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JEWEL

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進撃の巨人 腐向け二次創作小説:一輪花(完)

2020年04月13日
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「進撃の巨人」の二次創作小説です。

作者様・出版者様とは関係ありません。

二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。

リヴァイが両性具有設定です。苦手な方は閲覧なさらないでください。

「お義父様も、お元気そうで何よりです。」
「奈々さんの事は非常に残念だったが、君達が来てくれた事は、奈々さんが喜んでいるんじゃないかな?」
「そうだと、いいんですか。」

エルヴィンとリヴァイが奈々の焼香を終えて寺を後にしようとした時、奈々の父親がエルヴィンに向かって何かを投げつけた。

「お前の顔なんて二度と見たくない、とっとと消え失せろ!」
「エルヴィン、行こう。」
「あぁ・・」

寺を後にした二人は、その足でリヴァイの実家へと向かった。

「ただいま戻りました、お義母さん。」
「お帰りなさい、エルヴィンさん。あちらの様子はどうだったの?」
「余り歓迎されませんでした・・当然ですよね、彼女を死なせたのはわたしなのですから。」
「それは違うわ、エルヴィンさん。そんなに自分を責めないで。」
「ありがとうございます、お義母さん。梓を預かって貰って助かります。」
「お礼なんて言わなくていいのよ。わたしも孫に会えて嬉しいわ。」

クシェルはそう言うと、エルヴィンに優しく微笑んだ。

「母さん、ここで一人暮らしは大変だろ?うちに来て一緒に暮らさないか?」
「そんな、悪いわよ・・」
「リヴァイの言う通りです、お義母さん。同居だとわたし達も安心ですし、何かあればすぐに対応できます。」
「そうね。ここの家は、一人で住むには広過ぎるわね・・」

クシェルの家からの帰り道、リヴァイはチャイルドシートに座って眠っている梓の頭を撫でた。

「なぁエルヴィン、この前の話、覚えているか?」
「二人目を考えるって話か?」
「あぁ。俺もお前もそんなに若くねぇし、梓に弟妹を作ってやりてぇ。」
「そうだな・・」

 エルヴィンは、梓が可愛がっているキンクマハムスターのコスモが腫瘍を抱えてもう長く生きられない事を知っていた。
 もともとスミス家に迎えられた時から、コスモは既に生後半年を過ぎていたし、ペットショップで粗悪な餌を与えられた所為で、彼の身体にはその毒素が蓄積していったのだと、エルヴィンは獣医からそう言われて、コスモが抱えている苦しみや痛みを代わってやれない悲しさに襲われた。
リヴァイとよく話し合い、エルヴィンはコスモに出来る限りの事をしてあげようと決めた。
コスモの腫瘍は日に日に大きくなっていたが、彼は生きる事を最期まで諦めなかった。

そして彼は、リヴァイ達が見守る中、静かに息を引き取った。

エルヴィンがコスモの遺体を植木鉢を入れ、彼が生前大好きだった向日葵の種と共に埋めた。

「パパ、早く早く~!」
「わかったよ、梓。お願いだからそんなに走らないでくれ。」

植木鉢に埋めた向日葵が咲いて何度目かの夏を迎えた後、エルヴィンは梓と共に近所の公園へ遊びに来ていた。

「ねぇパパ、ママと赤ちゃんはいつ帰ってくるの?」
「それは、パパにはわからないなぁ。」

リヴァイが梓の弟である忍を産んだのは、つい一ヶ月前の事だった。

リヴァイの産後の肥立ちが悪く、彼の体調が回復次第退院する事になっているが、それがいつになるのかはわからない。

「梓、もう帰ろうか?」
「やだ、まだ遊ぶ!」
「おい、余りパパを困らせるんじゃねぇぞ、梓。」

エルヴィンが駄々をこねている梓を必死に宥めていると、そこへ忍を抱いたリヴァイがやって来た。

「ママ、お帰りなさい。」
「ただいま、梓。」

リヴァイは、愛娘に優しく微笑んだ後、エルヴィンの方を見た。

「ただいま、エルヴィン。」
「おかえり、リヴァイ。」

夕陽が照らす中、リヴァイ達は仲良く並んで歩きながら家路を辿った。

(完)

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最終更新日  2020年04月13日 06時20分13秒
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「・・そうか、奈々が・・」

土方から奈々の自殺を知ったエルヴィンは、その日一日中仕事が手につかなかった。

「ただいま・・」
「お帰り、エルヴィン。」

珍しく夜遅くに帰宅した夫の様子がおかしいことに、リヴァイは気づいた。

「何かあったのか、エルヴィン?」
「奈々が自殺した。」
「それは本当か?」
「あぁ。彼女は取り調べの際、こんな事を言っていたらしい・・」

“わたしばかり不公平だわ。昔も今も、幸せになれない。”

「その言葉を聞いた時、奈々が“彼女”だとはじめて気づいた。それなのに、わたしは・・」
「エルヴィン、忘れろ・・昔の事は、みんな忘れるんだ。」

リヴァイはそう言うと、エルヴィンを抱き締めた。

「どれだけ昔の事を悔やんでも、もう時間を巻き戻す事は出来ない。だから、今を生きろ!」
「リヴァイ・・」
「奈々は、もう死んだ。」

リヴァイはそう言うと、エルヴィンの涙を手の甲で拭った。

「もう、昔の事は忘れるんだ。」
「わかった・・」


エルヴィンが浴室でシャワーを浴びている間、リヴァイが洗濯物をベランダから取り込んでいると、エルヴィンのスマートフォンに着信を告げるメロディーが鳴り響いた。

『もしもしエルヴィン、奈々さんが自殺した事は知っているわよね?離婚したからと言っても、あなたにはまだ奈々さんの夫としての責任があるんだから、ちゃんと喪主としての責任を・・』

エルヴィンの母親の声をそれ以上聞きたくなくて、リヴァイはスマートフォンの電源を切った。

「さっき母さんの声が聞こえたんだが、気の所為か?」
「さっき、お前のお袋さんが奈々の葬式の喪主として責任を果たせと、勝手な事を言って来た。」
「そうか・・」
「で、どうするつもりだ?」
「彼女の葬儀には参列するが、すぐに帰って来る。」
「俺も行こう。」
「いいのか。」
「俺はお前の女房だ。一緒に行くに決まってるだろう。」
「ありがとう、リヴァイ。」

翌日、奈々の葬儀にエルヴィンとリヴァイが参列すると、そこにはエルヴィンの両親も来ていた。

「お久しぶりね、リヴァイさん。」
「大変ご無沙汰しております、お義父様、お義母様。」
「元気そうで良かった、リヴァイさん。」

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最終更新日  2020年04月13日 06時19分50秒
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「・・とんだ結婚披露宴になっちまったな。」
「あぁ。」

披露宴の後、エルヴィンとリヴァイは宿泊先のホテルの部屋に入った後、そう言いながら溜息を吐いた。

「奈々はどうして、ここに来たんだ?」
「さぁな。だが、あの女はもう二度と俺達の前には現れないだろうよ。」
「そう願いたいね。」

エルヴィンはそう言うと、リヴァイを抱き締めながら眠りについた。

「彼女の様子はどうだ?」
「変化なしです。相変わらず支離滅裂な事ばかり言っています。」
「そうか・・」

 土方歳三は、何処か暗く淀んだ目で自分を見つめているような奈々の顔を、マジックミラー越しに見た。

「・・わたしばかり不公平だわ。昔も今も、幸せになれないなんて・・」

奈々は、ブツブツとそんな事を言いながら、髪の毛をイライラとした様子でいじった。

(わたしばかり、どうしてこんな目に遭うの?)

そんな事を思いながら奈々が取調室の入口の方を見た時、懐かしい人物がそこに居た。

「彼女と二人きりで話をさせてくれ。」
「はい、わかりました。」


部下が取調室から出て行くのを確認した土方は、奈々の前に腰を下ろした。

「お久しぶりですわね、土方様。」
「あぁ・・確かあんたは、エルヴィン=スミスの許嫁だった女か?」
「えぇ、そうよ。昔(前世)はわたくしとエルヴィン様は結ばれなかったけれど、今度こそ彼と結ばれると思ったわ。それなのに・・わたくしはエルヴィン様に愛されない!どうしてなの!?」
「それは、あんたとエルヴィン様がそういう関係じゃなかったからさ。」

土方の言葉を聞いた奈々―もとい美禰(みね)は激しく嗚咽した。

「あの、今のを調書にどう書けば・・」
「夫と元妻がよりを戻すと知り、嫉妬に狂ってやったとか、適当に書けばいい。前世との関係がどうのこうのとか書いたら、上にはねのけられるに決まってんだろう。」
「そうですね・・」

土方は溜息を吐きながら、取調室で啜り泣く奈々の姿を見た。

前世の記憶に執着し、囚われるという事は、何と愚かで哀れな事だろうか。

奈々が自殺したという報せを土方が聞いたのは、彼女を取り調べてから数日後の事だった。

彼女は隠し持っていたカミソリで、喉を突いて長時間苦しんだ末に、自分の血で窒息して死んだのだった。

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最終更新日  2020年04月13日 00時20分06秒
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「こちらこそお久しぶりです、沖田さん・・あ、今は土方さんでしたね?」
「手術成功と、退院おめでとうございます。結婚式、わたし達も出席しますね。」
「ありがとうございます。」

“沖田総司”こと、土方由美はそう言ってリヴァイに微笑んだ。

「エルヴィン、一体何だ・・この招待客リストの長さは?」
「色々と、わたし達が日頃お世話になっている人達の事を考えて作ったら・・こんな風に長くなってしまった。」
「俺達は芸能人じゃねぇんだぞ?招待客リストをはじめから作り直せ、今すぐにだ!」
「わ、わかった・・」

エルヴィンが慌てて奥の書斎へと戻っていくのを見た由美は、思わず噴き出してしまった。

「どうした、由美?」
「何だか、お二とも昔から変わってないなぁと思って。」
「あ、もうお子さん生まれたんですか?」
「えぇ、元気な女の子です。顔はわたしに似ているんですけれど、性格は土方さん似かなぁ?」
「まだわからねぇだろ?」
「良かった、無事に産まれたんですね、おめでとうございます。」
「ありがとうございます、梓ちゃんは幼稚園ですか?」
「えぇ。何だか、梓とエルヴィンと三人で暮らしている事が、俺はまだ信じられません。」
「それはそうでしょう。前世が波乱万丈だっただけに、今の幸せが実感できないというか・・」
「わかります。」

リヴァイがそんな事を言いながら由美と笑い合っていると、スミス家のハムスター・コスモが巣箱の中から顔を出してあくびした。

「うわぁ、可愛いなぁ~!」
「最初、俺はハムスターなんてネズミと同じだと思っていたんですけどね、毎日世話をしている内にすっかり情が移ってしまいました。」
「わたし達、子どもが出来るまで動物を飼うかどうか迷っていて・・でも結局、動物を飼う前に子どもが出来たからその話はなくなりましたけど。」
「そうですか。動物を飼うのって、意外とお金がかかりますものね。」
「おい総司、もうそろそろ桜を迎えに行く時間じゃねぇのか?」
「本当だ、もうこんな時間!じゃぁリヴァイさん、また会いましょうね。」
「えぇ、また。」

結婚式まで後一ヶ月を切った頃、リヴァイはエルヴィンに連れられて、ドレスショップへと向かった。

「おいエルヴィン、俺は絶対にドレスなんて着ねぇぞ!」
「リヴァイ、お願いだから・・」
「おい、その目はやめろ。」
「梓にお前のドレス姿を見せてやりたいんだ・・」
「わかった、ドレスは着るから、今すぐその目をやめろ、エルヴィン!」

結局、リヴァイはエルヴィンの提案を渋々と呑み、結婚式にドレスを着る事になった。

「お色直しは、白無垢でいこう!」
「あぁ、わかったよ・・」


結婚式当日は、雲ひとつない快晴だった。

「ハンジさん、お久しぶりです!」
「エレン、元気そうで良かった。」

結婚式が行われる予定の教会には、ハンジやエレン、ミカサやナナバ、そしてケニーとクシェルがやって来た。

「ミカサ、今まで辛い思いをさせてしまって、申し訳ないわね。」
「謝らないで、母さん。もう辛くて苦しい日々は終わったのよ。」
「そうね・・」

 ミカサとクシェルがそう言いながら再会を喜び合っている頃、新婦控室では渋面を浮かべているドレス姿のリヴァイが、仁王立ちでハンジと対峙していた。

「おいハンジ、そのデカい箱はなんだ?」
「見てわからない?メイクボックスだよ。」
「てめぇのメイクの腕前が壊滅的なのは知ってる。それ以上近寄ると、俺はあの窓から飛び降りる。」
「やだなぁリヴァイ、あんたにメイクするのはわたしじゃなくて、ナナバだよ。」
「そうか、それなら安心した。」
「まぁ、あんたの人生の晴れの日を台無しにしないよ、わたしは。」
「さてと、早速メイクしていくよ。」

一方、新郎控室では、エルヴィンが友人達に囲まれていた。

「まさかお前が妻子持ちだったなんて、思いもしなかったよ!」
「今まで黙っていて悪かった。」
「まぁ、人嫌いで気難しいお前が選んだ相手なんだから、俺達は受け入れるぜ。」
「ありがとう。」

教会に入って来たリヴァイの美しさに、招待客達は息を呑んだ。

「ママ、綺麗。」
「キレイだねぇ。」

結婚披露宴は、和気あいあいとした雰囲気で行われた。

「何だか、平和過ぎて眠たくなっちゃう・・」

ハンジがそう言ってあくびを噛み殺していると、突然宴会場のドアが開いて、一人の女が入って来た。

「許さない、あんた達だけが幸せになるなんて!」

血走った目でエルヴィンとリヴァイを睨みつけた女―奈々は、包丁を握り締めながら高砂席の方へと突進してきた。
だが、彼女が高砂席へ辿り着く前に、警察官が宴会場に入って来た。

「何をするのよ、離せ~!」

奈々は泣き喚きながら、警察官に連行されていった。






最終更新日  2020年04月13日 00時00分13秒
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2020年04月10日
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 手術室の前で、エルヴィンは梓とリヴァイの手術が終わるのを待っていた。

やがて、手術室からストレッチャーに載せられたリヴァイが出て来た。

「リヴァイ!」
「ママ!」

リヴァイの顔は、何処か蒼褪めていた。

「ハンジ、どうなんだ?」
「手術は上手くいったよ。けれど、出血が酷くてね・・後は本人の生命力に頼るしかない。」
「そうか・・」
「わたし達に出来る事は、リヴァイを信じる事だ。」

ハンジはそう言うと、エルヴィンの肩を叩いた。

「さぁ、これからはゆっくり休んでくれ、エルヴィン。リヴァイの事は、わたし達に任せてくれ。」
「わかった。ありがとう、ハンジ。」

リヴァイは、遠くに見える光に向かって、ただ只管(ひたすら)闇の中を歩いていた。

―人殺し!
―気味の悪い化け物!

遠くから時折礫(つぶて)のように投げつけられる怨嗟の言葉など聞いても立ち止まりもせず、リヴァイは只管歩いていた。

彼が闇に包まれたトンネルを抜けると、眼前には一面の菜の花畑が広がっていた。

―やっと、来たな。

 誰かに肩を叩かれてリヴァイが振り向くと、そこにはもう一人の自分が立っていた。

(どうして俺が、こんな所に?)

―お前はもう、“過去”に縛られなくていいんだ。遠い昔の記憶も、お前が今まで苦しんで来た記憶も、全てここに置いていけ。

(俺は、幸せになってもいいのか?俺は・・)

―全て置いていけ。家族の元へ帰れ。

(わかった。だが、お前はどうするんだ?)

―消えるだけだ。

もう一人の“リヴァイ”は、そう言うとリヴァイの前から消えた。

やがて、リヴァイは全身を白い光に包まれ、気を失った。

「う・・」

リヴァイが目を開けると、そこには病室の白い天井が広がっていた。

「リヴァイ、気がついたんだね?」
「ハンジ・・」
「お帰り、リヴァイ。」

ハンジはそう言ってリヴァイに微笑むと、彼の手を握った。

「リヴァイ、朝食の時間だよ。」
「あぁ。ハンジ、いつも忙しいのに済まねぇな。」
「いいって。でもあんたの生命力と回復力は大したものだね。後遺症もないし、このまま順調に行くと退院は来週に出来そうだ。」
「そうか、それは良かった。」
「じゃぁ、また後でね。」

ハンジが病室から出て行った後、リヴァイは朝食を取りながら、不思議な夢の事を考えていた。

何故、前世の自分自身が出て来たのか―その夢の意味を知りたくて、リヴァイはずっとインターネットで夢の事を調べていたが、何もなかった。
朝食後、リヴァイがインターネットで再び夢の事を調べていると、その途中で某巨大掲示板の記事を見た。

“記者殺しの真犯人、逮捕される!”

リヴァイがマウスでその記事のタイトルをクリックすると、そこには自分達一家を狂わせたあの事件の犯人が緊急逮捕された事が詳しく書かれていた。

―全て置いていけ。

 あの時、夢の中でもう一人の自分が言った言葉の意味は、こういう事だったのかとリヴァイは理解した。

『真犯人逮捕ってことは、A家はもう無罪放免ってこと?』
『それは当然だろ。』
『A家を誹謗中傷した奴ら、今頃震えてるんだろうなw』

手術から一週間が過ぎ、リヴァイの周囲が急に慌ただしくなった。

事件のことで、エルヴィンが手配したインターネット犯罪専門の弁護士がやって来た。

「あなた方を長年誹謗中傷して来た七人の氏名と住所がわかりました。彼らを名誉棄損で訴えようと思いますが、いかがでしょうか?」
「・・徹底的にやってくれ。」
「わかりました。」

弁護士が去った後、病室に入って来たのはケニーとエルヴィンだった。

「よぉリヴァイ、手術成功おめでとう。」
「ケニー、相変わらず元気だな。」
「エルヴィンから聞いたぜ、お前ぇこいつと結婚式を挙げるんだってなぁ?」
「は?俺そんな事何も・・」
「済まないリヴァイ、わたしが勝手に決めてしまった。」
「てめぇ、一体どういうつもりだ?」
「いいじゃねぇか、一生に一度の事なんだからよぉ、パァーっといこうぜ!」

退院したリヴァイは、結婚式の準備と裁判への準備を並行して進める事になり、休む暇なく忙殺される日々を送っていた。

そんな中、スミス家に意外な訪問者がやって来た。

「お久しぶりです、リヴァイさん。」

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最終更新日  2020年04月10日 11時08分26秒
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「ママ~!」
「よぉ梓、元気にしていたか?」
「うん!パパもコスモも元気だよ!」
「コスモ?」
「おばあちゃんと一緒にペットショップに行って、お迎えしたの!」
「そうか・・退院したら俺も会いてぇな・・」
「ママ、いつおうちに帰ってくるの?」
「手術が終わったら、帰ってくる。」
「わかった、それまでパパの言う事を聞いてるね!」
「良い子だ。」

リヴァイはそう言うと、娘の頭を撫でた。

手術は簡単なもので、何も心配は要らないとハンジから説明を受けたが、未だにリヴァイは不安で堪らなかった。
もし手術が失敗してしまったら・・そんな事を考えないようにはしているものの、ベッドに一人横になっているとどうしても悪い事ばかり考えてしまうのだ。

「こんにちは、今日も良いお天気ですね。」

突然、隣の病室から声を掛けられ、リヴァイが窓から視線を外すと、そこにはあの“沖田総司”の姿があった。

「沖田・・さん?」
「もしかして、わたしの事を覚えていてくれたんだぁ、嬉しいなぁ。」

そう言って、“沖田総司”は微笑んだ。

「沖田さんは、いつからここの病院に?」
「半年前かなぁ・・妊娠中に病気が見つかって、出産するまでずっとここに居ます。」
「そうなんですか・・」
「リヴァイさんは、どうしてここに?」
「少し心臓が悪くて、近々手術する予定です。」
「さっきの可愛い子は娘さんですか?」
「えぇ、もう三歳になります。」
「そうですかぁ、わたしね、女の子が欲しいって言ったら、主人に大笑いされたんです。子どもは神様からの授かり物だから、性別関係なく健康でいればいいって言うんです。」
「良いご主人ですね。」
「えぇ、わたしにはもったいないくらい。」

そんな事をリヴァイが“沖田総司”と話していると、そこへ彼女の夫が病室に入って来た。

「今日は随分賑やかだと思ったら、友達が出来たのか。」
「はい。」
「久しぶりだな・・リヴァイ。」
「土方さん・・」

“土方歳三”との思わぬ形での再会に、リヴァイは驚きの余り絶句した。

「・・まさかあなたが、いえ、あなた達が結婚されているなんて思いもしませんでした。」
「まぁ、色々あってな。お前の方も、色々とあるようだな?」
「えぇ、まぁ・・」
「お前の家族が巻き込まれた殺人事件の真犯人の目星がついた。」
「母さんに殺しの濡れ衣を着せた奴の名前を教えて下さい。」
「そいつの名は・・」

“土方歳三”は、リヴァイの耳元であの事件の真犯人の名を告げた。

「後は俺達(警察)の仕事だ。お前は自分の身体を労わってくれ。」
「わかりました・・」


とうとう、リヴァイが手術を受ける日が来た。

「兄さん、大丈夫だからね。」
「ミカサ、俺に何かあった時は・・」
「駄目、そんな事を言っちゃ。兄さんは強い。」
「そうだな・・」
「リヴァイ、行くよ。」
「ハンジ、俺はお前を信じている。」
「・・わたしは、絶対にあんたを死なせないよ。」

ハンジはそう言うと、リヴァイの手を握った。

「リヴァイ、あんたはここで死ぬような男じゃない。わたしに全て委ねて、必ずわたし達の元に戻って来い、いいね?」
「・・わかった。」
「じゃぁ暫く眠って、リヴァイ。」

酸素マスクをつけられ、全身麻酔をかけられたリヴァイは、ゆっくりと両目を閉じた。

「先生、血圧と脈拍、共に安定しています。」
「よし、このまま続けよう。」

ピッピッという電子音のリズムを聞きながら、ハンジはリヴァイの心臓にメスを入れた。

手術は滞りなく進み、ハンジがリヴァイの傷口を縫合しようとした時、血飛沫が彼女の手術着に飛び散った。

「ハンジさん、出血が止まりません!」
「リヴァイ、こんな所で死ぬな!絶対にあんたを死なせない!」

“・・おい、起きろ。”

何処からか、誰かの声が聞こえて来る。

(うるせぇよ、俺はもう休みてぇんだ。)

“まだ休む時じゃねぇだろ。”

リヴァイがゆっくりと目を開けると、目の前には懐かしい光景が浮かんだ。

(ここは・・西本願寺の屯所・・どうして俺は、こんな所に?)

“リヴァイ。”

襖が開き、リヴァイの前に髷を結ったエルヴィンが現れた。

“リヴァイ、前世ではわたし達は結ばれなかったが、今の世ではお前と幸せになりたいんだ。だから、生きてくれ。”

(エルヴィン・・)

エルヴィンに抱き締められ、リヴァイはその温もりを感じ涙を流した。

その時、一筋の光がさした。

その光に向かって、リヴァイはゆっくりと歩いていった。

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最終更新日  2020年04月10日 00時00分13秒
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翌朝、エルヴィンはキッチンで梓と自分の朝食を作っていた。

「梓、おはよう。」
「パパ、おはよう。」

梓に朝食を食べさせ、彼女を幼稚園へと車で送ったエルヴィンは、一人の保護者に声を掛けられた。

「失礼ですが、もしかしてあなたは・・」
「はじめまして、梓の父親です。」
「まぁ・・」

その保護者は、矢代麗と名乗った。

「折角ここでお知り合いになったところですから、一緒にお茶でも・・」
「申し訳ありません、急いでいるので・・」
「あら、そうですか・・」

麗は少し残念そうな様子で、他のママ友達と共に幼稚園を後にした。

「母さん、梓の荷物を取りに来た。」
「わかったわ。」

エルヴィンが幼稚園から実家へと向かうと、母はどこか気まずい様子で彼を家へ上げた。

梓の荷物は、梓が寝ていた部屋に置かれていた。

「ねぇエルヴィン、奈々さんとは本当に別れるの?」
「あぁ。」
「昨日あんな事があった後、奈々さんのご両親から連絡があってね・・奈々さんが自殺未遂を・・」
「俺の気をひく為だろう。」
「それにしても、奈々さんはいつもあんなヒステリーを起こすの?」
「あぁ。結婚してから、奈々は俺が仕事で帰りが遅くなると、浮気を疑ってヒステリーを起こしていた。もう彼女に振り回されるのは嫌なんだ。」
「そう、わかったわ。奈々さんとは今、冷静に話し合える状態じゃないし・・エルヴィン、あなたが住んでいるマンション、ペットは飼えるわよね?」
「あぁ、うちはペット可だけれど・・それがどうかしたの?」
「ちょっと待ってて。」

そう言って一旦部屋を出た母は、ハムスターのケージを持って部屋に戻って来た。

「この子は?」
「梓ちゃん、ずっとハムスター飼いたいって思っていたんだけれど、中々リヴァイさんに言えなかったんですって。だからわたしがこの前ペットショップで一緒に選んでお迎えしたのよ。」

母の説明を聞きながら、エルヴィンは白い床材の中から顔を出したキンクマハムスターを見た。

「わたしの所に置いて世話をしたいけれど、奈々さんがいつここを襲って来るかわからないし、あなたに預けた方が安全だと思って・・」
「わかったよ、母さん。」

梓の荷物と、ハムスターのケージ、そして飼育本などのハムスターの飼育用品一式を車の後部座席に詰めて実家から帰宅したエルヴィンは、巣箱の中で眠っているハムスターに向かって話しかけた。

「これから、よろしくな。」

 エルヴィンが梓と暮らし始めてから一週間が過ぎた頃、奈々の両親がやって来た。

「奈々とは別れてくれ、エルヴィン君。」
「わかりました。」

「正直言って、奈々が君に執着するなんて思いもしなかったよ。一度、あの子を精神科で診て貰おうと思う。」
「そうですか・・」
「エルヴィン君、今まで娘が迷惑を掛けて済まなかったね。」
「いいえ。」
「梓ちゃんは、元気にしているの?」
「はい。」
「そう・・これからわたし達は奈々に寄り添っていこうと思います。」

玄関先で奈々の両親を見送った後、エルヴィンは深い溜息を吐いた。

彼らはああ言ってくれていたが、奈々がいつ自宅や実家を襲うのかわからないので、まだ気が抜けない。

「パパ。」
「梓、どうした?」
「あずさ、ここに居てもいいの?」
「いいよ。」
「コスモちゃんも?」
「あぁ、居てもいいよ。」

梓と暮らし始めてから、エルヴィンは仕事を定時で帰宅できるよう調整したり、休日は梓と一日中過ごすようにした。
 そんな中でわかったのは、育児と仕事の両立の難しさだった。
働きながら育児をする父親たちの一番の障害は、育児休暇を父親が取得する事や、育児をする為の時短勤務に対する職場の無理解さだった。
エルヴィンの上司は、妻が専業主婦であるのが当たり前の時代で、ひたすら仕事に没頭してきた世代だった。
しかし、“男は仕事、女は家事・育児”という性的役割を重視していた時代はとうに終わりを告げ、今や離婚や同性婚、ひとり親など当たり前になっており、結婚に対する意識や価値観も多様化してきている。
そんな時代に逆行しているかのような会社の体質を変える為、エルヴィンは社長にある提案をした。

「社内託児所の設置?」
「はい、そうです。子供を預けて働こうにも、預ける所がない。預け先が決まっても、自宅や職場との移動時間がかかり、負担がかかる。社内に託児所があれば、仕事のコストパフォーマンスも上がり、働く親達のストレスが減るのではないでしょうか?」
「良い考えだと思うんだが、前例がないねぇ・・」
「前例がないなのなら作ればいいのです!」

その日の夜、エルヴィンがキンクマハムスター・コスモのケージの掃除をしていると、ハンジがやって来た。

「ふぅん、あんたが社内託児所の設置をねぇ。以前のあんたなら、“育児は全て自己責任”で冷たく突き放してたのに、随分変わったねぇ。」
「梓と一緒に暮らしてみて、育児の大変さを知ったよ。子供は大人の都合を完全無視で、どれだけ仕事や家事が忙しくても、子供を優先しなければならない。こんな大変な事を、リヴァイは一人でやっていたんだな・・」
「そのリヴァイだけどね、手術の日程が決まったよ。」
「そうか・・それは良かった。」

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最終更新日  2020年03月30日 21時24分20秒
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2020年03月27日
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 リヴァイの電話を受けてすぐ、エルヴィンはその足で実家へと向かった。

「母さん、梓は何処だ!」
「梓ちゃんなら、寝室で休んでいるわよ。」
「梓をリヴァイから奪ったのか?」
「あら、違うわよ。リヴァイさんが暫く入院して身動きが取れないから暫くお世話を・・」
「母さん、リヴァイから電話があった。」
「あの人ったら、余計な事をして・・」
「どうして梓をリヴァイから、母親から引き離すなんて正気じゃない!」
「あの子を犯罪者の子にしたくないからよ!」
「母さん・・」
「あの人に育児は向かないわ。それん、片親の子なんて梓ちゃんが可哀想・・」
「母さんは何も知らないから、そんな事が言えるんだ!」
「やめて、大声出さないで!」
「梓は返して貰う。」
「駄目よ。」
「母さん、一体何を企んでいるんだ?」
「何も企んでなんかいませんよ。孫を預かるだけよ。」

これ以上母には何を言っても無駄だと思ったエルヴィンは、そのまま実家を後にした。

(これから、どうすればいいんだ?)

何日か仕事が忙しく、エルヴィンは中々実家へ帰る事が出来なかった。

その所為でエルヴィンは仕事に集中出来ずミスを連発してしまい、上司から叱責を受けた。

「スミス部長、一体どうしたんですか?」
「いや、ちょっとね・・」

エルヴィンが昼休みにコンビニ弁当を食べていると、そこへやたらと自分に話しかけてくる女子社員がやって来た。

「聞きましたよ、部長。奥様と離婚調停中なんですってね?」
「何処からその話を?」
「奥様が昨日ここにいらして、引っ越す事になったから挨拶に来たとかで・・」
「そうか。」
「あ、下のロビーにお母様がお見えになってますよ。」
「母が!?」

エルヴィンが下のロビーへ向かうと、ソファには母と梓の姿があった。

「母さん、どうしてここに?」
「梓ちゃんが、あなたに会いたいって聞かないのよ。」
「パパ~!」

母の膝上に座っていた梓は、エルヴィンの顔を見るなりエルヴィンに抱き着いて来た。

「ねぇ、あなたお昼まだでしょ?外で一緒に食べに行きましょうよ!」
「母さん・・」

母に半ば強引に連れられ、エルヴィンは都内某所にある中華レストランへと向かった。

そこには、奈々と彼女の両親の姿があった。

「少し遅くなってしまいましたかしら?」
「いいえ、こちらも来たところですから。」
「母さん、これは一体どういう事なんだ?」
「昨夜話していたでしょう。梓ちゃんをうちで引き取るって。詳しい話は、食事をしながらでも・・」
「母さん、奈々とは別れると言っているだろう!どうして勝手な事を言うんだ!」
「エルヴィン、落ち着きなさい!」
「あなた、やっぱりわたしを捨てて、あの人とよりを戻すつもりなんでしょう!」
「もう君とは一緒に暮らしたくない、それだけだ!」
「何よ~!」

奈々はそう言って、近くにあった皿をエルヴィンに向かって投げつけた。

「もうわたしはこれで失礼する。」

エルヴィンが個室から出た後、中から皿が割れる音と奈々のヒステリックな声、そして母と彼女の両親の悲鳴が聞こえて来た。

「あの人達の食事代はわたしが払います。」

エルヴィンは店への迷惑料を兼ねて、奈々達の食事代を払った後、店から出て行った。
仕事を終え、エルヴィンが帰宅した後、自宅の固定電話の留守電メッセージが十四件も入っており、それらは皆、母からだった。
母のヒステリックな声を聞きたくなくて、エルヴィンは浴室に入ってシャワーを浴びた。
シャワーから出てエルヴィンが腰にバスタオル一枚だけを巻いた姿で浴室から出ると、今度は玄関チャイムが鳴った。
こんな時間に誰だろう―エルヴィンがそう思いながらインターフォンの画面を覗き込むと、そこには誰も居なかった。

(気の所為か・・)

そう思いながらエルヴィンが髪を乾かしに脱衣所へと戻ろうとした時、玄関チャイムが再び鳴った。

『パパ・・』

インターフォンの画面越しに聞こえて来たのは、愛娘の声だった。

「梓、どうしてここがわかったんだい?」
「お祖母ちゃんが、パパの住所を教えてくれた。」
「そうか・・」

何故こんな時間に、一人で梓が自宅へやって来た理由はわからないが、エルヴィンは彼女を放っておくわけにはいかず、彼女を家に上げた。

「パパ、今夜はパパと一緒に寝てもいい?」
「いいよ。梓、良く一人でパパの所まで来られたね、偉いねぇ。」
「ねぇパパ、あずさは要らない子なの?」
「どうして、そんな事を・・」
「ママがそう言ってた。」
「何て事だ・・」

大人達の罵り合いを、梓はどんな顔で聞いていたのだろうか。

「梓は要らない子なんかじゃないよ。」

エルヴィンの言葉を聞いた梓は、彼の隣で眠った。

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最終更新日  2020年03月27日 21時50分14秒
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2020年03月16日
「進撃の巨人」の二次創作小説です。

作者様・出版者様とは関係ありません。

二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。

リヴァイが両性具有設定です。苦手な方は閲覧なさらないでください。

“純喫茶・シーナ”を後にしたエルヴィンは、適当に外で食事を済ませ、帰宅した後、ハンジから病院で渡されたリヴァイの育児日記に目を通した。

“最近、貧血と吐き気が酷くて病院へ行ったら、おめでとうございますと医者から言われた。”

リヴァイの震える字の下に、胎児のエコー写真が貼られていた。
小さい黒点の上に矢印で『エルヴィンと俺の子』とリヴァイの字で書かれていた。

“悪阻が酷くて何も出来ねぇ。食欲はあるが、食べ物の臭いを嗅いだだけでも吐いちまう。”

“腹の子は順調に育っている。医者から性別は女だと言われた。エルヴィン(父親)に似るといいな。”

“どうやら腹の子は俺に似てお転婆になりそうだ。胎動が激しすぎて寝られやしねぇ。”

“ハンジに励まされながら、エルヴィンそっくりの女の子を産んだ。良かった、あいつに似て。眉毛は俺に少し似ている。”

リヴァイの育児日記を読んだ後、エルヴィンは自然と涙を流していた。

(リヴァイ、君に今すぐ会いたい・・)

エルヴィンがリヴァイの育児日記を閉じた後、突然玄関のチャイムが鳴った。

(こんな時間に、一体誰だ?)

エルヴィンがそう思いながらインターフォンの画面を覗くと、そこには昼に会ったケニーが映っていた。

『よぉ、ちょっと中で話さねぇか?』
「・・わかりました。」

エルヴィンがケニーを部屋の中へと招き入れると、彼は少し疲れたような顔をしながらソファに座った。

「何かあったのですか?」
「あぁ。」

ケニーはそう言うと、ある物をエルヴィンに見せた。

それは、今日発売されたばかりの週刊誌だった。

「ここに、お前とリヴァイとの事が書いてある。」
「何だって!?」

エルヴィンがケニーの手から週刊誌をひったくると、その記事に目を通した。

そこには、何処から入手したのか、中学時代のリヴァイの写真が載っていた。

「どうして、こんなものが・・」
「クシェルが殺した記者の知り合いが、俺達への復讐を始めたんだ。」
「復讐?一体何の為に?」
「それをお前に話そうと思ったんだよ。」

ケニーは、深い溜息を吐いた後、ズボンのポケットからICレコーダーを取り出した。

「これは?」
「クシェルが起こした事件の目撃証言がここに入っている。」

エルヴィンがICレコーダーの再生ボタンを押すと、若い男の声が流れた。

『・・事件の日、わたしは現場の近くで友人と飲みに行っていました。友人達と別れた後、誰かが言い争う声が聴こえて来たので、声が聞こえて来た方へと向かうと、地面に倒れている男性を見ました。その男性の他に、人は居ませんでした。』
「この目撃証言は、嘘だ。こいつは、金を貰って証言を偽った。」
「誰が目撃者に金を渡したんです?」
「この記事を書いた村瀬って奴だ。村瀬は、あの事件の真犯人に頼まれて、俺達に殺しの濡れ衣を着せた。その真犯人は、こいつだ。」

ケニーはそう言うと、エルヴィンに一枚の写真を見せた。

そこに写っていた人物は、ある大物政治家の息子だった。

「こいつは、親の権力を笠に着て、数々の悪事を重ねた奴だ。クシェルに付きまとっていた奴は、あの記者じゃなくてこいつだ。」
「ケニーさん、話しが全く解らないのですが・・」
「あの記者殺しの事件、俺もクシェルもあいつを殺しちゃいねぇ。」
「もし彼が・・この写真に写っている青年があの事件の犯人だとしたら、その事をどう証明するんですか?」
「俺は、色々と情報通の知り合いが多くてな。今、こいつがした悪事の証拠を探している最中だ。何かわかったら、連絡するよ。」
「そうですか。」
「この事は、リヴァイには内緒だぜ。」
「・・わかりました。」

ケニーが部屋から出て行った後、エルヴィンは一気に疲れが押し寄せて来て、そのままソファで着替えもせずに寝てしまった。

「・・もう、朝か・・」

エルヴィンはそう言って眠い目を擦りながらソファから起き上がると、浴室でシャワーを浴びた。

今日は久しぶりの休みで、エルヴィンは平日の昼間にソファに寝転がりながらテレビを見ていた。

夕食の時間になろうとした時、エルヴィンの元に突然母親がやって来た。

「母さん、急に来るなんてどうしたんだ?」
「エルヴィン、梓ちゃんをうちで引き取りましょう!」
「母さん、梓の事をどこから聞いたの?」
「奈々さんから聞いたのよ。昨日、奈々さんと奈々さんのご両親と話し合って来たの。不妊治療は諦めて梓ちゃんをうちで引き取ろうって。リヴァイさんの所より、うちの方が・・」
「やめてくれ、母さん!」
「エルヴィン、子供を諦めろと直接奈々さんに言えるの?奈々さんならきっと梓ちゃんの良い母親に・・」
「もう、奈々とは暮らせない。愛のない結婚なんて、するんじゃなかった・・」
「エルヴィン、離婚なんて絶対に認めませんからね!」

母親は言いたい事だけ言うと、部屋から出て行ってしまった。

翌日、エルヴィンがいつものようにオフィスで仕事をしていると、机に備え付けられた電話が鳴り出した。

「もしもし・・」
『エルヴィン、梓をどこへやった!』
「リヴァイ?」
『梓を・・娘を返せ!』

リヴァイの言葉を聞いたエルヴィンは、自分が恐れていた事が起きた事に気づいた。

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最終更新日  2020年03月16日 19時21分17秒
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2020年03月09日

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「進撃の巨人」の二次創作小説です。

作者様・出版者様とは関係ありません。

二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。

リヴァイが両性具有設定です。苦手な方は閲覧なさらないでください。

クシェルは、未婚のままリヴァイとミカサを産んだ所為で、故郷の村人達から迫害を受けた。

だが、それは新興宗教団体の代表・宇佐見が現れた事により、終わりを告げた。

「クシェルさん、あなた達は今まで、村人達から酷い目に遭わされて来たんでしょう?」
「えぇ・・」
「今の時代、未婚の母など珍しくも何ともないというのに、彼らの脳は江戸時代から退化したまま止まっている。」

ある日、クシェルは村内会の集まりに出た時、宇佐見と会った。

彼は髪と髭を長く伸ばし、白の上下のトレーナー姿だった。

「あなたはこのまま、黙って村人達からの嫌がらせに耐えるおつもりですか?」
「わたしは、近々この村を離れます・・」
「村人達を、懲らしめてやりたいと思いませんか?」
「・・えぇ。」
「わかりました。」

宇佐見はそう言って笑うと、その場から去っていった。

その後、あの秋祭りの惨劇が起きた。

上京した後にそれを知ったクシェルは、宇佐見とのやり取りを思い出し、暫く震えが止まらなかった。
上京後、クシェルは昼のスーパーで、夜はスナックで働き、リヴァイ達を育てた。
独身時代にスナックで働いていたクシェルは、長年のブランクなどものともせず夜の世界でたちまちトップに君臨した。

そんな中、クシェルの元に一人の男がやって来た。

「わたし、こういう者です。」

そう言って男は、クシェルに一枚の名刺を見せた。

“週刊スクープ 石川”

「実は、葡萄酒毒殺事件の真相を探っていましてね。あなた、あの宇佐見とは生前親しかったようですね?」
「ただの、ご近所さんでした、彼とは・・」
「また来ます。」

その後、石川は何度も店に来ては、クシェルにしつこく付きまとった。

「あいつ、また来ていますね。追い払いましょうか?」
「えぇ、お願い。」

クシェルはママに事情を説明し、店を辞めた。
これで恐怖は終わると思っていた。

だが―

「また、お会いしましたね。」

スーパーのパートを終え、クシェルが店の裏口から出て来た時、彼女を待ち伏せしていた石川がクシェルの前に現れた。

「やめて、離して!」
「お話を聞くだけでもいいじゃないですか~」

石川はそう言いながら、クシェルを人気のない倉庫の中へと引き摺り込もうとした。

「やめて!」

クシェルは近くに置いてあった鉄パイプで石川の頭を殴った。


「あ・・」

地面に倒れた石川が動かないのを見たクシェルは、その場から暫く動く事が出来なかった。

「おいクシェル、そこで何してんだ?」
「兄さん・・」

ケニーは、地面に倒れたまま動かない石川と、鉄パイプを握り締めて蒼褪めている妹を交互に見た後、瞬時に状況を把握した。

「こいつは、俺が殺した。」
「兄さん?」

ケニーは妹から鉄パイプを奪うと、そこについていた指紋を綺麗に拭い取った。

「誰か、お前ぇとその男が揉めているのを見た奴は居ないな?」
「えぇ、居ないわ。」
「そうか。いいかクシェル、お前は誰も殺していねぇ。わかったな?」
「わかったわ、兄さん。」

こうしてケニーは、妹の罪を被り刑務所で服役した。

「何てことだ・・」

全てが真実ならば、リヴァイ達はどうなってしまうのだろう?

「ハンジ、頼みたい事があるんだ。」

翌日、エルヴィンは休みを取って、ある場所へと向かった。

そこは、飲み屋街の一角ある雑居ビルの二階にある、“純喫茶 シーナ”だった。

「いらっしゃい。」

エルヴィンが店の中に入ると、そこは何処か20世紀初頭の欧州を思わせるかのようなレトロな雰囲気で、椅子やティーカップはアンティークのようだった。

「ご注文は?」
「コーヒーを。」
「かしこまりました。」

暫くエルヴィンがコーヒーを飲みながら読書をしていると、テンガロンハットを被ったマスターと思しき男が店に入って来た。

「クソ、今日は2万負けたぜ。たく、パチンコはなんかするもんじゃねぇな。」
「馬鹿ですか、あなた?それよりもマスター、あなたに客です。」
「あん?」
「ケニー=アッカーマンさんですね?わたしはエルヴィン=スミスと申します。」
「エルヴィン?あぁ、リヴァイの別れた旦那か。一体俺に何の用だ?」
「・・あなたが起こした事件の事を、お聞きしたくて・・」
「おい、店を“準備中”にしておけ。」
「わかりました。」
「俺に何の用だ?」

リヴァイの伯父・ケニーは、そう言って溜息を吐いた。

「クシェルさんの・・妹さんの手紙を読みました。」
「そうか。なら、話が早ぇな。」
ケニーはそう言って笑うと、テンガロンハットを脱いだ。
「あの事件は、俺がやった。それだけだ。」
「嘘を吐くのは、妹さんの為ですか?」
「あぁ、そうさ。それ以外に何があるっていうんだ?」
ケニーはそう言うと、ソファから立ち上がった。
「話はもう済んだから、“準備中”の札を外せ。」
「わかりました。」
「コーヒー代は俺の奢りだ。わかったんなら帰りな。」
「失礼します。」

エルヴィンは、何の収穫も得られずに、“純喫茶 シーナ”を後にした。

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最終更新日  2020年03月09日 00時00分21秒
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