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JEWEL

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薄桜鬼 腐向け二次創作小説:鬼嫁物語

2020年08月02日
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※BGMと共にお楽しみください。

「薄桜鬼」の二次創作小説です。

制作会社様とは関係ありません。

二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。

「どうして、あいつだけ・・」
「朔様・・」
「いつも、あいつは僕から大切なものを奪っていく。どうして、どうして!」
「朔様、落ち着いて下さい。わたしは、いつでもあなた様のお傍におります。」
「お願い桜馬、ずっと僕の傍に居て。」
「はい、朔様。」
桜馬は泣きじゃくる朔の黒髪を優しく梳いた。
「父上、俺はまだ結婚など考えておりません。どうか先方に断りの返事を・・」
「歳三、一度だけ会ってみるだけでもいいでしょう?」
「わかった・・」

一方、風間家では次期当主の千景が、天霧から縁談の事を聞いて、少し不機嫌そうな顔をした。

「縁談だと?そのような話、父上からは一度も聞いてはおらぬか?」
「千景様、これはもう決まった事です。」
「そうか。父上が決めたのなら仕方ない。一度相手に会ってみるとするか・・」

千景はそう言うと、口端を歪めて笑った。

「トシ、義父上から聞いたぞ、お前の縁談話。」
「そうか。でも安心しろよ、勝っちゃん。俺はまだ嫁には行かねぇから!」
「そうか、それを聞いて安心したよ。」

勇はそう言った後、屈託のない笑みを浮かべた。

「土方さんは、大人しく武家の奥様が務まる訳がありませんもんね。」
「おい宗次郎、そりゃ一体どういう意味だ?」
「え、僕何も言ってませんけど?」
「てめぇ・・」
「あ、僕女将さんに用事を言いつけられているんでもう行きますね。」
「テメェ、待ちやがれ!」

歳三は慌てて総司を追い掛けたが、彼は何処かへ行ってしまった後だった。

「畜生、宗次郎の奴、帰ってきたらタダじゃおかねぇ!」
「まぁそんなに怒るな、トシ。宗次郎はあいつなりにお前の事を心配しているんだよ。」
「そうか?」
「あいつは素直じゃないからなぁ。」

試衛館で稽古を終えた歳三は、久しぶりに練武館へと向かった。

「トシさん、久しぶり!」
「八郎、元気そうだな。」

歳三は自分に子犬のようにじゃれついて来る伊庭八郎にそう言った後、優しく微笑んだ。
そんな二人を、一人の青年がうらやましそうに見ていた。

「弥助、どうした?」
「いいえ、何でもありません。」

「土方様、わたしと付き合ってください、お願いします!」
「・・悪ぃがそれは出来ねぇな。」

八郎と稽古した後、歳三は練武館の中庭で門下生の一人に呼び出され、そこで彼から突然告白された。
今まで歳三は女から数え切れない程告白されたが、男から告白されたのは初めてだった。
歳三の返事を聞いた門下生―弥助は、不服そうに唇を尖らせた。

「何故です?」
「何でって、俺ぁ男と付き合う趣味はねぇからだよ。」
「・・若先生を手玉に取って弄んでいる癖に。」
「は?」

歳三がそう言って弥助の方を見ると、彼の姿は既にそこにはなかった。

(何だったんだ、ありゃぁ・・)

「トシさん、どうしたの?」
「なぁ、俺弥助に何かしたのか?」
道場に戻った歳三は、中庭での事を八郎に話すと、彼は腹を抱えて笑った。
「弥助は僕の事を尊敬しているから、彼からしてみればトシさんは僕を惑わして弄んでいる魔性の女にしか見えないんじゃないかなぁ?」
「魔性の女って・・俺ぁ、男だぞ!?」
「まぁ、あんまり彼の言う事は気にしない方がいいよ。」

そう言いながらも八郎はまだ笑っていた。

(魔性の女ってなんだ・・弥助の目には俺がどう映っているんだ?)

練武館から多摩へ帰る道すがら、歳三がモヤモヤしながら江戸の街を歩いていると、突然向こうから馬のいななきと人々の悲鳴が聞こえて来た。

「暴れ馬だ!」
「逃げろ!」

歳三が我に返ると、目の前に暴れ馬が迫っていた。

「危ない!」

歳三の背後で男の声が聞こえて来たかと思うと、急に彼の身体が軽くなった。

(な、何だ?)

歳三が閉じていた目を開けると、そこには眩いばかりの金髪を揺らしながら、真紅の瞳で自分を見つめている青年の姿があった。
彼は目敏く歳三の擦り剝けた右手の甲の血を舐めると、こう言った。

「お前の血は、甘いな。」

そして間髪入れずに青年は歳三の唇を塞いだ。

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最終更新日  2020年08月06日 06時22分38秒
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2020年07月20日

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「薄桜鬼」の二次創作小説です。

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土方家の女中・しずは、互いに再会と無事を喜び合う歳三達を見ながら、ある部屋へと向かった。

そこは、土方家の母屋から少し離れた所にあった。

「朔様、しずです。」
「入って。」
「失礼致します。」

しずが部屋に入ると、部屋の主は箏を弾いていた。

「例の件は、上手くいったの?」
「いえ、それが・・」
「ふぅん・・」

しずの言葉を聞いた“少女”は、箏を弾くのを止めて、ゆっくりとしずの方を振り向いた。

その顔は、歳三と同じ顔をしていた。

「本当に、お前は使えないね。」
「も、申し訳ございません・・」
「お前の顔はもう見たくない。」
「はい・・」

しずが慌てて部屋から出て行った後、彼女と入れ違いに一人の青年が部屋に入って来た。

「随分とご機嫌斜めですね?」
「お前か、桜馬(おうま)。いつも僕が不機嫌な時、お前はこうして来てくれるね。」
「あなた様にお仕えして何年経っていると思っていらっしゃるのです?」

土方家の使用人・桜馬は、そう言うと主の黒髪を優しく梳いた。

 彼は、双子の弟・朔である。

頑健な歳三とは対照的に、朔は生まれつき病弱で、実母による恵津の元から離れ、乳母であるたまの手によって育てられた。

同じ顔をしていながらも、歳三と朔の性格は全く正反対だった。

勝ち気で負けず嫌いな性格の歳三とは違い、朔は争い事を嫌う物静かな性格である。

朔はいつしか、自分と違って多くの友人に恵まれている歳三を羨み、憎むようになった。

(あいつなんて、居なくなってしまえばいいのに。)

朔はしずに金子を渡し、歳三を女郎屋へと売り飛ばすよう命じたが、彼女は失敗した。

「朔様、これを買って参りましたよ、一緒に食べましょう。」
「柏餅だね、そんな季節か。」

朔はそう言うと、桜馬の手から柏餅をひとつ手に取ると、それを頬張った。

「あぁ、美味しい。」
「朔様は、本当に甘い物がお好きなのですね。」
「甘味はどれも好きだけど、僕は柏餅が一等好きな菓子なんだ。」

「トシ、誕生日おめでとう。」
「どうしたんだ、勝っちゃん?」

歳三がいつものように神社の境内で遊んでいると、勇はそう言って、彼に赤い櫛を手渡した。

「これは?」
「近くの小間物屋で売っていたから、つい・・それに、お前が赤が好きだと思い出してな・・」
「そうか、ありがとう・・」

歳三は、そう言うと頬を赤く染めながら、勇から櫛を受け取った。

「どれ、俺が髪に挿してやろう。」
「いいよ、そんな・・」
「恥ずかしがるなよ・・」

勇はそう言うと、歳三の髪に櫛を挿した。

「やっぱり、この櫛はトシの黒髪に映えるな。」
「そ、そうか?」

そんな二人の姿を、朔は遠巻きに見ていた。

(兄さん、あなたは狡い・・どうして、あなたばかり欲しい物を手に入れて・・)

「朔様、こんな所にいらっしゃったのですか?」
「桜馬、お前はいつも僕を見つけてくれるね。」
「さぁ、もう帰りましょうか。」
「うん。」

時は経ち、歳三と朔はそれぞれ元服の年を迎えた。

「二人共、もうそんな年になったのね・・」
「あぁ、そうだな・・」

隼人はそう言うと、中庭に植えられた遅咲きの梅を見つめた。
その梅は、歳三と朔が生まれた年に植えられたものだった。

「二人共、仲良くなってくれればいいですね・・」
「あぁ。」
「旦那様、失礼致します。風間様がお見えになられました。」
「・・そうか、今行く。」

歳三はその日の夜、朔と共に母屋へと向かった。

「父上、母上、参りました。」
「歳三、朔、元服おめでとう。今日ここにお前達を呼んだのは、大切な話があるからだ。」
「大切な話、ですか?」
「あぁ・・実は、風間家から縁談が来た。」
「風間家から、ですか?」
「先方は、歳三と朔のどちらかを嫁がせろと言って来たが・・風間家の千景様は、歳三を我妻にと望んでいる。」
「それは本当ですか、父上?」
「あぁ。」
「そうですか・・」

父の言葉を聞いた朔は、そのまま離れへと戻った。

「朔様!」

桜馬が慌てて主の後を追うと、彼は静かに涙を流していた。

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最終更新日  2020年07月20日 14時30分54秒
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2020年07月12日

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「土方さん、何処ですか~?」
「どうした総司、またトシを探しているのか?」
「はい。土方さんは、いつも隠れるのが得意なんだから、参っちゃうなぁ。」
いつものように神社の境内で勇と総司、歳三が隠れ鬼をやっていると、二人はいつの間にか歳三が居なくなったことに気づいた。
「ねぇ近藤さん、どうします?もしかして、土方さん、人攫(さら)いに・・」
「トシに限って、そんな事はない。とりあえず、トシが行きそうな場所へ行ってみよう。」
「はい!」
二人が歳三を捜し回っている頃、当の本人は女郎屋の中にある部屋に監禁されていた。

(どこだ、ここ・・)

勇達と神社で遊んでいた時、歳三は突然背後から忍び寄って来た謎の男に気絶させられ、目が覚めるとこの部屋に監禁されたのだ。
物音も人の話す声も全く聞こえない中、歳三が部屋の窓から逃げ出そうとした時、一人の女が部屋に入って来た。
女は煙管を咥えながら歳三を見ると、開口一番こう言った。

「あたしゃ今までここに売られてきた子を見て来たが、こんなに綺麗な子は見た事がないねぇ。さ、良く顔を見せておくれ。」
「俺に触るな!」
「ふん、強情な子だね。あんたはここに売られて来たんだ、もっとしおらしくしな。」
「おい婆、ここから出せ!」
「それは出来ないね。あんたはここで死ぬまで働くんだ、いいね?」
「うるせぇ、婆!」

歳三はそう叫ぶと、女に強烈な頭突きを喰らわせ、女が怯んだ隙に女郎屋から飛び出していった。

「誰か、その子を捕まえとくれ!」
背後から女の叫び声が聞こえたが、歳三は只管家まで走った。
一方、日野では村人総出で歳三を捜していた。
「トシ、どこだ~!」
「居るんだったら返事しろ~!」
すっかり日も暮れ、村人達は松明を掲げながら歳三の姿を捜していた。
「トシ、トシ~!」
「近藤さん、今日は諦めましょうよ。もう日が暮れましたし、このままだと僕達も人攫いにかどかわされちゃいますよ。」
「あぁ、そうだな・・」
勇がそう言って歳三の捜索を打ち切ろうとした時、遠くから歳三の声が聞こえて来たような気がした。
「どうしたんですか、近藤さん?」
「今、トシの声が・・」
「気の所為なんじゃないんですか?」
「いや、さっき・・」
勇が、声が聞こえた方へと松明を向けると、闇の中から歳三の姿が浮かび上がった。
「勝っちゃん!」
「トシ、一体何処へ行っていたんだ!?」
「わからねぇ・・気が付いたら女郎屋に居た。そこから何とか逃げて、吉原からここまで走って来た。」
「そうか。トシ、お前が無事に帰って来てくれて良かった。」
「心配かけて済まなかったな、勝っちゃん。」
歳三と勇が抱き合っていると、そこへ歳三の父・隼人がやって来た。
「歳三、無事で良かった。さぁ、家へ帰ろう。」
「はい、父上。」
歳三が父と手を繋ぎながら土方家へと戻ると、そこには歳三の帰りを待っていた兄姉達の姿があった。
「トシ、何処に行っていたのよ、心配したんだから!」
「迷惑かけて、ごめんなさい。」

そんな歳三達の様子を、一人の女中が恨めしそうな表情を浮かべながら見ていた。

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最終更新日  2020年07月12日 22時34分20秒
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