司の頬を平手で打った。

「あなたが何故わたし達を憎んでいるのかはわかりませんが、わたしを殴って気が済みましたか?」
「うるさい!」
「そこを退きなさい。」
「わたくしを誰だと思っているの!?」
女が再び総司を殴ろうとしたが、その前に彼女は佐々木に腕を掴まれた。
「落ち着いて下さい、あなたのお姉様のご遺体はこちらで・・」
「さぁお嬢様、あちらへ・・」
泣き喚く女を、使用人と思しき男がそう言って宥め、母屋へと連れて行った。
「あぁ、佐々木様・・あの、そちらの方々は?」
「気にしないでください、勝手について来ただけですので。」
「はぁ・・」
「それで、一体ここで何が起きたのですか?」
「実は・・」
橘家の女中頭・園は、橘家の長女・鈴世の身に起きた悲劇の事を話した。
鈴世には結婚を誓い合った相手が居たが、その相手に騙され、阿片漬けにされた挙句、数人の男達から辱めを受け、ここ数年位は蔵の中に引き籠ってしまっていたのだという。
「もう、鈴世お嬢様は生ける屍のようでございました。鈴世お嬢様は、あそこで・・」
園はそう言うと、震える指先で鈴世が息絶えた場所を指した。
「これは酷い・・」
死体を見慣れている筈の佐々木や総司でさえ、鈴世の遺体は惨いものだった。
彼女は熱湯を頭からかぶり、苦しんで暴れた挙句、懐剣で頸動脈を切って自害したのだ。
生前は美しかったであろう彼女の顔は、醜く焼けただれ、その表情は苦悶に満ちていた。
「鈴世さんを騙した男は、どんな男だったのですか?」
「よくは知りませんが・・新選組の方だったような・・」
「成程・・」
「おい、何処へ行く?」
「屯所に戻るんですよ。鈴世さんをこんな目に遭わせた犯人の目星がつきましたから。」

そう言った総司の赤茶色の瞳には、怒りの炎が宿っていた。

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最終更新日  2020年08月23日 13時45分29秒
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2020年07月03日
カテゴリ:連載小説:翠の光
蔵で千尋が尾上に襲われた事は、瞬く間に屯所中に広がった。

―あれが・・
―絶世の美少年だな・・
―そりゃぁ、手を出したくなるよなぁ・・

時折ヒソヒソと自分が廊下を歩く度に囁かれる隊士達の陰口に、千尋は苛立っていた。
まるで彼らは、千尋に隙があったから襲われたからだと言わんばかりに、千尋に冷たい視線を向けて来る。

「放っておきなさい。言いたい奴には言わせておけばいいのです。」
「沖田先生・・」

朝餉の後、千尋が半分残した朝餉を膳ごと厨へと持って行くと、偶々そこを通りかかった総司がそう言って千尋を励ますかのように彼の肩を優しく叩いた。

「それにしても彼らは随分と暇なようですし、これから色々と指導しなくてはね・・」

口調は穏やかなものだったが、総司の目は全く笑っていなかった。

この人を本気で怒らせては駄目だ―千尋はそう思った。

「おい総司、お前の朝稽古が最近厳しいという苦情が来てるぞ?」
「へぇ、そうですか。」
「へぇ、そうですかじゃねぇだろ!先程隊士の親御さんから苦情の文が来たんだよ!」
「幾ら部屋住まいの商家の次男坊だからって、親に甘やかされていますよ。うちは実戦訓練をしているんですよ。それなのに苦情なんておかしいですよ。」

総司はそう言うと、溜息を吐いた。

「まぁ親ってもんは子供が幾つになっても可愛いものなんだよ。」
「そんなものなんですかねぇ・・まぁ、親の気持ちなんて一生わたしにはわかりませんけど。」
「そうか・・」
「じゃぁわたしはもう失礼しますね。」

総司はそう言うと、巡察へと向かった。

「荻野君、どうしたのですか?」
「いえ・・先程から誰かに見られているような気がして・・気の所為ですね。」
「まぁ、最近は変な輩が多いですからね。用心した方が自分の為になりますよ。」

そう言った総司の目は、千尋を物陰から睨んでいる女に向けられていた。

「荻野君、わたしは用事があるので、君は先に屯所へ戻っていなさい。」
「はい、わかりました・・」

千尋を屯所へと帰した後、総司は千尋をにらんでいる女と対峙した。

「あなたは一体何者なんですか?」
「・・それは、あなたには関係のない事です。」
「大いに関係あるんですよ。荻野君はわたしの部下なのでね。」

総司の言葉を聞いた女は、彼を人気のない場所へと連れていった。

「漸く、話してくれる気になりましたか?」
「甘いわね。」

女はそう言った後、口端を歪めて笑った。

「へぇ・・あなたって、変なお知り合いが多いんですね?」
「この男を始末しなさい。」

女はそう渡世人風の男に命じると、雑踏の中へと消えていった。

「待て!」
「おい兄ちゃん、あんたの相手は俺達やで?」

男達の中から、ぬっと大男が姿を現した。

総司を優男だと侮っていた男達は、無様に地面に転がった。

「見掛け倒しとは、この事を言うのですね。」

総司はそう言った後、屯所へと戻った。

一方、千尋を睨んでいた女は、ある場所へと向かった。
そこは―

「お嬢様、お帰りなさいませ。」
「姉様は?」
「あぁ、鈴世お嬢様は・・」
「まだ、蔵に閉じ込められているのね?」
「はい・・」
「姉様の食事は、わたしが持っていくわ。」
「わかりました・・」

 女は女中の手から姉の食事を受け取ると、姉・鈴世が居る蔵へと向かった。

「姉様、わたしよ。」
「華・・その声は、華なの?」
「そうよ、だからここを開けて頂戴、姉様。」

蔵の扉が開き、病的までに青白い肌をした女が姿を現した。

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最終更新日  2020年08月23日 10時47分11秒
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2016年09月13日
カテゴリ:連載小説:翠の光

芹沢達が長州の者達に暗殺されたことにより、それまで芹沢率いる水戸派と、近藤率いる試衛館派という二つの派閥がなくなり、壬生浪士組から新選組へと名を変えた隊内の淀んだ空気は一気に浄化したようにみえた。

しかし―

「なぁ、聞いたか?尾上達、また脱走を企てたらしいぞ?」
「またかよ・・これで何度目だよ、あいつら。」
稽古の後、千尋が他の隊士達と井戸で身体を洗っていると、脱走を企てて失敗した隊士が蔵に監禁されていることを千尋の近くに居た隊士達が話していた。
「まぁ、厳しい稽古についていけなくて、里に帰りたかったんだろうさ。」
「そんなに脱走したけりゃぁ、はじめから入隊するなって話だよな。」
隊士達はそう言うと、大きな声で笑った。
そんな彼らの会話を聞きながら、千尋は井戸を後にした。
「さっき、あいつらの話を聞いただろう?」
「ええ。原田先生、尾上さんの処分はどうなるのでしょうか?」
「まぁ、脱走を企てたんだから切腹は避けられねぇな。」
原田左之助はそう言うと、千尋を見た。
「何とかして彼を助ける方法はないでしょうか?」
「あるとしても、鬼の副長がそれを聞きいれると思うか?」
原田の問いに、千尋は首を横に振った。
歳三が定めた局中法度には、“局ヲ脱スルヲ不許”という文言が掲げられており、いかなる事情を抱えた者であっても、新選組からの脱走を企てた者は切腹に処するという厳しい掟であった。
「まぁ、こればかりは俺達は何もできねぇよ。」
「そうですね。」
「荻野君、土方さんが呼んでいますよ。」
「はい、わかりました。」
総司に呼ばれ、千尋が副長室に入ると、歳三は相変わらず渋面を浮かべながら文机の前に座って仕事をしていた。
「副長、荻野です。」
「荻野か、そこに座れ。」
「はい。」
「尾上に後で昼餉を持って行ってやれ。」
「わかりました。」
「あいつは少しおかしくなっているから、何かあったら外の監視役を呼ぶんだぞ、いいな?」
「はい・・」
尾上の昼餉を蔵へと運んだ千尋は、蔵の中から不気味な声が聞こえてくることに気づいた。
「尾上さん、そこにいらっしゃいますか?」
千尋が蔵に入ると、尾上は壁に向かってぶつぶつと何かを話していた。
「昼餉、ここに置いておきますね。」
千尋がそう言って尾上の前に昼餉の膳を置くと、突然彼は千尋の手を掴み、千尋を床に押し倒した。
「何をなさいます!」
目を血走らせながら、尾上は口端から涎を垂らして千尋を見ると、彼の着物を脱がそうとした。
「誰か、来てください!」
千尋の声に気づいた監視役の隊士が、慌てて蔵の中に入り、尾上を押さえつけた。
「大丈夫か?」
「はい・・」
「もうここには来ないほうがいい。」
「わかりました。」

蔵から出た千尋は、恐怖で思わずその場にへたり込んでしまった。

人があんなに狂った姿を見たのは、生まれて初めてだった。

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最終更新日  2016年09月16日 10時53分56秒
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2014年07月22日
カテゴリ:連載小説:翠の光
「うわ、急に降ってきやがった。」
「そうですね。さっきまで晴れていたのに、急に降ってきたら洗濯物がなかなか乾かないから困りますね。」
千尋が佐助と洗濯物を取り込みながらそんなことを話していると、彼は何者かの視線を感じて振り向いた。
すると、前川邸の前に一人の女が立ち、じっと千尋達の方を見ていた。
「佐助さん、すいませんが洗濯物の方を宜しくお願いいたします。」
千尋は佐助に洗濯物を任せると、女の元へと走って行った。
「あなた、わたくしに何かご用ですか?」
「別に何も。ただ最近壬生浪士組に入隊してきた異人とのあいの子を見に来ただけさ。」
女はそう言って千尋の顔を覗き込んだ。
「あなただって異人とのあいの子でしょう?」
「それ、誰から聞いたの?」
「そんなこと、あなたには関係ないでしょう。」
「そうだね。わたしはつね。君は?」
「荻野千尋と申します。」
「千尋君ねぇ・・その名前、覚えておくよ。」

女―つねはじろりと千尋を睨むと、雨の中何処かへと消えていった。

「さっきお前、変な女と話していただろう?」
「ええ。」
「もしかしてあいつ、長州の間者じゃねぇの?」
「そうでしょうか?」
「まぁ、間者ならあんなに堂々と姿を見せるわけがねぇな。」

佐助はそう言うと、雨戸を閉めた。

「本当にやるのか、土方さん?」
「ああ。」
「容保公直々のご命令とあっちゃぁ、無視するわけにもいかないからな。」
「そうだな。」
副長室では、近藤達が芹沢鴨暗殺計画について話し合っていた。
「芹沢さん、今夜は沢山飲んでくれ。」
「ふん、下戸の貴様が飲みに誘うなど、珍しい事をするものだな。」
島原の料亭で酒宴を開いた歳三たちは、そこで芹沢達を泥酔させた。
「もうそろそろ寝ただろうな?」
「ああ。」
黒装束に身を包んだ歳三たちは、雨の中芹沢達が寝ている前川邸の中へと入った。
「なぁ、今何か大きな音が聞こえなかったか?」
「気のせいじゃねえか?」
「そうだな。」
大部屋で寝返りを打ちながら、千尋は雨音に混じって男達の怒号や激しい剣戟の音を聞いたような気がした。
翌朝、芹沢鴨たちが昨夜未明に何者かに殺害されたことを千尋達は知った。
「下手人は、恐らく長州の者だと・・」
「まぁ、芹沢さん達は最近色々と恨みを買っていたから、いつかこうなると思っていたんだよな。」
朝餉を食べながら同僚たちがそんな話をしているのを聞きながら、千尋が味噌汁を啜っていると、そこへ総司がやって来た。
「おはようございます、荻野君。」
「おはようございます、沖田先生。」
「昨夜、芹沢先生が何者かに暗殺されたとか・・」
「ええ、そのようですね。」

その時、総司の顔が少し引き攣っていることに千尋は気づいた。

(沖田先生は、芹沢先生が殺されたことについて何か知っている・・)

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最終更新日  2016年01月19日 15時41分34秒
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2014年07月21日
カテゴリ:連載小説:翠の光
「女が壬生寺の境内に?」
「ええ、あの灯篭のところに居りました。」
千尋がそう言って女が立っていた場所を指すと、そこには女の姿は既になかった。
「おかしいな、さっきはあそこに居たのに・・」
「荻野君、女の事は屯所に戻ってから話しましょう。」
「はい、沖田先生・・」

千尋は首を傾げながら、総司とともに洛中へと向かった。

―壬生狼や・・
―早う京から去ね・・

洛中を巡察していると、町民たちの冷たい視線が千尋達を刺した。
浅葱色の山形模様の揃いの羽織を着た彼らは、遠くから見てもかなり目立っていた。
町民たちは、江戸からやって来た田舎侍達に対して悪感情を抱いていた。
「沖田先生、先ほどから視線を感じるのですが・・」
「余り気にしないほうがいいですよ。わたし達は芹沢さんの所為ですっかり京の人々から嫌われていますからねぇ。」
「そうですか・・」
芹沢達水戸派は、最近軍資金集めと偽り、商家から押し借りを繰り返してはその借金を踏み倒していた。
更に、島原の角屋で芸妓の髪を断髪させ、営業停止にさせるなどの暴挙を働いた。
「沖田先生、芹沢局長は最近巡察にも出てきておりませんが、一体どうなさったのでしょうか?」
「芹沢さんは、京の治安を守るよりも、お梅さんと遊んでいる方が楽しいんでしょう。」
総司は嫌悪で顔を歪めながら、吐き捨てる様な口調でそう言うと、千尋に背を向けて再び歩き出した。
芹沢が借金の取り立てに来た商家の妾に乱暴を働き、その女を自分の妾にしたことは千尋達平隊士の間でも周知の事実である。
芹沢は商家から押し借りした金を、お梅という妾の着物代に使っていた。
そのお梅は、芹沢という強力な後ろ盾があるからか、近藤達試衛館派には尊大な態度を取り、彼らからは蛇蝎(だかつ)のごとく嫌われていた。
「土方さん、あの女は芹沢さんの威を借りて好き放題していやがるぜ。」
「そうだよ、あの女と芹沢さん達とどうにかしないと、会津藩が俺達のことを見限るかもしれないぜ?」
副長室にやって来た藤堂平助と永倉新八は、芹沢達の素行の悪さを歳三にぶちまけた。
「平助、新八、お前らは何も心配するんじゃねえ。芹沢さん達のことは、俺と近藤さんが何とかする。」
「何とかするって・・具体的にはどうするんだ?」
「それはまだお前らには話せねぇ。だが、策は考えてある。」
「そうか・・忙しいのに、邪魔をして悪かったな。」
「お前ら、必ず門限までには屯所に戻れよ。」
「わかった。」

歳三は平助達が副長室から出て行くのを見た後、溜息を吐いて書類仕事の手を休めた。

(芹沢さんを、どうにかしねぇとな・・)

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最終更新日  2016年01月19日 15時41分47秒
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カテゴリ:連載小説:翠の光
「貴様、何者だ!?」
「名を名乗るほどのものではないよ。」

女はそう言うと、貴助の顔を覗き込んだ。
淡い褐色の瞳が月光を弾いて金色に輝いた。

美しくも禍々しい色だった。

「桂先生を探っているのか?」
「いいや。お前の飼い主には興味はない。あるのは、お前の潜伏先・・狼どもの巣さ。」
女は淡々とした様子でそう言うと、貴助を見た。
「わたしはあいつらに少し恨みがあってね。報復の機会を狙っていたところなのさ。」
「報復だと?仲間をあいつらに殺されでもしたのか?」
「似たようなものだね。それじゃぁ、縁があったらまた会おう。」
女はクスクスと笑いながら、闇の中へと消えていった。
(薄気味悪い女だったな・・)
貴助がそう思いながら屯所に戻ると、井戸の傍で千尋が顔を洗っていた。
「千尋・・」
「貴助さん、今までどちらに行っていらしたのですか?」
「ちょっと野暮用にね。」
「そうですか。」
「なぁ千尋、お前こそこんな時間に何をしているんだ?」
「暑いので、少しでも涼もうかと思って顔を洗いに来たのです。」
「そうか・・なあ千尋、屯所に戻る途中、変な女に会ったんだ。」
「変な女、ですか?」
「ああ。髪は頭巾を被っていてよくわからなかったが、恐らく異人とのあいの子だな。瞳の色が淡い褐色だった。」
「そうですか。」
「その女は、壬生浪士組に恨みがあるって言っていた。気を付けた方がいいぞ。」
「そうですか、わかりました。」

貴助の言葉に頷いた千尋は、大部屋へと戻った。

翌朝、千尋が台所で朝餉の支度をしていると、そこへ総司がやって来た。

「荻野君、おはようございます。」
「おはようございます。貴助さんから聞きましたが、昨夜副長から怒られたようですね?」
「ええ、浪士たちの遺体を路上に放置してしまったことで、土方さんからきついお叱りを受けました。」
「そうですか。それよりも昨夜、貴助さんから妙な話を聞きました。」
「妙な話、ですか?」
「ええ。何でも、昨夜変な女に会ったとか・・その女は、壬生浪士組に恨みを抱いていると・・」
「そうですか。その女の正体を、監察方に探って貰うことにしましょうかね。」
「有難うございます、宜しくお願いいたします。」
「わかりました。今日も一日頑張りましょう。」
「はい。」
総司は台所から出ると、副長室へと向かった。
「土方さん、失礼します。」
「総司、何の用だ?」
「昨夜、荻野君から聞いた話があるんですけれど・・」
「勿体ぶらずにさっさとその話とやらを俺に聞かせろ!」
苛立った歳三はそう言うと、総司を睨んだ。
「壬生浪士組に恨みを抱いている女が、貴助君の後を昨夜つけていたそうですよ。」
「女か・・」
「もしかして土方さん、その女に心当たりでもあるんですか?」
「うるせぇ!」

総司とともに巡察へ向かう途中、千尋は壬生寺の境内で一人の女こちらの様子を窺っていることに気づいた。

「どうしました、荻野君?」
「さっき、壬生寺の境内に女が・・」

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最終更新日  2016年01月19日 15時41分59秒
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2014年07月20日
カテゴリ:連載小説:翠の光
「笑っていられるのは、今の内だぜ!」

男はそう言って千尋を睨みつけると、彼に向かって突進した。
だが男の刃が千尋の喉元に届く前に、彼は千尋によって斬り伏せられていた。

「わたくしを侮っては困りますね。」
「この、ふざけやがって!」
眼前で仲間を倒された男は、殺意に滾った目で千尋を睨むと、獣のような雄叫びをあげながら千尋に向かってきた。
だが、男の刃が千尋に届く前に、総司が男を一撃で斬り伏せていた。
「荻野君、彼らの後始末は奉行所の方たちにお任せしましょう。」
「ええ。」
千尋と総司は男達の血で汚れた切っ先を懐紙で拭うと、そのまま男達の死体を放置して屯所へと戻った。
「おいおい、待ってくれよ・・」
貴助は二人を慌てて追いかけながら、背後に何者かの視線を感じた。
(何だ、今の?)
「貴助君、どうしたのですか?」
「いえ、何でもありません!」
(気のせいだな。)
貴助は我に返り、千尋と総司の後を追った。
路地裏に、一人の女が佇んでいることに気づかずに。
「総司、さっき奉行所の方から苦情が来たぞ。」
「へぇ、そうですか。」
「そうですか、じゃねぇよ!お前と荻野が騒ぎを起こしたせいで、俺がお前らの尻拭いをする羽目になったんだからな!」
「それはすいませんねぇ。」
「てめぇ、後で副長室に来い!」
「はぁい、わかりました。」
屯所から戻った総司は、歳三から雷を落とされた。
「沖田先生、わたくしの所為でご迷惑をお掛けしてしまって申し訳ありませんでした。」
「荻野君、あなたが謝ることはないですよ。」
総司はそう言って千尋の肩を優しく叩くと、そのまま大広間へと向かった。
「なぁ千尋、さっきはお前、凄かったなぁ。」
夕餉の支度の為に台所に入った千尋は、そこで貴助に話しかけられた。
「ええ。」
「千尋は江戸に居た頃、何処かの道場に通っていたのか?」
「薙刀の道場に通っておりました。」
「へぇ、そうだったのか。」
「貴助さん、何故そのような事をお聞きになるのです?」
「いや、ちょっと興味があってさ・・」
「早く夕餉の支度をしませんと、副長の機嫌が悪くなるばかりですよ。」
「ああ、そうだな・・」
「道場の事は、またあとでお話しいたします。」

千尋はそう言うと、夕餉の膳を持って台所から出て行った。

その日の夜、大部屋を抜け出した貴助は提灯を持って屯所を出て、ある場所へと向かった。

「貴助、来たのか。」
「桂先生、壬生浪士組には大きな動きはありませんでした。」
「そうか。それよりも、あの金髪の少年の事は何かわかったか?」
「あいつは、母親が病で亡くなるまで京に住んでいたそうです。何でも、母親は異人とのあいの子で、祇園で芸妓をしていたとか。」
「報告有難う。お前はもうさがっていい。」
「では、俺はこれで失礼いたします。」
貴助が桂の潜伏先である旅籠から出て屯所へと戻ろうとしたとき、彼は自分を尾行している何者かの気配を感じて振り向いた。
「何者だ?」
「おや、ばれてしまいましたね。」

闇の中でクスクスと笑う誰かの声が聞こえたかと思うと、月明かりに照らされた一人の女が貴助の前に現れた。

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最終更新日  2016年01月19日 15時42分12秒
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2014年07月18日
カテゴリ:連載小説:翠の光
行きつけの茶店で団子を食べながら、千尋は自分の隣に座る貴助を見た。
彼と初めて会ったとき、彼は騒ぎを起こしていた新見を見事な体術で倒した。

「どうしたんだ?俺の顔に何かついているのか?」
「いいえ。あなたと会った時、あなたは見事な体術で新見先生を倒しましたね。その体術は一体どこで学ばれたのですか?」
「自己流さ。それよりも千尋、お前はこの前京で育ったって言ったよな?」
「ええ。母が祇園の芸妓をしておりましたから、わたくしは母が亡くなるまで京の置屋で育ちました。」
「そうか。道理で物腰が穏やかだと思ったぜ。」
貴助はそう言うと、千尋に微笑んだ。
「貴助さんのお国はどちらですか?」
「江戸かな・・正直言うと、俺はいつどこで生まれたのかさえもわからないんだ。」
「まぁ、そうでしたか。要らぬことを聞いてしまいましたね。」
「いや、いいんだ。それよりも、沖田さんは本当に壬生浪士組一の剣の遣い手なのか?女みてぇな顔をしているし、あんな細い身体で剣が握れるのかねぇ?」
「人は見かけによりませんよ。沖田先生は、天然理心流の師範代を務めていらっしゃる方なのですから。」
「天然理心流?聞いたことがない流派だな。」
「何でも、局長が江戸で道場をやっていた時に門下生の方々に教えていらした流派だとか・・詳しいことは余りわかりません。」
「そうか・・」
千尋に沖田総司の事を聞いた貴助だが、彼は余り幹部たちについて詳しくないらしい。
「なぁ千尋、お前を連れて行きたいところがあるんだが、今度お前が非番の時はいつだ?」
「そうですね、明後日あたりです。」
「そうか。」
「わたくしを連れて行きたいところとは、何処なのですか?」
「それはまだ教えるわけにはいかない。楽しみが半減するだろう。」
「それも、そうですね。」
「二人とも、そろそろ屯所に戻りましょうか?」
「ええ。」
総司とともに茶店を後にする千尋の背中を眺めながら、貴助は暫く二人の様子を見ることにした。
はやまった行動をとっては、すぐにこちらの正体がばれてしまう。
そうなれば、桂が自分を間諜として壬生浪士組を潜入させた意味がなくなってしまう。

(桂先生のご迷惑を掛けないように、俺が出来ることをするんだ。)

「貴助さん、どうかなさったのですか?」
「いや、何でもない。」
「夕餉の時間に遅れたら、土方さんに怒られてしまいますよ。」
総司はそう言って貴助に微笑んだ。
その笑みはまるで、菩薩のように優しいものだった。
こんな女みたいな顔をした男が、鬼神のように剣を振るうのだろうか―そんなことを貴助が思ったとき、突然三人の前に人相の悪い数人の男達がやって来た。
「何ですか、あなた方は?」
「壬生浪士組一番隊組長、沖田総司だな?」
「ええ、そうですが・・」
「幕府の犬め、死ね!」
男達は口々にそう叫ぶと、三人に突然斬りかかって来た。
間髪入れず、総司は鯉口を切り、男達の一人を斬り伏せた。
「余り騒ぎは起こしたくないのに・・困った人達ですねぇ。」
そう言って笑う総司の目は、狂気に満ちていた。
「おのれぇ・・」
「囲め、相手は二人だけだ!」
仲間を殺された二人の男達は、総司と千尋を囲んだ。
「これで逃げられねぇだろう?」
「それはどうでしょう?」

千尋はそう言うと、男達を見て笑った。

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最終更新日  2016年01月19日 15時42分26秒
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2014年07月15日
カテゴリ:連載小説:翠の光
「吉田、わたしと話したいこととは何だ?」
「最近江戸からやって来た浪士組とかいう輩が幅を利かせているという話を、聞いているか?」
「ああ。だが、どうやら浪士組は水戸天狗党の残党どもと、百姓崩れの者どもとの間で派閥争いが起きていると、この前わたしが放った間諜から文が来た。」
「仲間割れか・・将軍警護の為に上洛してきたとか聞いたが、奴らの心は一つではないようだな。」
「そうらしい。だが、相手を深く侮っていては、いずれこちらが泣きを見ることになる。吉田、くれぐれもはやまった行動はするなよ。」
「わかった。」
吉田はそう言うと、座布団から立ち上がって部屋から出て行った。
「貴助、お前に頼みたいことがある。」
「頼みたいこと、ですか?」
「ああ。お前が話していた金髪の少年と、親しくなって貰いたい。」
「何故ですか?」
「間諜を浪士組の中に潜ませてはいるが、いつ向こうにこちら側の動きが露見するのかは時間の問題だ。そこでだ、浪士組の隊士と顔見知りのお前が間諜として潜り込めば、向こうも警戒しなくて済むだろう?」
「良い案ですね、桂先生。」
「上手くやってくれよ、貴助。」
「はい。」
貴助はそう言うと、桂に深く頭を下げた。
「この任務、必ずやり遂げてみせます。」
「頼りにしているぞ。」
桂はそっと貴助の肩を叩くと、部屋から出て行った。
翌日、千尋が八木邸の中庭で洗濯物を干していると、そこへ貴助がやって来た。
「よう、また会ったな。」
「貴助さん、お久しぶりです。」
「俺、浪士組に入隊することになったんだ。これから宜しく。」
「こちらこそ、宜しくお願いいたします。」
長州の間諜として壬生浪士組に潜入した貴助は、千尋に親しげに話しかけ、彼の警戒心を解いた。
「これからあんたのこと、千尋って呼んでもいいかい?名字で呼び合うのも、堅苦しいからさ。」
「ええ、構いません。」
「じゃぁ千尋、お前ぇさんは京に来たのは初めてなのかい?」
「いいえ。わたくしは昔、京に住んでおりましたので、少し土地勘があります。」
「へぇ・・俺はまだ江戸から来たばかりで、全然土地勘がないから、よく道に迷うんだよ。」
「沖田先生も、そう仰られます。まぁ、毎日洛中を歩いていれば、慣れてきますよ。」
「そうか。」
「荻野君、ここに居たんですか。おや、そちらの方は?」
縁側から声がしたかと思うと、貴助は自分達の前に黒髪を背中で一括りに結んだ優男がやってくることに気づいた。
「沖田先生、こちらはこの前、洛中でお会いした・・」
「貴助さんですね。初めまして、壬生浪士組一番隊組長の、沖田総司です。」
「改めまして、自己紹介させていただきます。貴助です。」
「名字は何というのですか?」
「実は・・俺は自分の名字を知らないのです。」
「まぁ、そうなのですか。すいません、失礼な事を聞いてしまいましたね。」
「いいえ。名字を知らなくても、俺には貴助という名があるだけで充分ですから。」

貴助はそう言うと、屈託のない笑みを総司に浮かべた。

「貴助さん、これから荻野君と茶店に行こうと思っているのですが、あなたも一緒に如何ですか?」
「お言葉に甘えさせてご一緒させていただきます。」

(こいつが壬生浪士組一の剣の遣い手と言われる、沖田総司か・・そんな風には見えないな。)

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最終更新日  2016年01月19日 15時42分39秒
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